アイドリッシュセブン Third BEAT! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
華やかなパーティ会場から溢れた毒は、濁流となって暗渠に注ぎ込む。
静かに…しかし確かに軋む舞台の裏で、道化が踊る。
破滅の予感を抱え込みながら、偶像たちは華やかな光で相変わらず、ドス黒い闇に麻酔をかけていた。
そんな感じの波乱へのカウントダウン続行中! 不穏が強まるアニナナ三期第2話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
『よし! 二期おつかれパーティーは終わったなッ!』とばかりに、じっとり陰湿な雰囲気が差く品を包み、重力が強くなるエピソードであった。
やっぱあおきえいコンテは、レイアウトが鮮烈で明瞭だ…よく刺さる。
華やかな舞台の裏にある、ドス黒い権力構造と感情、欲望。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
剥き出しのエゴをリボンで包んでお出しする、芸能産業の重たい部分に話が突っ込んでいく予兆が、色んな所で踊る回だった。
前々から触れられている部分ではあったが、三期は業界内政治を軸に回っていく感じかな?
IDOLiSH7もRe:valeも、そういう濁流を泳ぎ切るには一枚板になりきれず、むしろその孤立と個性こそが彼らの力だったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
強制的に意思統一して、こ子ろを殺して勝ちに行くんじゃ、今後対峙するだろう二大勢力のメソッドと同じだしねぇ…。
サバンナのごとく厳しい現実を前に、何を選ぶか。
脆くて儚い虹の色か、嵐に対応はできる一色塗りつぶしか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
どちらに転んでも苦しい戦いになりそうだが、何しろアイナナは七色が象徴色なのだから、夢も希望もないモノトーンを選ぶわけにも行かない。
意思を共用せず、個性を活かしたまま、現実にも勝ち切る。
そんな道を探り、進んでいくことになるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
得体のしれない巨大さでうねっている、芸能界の権力構造もその一環…という話なんだろうが、まだまだ動き出したばっかりの段階だからな。全体の構図は当然見えない。
立ち向かうべき強制と横暴をキャラ化してるだろう了が、どんな爆弾仕込んでるかも謎
しかし、危うくてロクデモナイのはよく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
獣達が動き出した時、どんな波風がザブザブ立つのか…不安でもあり、楽しみでもあり、か。
キレイなお題目だけ並べたところで、全てが解決なんぞしないのはここまでの物語でも、幾度も描かれたからねぇ…宝石を磨くためには、傷をつけなきゃならんのだ。
仲良しアイナナちゃんにも、ピシリと容赦なくヒビが入りそうである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
しかしようやく、大和のターンになりそうね。
大人ぶったスカシ面で泣き虫ボーイズを支えてきた兄貴分が、その実矛盾だらけの弱っちい子供でしか無いことを、やっと表に出せるわけだ。
そのほうが、嘘がなくて良いよ…辛くても。
大和はナギと三月の詰問をなだめすかして、撮影の現場へと逃げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
二期で弱さと怯えをさらけ出した体験は、大和が抱える複雑さへの、三月の理解を深めている。
同じように、ナギもありのままの自分をさらけ出し、受け入れられた経験あってこそ、仲間の現状に視線が向いているのだろうか?
大和の状況を分析し、疑問を口にする視線は中空に彷徨って、まだ明かされていない思い出を手繰っているように見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
後に陸が超ヤバい移籍爆弾を無防備に投げ込むが、人間経験していないことは分からないものだ。
痛みを込めた実感だけが、人のあり方を変えうる。
確かに凪のいうとおり、弱さを晒し愛に身を投げる以外に、嵐を乗り越える手段はない。大和が足場を置くべきなのは、どう考えてもアイナナの仲間だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
しかし、その正解に至るまでには迷い、間違え、さらけ出す必要がある。そこには戸惑いも痛みも、当然存在する。
そんな世の中の道理を、アイドル地獄をくぐり抜けた三月がちゃんと見据えているのは、良い描写だな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
あの体験自体はなーんも良くないが、そこから意味あるものをしっかり拾い上げて、仲間に還元できる強さを、三月は掴んだのだ。
体験から、しっかり学べる男である。
ドラマ撮影は難航し、皆が光と闇の中戸惑う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
愛憎の渦の中で、過ぎ去った過去を語り合い、あるいは道化が踊る。
監督さんの言葉遣いがあまりに詩的で軽くビビる。ポ、ポエジー…。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第2話より引用) pic.twitter.com/4MfZeNyd9d
流れ行く河だからこそ、誰も隣合えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
ユキを評する言葉はおそらく正しくて、だからこそ彼に突き刺さる。
持ち合わせた業というものはかんたんには乗り越えられず、しかし取り返しのつかない過去に学んで、生き方を変える。
変えようと、少なくとも努力する。
そんな足掻きを経て、たどり着いた闇の色は薄めだ。大和と棗クンが身を置く影とは、少し色合いが違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
今回3つ、芝居めいて取り繕った場面が展開されるわけだが、その味わいはそれぞれ個別である。
棗クンの場合は、挑発と挑戦を交えた偽りの芝居…という印象だ。
彼は好青年の仮面をかぶりつつ、大和の過去と傷をなぶって、断絶の間に立つ。白いスーツがわざとらしく、大和の黒い衣装と対比をなしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
白々しさ。
彼を見て一番に感じるのは、現状そこである。涼しい顔で傷口をえぐるその仕草に、何を隠しているのか。
性格悪いのは、よく判るね…。
大和が何かを隠してアイナナになったことは、ここまでもチマチマ描写を積んだ部分でもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
父との軋轢、芸能界の闇、千葉サロン…そういうものに接近していかざるを得ない状況の舳先に、棗くんが立って問いかけている状況でもあろう。
それは外側から押し付けられたわけではなく、元々大和の中にある
三月の言っていた『見せたくはない自分』というやつだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
白い窓枠が大胆に、大和の魂を分割する構図の中で、彼は彼自身に向き合ってはいない。その準備は、これから整えていくのだろう。
そしてそれを見せる相手は、何も晒していない白面の道化ではありえない。
そういう不信感と分断を、色濃く宿したシーンであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
光のただ中にいるのに、ねっとりと影がまとわりついてくる棗クンの見せ方、露骨ではないが芝居をしていると判る仕草の付け方…大変良かったです。
俺この子好きになれねぇなッ!(初手拒絶)
悪役としては、良いスタートだ。
飾らず、装わないことが強くて正しいかと言えば、けしてそんなことはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
傷ついている人に手を差し伸べ、後先考えず自分のもとに引き寄せる。
陸の無邪気な幼さが、どんな波紋を生むのか。一織には容易に計算できる。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第2話より引用) pic.twitter.com/GFYdqOW52J
赤と青…二人のイメージカラーに塗り分けられながら、けして腰掛けられることのないソファ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
床に書かれた格子柄は、無邪気さが武器の元センターと、プロデューサー兼業の天才少年が見据える世界の違い、その間にある溝を可視化する。
それは現状、越えられない裂け目ではない。
大和と棗を引き裂いた窓枠のように、絶対的な壁としては機能しないものを乗り越えて、二人は肩を並べ言葉をかわす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
疲れて、苦しんでいる人は助けないといけない。
そんな当たり前で率直な働きかけを、アイドル産業の構造は許してくれない。
引き抜き、ルール破り、軋轢と波乱。
善意から始まったはずのものが、既得権益と複雑な因習に絡め取られて、簡単には動かせない爆弾に変わりうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
一織の優れた頭脳は、そういう構造をよく見据えている。陸には見えないものが見えている。
それと同時に、傷ついた人を見過ごせない優しさも、陸にしかない強みなのだろう。
それが特大の仇ともなって、自分ひとりではなくグループ全体、事務所全体に大打撃をねじ込んでくるのが、この作品の厄介さなのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
政治力と分析眼、冷酷とも言えるクレバーさが大事な局面になってきそうだから、一織の出番は増えそうだなぁ…人情だけじゃ、解決できないことも多いか。仕事だもんな
闇に舞い戻った一織は魔術師と出会い、二度目の芝居の幕が上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
”作ってる”気配が濃かった棗の芝居に対し、九条は芝居がかった仕草こそが彼の”本当”だと描かれる。
うわっ付いた道化の仕草の奥を探っても、何も出てこない。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第2話より引用) pic.twitter.com/k6DchFOLBv
ゼロの残影に眼を灼かれ、自分自身が何をしているかも分からないほどに焦がれている九条に、表層と深層の区別はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
芝居がかったセリフの全部が本心だし、その狂熱がどんなものであるかを、二期を見た僕らはよく知っている。
ここら辺、これから腹の底が見える連中とは違う。
舞台裏の闇から、偶像の糸を引いて輝かせるプロデューサー気質。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
それは一織と九条で共通するものであり、緑のケージが作る線を超えて差し出された手帳を、一織はひったくるように受け取る。一応のコミュニケーションが、ここでは成立しているわけだ。
しかし当然、九条は仲間でも味方でもない。
陸の抱える脆さ。そこから生まれうる破滅。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
終わりを知って、それでも諦めきれず走り続ける九条には、一織が見えていないものが見えている。
不吉な預言のように、道化が差し出したものに一織が…アイナナがどう向き合うか。ここにも地雷埋まってんスけどー!
実際九条との因縁、彼の歪みには決着全然付いていないわけで、闇に踊る信頼できない狂人として描く筆は正しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
しかし二期の物語を経て、この人が狂うだけの事情も見えてしまっていると、ただただ拒絶して終わり、という感じにもならない。
そして、終わって狂えばこそ見えてるものもある。
現在進行系で栄光に向かってひた走るアイナナと、全盛期のゼロ…九条を狂わせたものはよく似ているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
ゼロに似ている陸に触れたくないと告げるのは、深く刻まれた傷を二度裂かれたくはないという、九条なりの防衛策なのかもしれない。
九条自身にそんなつもりは、毛頭ないのだろうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
この闇の中でのふれあいは、破滅を知ればこその忠言にもなりえて、なかなか面白い。
実際あそこで、善意100%で移籍持ちかけられる無邪気さ、本気で嘘を付くお仕事する上では、死ぬほどヤバいよなー…。さて、どうなるかな。
流れる河の、そばに立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
千サンお得意のほのめかしに、百点の正解を無意識に差し出しながら、百ちゃんは赤信号灯る夜の街へと踏み出していく。
そこでは三人目の道化が、狂暴な牙を戯けた芝居で覆っている。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第2話より引用) pic.twitter.com/u0MVv8XKem
自分を愛さなかった両親への憎悪。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
剥き出しの自分を評価しない芸能界への復讐。
了の行動理念が、本来楽しいものであるはずの食事の準備の中、顕になっていく。
了は芝居の付け方も音響の使い方も、特別気を使って演出されていると強く感じるが。
肉を投げ捨てる仕草、手袋を外す音。
そしてことさら滑らかに、作り上げた狂気の鎧で相手を威圧する仕草の数々が、彼のキャラクターをよく教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
ボトルを武器のように突きつけ、手袋で自分を寄ろう余所余所しさ。
百に語りかける時も、わざわざ横をすれ違って優位を取ってから、向き合い直して視線を合わす。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
ここで突き出されるボトルには確実にファリックな色彩があり、性の強要、セックス・スキャンダルの危うい気配が、了とモモを常に照らしている。
性に隣接する暴力性の被害者として、手弱女の色合いを常に宿してモモちゃん演出されてる所が、僕は結構好きである。
あの皿に投げ捨てられた肉は、食べたくないな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
そんなフィジカルな質感をしっかり宿して、了への嫌悪感と恐怖…それでも接近しなければいけない状況を上手く焼き付ける、イヤーな会食(未満)のシーンである。
冒頭、大和とナギが交わしていた、朝食スタイルのすれ違い。
あれは同じ場所で同じ食事を取りたいと願えばこそ…そして大和が己をアイナナの異物だと認識すればこそ、生まれる”食べれなさ”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
しかし了の場合は、最初から構えを崩し、対等な立場で飯を食う姿勢がない。
食事の準備自体が、他人を威圧し、何かを強制する武器になっている人格が透けている。
戯けた余裕を保ち、全てを踏みつけにする立ち位置にふんぞり返ることで、彼の傷ついたプライド、満たされない渇望は癒やされていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
ナギが告げていた、愛に身を投げる覚悟、弱さを晒し受け止め合う強さから、了がとても遠いことを…アイナナの”敵”にしかなりえないことが、自然と解ってくる。
多分孤独で、荒野に置き去りにされたからこそ牙を剥き出しにするしかなく、それが孤独を更に強め、自分が餌食にする肉にも敬意が持てない存在になっちゃったんだろうな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
そら、了が悪いよ。屑だもんそういう生き方。
でも、そうならざるを得ない嵐は確かにある。
そういうどーにもならねぇ業の囚人すら、アイドルちゃんのピカピカビームは救いうるのか。救う必要があるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
『対象を選ぶ救いなんて、ただの傲慢じゃないかね』という、救済論まで視野に入ってきた感じはあるな…でも助けたくねー!
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第2話より引用) pic.twitter.com/FY4MABtjXV
社内クーデターを成功させ、いろんな謀略を張り巡らせて、今まさに我が世の春を駆け上がろうとする肉食獣。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
了は自分が見ている世界…弱肉強食の荒野を疑わないだろう。
誰かが見ている別の世界に、自分をより善くするヒントがあるから、そこを大事にしなきゃとは考えないだろう。
違うからこそ、何かを学べる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
アイナナちゃん達は幸運な出会いを果たし、ときにぶつかり合いながらも相手を尊べる。
弱さを知り、情けなく膝を負けて泣きじゃくれる相手がいるからこそ、それを越えて自分を変えていける。
そういう逞しい可塑性が、主役に立ちふさがるイヤな悪役にはねーんだな。
魂の底までゼロで灼かれて、道化の仕草が本当になっちゃった九条は、徹底的にナチュラルだ。自分を疑うところがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
しかし了の取り繕った攻撃性には、どっかこー…虚しさがある。満たされていない自分をどっかで理解して、その弱さを隠すために牙を取り繕う。
生来の肉食獣は、黙って肉食ううだろ。
怪物にならざるを得なかった彼のパーソナリティが、どんな嵐を持ち込んでくるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
それを越えた後で、救われようもない悪辣にどんな始末が待っているのか。
2クールの長い物語の先を、勝手に推察したくもなる、濃いシーンであった。
ふーむ…作中随一の凡愚なんかね、月雲了。
そして、大和と一織が出会う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
スキャンダルの種を抱えている大和当人は光の中にいて、一織が闇に潜んでる構図が面白い。
世知に長け、覚悟を持ち、為すべきことを為す。
今まで大和が演じていた”大人”の立ち位置。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第2話より引用) pic.twitter.com/xB4D1jH6GG
そこに、年少の一織は既に踏み込んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
センター交代劇を通じて、彼も生来の計算高さ、影の深さをどう活かすか、よく考えモノにした…ということだろう。学ぶねぇ…和泉兄弟は。
了が百を悪しき仲間にしようとすり寄ってくるのに対し、一織は迷いなく大和を斬る決断を告げる。
仲間としてベタベタひっつく癒着が命取りにもなり、あえて切り離す冷徹こそが救いともなる、不思議な関係性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
光と闇が入り交じる場所で、大和はおどけた仮面と余裕を引っ剥がして、深く瞳を閉じる。
そこに、取り繕った芝居はない。
むき出しで脆く、嘘のないものを見せられる距離感。
それがあればこそ、大和はずっと続く後悔を言葉にして、心の外に差し出せるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
三月と陸が光から差し出した歩み寄りではなく、一織が闇に身を沈めて突き放す態度こそが、大和のハラを決めさせたのは面白い。
そういう怜悧な現実感覚が、必要になるときもあるのだ。
ヤマちゃんの後悔はアイドルになったことではなく、それを復讐の道具として使おうとした志、アイドルと仲間に惚れ込んじゃった自分への後悔なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
最初は腰掛けにして使い捨てるつもりが、やってるうちに情がわき、楽しくなり、仲間もファンも裏切れなくなる。そういう男よお前は…。
『何後方理解者ッ面で腕組みしてんだ』と思わなくもないが、アタイの好きなヤマちゃんはそういう人だからさ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
親父と同じ仕事をするうち、自分を孤独に追い込み復讐を決意させた生き方を、否応なく理解ってしまう部分もあるんだと思う。それに、なかなか整理はつかなかろう。
ここで率直に思いを口にするのではなく、『おれ、全部を台無しに出来る爆弾持ってんだけど殺してくんね?』と言ってくるあたり、甘えと期待が透けてて好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
止まれないし進めない自分を知ってるからこそ、誰かに助けて欲しいんだなー…。
そこで『助けます!』と言えないからこそ、一織は深い闇に身を置いているし、そこに溺れもしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
彼は七瀬陸にはなれないし、だからこそ強く惹かれてもいるのだろう。
それぞれの生き様が、それぞれの強さと弱さを生む。
それを混じり合わせ、隣り合わせて、虹を産めたなら…。
そんな未来を幻視もするが、しかし芸能界に潜む闇は不穏な気配を漂わせたまま、溢れ出しはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
スカッと全てが収まる答えにたどり着くためには、ドス黒い嵐を越えて真実を問いただす必要がある物語だってのは、まー僕も知っとります。
ま、一筋縄じゃいかないよね。
そろそろ一話二話、じっくり不穏さを溜め込んだ物語が牙を剥いてきそうではあります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月11日
社会構造の巨大さ、怪物性を強調した後に来る嵐は、今までとはまた違った苛烈さでアイナナを試すでしょう。
吹き付ける風の強さに怯えつつも、それを越えた先にある光を夢見ながら、次回を楽しく待ちます。