バクテン!! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
困難を乗り越え、アオ校男子新体操部は地区大会を舞い切った。
果たして、インターハイ進出は為るのか。
焦る心を抱えながら、翔太郎は病院へ向かう。
泣いて、笑って、必死に翔んだ。
昨日までの努力に感謝し明日を夢見る旅は、まだまだ終わらない。
さぁ、明日へ!
そんな感じの地区大会終了! 待ってろIH劇場版ッ!! な、バクテン”TV版”最終回である。劇場版まじ嬉しいッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
お話としては一話まるまるエピローグというか、全国大会への状況整理というか、あまり派手なことが置きない落ち着いた運び。
実際、前回の演技がテンション最高潮だった感じはある。
しかし落ち着いた筆致だからこそ、アオ校が歩んできた道、翔んでいく空はしっかり描かれ、じんわりと情感の染みるいい最終回となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
ここまで来て、ここから行く。
12話の道のりを一歩一歩、丁寧に確認させてくれるようなエピソードであった。
あー…このアニメ見てきてよかったな。
前回一本繋ぎ、脇目もふらず選手だけを写したカメラは、彼らを見つめる人達を切り取っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
アオ校の演技が何を生み出しているか、そのリアクションを切り取るカメラも、どっしりと焦ることはない。
ある意味のんびり、ゆっくり目のテンポ。
(画像は"バクテン!!"第12話より引用) pic.twitter.com/a8y5YWZhZD
しかしそれこそが、キャラクターが何を感じているかをしっかり伝えもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
最初はましろくんの瞳を前髪で隠し、感動に涙を流すカットをグッと差し込んでくるメリハリの付け方とか、凄くこのアニメらしいなー、と思う。
セリフを刈り込んで、余韻で解らせる描写が多いやね。
ここで監督を切り取っておいたことが、最後の帰り道での告白に繋がってもいるわけで、やっぱカメラを後ろに引いてマットの外側を写すのは大事だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
そして、あえて前回は選手だけを写した意味合いもよく判る。視線を圧縮し、作中の緊張感、凝った時間の流れと視聴者をシンクロさせる。
張り詰めたものが一気に解放されて、あとは結果を待つばかり…と言えるのは選手だけで、大人はやったたことの責任を背負わなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
保護者との対話、先輩との会話。
志田監督の描写が多めで、彼が好きな僕としては嬉しい。馬渕サン…スーツ似合うね…
(画像は"バクテン!!"第12話より引用) pic.twitter.com/tQk5F3dITK
お父さんが勝ってブッこいた我が子を責めず、認めた監督も咎めないのは、責任と関心が無いからではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
信じればこそ、巣立ちを見守る。
流されるばかりだった我が子が、初めて自分の目で見つめ、手を伸ばした夢。
ただ、それを強く求めてくれればいい。
そこには、期待と信頼がある。
志田監督が懊悩するように、この地区大会での決断は非常に難しい問題で、正解はないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
安全策と””付きで”正しい”選択肢はあって、しかし両方をアオ校は選ばなかった。志田監督は、それを選ばせない。
IHへの道が拓け、翔太郎の未来も潰れない。そんな結末が掴めるまで、彼はその理由を口にしない
選んでしまったことには、責任がつきまとう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
他人をクズと罵り、一人で飛び一人で堕ちることを知らず選んでいた結果、歩いた険しい道。
選択の重さを身を以て知っている彼は、”何故”を微笑みに隠して、結果だけを引き受けようとする。
全ては、選手が進む道だ。
それでも”何故”こそが人を突き動かし、未来に進めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
言わないのが大人の矜持と責任だとしても、迷える心を誰かに共有して欲しい。
多分その心細さは馬渕先輩も同じだから、自分と同じところまで後輩が上がってきたと解って、嬉しかったんだと思う。やっぱ馬渕さん好きだー。
張り詰めた時間は終わり、美里くんの下手くそサプライズでの一笑いなどもありつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
祝福のクラッカーとともに、六羽の鳥が未来に飛び出していく。
アオ校男子新体操部、インターハイ出場決定。
いや、あんだけ青い空に鳥が羽ばたいてる時点で、わかってはいた…
(画像は"バクテン!!"第12話より引用) pic.twitter.com/MWDjCCzyFa
だが嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
動揺する翔太郎の”眼”を追う作画が相変わらず執拗で、純情少年の心が乱れる様相がよく伝わる。
緊張の糸が切れて、泣きじゃくる翔太郎と合わせて、今まで”いい子”の枠に収まってきた主人公をキャラクターとして、人間として翔ばせるための地区大会だったと解ってくる。
翔太郎の物分りと人の良さは、作品に爽やかな風を生み出し、元気に先に進めるエンジンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
前半六話までは、その明るさを全面に押し出してきた物語が、折返し以降暗さを増し、真っ直ぐなだけじゃない人生の難しさ、だからこそ面白い人間味へと踏み込んできた。
そんな”第二部”のアンカーとして、影も光もある存在として翔太郎を彫り込み直し、同い年の仲間との特別な絆でつなぎ合わせるのが、このアニメの後半であったかな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
泣いて、喚いて、苦しんで。
それだけが人間の全てじゃないが、それ無しじゃ嘘になるような強い影。
志田監督、女川先輩、美里くん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
それぞれの難しさで抱え込んだ影を、よく見てよく支える主人公にも投げかける。
見られ、支えられる主体と為ることで、彼だけが”いい子”じゃないと、物語に立体感が出る。
悩んで苦しんだら、輝きが消えるわけじゃないと、あの渾身の演技が教えてもくれる。
美里しか見ていなかったましろの視界は涙で拭われ、立ち向かうべきライバルとして、感動をくれた憧れとして、真っ直ぐで強い視線を向け始める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
やっぱましろくんの眼が”冷える”シーン、ずーっと好きだな。天才強キャラとして、良い書き方してる。
(画像は"バクテン!!"第12話より引用) pic.twitter.com/n64sJcBVFq
王者として、120%の演技を引き出す起爆剤として、腕組みを解かない境界線をまたがないシロ高の気高さも良いし、そこをあえて越えて”熱”を伝えに来るましろくんも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
やらないことをやればこそ、変化は際立って見える。
ぼんやりボーイが思わず前のめりに為るほどの、魂の鳴動は全国に続いていく。
雨上がりの帰り道。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
田圃を濡らす水たまりと、真っ赤な空に引かれた飛行機雲。遠くて近いものを、見つめながら歩いていく夕暮れ。
美術が良すぎて死ぬかと思う。
夕景って、こういう暴力的なまでに”美”な時が、確かにあるよなー…。
(画像は"バクテン!!"第12話より引用) pic.twitter.com/JlZg3EQvqC
正しい決断が何処にあるのか、誰にも解らない。選び取ったものへの責任は、誰にも取れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
それでも、選んだ。自由に羽ばたくことを、未来に進むことを、選んで欲しかった。
屈折した道を進んで、若人の先に立つ監督が夕焼けに溶かす言葉は、とても真っ直ぐで優しい。
自分だけの未来を、自分の手で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
祈るように優しく見守り、気づかれぬまま背中を支えてきた男と歩んできた道に、子供たちは頭を垂れる。あさちゃんもペコンしてるの可愛い~(発作)
その感謝を受け取って、志田監督も感謝を返す。
僕も、君達と翔べた。翔ばせてくれた。
翔太郎達が選び取った飛翔は、翼の折れた志田”選手”も一緒に舞う奇跡だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
取り返しのつかない挫折も、耐えられない痛みも、巻き戻らない時間も全て超えて、夢を誰かに託す…共に進んでいく奇跡が、確かにそこにあった。
導くだけでなく、自分も未踏の高みへ導かれていた。
そんな想いが志田さんから出てきて、俺は泣いてしまった。やっぱ七話、無茶苦茶効いてるな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
七ヶ浜キャプテンが先頭に立って、チームの闘志をかき立てIHに向けて意思を統一するのも、第4話のリフレインを感じさせて良い。立派なキャプテンだよ本当に…。
かくして長い一日が終わり、続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
僕が選び、僕が掴み取った居場所。”僕たち”と心の底から叫べるような、憧れと信頼で繋がった仲間たち。
まだ、道は明日に続く。空は青く高く、無限に続いている。
思いを翼に乗せて、掴まえた夢の、その先へ。
(画像は"バクテン!!"第12話より引用) pic.twitter.com/7rliki4MZy
物語は続く。今度は劇場だッッッ!!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
いやマージ、『尺的に全国書けないよなぁ…どうなんのかなぁ…』と思っとったので、続きと決着見れるの最高に嬉しいです。
ここに繋いでタメるために、延々”ニ位”取ってきたんだなぁ、とも思う。
追い抜くべきシロ高の”格”もしっかり書けてるし、期待しかねぇ。
とはいえ、TVシリーズはここで幕である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
いいアニメだった。最後に翔太郎が述懐した物語、そこに宿った思いと熱に、なんの嘘もない真っ直ぐな物語だった。
キラキラの熱血青春ストーリー。
そのフレームを丁寧に、破綻なく駆動させ続ける…だけでは終わらない。
競技と選手の身体性にどっしりと寄り添った、長尺の演技シーン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
笑いを交えつつ、人間の魂がふれあい何かに惹かれていく様子を幾重にも重ねた、熱のある青春。
気持ちのいい青年たちが、過ごす青春の息吹と生まれる絆。
時折突き刺さる、焼け付くような情景の刃。
とにかく他人を”視て”、気にかけ感動する存在として翔太郎が強かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
なにかに心を動かし、自分を前に進めていくこと。
それで視界を狭めず、優しく見守るありがたさ。
素直さが武器な素人が、作品の屋台骨をしっかりと支えてくれた。
その力強さに甘えず、翔太郎だけを追っていては描けない人生の陰り、難しさにしっかりカメラを振って、折返しから作品のテイストを変えていった構成も、また良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
影の中にあるからこそ輝く光が、主役を変えてリレーされていって、傷を背負った翔太郎に届く。彼の人間がむき出しになる。
それでも、翔びたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
綺麗事じゃすまない場所に主役を追い込めばこそ、説得力を持って飛び出してくるメインテーマを高く飛ばして、TVシリーズは終わる。
ただ素直なだけでも、優しいだけでもなくて、燃え盛るような思いを持つ少年だからこそ、この話の主役だった。
それがちゃんと分かるアニメだった
群像劇としても、不器用な優しさを表に出せるようになった美里くんを筆頭に、可愛く気持ちのいい連中が元気に暴れてくれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
みんな好きだけど、志田&馬渕の大人コンビがやっぱ好きかなー。
飄々とした態度、頼もしい体躯の奥に、デカくて繊細な”感情””隠してる馬渕さん、マジでチャーミングよ。
とても真っ直ぐな物語に、必要な陰影をしっかり備え、しかし陰りに惹かれて落ちることはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
明日へ、自由に、力強く。
”翔ぶ”競技をテーマに選んだ意味を、青い空と羽ばたく鳥にしっかり宿しつつ、爽やかに逞しく青春を書いてくれた、とてもいいアニメでした。
物語はインターハイへと、劇場へと続いていきますが、ここを一つの区切りとして、僕も感謝を示したい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月25日
力をもらえるアニメでした。
プロジェクトが背負うものに誠実に向き合い、しかし力まず描ききったのは、大変素晴らしいことだと思います。
面白かったです、ありがとうッ!