トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
山に河に、夏目前のトロピカる部は元気ハツラツ!
でもローラはどこかアンニュイな気配を漂わせ、時折姿をくらませていた。
心の水影に揺れ、自身鮮明ではない人魚の夢。
何かを捨て、何かを得る人の世の道理は、果たしてそれも縛るのか。
そんな感じの、ロラ山変身前夜である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
大変良かった。
大地コンテが効いてる所なのか、全体的な呼吸と間合いが独特でありながら効果的で、少女たちの輝く青春、そこに明滅する陰りがよく見えた。
ローラの悩みにクローズアップしていくパートが目立つが、日常の描写がとてもいい。
SDでアイス食ったり弁当食ったり、山登ったり海行ったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
トピ部がどんだけ仲良く毎日過ごしてるか、結構じっくり見せてくれたのはありがたかった。
こういう生活の香気が満ちると、なにが大きな決断の土台になってるのかよく解っていい感じだ。
ローラが魔女の裏切りを飲まない理由。来週プリキュアになる理由。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
それは今回描かれていた、まなつ達とのとても静かで、でも麗しい日々にある。
あの当たり前の青春を共有するから、ローラは何かを犠牲にして何かを得る道を、新しく掴んだ両足で蹴り飛ばしていくのだろう。
ペディキュアに惹かれ、しかし尾びれで足踏みし、そこになんの屈託もなくまなつが一緒にマニキュアを塗る描写が、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
なんというかな…一個一個手びねりで、少女たちが身を置く時間の手触り、そこで共有される思いを届けてくれるように、かなり頑張ってアニメ作ってくれた感じがした。
トピ部は優しい奴らなので、ローラの影にはすぐ気付く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
そんな気持ちのいい奴らだからこそ、過去を聞かなくても仲良くなれたことが、ローラの足取りを追う枷にもなるのが、ちょっと面白い陰影だった。
まー根掘り葉掘り過去聞かなくても、人間の一番大事な部分はガッチリ握ってっから大丈夫なんだが。
超絶KUSOAMAとしてあおぞら市に上陸し、人間を野望の道具と扱っていたローラ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
彼女自身、自分がどう変わって何を求めているかはいまいち不鮮明なのだと思う。
一緒にいるのに、同じ景色を完全には味わえない寂しさ。アンデルセンの童話のように、両の足を手に入れればそれは埋まるのだろうか?
そんな疑問にみのりん先輩が寄り添い、自分なりの言葉を添える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
読書で培った想像力を人間関係にも延長して、『ローラはこの悩みを、勝手に喋られたくないのかも』と抱えていた所に、表情わかりにくい彼女の繊細な心が見えて、僕は好きだ。
ロラみの、かなり”強い”よな…。
夢は対価を要求する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
そんな法則は海には無いらしく、ローラは童話に刻まれた残酷に結構なショックを受ける。
これは『足も声も両方掴むんじゃーい! マーメイド・ダイバーシティ・キック!!』と蹴っ飛ばすための前フリだとは思うが、一つの真理…と思い込まれているものではある。
まなつが『今、本当にやりたいことを!』というモットーを背負うように、人魚のローラは人魚のまま人でもあるという欲張りを、何も譲らず掴み取る理想を、彼女の真ん中に据えるのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
それは何かと強欲で、背筋を伸ばして生きてる彼女に相応しい。
ただ答えにたどり着くまでには疑問が必要で、誘惑も間違いなくある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
久々にやる気出したあとまわしの魔女が、クラシックな”魔女と人魚”の構図を再演するのは、ローラが抱えた思いを影の側から鮮明にする、良い働きかけだった。
やっぱシャドウが仕事すると、主役の立ち位置も鮮明になるわな。
久々にあとまわし一家にフォーカスされたけど、職場の雰囲気は良い、相談して分析して的確に急所を抜く能力もあると、相変わらず優秀な連中だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
これでやる気まであるとあっという間に目的完遂大勝利なので、やる気ない敵役だからこその造形なのかもしれねぇ。デバフで縛らんと強すぎる。
エルダちゃんが職業:子供を自称してたところが、ナチュラルロリータではない疑惑が更に強まりワクワクであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
英雄であることを志した時、英雄への道が閉ざされるように、子供である特権を自覚的にぶん回した瞬間に、子供でいられる時間は終わりなんだよエルダちゃん…。
サブタイにある”魔女の罠!”が超物理でひとしきり笑うが、アクアポッドのSOSをトピ部が受け取り、深い水底…ローラの故郷に近い場所にプリキュアが潜っていく絵は、ファンタジックで良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
館長さんがその前に、科学的視座からの海洋ロマンを語ってるのも良い。
もしかしたら、広い海の底には本当に夢の国があるかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
想像力の物語でもあるトロプリで、かなりデカい分岐点になるだろう今回、そういうロマンに主役たちが身を浸すのは、なんか良いな、と思った。
ローラが陸に上がれるように、プリキュアも海を進める。
それは分断されながらも出会い、触れ合って近づいた運命がけして、海からの片思いではない可能性を示唆している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
ローラが人に憧れたように、プリキュアも人魚に憧れることが出来る。息を阻む水を自在に泳いで、夢に近づいていく権利がある。
急に出てきた水中呼吸設定には、そんな輝きがあった。
声と尾びれ…他の何者でもなく人魚である私を捨てて、人に変質していく行為に付きまとうヤダ味は、人間は憧れられる優越種であり、人魚は水から見上げることしか出来ないという、不均衡な権力勾配にあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
でも、人たるプリキュアが”変身”することで、人魚に…ローラ的な存在に近づけるのなら。
ローラも”変身”することで人間に…まなつ達に親しい存在に接近するのは、公平な行為になりうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
ローラを追うことで、そういう可能性が見えてきたのは結構良いな、と思う。
ハンディ背負った異邦人の片恋じゃ、あんまりにも切なすぎる所だったからな…。
ローラの人間羨望が、”人間”っていうデカい存在ではなく、あくまでまなつ達体温のある存在ともっと近づきたいという、凄い血肉のある感情土台に動いてんのが、僕は好きなんよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
”人間”は信用できないし、道具でしか無い。
そう思ってた少女は、顔があり触れ合える個人を通じて、人に憧れた。
体験に学んで、固定観念を素直に投げ捨てて自分を新たに出来るのは、沢山あるローラの良いところ、その一つだと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
プライドは高いんだが、そこに固執しないつうか、新しい体験で矜持を刷新してく努力は怠んないのよね、あの子。
だから”人魚姫”も、自分の目で読もうとするわけで。
そんな彼女が魔女に突きつけられた、自分の中の黒い羨望。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
ここで魔女が半ば断定的に、人間への憧れエグッてんの、なんか理由あんのかなー、って感じ。
敵対構造薄めに、のどかな学園大事に回してるトロプリだが、後半は敵さんの事情も掘ってくんかなー。
そこら辺も気になりつつ、兎にも角にも次回、キュアラメール爆誕です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月13日
アクアもマリンもマーメイドももういるので、初の人魚キュアもかなり迂回したネーミングになったな…。
犠牲抜きに、夢には近づけない。
そんなルールを、誇りと友情で蹴っ飛ばす物語を期待したい。次回も楽しみ