トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
トロピカる部の活動として、学校裏の廃墟に忍び込んだまなつ。
そこで出会った人形の、祟りを恐れてほだれて、気付けば食事を運ぶように。
その裏にいるエルダも、地上人の思いを直接受け取り、次第に心が…。
ちぐはぐな二人の交流は、果たしてどんな結末に!?
そんな感じのトンチキギャグエピ…と思わせておいて、ファーストコンタクトのキラメキと心の熱量が混じり合う、トロプリ第19話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
呪いの人形を結節点に、人間のことを知っていくエルダ、呪いの人形だろうが”魂”とがっぷり四つ相撲を組んでしまうまなつの人格が、知らず重なり合う話数である。
あとまわし一家は敵ながら仲良し、絶対悪として人格を停滞させるわけでも、憎悪の炎を日常に燃やすわけでもなく、判り会える余地を分厚く残して描写されてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
『コイツラと絶滅戦争すんのやだな…』と思える”人間”っぷりで、今回はその顔がよく見える回だったと思う。
開幕、エルダちゃんは怪我をして廃墟から動けなくなってしまう。プリキュアが敵対してるのは、血も流せば怪我もする存在なわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
やる気ないのがアイデンティティのはずの仲間たちは、わざわざ空飛んで仲間を探しに来て、破壊活動よりもその安全と健康を優先して変える。
『もーさー…腹割って話し合って、一緒にメロンパン食って、それで闘い終わりで良くね?』と思える、揺るぎのない人間っぷりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
自力で歩けないエルダちゃんを柔らかく抱くヌメリーさん、人間が大事にしなきゃいけないものを、確実に知ってる手付きだったからな…。
最初はまなつを騙して食料を盗み取っていたエルダであるが、食料を仲立ちに自分の”好き”を相手に伝え、まなつも恐怖を乗り越えて相手の”好き”を受け取るようになっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
お互いの思い込みから始まるバトルで、館が揺れてヴェールが落ちて、エルダちゃんはまなつの顔を初めて見ることになる。
相手を搾取や侮蔑の対象と思い込んでいても、顔を見て体温あるふれあいをしていくと、もうそこには戻れなくなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
ここら辺、ローラが地上に上がったばかりの頃、”人間”という代名詞でまなつを呼んでいたこと…そこからまなつという個人に触れ合い、ヒトを学んでいったことを思い出す。
相手にも”好き”があって、それは自分の”好き”と混ざりあう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
エルダちゃんは自分の変化を一度も言葉にしないが、嘘で暴力をせき止め、共に触れ合った証の人形を家に持ち帰る行いの中に、彼女の心に芽生えたものが色濃く滲んでいる。
最初は自分に都合よく食い物を集めるために使われていた”嘘”が、最後は争いを止めうる優しいものに変わっている所が、今回なかなか巧いな、と感じるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
日々『つまんない、遊びたい』と吠えつつ、誰かの日常を踏みつけにすることしか出来なかったエルダちゃんは、今回まなつと確かに遊ぶ。
演じること、影に隠れること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
その奥から確かに、何か体温があるものが繋がり合ってしまうこと。
お化け屋敷の奇妙な嘘は、作品が”敵”とするものが思いの外、主役を取り巻く存在によく似ていることを教える。
ラメール誕生で、ローラの個人史が一区切りついた所でこの話来るの、面白いよなぁ…。
エルダちゃんを鏡にする形で、まなつの真っ直ぐな魂がよく見えたのも、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
マジビビりして震える(かわいい)くらい苦手だったものが、嘘っぱちの悲しい過去を聞いた瞬間本気の号泣、なんの計算もなく前のめりに相手の力になろうとするところが、人間太すぎ透明度高過ぎでビビる。
思えばローラと出会った時も、まなつは相手のナリや世間の常識で色眼鏡をかけたり、尻込みはしなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
たとえ異形の存在であろうが、都合のいい作り話だろうが、そこに宿った思いを真正面から受け止め、だからこそ強い力が出せる。
愚直と笑わば笑え、夏海まなつはそういう人である。
チョンギーレさんのエルダ大事が暴走し、屋敷が壊れそうになった時、サマーはそれを受け止めて立ち向かう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
失ってはいけないものを背負う時、一番力が出るヒロイズムがまなつを動かしていることを、人生の徳俵に足がかかった力相撲はよく教えてくれる。
今回バトルの入り方が、プリキュアとあとまわし一家、それぞれ仲間を思う気持ち故にすれ違ってぶつかる感じだったことが、その決着と良い対比になっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
まなつは人形を操り、自分を都合よく使っていた存在を知らない。それがあると、疑いすらしないで死力を振り絞る。
その濁りのない思いが、エルダちゃんに敵の顔をよく見つめさせ、”嘘”で刃を引っ込めさせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
屋敷は崩れ人形は消えて、しかし思い出は残る。
このかけがえのない宝物を、プリキュアとその”敵”がどう活かしていくか…。
今回のエピソードは、お話全体を考える上で結構大事な気配がある。
いやだってさぁ…このエピソード見て、敵は絶対悪だから”消滅”して終わりとかフカれても、絶対無理じゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
判り合う余地があるなら、そこに指かけてしがみついて欲しいじゃんプリキュアなら。
つーかマジで”善良”だからさ、あとまわし一家。でも敵対してんのよね。
メロンパンと卵焼きが美味しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
そんな会話一つから、心は繋がることが出来る。”好き”を交換することには、そういう力があるのだ。
それを阻む壁があればこそ、今ドンパチドンパチ派手にやってもいるわけだが、さて壁の向こうを覗いてしまった今後、エルダちゃんはどうするか。楽しみだ。
まなつが自分のビビリを超える足場が、まずローラの噂を薄めるため、後に人形の思いを守るためってのが、まぁ大変あの人らしく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
マージでなんの構えもなく見返りも求めず、気軽にエゴ乗り越えちまうワケよ。
間違いなく、英傑の相なんだよなぁ…。
そんな主人公の魂を強く焼き付けつつ、全体的にはすれ違いにドタバタ、放課後のファンタジーとして良い切れ味で、明るく楽しく回していたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
やっぱね、児童文学の秘密基地テイストがあるプリキュアは、特にビビッと来るね。
細かい所でトピ部員の立ち回りが可愛かったのも、凄く良かった。さんごが私服でも萌え袖でさぁ…マジあざといの権化よ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
あすか先輩が部長として改めて、後輩のやりたいこと聞き出そうとして、そこにまなつが『私がいつも言い出しっぺなの、気になってたんだ!』と言い出すの、良い風通しだったしね。
あと常時真顔でおもしれーこと探してるみのりん先輩が、廃屋取材と記事執筆に結構ワクワクしてると分かるのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
他メンバーが動きやすさ重点で活動的にまとめるなか、ローラの私服はややスタイル重視なところとか、ファッションがよく喋る回だったかな。
まなつが最後まで、エルダちゃんと顔合わせ無いのが良いんよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
相手のヒューマニティを視認する手順を踏まなくても、彼女は自分の全てを差し出せるし、そのことが他人を惹きつけ、変えもする。
主人公の資質も、”敵”の体温もよく判る、優れたエピソードでした。大変良かったです。
そして次回こそはド級のおバカエピソード…っぽいが、トロプリ油断ならねぇことを今回示されたからなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月4日
しかし良い意味でネアカな作風なので、ぶっ飛んでも面白いのが良いところ。弾けるみのりん先輩をたっぷり堪能できそうで、来週も楽しみですね!