ヴァニタスの手記を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
飛空艇飛び交う、機械じかけのパリ上空。
滅びし種族ヴァンピールの魂…真名を侵す病を癒やすべく、破天荒な青年医師ヴァニタスはその書を使う。
運命に導かれて彼と出逢った褐色の吸血種、ノアの物語が蒼月に照らされ、今始まるッ!
そんな感じのスチームパンク吸血真名伝奇、堂々着弾の第一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
大変良かった。
板岡センス溢れる心地よい動き、ゴージャスな美術に鳴り響く梶浦音楽。
キャラと世界観のハッタリ、軽薄で終わらない滋味、作品世界への力強い引き寄せ。
パワーのあるスタートとなりました。
色々伝奇脳が刺激される面白いアニメなのだが、まず何よりもパリッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
OPでノアのお登り観光にかこつけ、凱旋門にムーラン・ルージュ…バキバッキにキマった美術、たっぷり堪能させててくれてマジ有り難い。
(画像は"ヴァニタスの手記"第1話より引用) pic.twitter.com/hCRZhIC6HC
今回は飛空艇内部が主な舞台だったが、今後地上に足つけてバディ旅やっていくうち、この麗しきパリが作品の舞台として踊るのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
美しき花の都、滅びゆく影の種族、青い雷鳴。
セッティングはもう初手からパワー全開、雰囲気バッチリオールオッケーです。素晴らしい。
説明にそこまで時間を取らず、世界観はドラマと動きの中で感じ取らせる作りの第一話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
どんだけ”ここ”の空気を感じたくなるかが大事かと思うが、こんだけ”いい場所”として描かれると、鼻腔おっぴろげて全部吸い上げたくなるね…最高。
俺たちが見たいスチームパンク・ルルーティアだ。
お話は素朴な褐色ヴァンパイア、ノエくんがエキセントリック&エレクトリックな青年医師・ヴァニタスと出会い、吸血鬼の命運を賭けた運命の戦いに身を投じるところまで、正統派にスタート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
名前を聞いて『方舟の子』いうてたし、ノアのフランス語読みのNoeで良いんよな。
この物語の吸血鬼は結構特殊な定義がされていて、秘された真名こそが魂の根幹という、かなり文学的・呪術的存在である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
ヴァニタスの書と名を引き継いだ青年が、意味するところは空虚。
命の虚しさを告げる美術様式が、長命種唯一の滅びを救いうるワクチンとなる。
ここのネジレがビシーっとキマってて、脳の伝奇野がビリビリと震える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
彼は己を蒼の後継者と名乗るが、人間としての彼の名前は何なのか。
真名を開放し、吸血鬼を救う彼が実は、名前を隠し奪われている、空疎な存在ではないのか。
そんなところまで、想像は一気に加速する。
ここらへんは今後、ノエくんとの共同生活が掘り下げられるうち、あるいは戦いが加熱する中で見えてくる部分かな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
正体不明、背景不明。
ヴァニタスは謎の多い存在として、ノエくんと僕らの前に現れた。ヒントを拾って、彼を知っていく物語はこれからだ。
物語は哀れな犠牲者のご婦人を巡って、吸血鬼と人間がバチボコ殴り合ったり、異能が飛び交ったりして進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
鬼の力が暴走すれば瞳は赤く、人の心を保てばそれぞれの色に戻る。
涙を拭う優しい手付きが、奇人が治療目的の医師だとよく教えてくれる。
(画像は"ヴァニタスの手記"第1話より引用) pic.twitter.com/AnsAoaOHYL
鬼の本性を剥き出すと赤く染まるノエの瞳は、普段は紫である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
ヴァニタスの蒼と、鬼の血が入り混じったアメジストが、彼のパーソナルカラーだ。
ヴァニタスもそうだけど、自分の象徴色を差し色に、要所要所でまとめてるファッション、お洒落でいいですね。
蒼の月を恐れないノエの特徴が語られていたし、赤と青が入り交じる存在として彼もまた、結構特殊な存在なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
鬼を滅ぼす呪いの書と伝えられたヴァニタスが、本当はどんな存在なのか。
これも、その名を背負う青年の心と一緒に、今後掘っていく謎なのだろう。
豊かで鮮烈な色彩は瞳の中でとどまらず、場面場面を一色に染め上げながら、伝記世界を踊り狂う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
緑色の闇、危険な赤、救済の蒼、入り交じる紫。
ちょっと演劇テイストを感じる、ドラスティックな演出が、スチームパンクな世界観とよく噛み合っている。
(画像は"ヴァニタスの手記"第1話より引用) pic.twitter.com/c13TpNgtgk
この物語のヴァンパイアは、吸血衝動を抑え人間にまじり、結構穏やかに暮らせている風味である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
しかし真名を犯されれば異能を暴走させ、人を害する獣になってしまう。
この転換に、ノエとヴァニタスで立ち向かっていく物語なのだろう。
とすれば、シーンごとにメリハリを強く効かせ、色で解らせる演出は成功だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
鬼には様々な顔があり、物語もまたその色を変える。その色彩一つ一つが美麗で、味わい深いと、吸血鬼テーマである理由が色濃く出て有り難い。
第1話を見た限り、その絢爛で妖しい魅力は、よく引き出せている。
板村監督の精妙で華やかな映像センスが、ヴァニタスのエキセントリックなキャラ付け、伝奇色の濃い背景世界と良い噛み合いを見せて、大変グッドだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
様式美に頼りすぎてる感じが出ないよう、ケレンの使い所を上手く絞って、悪目立ちしないよう使いこなしているのも良い。
浮遊、あるいは自由落下のモチーフが多様されて、自在で破天荒、軽やかに駆け抜けていくイメージが色濃く出ているのも、この第一話の特徴だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
とにかく、何かがフワリと舞い踊る場面が多い。重力を消した、バレエのパのような所作。
(画像は"ヴァニタスの手記"第1話より引用) pic.twitter.com/CHgLoKBSlL
布は風に踊ってはためき、超人たちは軽やかに重力を引きちぎる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
暴力的な勢いのある飛翔ではなく、あくまで軽妙に、洒脱に跳躍するスタイルが、花の都を舞台とするある種のクサさと、綺麗に調和している。
時間の軛にも、人の宿命にも囚われない、自由な種族。
呪いの犠牲である貴婦人を抱きとめる仕草も、非常に柔らかで優しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
二度も壁をぶち破り、自由にはた迷惑に振る舞ってる変人がちゃんと優しいやつだと、仕草で判るのは良いことだなー、と思う。
紳士的よね、ヴァニタス。医療従事者の矜持も、ぶっ飛んだ言動から透けるし。
本来なら致命の落下も、ノエの異様な頑丈さによって月旅行に変わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
閉ざされた船内からは見えなかった、蒼月に照らされるパリにノエは、子供のように目を輝かせる。
ヴァニタスは多分、彼にそういう世界を見せる存在なのだろう。一緒にいると、壁が壊れて軽やかに、世界が広がっていくトリックスター
それがもたらす救いが、果たしてどんなものであるかはまだ未知数だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
機械じかけの魔術書が駆動するシーケンスが、素晴らしくフレッシュで良かった。
魔術文字を蒼い星座として描くセンス、最の高です。
(画像は"ヴァニタスの手記"第1話より引用) pic.twitter.com/1rqunrW22C
なにしろ名前を巡る物語でもあるので、ヴァニタス文字をどう表現するかは作品のスケールを決める大事な部分だと思うが、ここできっちり勝ってて偉い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
吸血鬼という超越を支配し、暴走させ、癒やすもの。
それは人の文字を超えた、天の兆しそのものなのだ。ヴァニタスの手記には、夜空が刻まれている。
良い…凄く良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
只人を名乗る医師が、吸血鬼が抗えない病を乗り越えていくのなら、こんぐらいのスケール感は欲しい。
救済が青い稲妻として迸るのも、生体電気で怪物を駆動させたゴシックパンクの古典を思い出させ、大変に良い。やっぱ電気ビリビリしてると良いよなー。
ともすればありがちな伝奇アクションで収まってしまいそうな部分を、ビジュアルの良さ、芝居の強さで説得力をもたせ、特別な物語として際立たせる仕事が大変上手く行ってました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
ここに全開の梶浦ミュージックが乗っかっちまったら、もうワクワクするしかねぇんだよなー…。
そういう整った見た目で、話が終わってないのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
ヴァニタスは呪いを癒やす自分ではなく、被害者が生来持つ黄金の優しさ、真の名前をこそ誉れと讃えた。
そこに、バリバリ目立つ奇人っぷりを超えて、彼を信頼する足場がちゃんとある。第一話で、主役が良いやつだとちゃんと判るのは良い。
今後いろんな事件、いろんな真名に向き合って物語が転がっていくとは思うが、優しい奇人とボーッとした超越種のコンビの人格が、その中で見えてくると嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
彼らがどういう人物かは、なかなかいい具合に判るスタートだったと思う。
両方良いやつで、キャラが立ってて、見てて面白い。
続きを見ようと思うには、十分以上な手がかりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
吸血能力をフルに発揮した異能バトルの切れ味も、ヴァニタス VS ノエでちゃんと感じさせてくれたし。
今後本格的にバチバチする中で、より緊張感のある闘争を見たくもなった。
つーかノエ、相当な上位種っぽいよね…立ち回りは田舎の大型犬だけど
雄大で華麗な舞台、奇妙で温かみもある演者たち、キレまくる演出。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
このお話がどんな物語をやっていくか、期待を受け止め楽しみをくすぐる、大変いい幕開けとなりました。
ヴァニタスを巡る謎、不死者を侵す陰謀、パリでの暮らし、ヴァンピール影の社会。
知りたいこと、見たい場面もいっぱいだ。
このハイクオリティで、力強く、よく調整された面白さが今後、どう膨らんでいくかも含めて、大変面白い第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月2日
主役コンビの凸凹感もいい感じだし、麗しのパリ成分も中毒するほど補充できそうだし…ワクワクしかねぇなッ! 次回も楽しみッ!!