オッドタクシーを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
海底から這い上がってきたサプライズが、ミステリーキッスの秘密を暴く。
それでも守りたい夢、すがりたい野望にしがみついて、二階堂ルイは会見に臨む。
世はクリスマス。
奇跡の日に街を行く銀行強盗、脅迫者、悪党。
ゴミクズ達の決戦が始まる。
そんな感じの真相炸裂ッ! 『ええ~っ!?』と『なるほど~』がぶっ続くオッドタクシー第11話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
そーだよなーぁ…仮面つけてんだから入れ替わりトリック、一番最初に疑わなきゃいけないよなぁ…綺麗にハメられて、大変嬉しい。なるほどな~。
つーわけで、『三ツ矢ユキは二人いた』っていう事実とその裏側にある真実と感情が、二階堂の独白で見えてくるAパート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
第4話の田中と同じく、ザラついた質感のモノローグが張り詰めてた内面を語り、秘密を納得で埋めていく。
田中は運命に翻弄されて理由なくキレたが、二階堂は理由がありすぎる。
顔が抜群に良くて、それ以外何も持ち得ないと自覚している二階堂が狙いを定めた、喝采願望の発揮しどころ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
アイドル稼業はしかし、彼女に沢山の負けを教えていく。
うだつの上がらない芸人に弄られる、ドブさらいの木っ端仕事。
否応なく教えられる、才能と生まれの違い。
かつてのアイキャッチと同じ構図で、立ち位置が違う『三ツ矢のいるミステリーキッス』の絵面が、おぞましいほどに鮮烈で残酷だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
彼女の死体を解体して以来、二階堂はもう座れない。
(画像は"オッドタクシー"第11話より引用)https://t.co/DH6GudQDds pic.twitter.com/p32LeYivPs
本当のエース、芸事の英才。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
妬みつつも憧れた星。
そういう存在と一緒に、アイドル頑張ってもいいかなと、青春物語のようなことを公園でアイス頬張りながら思えた日もあった。
生来の牙を他人と自分に突き立てるのではなく、運命を食い破るために正しく使える予感はしかし、残酷に破綻していく。
プロデューサーの鶴の声、湧き上がる殺意、明けた扉の奥に死体。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
『誰が三ツ矢を殺したのか』という疑問は残りつつ、ミステリーキッスがヤノに強請られていた背景が、血生臭く浮かび上がってくる。
死体損壊、事実の隠蔽。殺しちゃいないが、後戻りはできない。
仮面と嘘で塗り固めても、ドライブレコーダーと小戸川の特異な知覚には真実が残る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
何よりも、血腥い嘘を抱えたまま走る肉食系女子の心が持たない。
誰よりも強く、誰よりも高く。
そう願えばこそ、新センターを殺したいと願い、仲間の輝きを信じていた。
今の二階堂はもうへたり込まない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
それは後戻りできない道に突き進んでしまった故の強さであり、自分の手で海に沈めた三ツ矢の在り方を、嘘にしないための強迫行動にも見える。
『夢見たって良いじゃないかよォ!』と吠えた柿花を、餌食にした美人局アイドルも、夢見た日々があった。
しかしそれは、もう戻ってこない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
山本が死体の隠蔽をヤノに頼んだのも、嘘に嘘を重ねて三ツ矢消失の事実を消したのも、前回小戸川の首を絞めたのと同じ、夢に狂ったからこその判断なのだろう。
負けてる、間違ってると何処かで判りつつ、後戻りなんて出来ない。
キラキラ綺麗な夢物語を、最後まで演じたいと血まみれですがるその手が、果たして何を掴むのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
クリスマスの決着に、また一枚人生カードが追加される。
…海未ちゃんと彼方ちゃんと栞子ちゃんにこの立ち位置やらせてんの、まじエグいな。凛ちゃんもいるし。
実質ラブライブッ!(やけっぱちの絶叫)
熱狂的ファンである今井くんが、入れ替わりに気づかなかったのも哀しいし、そこに『二階堂ルイ推しだから他メン目に入ってない』という説明がつくのも、なんとも寂しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
狂うほどに誰かを求めているようで、確かなものを誰も見ていない。そんなすれ違いは、夢売稼業でも同じなのだ。
ここに来て呑楽師匠が、死せる少女の親として表舞台でデカい役割持ちはじめて、『芸人と裏稼業の繋がり』っていう現代の闇を、別の角度から照らしてくんのも凄い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
つうかヤノ、組長の親友の娘をその手で解体して海に沈めた形なので、死ぬほどヤバくないか?
まぁクリスマスに踊る役者全員、火種は持ってるから今更ではあるか…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
ホモサピエンスは解散直前のまま敗者復活戦だし、田中は銃持ったまま街を放浪、10億を巡る攻防戦はあまりに複雑怪奇に絡み合っている。
浮かび上がった三ツ矢の死体は車のルートを変え、山本を強奪計画から遠ざける。
事前に示されたとおりには、けして転がっていかない人生劇場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
大門弟とは電話繋がらないし、兄はやな感じの接触小戸川にキメてくるし、何処も彼処もキナ臭い。
それぞれの鉄火場が、”クリスマス”っつう浮かれた祝祭に一気に決着するのが、クライマックス感マシマシで大変良い。
二階堂の救いになってくれそうなのんきな馬場が、成功と腐れ縁ないまぜにして上から相棒殴ってるのが、時の流れの残酷さを見せつけ苦しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
『あの日に戻れたら』と思っているのは、二階堂だけでなくその彼氏も同じかも知れない。
でも、時はさかしまには戻らないのだ。
様々な因縁を乗せて加速していく街を、行き交う複数の車。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
剛力だけはその熱狂から少し離れて、地道に資料をたぐり人を訪ねて、小戸川の真実を探っていく。
医師ではなくただ、親友として。
そう吠える彼の一本気は、今は眩しくありがたい。
心中の記憶を封じ込め、リハビリを経て生き延びてきた小戸川の”症状”とはなにか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
作中最大の仕掛けが遂に暴かれそうで、非常にハラハラする。
秘密を窃視するドキドキと言うよりも、小戸川の傷と、そこに寄り添う人たちがなんとか報われて欲しいという、祈りに似た期待感が近いか。
Aパートの二階堂の物語にしても、皆悪党になりたくてなったわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
自分の中の獣をどうにか飼いならして、綺麗な夢を掴みたいと願い、上手くいきそうな気配もあった。
だがそれが、運命と欲望の火花によって燃え落ちていく。そんな物語で、この街は一杯である。
可愛い動物の仮面の奥に、ありったけの生臭さと”今”の空気を詰め込んできた物語も、残り二話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
少しは笑える結末が見たいけど、そんなハッピーエンドが簡単には訪れない厳しさ、それでも希望を夢見てしまう人の性と、だからこそ堕ちていく業が、安易な祈りを妨げる。
”あの日”に戻れるタイムマシンを無くした者たちは、キャロル流れる街を必死に突っ走る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
奇妙で、欠けてて、だからこそ満たされる瞬間を求めるODD達。
三ツ矢が欠けて以来、二階堂はずっとODDなのだろうな。
馬場くんも、彼女の安らぎたり得ても、牙を収める鞘にはなれない。番は何処にもいないのだ。
次回サブタイトルの”たりないふたり”は、山里と若林の漫才ユニット名であり、Creepy NutsのファーストEP…そのタイトルソングでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
漫才とラップ、2つの話芸を強くフィーチャーしたこのアニメが汲み取るべき文脈を完全に回収した、良いサブタイだと思うhttps://t.co/vAB55l5C14
ODDは足りない一つが二つに満たされようとする時に生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
対にならないなら、SOLOでもSINGLEでも良い。欠けてる何かを求め、奇妙で歪んだ自分を承知で、それでも満たされる夢を見たいからこそ『たりないふたり』は街を駆けるのだ。
その先に待つのは、破滅か未来か。次回も楽しみ。
つうか大門兄弟も、強い経緯で結ばれた双子っつーODDになり得ないものだからこそ、最終的にはODDに別れて終わるんだろうなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月15日
この二人の決着も、聖夜の人生舞台をを彩る業のイルミネーション。
ギラギラ燃えて、回りを燻ぶらせて、落ちてく先は…誰にもわからない。
だから、面白い。