シャドーハウスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
エドワードの野望は、ケイトとエミリコを捕えた。
絶体絶命の窮地に、可愛く踊るリボンのモーフ。そしてジョンの決意。
”お披露目”で育んだ友情は、二人を繋いだ縁は、輝きを求める不屈の思いは、果たして館を覆う闇に勝利するのか。
今朝日に向けて、二人の少女が飛ぶ!
そんな感じの、シャドーハウスアニメ最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
傲慢、出世欲、暴虐。
悪い大人を煮固めたようなエドワードを最後の壁に、アニメの範疇でしっかりと満足感を持って、一つの物語を終わらせるラストとなりました。
子供たちの友情がしっかり報われる結末で、大変良かった。
諸悪の根源であるジジイは全然健在だし、エドワードも追放とまでは行かなかったし、クソ屋敷を覆う悪徳の煤は、まだまだ濃い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
エミリコとケイトの放つ啓蒙の光が、全ての人間とモーフを解き放つその瞬間を、是非アニメで見たいなぁ、と思わされるいい塩梅でありました。
ケイトとエミリコは凄く普遍的で大きなものを背負っているんだけども、その形而上のデカさで空疎にはならず、彼女たち自身の個性や思い、強さをちゃんと持ってて、子供なり出来ること出来ないことを鮮明に描きつつ、確かな希望が残る所にたどり着いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
この手応えの良さが、やっぱり良いな、と思う。
真っ暗闇のお屋敷の中、悪い大人に囚われ、心を繋いだ仲間(ラム復活ッッッ!!!!!)の助けを借りつつ、追いかけっこの果てにギャフンと言わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
子供を主役にした物語の落とし所として、凄く良いワクワク感が最後に来たのが、大変良かったです。ジュブナイルテイスト満載で良い。
屋敷の内外に未だ広がる、煤を基調とした文明と経済。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
子供の手の届かない領域は確かに残っていて、しかし”お披露目”を超え、エドワードとの追いかけっこに勝ったケイト達がそこすらも、より良く変えていける予感…あるいは期待。
そこをエピローグで描いたのが、僕は凄く良いと思いました。
さて、エドワードの音波操作能力で見事にハメられてしまったケイト達であるが、諦めることはしない。光は未だ、二人を照らしているのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
リボンのモーフちゃん(かわいい)の助けも借りつつ、ちょいとお転婆に大暴れ。黙って言いなりなんて、冗談じゃない。
(画像は"シャドーハウス"第12話より引用) pic.twitter.com/6znaOixuUs
エドワードは『子供の言うことは、誰も信じない。大人の方が強い』と言い続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
それはひっくり返されるための前フリであり、子供であればこそ正しく強いケイト達の持つ光を、際立たせるための汚れでもある。
この館で大人に為るということは、つまり生き人形の顔を食う、ということだ。
他人の尊厳を顧みない、邪悪な存在として”お祖父様”の延長線上に人格を置かないと、生存を許されないシステムが既に完成している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
邪悪な自分のコピーで世界を満たし、拡大していきたいエゴが透けて見えて、このシステム最悪で最高だといつも思ってる。典型的な独裁者なんだよな…。異質性を許せない
ケイトとエミリコは違えばこそお互いを照らし、よりよく変えていける可能性を持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
変化を意味する”Morph”の、もっと前向きな可能性をケイトは既に開花させている。
二人の…同じ志を持つ仲間たちとエドワードの闘いは、邪悪な大人と純粋な子供という二分法…とも、また少し違う気はする。
エドワードも同期の仲間は大事で、一緒に三階に上がるために力も合わせている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
しかしそれは、誰かを押しのけ踏みつけることを躊躇わせはしない。
私の延長線上にいる、私と何処か似ている他人。
そういう前置詞を付けないと、エドワードは異質性を尊重できない。
エミリコはどんなことも楽しみ、疑いなく受け入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
自分と似ているあなたも、違う貴方も、全部大好き。
その区別のなさが、いろんな子供たちを救い、繋げ、変えてきた。最後の最後で、垣根を作らない行いが、彼女自身を助けていく。
怯えず手を差し出せば、それは帰ってくるのだ。
これは年令による人格の成熟/摩耗というよりも、持ち合わせた天性…それをより強くしてる出会いの有無が作る差異だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
エミリコの公平な優しさは、ケイトが『それは良い』と肯定してくれればこそ、よく育まれたのだ。
エドワードを導いただろう館のルールは、善を肯定しない。増幅もしない。
結果、エゴに塗れつつも”お祖父様”への忠誠は篤い、使い所を間違った歪な善(つまり、それはもう悪なのだが)を抱え込むことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
”知恵”という属性も、エドワードとケイト達では面白く反転している。
考えることを止めず、現在を観測して未来を掴み取る能力。
河が何処に繋がっているか、考えればこそケイト達は”お披露目”に勝ち得た。”考えるな”という屋敷のルールに背き、頭脳で闘ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
エドワードも悪知恵を働かせ、計略を練る。しかしそれは思わぬ横やりに揺るがされて、計算通りにはいかない。
何が起こるかわからない未来を、虚心坦懐に見据える心。
自分の望む輝かしい未来像で、エドワードはそれを塞いでしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
良い結果に結びつ科学的態度というものが、どういう形を持っているか。
そういう部分でも、ケイトとエミリコは非常にスタンダードで、真っ直ぐな価値観を見据え、体現している気がする。
仲間がくっそ大ピンチなのに、唐突にイチャコラしだすパトリック&リッキーにひとしきり笑いつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
こちらもやはり、お互いを鏡に善性を照らし合うことで、自分の形を確かめていく構造が見て取れる。尊敬できる誰かを自分の外に持ってると、歪みを正す時便利ね。
闇の中で待つ彼らの元へ、ケイトとエミリコは手を携えて飛び出す。ジョンの情熱は風となって、不確かな翼を後押しする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
眩い光、軽やかな自由。
二人がどんなものを背負うのか、よく判るヴィジュアルで大変よろしい。
(画像は"シャドーハウス"第12話より引用) pic.twitter.com/xTTdYtXeyT
ふわぁーっと重力の軛を引きちぎり、墜落を恐れず手を繋いで飛んでいく少女たちの姿は大変幻想的で、児童文学の薫りが濃く立ち上る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
良いよなぁ…浮遊と飛翔は、やっぱりジュブナイルの華だ。
空にいる間はケイトの異能が、地上に降り立つ時はエミリコの頑丈が、それぞれ相手を抱くのも最高。
帰還を心待ちにしていた仲間たちが、下に入って受け止めるのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
エドワードとは皆で闘い、皆で戻ってきたのだ。
”お披露目”では弱々しく座ってるだけだった、シャーリーがモーフの形で大活躍するのも、大変良かった。
明言はされてねーがそういうことだろ! 俺には理解るッ!!(狂いアイ開眼)
シャリーとラムがラミーのリボンを介して、影人一体の新たな生命として闇からケイト達を助けているのだとしたら、これは顔を一方的に食う館の大人とはまた違う、より良い形での共存関係を既に達成している、ということになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
鏡合わせに助け合う、ケイト達とはまた違った、新たな存在形態による反攻
そこにあの弱々しく、気高く、優しい子供たちがたどり着けているのだとしたら、彼女たちがとても好きな自分としては嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
悪い大人の思惑を飛び越え、仲間を助け誇り高く闘う。
それを夢見て散ったあの子らが、望みにたどり着けてるとマジで嬉しいんだけど…どーなんだろうか。
厳しい環境と試練を用意しつつ、それを飛び越えていく人間性への讃歌だとは思うので、ラム達も哀れに散っただけで終わらせねぇとは、希望を込めて思ってんだけどねー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
『人の尊厳は、仕組まれた死すらも越えうる』と魅せる上で、ラム&シャーリーの逆転劇は大事でしょうよ。
さておき、まーた良いところで我儘砲をキメるルイーズのアシストもあって、エドワードは完全包囲、子供たち大勝利である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
えばり散らかし、難題を押し付け反感を買う。
心を押し殺してす建前の奥で、子供棟の住人は反攻のチャンスを伺っていた。
(画像は"シャドーハウス"第12話より引用) pic.twitter.com/tiewGkRoWg
ケイト達が友情と信頼を翼に変えて、確かに掴んだ黄金の空。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
エドワードは自分が利用していた館のシステムを逆手に取られて、憧れにけして手が届かない。
館の中の空は梁の十字架に覆われて、その住人が自由に飛ぶことを禁じているのだ。
その危うさに気づかぬ限り、彼は永遠にシステムの奴隷だ。
同じ輝きでも、エミリコとケイトが手を繋ぎた向き合った陽光と、”お祖父様”が背負う黄金は色合いが違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
ネットリと重たく、悪しき黄金の魅惑は優しく我が子を包み、寛大に許す。
しかしそれは、十重二十重に子供を捉える束縛を、計算ずくで緩めただけだ。根源的に邪悪なんだよなぁジジイは…。
二階三階と区切られ、その内側で相争う透明な社会構造に君臨する、邪悪なる父。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
それに唯一反攻と糾弾の目を向けてるケイトは、屋敷全体をひっくり返しうる可能性である。
それを見逃した”お祖父様”の選択が、サトゥルヌスを射殺す雷霆となるか。
それは、未だ語らられぬ物語である。
かくして館に平穏が満ち、それぞれが日常へと戻る。あ、アタイのリボンちゃん…(号泣)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
生き人形の…別々の個性と尊厳を持つはずの子供を黒く塗りつぶし、生贄と運び込む列車は動き続ける。
悪しき黄金を背負い、黒き父は玉座に座る。
(画像は"シャドーハウス"第12話より引用) pic.twitter.com/xUjayzSRat
それを打ち砕いて、新たな未来を掴みうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
物語は未だ続き、しかし今は一度、ページを閉じよう。
シャドー家のため、何を為すことが良いのか。
子供たちは、もう答えを知っている。その小さな手で、確かに掴み取っているのだ。
(画像は"シャドーハウス"第12話より引用) pic.twitter.com/d58KznBY7x
という感じで、アニメ・シャドーハウス無事完結でありますッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
大変に面白かったです。
ゴシックでバロックな舞台立てを、妥協のない美術と的確な象徴性で、豊かに描ききる。
煤と影と微かな光に満ちた舞台に、謎と危うさをたっぷりと埋め込み、興味を力強く引っ張る。
そこに飛び切り可愛らしく、素直で強いエミリコが輝く。賢く誇り高いケイトがすっくと立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
二人の縁と絆は、何よりも強く正しい物として描写され、他のシャドーと生き人形に、悪しき鎖に縛られた館に広がる。
少女たちが心に抱えた武器は、あまりに小さい。
完成されたシステムの前に、無力に思える
しかし異質性の尊重、思考を止めない賢さ、他者を受け入れる優しさこそが、孤独を強制してくる世界に立ち向かい、人の心が自然と震える在り方に寄り添っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
どんなにか弱く、どんなにちっぽけに見えても、心のともしびこそが闇を払う、人の力なのだ。
それを抱くのに、年も力も関係はない。
焦りや恐怖から生まれる”煤”を操り、自分の力に変えていく異能の設定とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
記憶のないところから始まり、深夜の見回り、沢山の試練が待つ”お披露目”に、エドワードとの対決と、身の丈にあった冒険をくぐり抜けて、色んなものを掴んでいく手応えとか。
子供を主役にすればこそ描けるものが、とても元気に弾んでいて、見ていて大変楽しめました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
古き善き児童文学の精髄を、最新のビジュアルと巧妙なミステリで包んで新生させた、力強い物語であった。
自由、親愛、高潔。
人として守るべきものに、優しく目覚めていく子供たちの奮戦、良かったです…
やっぱケイトとエミリコの主人公力、作品で是とされるべき価値観をパワフルに体現する強さが、作品の背骨としてマジでぶっといんだよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
エミリコの率直で眩しい笑顔を見てるとまず、『あ人間の綺麗な部分が、篠原侑の声帯手に入れたんだ…』って理解らされるもん。
そんなエミリコに少し足らない思慮深さ、正しい方向を見据えるまなこを、ケイトがしっかり持っていてることも、秒で理解らされちまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
二人がお互いを鏡として、より善い自分へと自在に変化し、認めあい支え合っていく姿の麗しさ。
ここの濁りのなさが、汚れきった館に映えるワケよ。
そしてそれが生き人形とシャドーで収まらず、同じ境遇に閉じ込められ、自分を抱きしめてほしいと震える子供たちに広がっていく様子も、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
マージでラムの孤独を笑顔で抱きしめたエミリコ、人間試験”億点”で合格だったから…。
エドワードくんがゲームデザイナーの才能を最大限発揮し、沢山の試練を用意した”お披露目”で、それぞれのペアは人格を試され、様々な学びと成長を手に入れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
誰かを大事にすること。力強く前に進むこと。諦めず、知恵を使うこと。
エドワードにとっては、自分をアピールするためのご都合でも
それは善い志を持った子供たちを試し、繋いでいくかけがえのない体験となっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
”お披露目”のワクワク感で多彩に、視聴者の心に真善美を染み込ませたことで、作品が追うべき”答え”なんだと疑いなく見取り図作れるの、凄く力強い話運びでした。
こんなに心躍るものが、嘘であって良いはずがない。
そんな確信を試すように、あるものは斃れ、新たな試練が子供たちを試す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
それすらも乗り越えて、子供たちは悪しき大人との追いかけっ子に勝利して、輝きの方へと自由に飛んでいく。
死の運命すら超えて、新たな強さを手に入れて仲間を支える。ラムたん…おかえり…(号泣キモ蔵)
どう考えても間違ってねぇ主役に、どう考えても間違ってるのに強制力が凄く、どう立ち向かっていいか解らねぇ巨大な闇を対置する構造も、安易な安心を与えず良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
真なる善、正しく美しいものはそうではないものに、常に試され真価を伝えるのだ。
この構図も、やっぱ児童文学っぽい。
『児童文学っぽい』を判断基準にしちゃう、自分のルーツを思い知らされる作品でもありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
結局血液に、フレーベル館と福音館が這入っちまってる人種なので、原風景をたっぷり追体験できてありがたかったです。
強く賢い子供が、大人の喪失した輝きを繋ぎ合わせながら前に進む話、マジで大好き。
とても綺麗で雄大で、普遍的でありながら作品独自の魅力を様々に持つ、良い作品でした。いっぱい見たいもの見れて、凄くありがたかったなー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
ケイトとエミリコが進む道の先を、是非にアニメでも見てみたいものですが、やはり今はこの言葉を。
ありがとう、とても面白かったです。
お疲れ様ッ!
しかし最終話になって、『悪しき父神を打倒し”真なるシャドー”としてケイトが、自分の神話を打ち立てていく物語なのだ』という理解が、自分の中でまとまったのはありがたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
やっぱ源神話的構造を、ポップな外殻の内側にしっかり持ってる話が好き。
シャドーハウス、王殺しの物語なんだと思います