かげきしょうじょ!! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
過去と向き合い、新たな道を進み始めた愛。
さらさと仲直りの機会を手探りしながら、訪れた劇場で紅華の星をようやく見据える。
トップを目指し進みだした背後で、一人押しつぶされかけていた少女。
夕日が沈んだ先、分厚い雲の向こう側に、果たして星はあるのだろうか?
そんな感じの熱き青春群像演劇物語、色んな陰りと輝きが入り交じる第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
トラウマと向き合い、人生のリスタートを切った愛ちゃんが”友達”を手探りし、新たな夢に進む前向きな物語と、山田が夢と現実に押しつぶされかける後ろ向きな物語。
そこに関わる色んな人の表情が、よく切り取られていた
トップになれるのは一人だけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
でも、選ばれなかったものは負けているのか。今必死に走ってるからこそ苦しい者たちは、何も持っていないのか。
非常にシビアな問いかけを、笑いと輝きに交えて投げかけてくる作風は、舞台を照らす光とそれが生み出す影を、様々に切り取ってくる。
さらさと愛ちゃん中心に動いてきた物語が、ビリッケツ少女の苦しみと再起にフォーカスし、群像劇としての横幅を切り取ってくる話でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
家族、教師、学友…色んな人が人生舞台に関わって、それぞれの厳しさと優しさで、大事な演目を形作る。触れあえばこそ、本気で思えばこそ伝わり、変わっていく
その多彩なダイナミズムが、よく描かれたエピソードだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
天性のスタァとして愛ちゃんの瞳を奪ったさらさを見上げる視線と、どん底から這い上がる山田を見る下向きの目線が、一つのお話に同居しているのが、物語に奥行きと横幅を与えていた。
全ての少女…と少女以外が、皆人生という舞台の主役。
飛田展男の熱演が光る小野寺先生は、銀橋には上がらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
しかし閉ざされた扉の前、必死に魂を込めて思いを届けるその有様は、主演に相応しい強さと正しさ、美しさがあった。
少女であることだけが、主役の条件ではない。
舞台を目指すことが、人間の資格ではない。
そんな風通しの良い視線をしっかり折り込みつつ、それでもトップへとひた走る少女たちの輝きを追う意味。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
それが山田彩子復活の”My Sunset”に、大変豊かに乗っかっていたと思う。
日が沈めば夜が来る。
でもそれは終わりではない。星は闇に輝き、日はまた上り明日は来る。
彩子は、そこから始め直す。
今回は細やかな表情や仕草を切り取るカメラが大変元気で、キャラクターが特に生き生きと描かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
見てくれよ…このビリケツ少女のニカッと笑顔を!
本来こういう表情のできる子なんです…それが便所に隠れて飯食って、ゲロゲロ吐いてるんです!
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/cQYgDHuBKI
最初の緊張が解けて、クラスがだんだん打ち解けている様子も自然に描かれていて、そこで生まれる笑いが、シビアな展開を受け止めるクッションにもなってくれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
杉本紗和、マジで紅華キチのおもしれー女だからな。それをクラスのみんなも解ってきて、空気が柔らかくなってきてる。
…んだが、愛ちゃんはその輪に入るよりも、さらさの背中を眼で追いかけ、語りかけては口ごもる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
喧嘩したことがないから、仲直りの仕方がわからない。
あまりに不器用な人生一年生少女の悩みに、太一は優しく寄り添う。アンタがそばに居てくれて、本当に良かったと思っている…。
パパベアーのハラワタを引っこ抜いた時に、愛ちゃんの情緒は成長を止めてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
お母さんが自分を守ってくれない世界で生き残るために、全てを遮断し、他人の顔を見ないことで生き延びた。
それは当たり前の子供(例えば山田彩子とかが)が当たり前に育めた、交流の手段が手元にないことを意味する
神戸港での激烈な体験を経て、愛ちゃんはそんな自分を前に進め、他人と触れ合い、受け取る道を探し始める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
何しろなんにもないのだから、何も分からないし怯えもする。
しかしそれは、愛ちゃん自身がが進むしかない道だ。だから太一は見守りつつ、手は引かない。
この距離感は話のラスト、小野寺先生扉の前の大熱弁にも敷衍している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
彼は彩子に自分の思いを伝えつつ、彼女が立ち上がれる理由を自分の口から、魂の底から引っ張り出そうと問いかけている。
”歌”という答えを彩子自身が言うまで、彼は一言も口にしない。それは、自分で掴まなければ意味がない言葉だ
様々に厳しい世界の中で、理想の自分、輝く夢に近づいていくための杖を、子供たちが掴むための手助けを果たしながら、優しい男達はあくまで、自分の足で進む未来を望んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
その距離感が、見ている僕にはありがたい。立ち上がり、歩き直す強さを少女たちが持つと、信じるからこその間合いだ。
というわけで、ワクワクの観劇授業でもさらさの顔ばかり見てる愛ちゃん…なんだが、さらさに引っ張られるように舞台を見て、その輝きに魅せられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
逃げ場所と選んだはずの紅華が、どんな表情をしているのか。
自分が何を目指せる立場にいるのか。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/DFvZoTPPAf
さらさの瞳の輝きを呼び水にして、愛ちゃんの心の扉が開いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
それはずっと愛ちゃんの前にあったものなのだが、受け取る側の準備ができていなければ、届かないものでもある。
しかし出会い、守られ、手を取られたことで、ようやく支度が整った。愛ちゃんは自分の外側にあるものを、ようやく見る。
愛ちゃんは自分の世界に踏み込むさらさが好きで、だからずっと彼女を見てきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
視界に入り込むんじゃなくて、自分が追いかけていたさらさの情熱に感化されることで、愛ちゃんは自分が何をしたいのかを知る。あるいは思い出す。
舞台の上で歌い、踊り、演じる。それが、愛ちゃんはずっと好きだったのだ
どん底に沈んでから立ち上がる彩子の再生が目立つ回だが、さらさに惹きつけられる事で愛ちゃんの夢…夢を見れる瑞々しい魂が蘇っている様子も、非常に丁寧に描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
さらさを見て、その視線の先にある舞台を見て、目を見開く。愛ちゃんが運命に出会う瞬間が、客席の陰りの中で鮮烈だ。
それは劇場から出たときこそ、更に強く輝いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
ガード下の観客席から真っ先に躍り出て、夕日(My Sunset!)のスポットライトに照らされるさらさの華。
誰もが思わず目を奪われ、瞳を輝かせる才気の発露。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/eWLHhNHGiK
輝く夢しか見上げない、真っ直ぐな視線に思わず共鳴させられる。魂が引っ張られる強い引力が、愛ちゃんを劇的な空間へといざなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
見上げた空には、眩しく輝く一番星。
そこに並び立つには、スターになるしかない。
一緒にいたいのなら、自分も輝くしかない。
ここで愛ちゃんが強烈なヴィジョンを持っているのは、彼女が生存の為眠らせていた創造力がどれだけ強いものか、よく示していると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
感受性とイマジネーションが強く、優しく夢を見れる少女が自分を殺し、世界を壁の向こうに押し込めなければ、生き延びられなかった体験の重さを、逆さにも語るが。
しかし愛ちゃんの世界はもう開け、夢はその瞳に見えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
渡辺さらさという、背の高い女のこの形をとった憧れ。大好きだから友達になって、一緒にいたいと思う気持ちに、愛ちゃんは手を伸ばして掴む。
一人では行かせない。ここが、私達の距離だ。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/mtfvFVY8S9
愛ちゃんが勇気を振り絞って掴んだ手を、さらさが力強く両手で抱きしめ、真っ直ぐに視線を向けるのが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
『お友達になってほしい』と投げ渡した、幼く率直な思いに全力で答えられて、思わず涙する愛ちゃんが良い。
その人生舞台は、見るものを思わず惹きつける。
かげきしょうじょ達のリアルそのものが、真に迫った”劇”として強烈に、見るものを引きつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
モニタの向こうの視聴者にも伸びた構造が、愛ちゃんとさらさを主演に、学友が優しく見守る青春の1ページを彩っている。
その脈動は、否応なく人を惹きつけ、変えてしまうのだ。
『幼稚園でやっとけよ…』みたいな、ド直球の友情締結シーンがやはり眩しくて、また泣いてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
愛ちゃんは暴力的に略奪された幼年期を、意を決して取り戻していく。
友だちを作り、夢を追い、そうする自分を肯定できる道のりを、今から必死に走り抜けていく。
何もかもが自分には関係ないと、遠ざけることで自分を守ってきた少女が、壁を取り外し手を伸ばしたいと思えるものに、そうしても自分が死なないという確信に、ようやく踏み込んだのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
この幼く不器用な、しかし間違いなく人の心を打つ友情のスタートラインは、その証明である。
ホンマ愛ちゃんは情緒が育ってねー人生一年生なんだが、そんな自分をしっかり認識して、足りない部分を補おうと凄く必死に、真摯に生きていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
色んな人が、そんな歩みを見守りながら肩を並べ、一緒に進んでくれる姿が、俺にはありがたい。
長いでこぼこ道を、皆で肩くんで進んでいくんだなぁ…。
というわけで、後半は山田彩子のでこぼこ道である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
『女友達は一緒にトイレに行くもの!』という、愛ちゃんの大間違い友情知識がたまらねぇ。
そこで一笑い取っておいて、マジ洒落になってない過食嘔吐の現場に、居合わせちゃう落差とか大変良い。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/ObLNXEilvl
出来ない所から、夢に向かって一歩ずつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
家族の励ましと暖かな支えで、ようやくたどり着いた夢の舞台。
しかしその重さが彩子にのしかかり、心と体を苛んでいく。
本来飯食う場所じゃない”便所”で、食って吐いてするしかない追い込まれ方が大変に哀しい。
山田が追い込まれていく姿だけでなく、確かに積み上げてきた努力、守ってくれる優しい場所も同じくらい積んでいることが、お話を暗く沈ませすぎない大事な足場だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
山田彩子は、今の自分を無用で無価値だと追い込んでいる。かつてズタズタにされた、愛ちゃんと同じように。
そんな人生の夕暮れから立ち上がるヒントは彼女自身の中にあり、しかしなかなか見つけられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
誇り高く空を見上げられる自分を、捕まえるまでの長いのたくり。
それは人によって、吐いたり足踏みしたり、様々な形を取る。道が何処に続き、何処にたどり着くかは誰にも解らない。
満たされて強く見えるさらさが、その実一度道から突き落とされていることを、瞳を開けた愛ちゃんはうっすら感づいている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
まだ横並びに素顔を見せてくれない、大事な友だち、あこがれの人。
それに追いつくためにも、全力で人生に追いつく決意。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/04zEUcjZnZ
愛ちゃんのトップ宣言にはそんな、自分を前に進めていく覚悟が静かに籠もっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
誰かと比べ、蹴落とすためではなく、ただただ自分を前に進めていく気高さをしかし、彩子は陰りと受け止めて、口頭に指を突っ込んで吐く。
その自傷が痛ましくて、大変に辛い。
彼女が身を置いたのは否応なく、実力を比べられ、容姿を見定められる場所だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
強い日差しのように肌を焼く”それ”と、向き合う覚悟を愛ちゃんは決めたからこそ、思いを言葉に変え、外側に突き出す。
それはある意味、オスカル様オスカル様とやかましい、さらさ的な仕草と言える。
大好きなさらさを鏡にすることで、愛ちゃんは周囲の眼に怯えず、夢を語れる自分を捕まえていける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
しかしその比較は綾子の中で、自分を苛む刃になってしまっている。他人と比べれば倒れるしかない、弱い自分しか今の彼女には見えていない。
影と光は同じ場所にあって、様々な作用を生み出すものなのだ
厳しい橘先生と、優しい小野寺先生。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
生徒たちは『やがてショウビズに身を置く存在』なのか『巣立つ前の守られるべき雛』なのかは、その両方でもある事実を踏まえると、答えを出せない。
しかしそれぞれの立場から、生徒を見ているのは間違いない。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/rmnhwS6ECE
ここで潰れるなら、そこまでのこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
橘先生のシビアでシリアスな対応と、違う答えに小野寺先生は閉ざされた扉の前、踏み込んでいくことになる。
それではその歩み寄り方だけが”正解”なのかと言えば、そういう事はないだろう。
様々な人がいて、様々な答えがある。それは豊かで、残酷だ。
愛ちゃんは幽霊のような鉄面皮で、アイドル時代に学んだ嘔吐知識を無骨に、彩子に叩きつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
追い込まれた彩子はそこにある、不器用な優しさを受け取れない。
元々きれいな人。デブでブサイクな私。そういう切断に、自分を置いている。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/1swdjYVs1r
他人に興味がなかったはずの愛ちゃんが過食嘔吐のこと、こんなに良く知っているのは、JPX時代も誰かの審美基準に揉みくちゃにされて、心身をズタズタにされていく仲間を見るのが嫌だったから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
でもどう踏み込めば良いのか解らなくて、知識を深めるしかなかったんだと思うと、寂しくてやるせない。
アイドル時代に出来なかった救援を差し出そうと、痛みに伸ばした指はあんまりに無骨で、追い込まれた彩子を(例えばさらさが自分にしてくれたように)力強く受け止める、というわけにはいかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
でもね…愛ちゃんは苦しんでる彩子が見ていられなくて、助けようとしたワケよ。
彩子が羨む恵まれた容姿は、愛ちゃんにとっては重荷で凶器でしかなかったってことも、当然彩子は知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
そういう所に思いを巡らせる余裕が、今の彼女にはない。解ってもらうだけの器用さが、今の愛ちゃんにはない。
だから、二人はぶつかり合って、愛ちゃんは呆然と取り残されるしかない。
では上手く行かなかったから、この接触は無駄だったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
そんなことはないし、そうであってはいけないとも思う。
復活を果たした彩子は自分がはねのけた、愛ちゃんの優しさに目を向けるようになる。
上手く行かなかった自分を、それでも愛ちゃんは一歩ずつ肯定していく。
小野寺先生のクリティカルな救済だけでなく、この薄暗い場所での”失敗”をちゃんと切り取っているのが、僕はとても好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
ホントなー、愛ちゃんがぶっ壊された自分と世界を取り戻すべく、不器用に進んでいく試みを見るたびに、思わず拳を握ってしまう。頑張れ…みんな頑張れ…。
追い込まれた彩子はついに倒れ、夢を諦めようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
冷たい言葉で突き放したように見えて、ぶっ倒れた瞬間イノイチで駆け寄ってる薫が、あまりに善良すぎて泣けてくる。
お前もまた、持ち前の優しさを不器用にしか使えない女(ひと)…。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/DkpFKFOgmg
彩子が絞り出す復帰願いを、見えない所で首横に振って断ってる小野寺先生とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
理由を告げぬまま縋ってくる妹を、優しく抱きとめるお姉ちゃんとか。
非常に重く苦しい運びだが、彩子を取り巻く沢山の人の優しさは、画面にしっかり埋め込まれている。
彩子が唄う/吐く存在として描かれる以上、口元のクローズアップが多く、だんだんと干からびていく唇がしっかり描かれていることも、なかなかに苦しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
彼女の武器である歌が飛び出してくる場所は、その役割を忘れ、臓腑に満ちる苦しみを吐き出す場所になってしまっている。
その機能不全は、取り戻されなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
禁を犯し、閉ざされた扉の前に踏み込んで、小野寺先生は自分の思いを、一切飾りなく伝える。
その仕草は見えるはずもないのに、激情に引っ張られて両手は広がる。知らず、彼は救済を”演じて”いる。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/qPauVnIKPT
愛ちゃんが太一に教えられたように、真っ直ぐな思いを自分の言葉で伝えることが、彩子の扉を開ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
ドンケツの落ちこぼれだと自分を追い込んでいた彼女が、沢山の敗北者の屍を踏んでいる事実。
そう出来るだけの輝きが、あると信じるからこそ、一度閉じればもう開かれない扉を、諦めてほしくない。
最初は事情がわかっていなかった寮母さんが、小野寺先生の”熱演”に打たれて心動く様子が、繊細に切り取られているのが大変良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
がむしゃらに突き出されるものは、人を動かす。劇場の外、夕日のステージで思わず、彩子がさらさと愛ちゃんの友情に涙したように。
何度でも言うけど、まず情熱を伝えて魂の活力を蘇らせた上で、扉を開ける鍵…歌という武器を彩子自身に掴ませるのが、最高に良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
信じてるし、信じたいわけよ、小野寺先生は。
山田彩子が道を閉ざさず、歌という武器で未来を掴める強さを持っているって。自分の足で、ちゃんと立ち上がれるって。
さらさだって太一だって、愛ちゃんがそういう存在だと信じたからこそ無遠慮に踏み込んで、手を伸ばしたわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
そんな風に誰かを信じ、誰かに夢を預けることは、主役だけの特権じゃない。
皆がそれぞれ、別の現れで自分だけの武器を持っていて、試されてなお立ち上がれる。
そう信じたいから、この物語は少女たちを襲う厳しい試練を偽りなく描き、折れかけ、かけがえのない助けを受け取って立ち上がる姿を、何度も描くんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
そんな営みに関わる全ての人が、あまりに眩しい輝きを放つと、小野寺先生の”熱演”は語ってくる。
いつか華やかな舞台を、真っ先に下りてくるエトワール。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
小野寺先生が信じる自分の姿を受け取って、彩子の唇には潤いが戻り、そこから歌が溢れ出す。
”My Sunset”
この場所に選ばれた時、わたしが歌った歌。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/HocmnHTFEe
小野寺先生がわざわざ、その曲目を選んでくれた意味を、生来の感受性も復活させた彩子はちゃんと受け取っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
自分のために号泣してくれたお姉ちゃん、不器用に心配してくれた愛ちゃん。
自分の周りにある輝きを、ちゃんと受け取れる子なんです山田彩子は…。
再生なった彩子が周囲を驚かせる中、一人微動だにしない薫がまー、微笑ましくも愛おしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
その輝きを、もう知っていたからこそ苛立った。立ち上がって、堂々と歌って欲しかった。
その願いをうまく言葉にして伝えることは出来なくとも、願いはそこにある
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/dkvQycvGEt
彩子の歌に初めて出会った小野寺先生の仕草一つで、どんだけ魅了されていたか判るのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
やっぱ合唱の先生として、自分の領分で”強い”子は思わず、特別に魅入られちゃうんだろうな。
その引力が、巡り巡って落ちかけた彩子をすくい上げた。そう出来たのは、手を差し伸べてくれた誰かのおかげだ。
色んな出会いと、踏み込んで差し出される掌が混ざり合って、生まれる人生の不思議。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
迷って、傷ついて、間違えて、でもそこで終わりではない。
輝きに憧れて、真っ直ぐに顔を上げて、でもとても理不尽なものが道を阻む。
その両方が”正解”で、だからこそ進む。
肩を並べ、手を繋ぎながら、己の道を。
そんな物語は、まだまだ続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
パワーを取り戻した彩子が、愛ちゃんの不器用な歩み寄りにお礼を言ってくれるの、マジ最高。
愛ちゃんがねー…見落とした彩子を責めず、伝えられなかった自分を蔑まず、もっと良い人間になろうと前向いてるの、眩しいよ…。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第5話より引用) pic.twitter.com/hghHr6Vdme
愛ちゃんは凄くクールな子で、ベタついた自己憐憫で足りてない自分を下に見るでなく、もっと他人に踏み込める自分を探す方に注力してる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
”人間”出来てない自分を、すごく冷静にシリアスに見つめた上で、どうすればいいかを考え、周囲をよく見て学び取ろうとしてんのよね。
その視線は、失われた助六を思って沈み、しかしまた笑顔の仮面を付けて上を向き直すさらさのほうへ、引き寄せられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
涙の上書きを語った時は、見れなかった背中の向こう側。そこに隠されたものは、まだ全部見えない。だから、知りたいと願う。
ほんっっっと奈良田は渡辺が好きな!(最高)
規格外の変人っぷり、持ち前の華、前向きで華やいだ態度。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
さらさの陰りは、色んな輝きに隠されて見えにくいが、その懐に飛び込み、ずーっと見つめてる愛ちゃんはしっかり輪郭を掴んでいる。
渡辺さらさは、大きな謎である。
過去を語らず痛みを見せず、しかしそのデカい図体から繊細なものが染み出す
ツンツン遠ざけていた時も…桜の中初めて出会った時から、愛ちゃんはそれに魅せられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
自分とは全然違う、遠くに輝いていて、でも何か通じ合うものが確かにある、不思議な友達。
私の憧れ、私の光。
それに並び立つために、手を繋ぐために、愛ちゃんは進んでいく。夕焼け空に、星はあるのか。
それを知るためにも、傷ついてなお立ち上がる少女たちの物語は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月31日
微細な表情の作画、群像劇としての広がり、情熱と憧れ…人生を動かすものが鮮烈に描かれ、大変良かったです。
みんな決死に生きてて、みんな凄いよ…みんな頑張れ!!
次回も楽しみですね。