死神坊ちゃんと黒メイドを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
魔女の呪いにより、触れた命全てを死に至らしめる運命を背負った、貴族の少年。
誰もが畏れ遠ざける彼に、一人間近に使える黒メイドは、人形めいた表情で妖艶に、その指を近づける。
触れ合えば終わる、宿命の恋物語。
さてはてどうなるか、はじまりはじまり…。
という感じの、チョイエロ女がグイグイ来る! 翻弄系ラブコメファンタジック変化球の第一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
大変面白かった。
物語の基本構造が大変巧くて感心したし、坊っちゃんとアリスのキャラも良い。
程よく、後を追いたくなる謎も見せられているし、作品全体の雰囲気もグッドだ。
さすが”ハイスコアガール”の山川監督、甘酸っぱい慕情、触れ合えない切なさ、ハグレモノの哀しみをしっかり編み上げて、お話に確かな挨拶をさせてくる第一話であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
黒髪天パに三白眼、自己評価が低く誠実で優しい。坊っちゃんに”癖”ぶっ込まれ過ぎてて面白いな…。
ラブコメは難しいジャンルだと感じていて、恋をどう乗りこなすか、誰を選ぶかのハラハラ感が、恋や他人を弄ぶ不誠実とときに繋がってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
『こんな尻軽に、他人様の間でフラフラしてる輩の話、別に見たくもねぇや…』と愛想を尽かされれば、それでお話は終わりである。
これを回避するべく、”ヒロインレース”としてある意味競技化して取り合いの深刻さを軽減する努力をしたり、或いは一対一の真剣交際を最初から確定させ、それが恋にならないもどかしさ自体を食わせる料理法が編み出されたりしてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
あるいは恋に落ちない理由に、分厚いものを足すか。
坊っちゃんに宿った死の呪いは、その最新鋭かな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
一昔前なら身分の差が壁になっていたところを、『触れれば即死』というD&Dの高レベルデスタッチみてぇな切れ味の呪いを乗せる。
それでで、問答無用に『触れ合えない理由』が二人の間を引き裂く。
これは坊っちゃんの孤独を加速させ、そこに手を差し伸べるアリスの唯一性を際立たせる壁でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
死すらいとわず接近してくるが、触れてしまったらそれで終わり。
『ファンブル怖くない? レジストすっ飛ばして即死だよ?』と、思わず聴きたくなる無私の突貫が、もはや心地良い。
家族から引き剥がされ、母の愛、友のふれあいを求めつつも満たされない、坊っちゃんの悲しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
しかし死の手が持つ威力を見てると、母やフィリップの対応も納得は行く。いやこえーだろマジ…。
取り繕った笑顔で逃げず、全部ぶちまけたフィリップは誠実だと思うよ。
坊っちゃんを傷つける『怪物!』のそしりが偏見ではなく、事実の指摘でしか無いところは難しく、また面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
”人間らしいふれあい”なるものを許してくれない異能を抱えて、どう生きていくのか。
ヒト扱いしてくれるアリスの包容力を支えに、怯えながら震え続けるのか。
はたまた、自分なり死の力と向き合って、怪物なりの生き様を掴み取っていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
少年貴族の独り立ち物語にも、期待が高まるセッティングである。
こういうグイグイ系は、脆い夢抱えたナードの共感性を高めるべく…そしてもどかしい関係を維持するべく、主役はたいがい内気である。
自発的に求め踏み出さなくとも、強く賢い女の子が迫ってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
この責任回避の構造が逆転し、ただ与えられるだけではない頼もしさが男の子に宿る瞬間が、僕はとても好きである。
坊っちゃんにも、そんな輝きを期待したくなる。幸い人品が良いので、かっこいいとこはすぐ見れるだろう。
花を枯らす死の異能が、赤い三白眼に黒い衣装と合わさって、ちとヴァンパイアめいた耽美を宿しているのも、面白い味付けかと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
余人の訪れぬ郊外の屋敷、迫害と偏見。
吸血貴族モノのテイストを、上手くアレンジして盛り込んでるところは好みである。
そんな坊っちゃんにマジグイグイ来るアリスは、なーんでそんなに坊っちゃん好きなのかさっぱり解んない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
呪いの出どころと合わせて、これは意識された伏せ札として差く品を引っ張るところなのかなー、と思ったりもするが。
恋とは理由のないものだから、”好きだから好き”でも良いけどね。むしろ好物
アリスの逆セクハラ(この言葉さぁ…”逆”いる? どの性がぶん回そうがハラスメントはハラスメントで、正逆付けると危うくね? 実数として、女性が被害者になるのが多数だってのは判るけど)はヤバさとヤダみ宿しつつ、コミュニケーションの一環としてギリギリ成立する味わい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
『貴方を人間として、欲望する存在が目の前にいる』とメッセージを出し続けることは、繊細にふれあいを求め続けてる坊っちゃんにとって、結構な救いだと思うしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
そういう方便もありつつ、魂の底から欲情してんだろうなー、って感じも、体熱あって好きよ。
Your eye's onlyな特別感を出しつつ、二重の意味で”触れば終わり”なハラハラ感を常時醸し出す上でも、アリスのエロティックな接触は大事なんだろうなー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
うっかりファンブルして、大事な人殺しちゃったら坊っちゃん、どんな顔するんだろう…(オタク岡村端幸)
そういう暗い想像(あるいは期待?)はさておき、坊っちゃんの現状と人格、それに触れ合うアリスとの関係が良く見える、良い第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
3Dモデルが悪目立ちせず、適切にラブコメ味をしっかり醸し出していたのもグッド。一表現手段として、スルーっと見れる塩梅。
今回はアリスと坊っちゃんにフォーカスして話を進めていたが、屋敷の生活を描くうちキャラも増え、いろんな物語が紡がれるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
つうか、二人きりだとおそらく間が持たねぇ…バリエーションの付け方も、今後の楽しみかな。
それが乗っかるベーシックは、なかなかいい味わいでした。
呪いの設定上、坊っちゃんが激しい接触を行えず、それが妙にしっとり落ち着いた雰囲気に繋がってる感じもあります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
人の往来が少ない追放地の空気もあり、朗らかで何処か寂しい郊外の空気が出てるのは、なかなか良いところだと思う。田園主義ラブコメ…とでもいおうか。
そこにどんな色合いと熱を足していくか、今後の話運びが楽しみになりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
ヘテロラブコメはボーイの可愛さが大事派なんだが、坊っちゃんは大変可愛らしくて良いね…アリスのグイグイに納得が行く。
次回以降、この適切な変化球を活かしどう物語を組み立てていくか。とても楽しみです。
しかし触れ合いたいのに触れ合えない、物理的障壁でエロティックな接触禁止ラブコメっつうと”ちょびっツ”思い出すな…(年がバレる発言)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
やっぱもどかしさこそが恋物語最大のエンジンで、これをどう加熱させ維持していくか、様々な作品がそれぞれの方法で、工夫してんのが面白いよなー。
追記 作品とは直接関係ない、と言って良いのかどうかもいまいち不鮮明な、言葉尻に引っかかってグダグダ言ってる感想
(というか、ハラスメントではないエロティックなコミュニケーションのラベル付として”逆セクハラ”という言葉を選んでいるエラー感が、多分引っかかってるポイントなのだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
間違っているという感覚と、シリアスで重たい状況を表すための言葉が目の前に実際出た時、取り違えてしまいかねない危惧)
(そんな重さで使ってるわけじゃないんだとは思うんだが、しかし自分が”Harassment”という言葉を眼前に置かれたときにはヒリつくヤバさがつきまとって、でもこの感覚ってもしかしたら一般的じゃないからこそ、ここで”逆セクハラ”も出てくんのかな…つう異物感と危機感)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
(それが私的な認識のズレから生まれるものか、なんらか広範な適切さを持ってるのか解かんねぇけども、オフィシャルにアリスの振る舞いを”逆セクハラ”とラベルするのは無邪気に過ぎると、個人的には思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月5日
まー言葉は真実性より利便性重点で流通するもんだから、”通じてるなら良し”…なんかな?)