文句雑音知ったことかと、独り悦に入って弾ききるエゴの強さこそが、観客を沸かせ評価される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
団体戦勝者が自滅していく流れが、表現行為の難しさを上手く浮き彫りにしていて、残酷ながら面白かった。
団体戦の雪は、他人の音を聞いて聞きすぎない、いいバランスで弾けてたんだろうなぁ…。
というわけで、大地丙太郎コンテでところどころ、コミカルな崩し顔も混ざる今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
『ザ・シンエイ動画!』て感じの、ちとオールドスクールな表現が時折見えるの、このアニメの好きなポイントなんだよね…。
まぁそういう所で息を抜かないと、個人戦は業のぶつかり合いがドロッと重すぎる感じもある。
まずは盤外戦っつうことで、神木流師範が息子を…松吾郎の音を求めて因縁バトルにリング・イン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
親父の名を永遠に刻むために、デカい箱用意する梅子もそうだが、松吾郎は枯れた顔して他人の人生狂わせ過ぎだと思う。
でも朱利ちゃんのお婆ちゃんみたいに、救われた人も沢山いるんだろうなぁ…。
業深い生き物に挟まれて苦悩する若菜ちゃんが行っていたように、流弦は芸事の鬼である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
欲しいのはあくまで”松吾郎の音”であって、雪本人ではない。
この代用主義は、田沼兄妹への扱いにも透けているように思う。とにかく、親として血の通った関係を子供と作れないし、作ろうともしない。
ここら辺、別れた梅子とマジそっくりで、父母両方から”子”として扱われていない雪が、なんとも可哀想である。若菜ちゃんがいてくれて良かった…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
松吾郎を敬愛しつつも、そのコピーであることに、誰かに求められる自分だけの音を生み出せないことに苦悩する雪。
その突破口が、この個人戦…血の繋がらない兄弟とのぶつかり合いで見えてくんのかなー、という予感はする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
有象無象を視野に入れない総一にとっても、雪のましろのおとだけが、自分の内側に入りうる特別になる…と面白いが、さてどうなるか。
もう一人の修羅、神木清流先生も遂に顔を出し、因縁とエゴがグツグツ煮込まれる個人戦の開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
神木流若手のホープなのに、師範に”松吾郎の音”求められてる清流先生も、いい面の皮だよな…。
巨大な才能が生み出す重力と、その結果生まれる歪みが随所に見えて、結構好きだな個人戦。
主役以外もそういうぶつかり合いの只中にいて、個人戦では振るわなかった荒川くんは水を得た魚、存分にトゥイントゥインと刷り上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
その奔放な音と、遠くで輝く暗黒星…田沼総一の存在が梶くんを焦らせ、強く吹かせていく。
他人の音を全く聞かないものと、聞きすぎるものの対比。
梶くんは良い耳を持ってて、だから合奏では勝てた。各員の個性を聞き分け、合わせ、引き上げる調和の演奏は彼の強みだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
しかし仲間という壁を引っ剥がされると、その耳が仇になる。他人の個性が頭に残りすぎて、どっしり構えて弾けなくなってしまう。
早々に舞台袖…他人の音が流れ込んでくる場所に座った雪に、梶くんは驚く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
図太い自分がないことに悩んでいる彼にとって、それは想像し得ない振る舞いだからだ。
しかし今の雪に、他人の音は届いていない。
自分に松吾郎を重ねる親たち。不思議な存在感を見せる兄弟。
それを振りちぎって、勝てる音。
誰もいない雪渓に佇むような、強い自己洞察とエゴが、今の雪の中には満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
揺れない、という意味では強いんだろうが、他人の音を全く聞かないと生まれるのは、荒川くんの演奏である。
パチパチと、苦笑い混じりで拍手してた清流先生からすると『若いなぁ…』って感じなのかな。
最高に楽しんでいる様子は少年の身の丈をはみ出し、観客席を沸かせ巻き込むけども、コンクールという観点からは評価が分かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
俺は間違ってない。
揺るぎない信念…あるいは妄想は鎧となり壁となり、荒川くんを現地点に閉じ込めてしまっている。
自分に満足すれば、そこが身の丈。
梶くんはそこから身を乗り出そうと、燃え盛る焦燥と嫉妬に突き動かされて、合奏のときの澄ました顔を捨てる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
慣れない激情のバチは乱れを呼び、張り詰めた糸が切れる。
挑戦は時にリスクを生むが、この惨敗を彼がどう受け止めるかが大事なのだろう。
ジジイは挑んだこと、偉いと思うけどな…。
梶くんと荒川くん、演奏者の対比も興味深かったが、個人的には指導者の書き方が大変面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
荒川くんの先生は、彼の現時点に魅せられ、荒れ狂うエゴの暴走を評価してしまう。『もっと他人の音を聞け』という指導ができない。
これは、荒川くんの不幸だと個人的には思う。
対して梶くんは、欠点をしっかり指摘し、それを乗り越える道筋を立ててくれる師匠がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
『もっと自分の音を奏でろ』という指導が、暴走にも見える挑戦へと繋がった。
悦に閉じこもった魅力的な停滞と、必死にあがいて切れた弦。
どっちが良いのかは、なかなか判別が付ききらない。
ただ演奏者として、人間としてより善い未来に繋がるのは、梶くんの演奏だと僕は感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
それは子供個人ではなく、周囲を取り巻く人たちの働きかけで変わってくるものだなぁ、と思わされた。
導くべき存在に魅入られると、もう正すのは難しいよなぁ…”指導”の難しいところだなコレ。
そういう意味では、やっぱ清流先生は良い指導者なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
閉じやすい雪の視界を実力でこじ開け、足りないものを教える。プライドを潰さないように、自分独りでは届かない高みの景色を見せる。
別に善意で関わってるわけじゃないが、結果として雪が変わる契機を、しっかり手渡している。
ブツンと千切れた決意を、結び直して新たに挑めるか。切れたまま終わってしまうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
ステージを降りた後の、梶くんの去来は気になる。
山風の如く荒く苦しい演奏を聞かされた聴衆は、『楽しそう~』とは思わなかっただろう。
弦の緩みは奏者の緩み、未熟が顕になった一曲を、審査員は評価しないだろう
だがそれでも、師の言葉を真摯に受け取り、大舞台で自分の気持ちに素直に挑戦した梶くんは偉いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
他人の声をよく拾う彼の耳が、その尊さを称える声を素直に聞き受け、この敗地から立ち上がって弾き直す力に変えてくれると、僕は嬉しい。
荒川くんは究極のオナニー野郎なんだが、突き抜けた結果しっかり”芸”になって、観客を引き込んでる描写も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
まぁ、才と華ってのはそういうもんである。
聴衆の方を一切見ていなかろうが、自分を突き動かす”楽しい”が極まってくると、見ている側を強制的に巻き込むことがある。
それが結構希少な奇跡なのだと、荒川くんも少し壁を崩して見てくれると、もっと面白い奏者になりそうだが…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
調和の団体戦と、我執の個人戦。
その違いを鮮烈に、残酷に教えてくるスタートとなりました。
やっぱ業がメラリと燃えてくると、演奏に色がついてガゼン面白いと感じるなぁ。
雪は”勝てる演奏”に悩んでたけど、これはコンクールで点数取れる演奏というより、ゴチャゴチャ妄執を叩きつけてくる全てを振りちぎって、自分らしく真正に弾ききれる演奏なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
それには他人の音に耳を傾けて、自分の音の輪郭を探っていく作業が、絶対に必要になるだろう。
桜ちゃんへの応対見ても、他人のあるがままを心に入れる素直さ、余裕のある子なんだが、なにぶん不器用ではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
個人戦に舞い踊る色んな感情をまとめ上げ、純白の世界を濁さず飾る、鮮やかな彩りに出来れば良いなぁ…と思うが、それにしちゃ家の事情が濁ってんだよな。マジ大変だな…。
バツンと絶たれた挑戦の始末も気になるし、それに雪がどう反応・変化するかも楽しみです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月5日
やっぱ情念の楽器として三味線を描くアニメだと思ってみてるから、個人個人のエゴにクローズアップしてくると、物語が肌に食い込んでくる感覚が強くなる。次回も楽しみですね。