アイドリッシュセブン Third BEAT! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
嘘と秘密が生み出した軋みを、笑顔に隠して偶像商売。
しかしその危うさは、モニタ越し確かに漏れていた。
差し伸べられる手を手繰って、戻るべき場所に帰る。
そう出来たら良いと、いつでも思っているのに扉の前、心は動いてくれない。
そんな感じの二階堂大和の迷い道くねくね、ジリジリと人生を積み上げていくアニナナサドビ第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
画面の雰囲気をしっかり制御する、ストイックな演出が陰陽両面に効いて、とてもアニナナらしい回だったと思う。
展開としては長いトンネルが続き、ストレスフルな話…なんだが。
レイアウトと静物の暗喩から明瞭な意図が見て取れて、この迷走がどこに続いているかに感応しやすい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
絵作りの巧さが、暗いところは極端に暗く、下げる部分はドン底まで落とす話作りを、ギリギリ飲み込める形にまとめている。
今まで、そして多分これからも活きるだろう、僕の好きなアイナナ”らしさ”
それを感じ取れるエピソードで、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
まぁ展開的には、ヤマちゃんが一生泥ん中でのたくっててイライラする話ではあるんだが。
そうしてタメた感情を、水と光に溢れた庭園のシーンでしっかり開放して、未来が良くなる予感でまとめ上げているのも見事だ。
やっぱ、緩急と起伏が巧い。
というわけで、心の底がブチ抜けた極限体験を、二階堂大和は”夢”ってことにしておく。貴方ねー…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
揺れ動く主観から見える、藻掻き締め上げる指の動き。
目が描かれない不穏な雰囲気と、傾いだ構図。
出だしから不穏である。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/WA3Q4QsBN6
今回は二階堂大和という青年がどんだけ不安定で、ズルくて弱いか…今まで悩んで苦しんだ仲間と同じく”人間”かを掘り下げていくエピソードだと思うので、画面もそういうもので満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
これが真実だと体重を預けて、信頼できるモノがあまりない。見てる側が宙ぶらりんにされる。
その保留(suspend)された感覚の維持がサスペンスの骨子であり、こんなにブレブレの大和と、彼のアイナナが何処に行ってしまうのか判らないからこそ、先を見守りたくもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
後にモモちゃんが指摘するように、普通じゃない今の大和。しかしその不安は、隠していた真実でもある。
ずっと嘘をついてたわだかまりと、難役に向き合う苦しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
ドス黒い合金で塞がってた大和の心を、千の挑発はぶち抜き、だからこそ大和はすがるように首を絞めた。
自分がドロドロに汚れてズタズタに乱れている現状を、だからこそ誰かに甘えたい弱さを、ようやく表に出せた。
しかし大和はそれを現実と認めきれなくて、藻掻きながら目覚めて嘘を続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
夢…ということにされた領域から溢れた暴力性と苦しさは、しかし千の喉に確かな痕を残し、彼はそれを隠す。縋ってきた大和の芝居に乗っかる。
まだ、全てを受け止める姿勢が整っていない。そう判断したのだろう。
しかし心の限界を攻めるドSカウンセリングを経たことで、閉じ込められたものには確かにヒビが入る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
夢ってことにして形を整えても、千から投げかけられた言葉は心に残り、うずくまっていた大和を動かしていく。
前に進むのか、後ろに戻るのか。憎んでいるのか、愛しているのか。強いのか弱いのか。
鮮明に別けられない大人のあやふやを、物語はかなりゆったりとしたペースで描いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
白か黒か、何もかもはっきりと塗り分けられれば、こんなに簡単なことはない。
でもオトナ…を演じてる大和の世界は、白と黒が入り混じり、しかし何もかも灰色にはなってくれない。
それはつまり、何が白で黒か自分で見定め、自分に引き寄せる必要がある、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
復讐心と親父恋しさが入り混じった、ドロドロの想いで始めたアイドル活動で、確かに見つけた輝きと色彩。
その意味を掴み直すためには、灰色の世界、灰色の自分に一度、溺れきる必要がある。
まーその灰海紀行、突き合わされる側はたまったもんじゃ無いがな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
年少組が兄ちゃん達に仲良くして欲しいと、必死に紡ぐハッピー&ハグな空気を、形だけ受け止めつつ、やはり瞳は交わらない。描かれない。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/zzpfIxr0aP
形だけ整えて背中合わせ、お互いの瞳を見ない『オトナのケンカ』。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
それはただ、自分にとって大事な存在と、それに向き合う資格がない汚れた自分を見るのが怖い、臆病の結果だ。
でもなぁ…そういう情けない姿、ヤマちゃん一度もダチに見せてねぇから…。
例えば環くんは超絶ダイレクトに何もかもぶちまけて、結果色んな大惨事を引き起こしてきたわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
そういう『コドモのケンカ』もヤバいし、今回みたいな大人の冷戦もイヤでヤバい。
どういう形であれ、嘘と不和は気持ちのいいものではない。仲良く出来るなら、当然ソッチのほうが良い。
でも、そうなってはくれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
環くんの真っ直ぐな幼さが、世間とぶつかって波風立てたかつての物語を、大和と三月は逆側から照らしてる感じがある。
大人には、大人の難しさがある…というか。
無論真実”大人”なら、そこ全部飲み込んで傷も見せず、万事まとめ上げるモンだろうけど。
しかし大人な殻の内側には、何も成長できてない子供が体育座りしているわけで、それは多分、どんだけ年経ても変わらないのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
ここまでヤマちゃんが拗れる原因になった千葉さんや、憧れに呪われ続けてる九条や今後地獄みてーなトラブル引き起こすだろう了。
作中の大人はみな、ままならない過去に囚われ、我執に呪われて、ガキっぽい振る舞いを止められない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
『大人の中の子供をどう抱きしめて、しっかり立たせて前に進むか』てのは、アイナナの大事なテーマなのだろう。
ヤマちゃん、意地はってるとああいう大人になっちゃうよ…。
同時に純情年少組が子供の無力さ、止まらない衝動を主体的に演じることで、『子供が大人になっていく難しさ、だからこその輝き』てのも作品に宿る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
同じものを両極から見据えて、立体感を出す手筋が、年も家庭環境もバラバラの七人それぞれの物語を追う中で元気ね。群像劇の強み。
大人として”仕事”を表面上こなし、ファンに笑顔を届けながら、二人は致命的にすれ違っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
ここで三月は出方を伺う立場であり、相手を慮る余裕がある。差し出すのも、心のこもった手製のレシピだ。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/SPYYmhazDp
これに対し、大和が差し出すのは”銭”である。直球過ぎんよー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
大人の汚さを煮詰めたようなプレゼントは、彼の余裕の無さを上手く示している。
兄貴分、世知に長けた参謀役。
集団に自分を位置づけていたセルフ・イメージが、暴走してとても大事なものを蝕みかけている。
お金を手渡して、適当にやって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
そういう”大人”っぽさを自分に引き寄せたくないから、三月は大和とぶつかった。
しかしこのままでは、大和は大事な人にむき出しの生臭さを突きつけるタイプの、良くない大人になってしまう。
滑落しかかっているのは、踏ん張る足がないからだ。
ネジレた家庭環境、愛着を育成し人格の土台を育む経験の欠如。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
十分に子供でいられなかったツケが、大和の今を蝕んでいる。
同じく冷たい家庭に育った壮五が、意を決して二人を飲みに誘い、状況を変えようと…変わった自分を前に押し出しているのとは、なかなか対照的である。
無論、満たされた経験が全てを解決するわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
当たり前に幸せで、奇跡のように暖かな”普通の家庭”に育った和泉兄弟も、様々な軋みを抱える。
”家”は人を構成する一要因でしかないが、けして否定し得ない巨大な足場でもある。
そこが軋むなら、向き合い直し、欠落を取り戻す必要がある。
というわけで、沈むエレベーターの中、むき出しの対峙である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
ちゃんと目を見てケンカできない、ぶつかり合うだけ無駄。
確かにイチイチごもっともだが、んじゃあアンタは立派なオトナなのかよ!!
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/3b9MfMaJSP
人間の触れちゃいけない領域に、思わず叩きつける言葉。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
ここのモモちゃんの踏み込みは何処か、白々しい正しさが漂ってややウザいが、しかし優しさから出た親身な歩み寄りでもある。
『アイナナの頼れる兄貴』なら、その意味をしっかり解って、誠実に受け止めれただろう。
しかし、今の彼はそうではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
鏡に写ってる自分だけを見て、肩越しに他人と目を合わさず、向き合えず、制御もできない。
そういう状況にかつて…もしかしたら今も身を置いたからこそ、モモちゃんはキレずに暴言を受け止め、粘り強くアドバイスする。
でも、その瞳は震える。
ここでモモちゃんの受けたショックを、目のクローズアップで切り取ってきたのは良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
強く正しく思える人も、人である以上傷を受ける。正しさの機械ではないからこそ、その言葉も届く。
そんなアタリマエのことを、傷つけて初めて気づく大和の瞳にも、クローズアップが伸びる。
自分の口から飛び出した爆弾を反射されて、大和は初めて自己像が映る鏡ではなく、モモの顔に向き直る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
それは出口の方向であり、物事がより良くなっていく道に続いている。
モモが開けてくれている扉を抜けて、自分を小さく守れる場所へ。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/tUvotpoPtg
体育座りは胎児の姿勢、心理的なタイムマシーンである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
膝を抱え込むことで、大和は自分を鎧う”大人”を剥ぎ取って、満たされず不安定な”子供”へと戻る。
なんの支えもなく、低く地べたに這いずるこの姿勢が、認めたくなかった二階堂大和のホームポジションである。
高くフラツイた、尖って他人を傷つけてしまうポジションに立っていた時は荒んでいた瞳が、腰を下ろすなり光を取り戻す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
『眼の小ささ』は大和が大人である大事な記号だと思うけど、誰かに甘える時、甘えを許される時は瞳孔が柔らかく広がるんよな。面白い表現。
ギスギス空気悪い展開が前に進みそうで、モモちゃんの優しさありがたさに体重を預けたくなるシーン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
しかし彼は大和と目線を合わせるべく膝を曲げながら、同じ高さにはいない。少し高い位置で、見守り手を差し伸べる。
それは救済と依存を引っ張り出すための計算高さから、這い出したものではないのか
そういう疑念が強くなるように、かなり慎重に設計された画面だとも感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
モモちゃんが心底天使であるなら、瞳が見えないカットでシーンを終わらせる理由もない。
いやね…アタイも好きだから信じたいけど、画面はそう言ってねぇのよ
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/ZjasZQPvVo
頭を撫でてもらって、心の底から泣いて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
大和が真実子供に戻れるホームはアイナナなんだろうけど、そういう解決策を示し、差し出したのは他人で大人のモモちゃんである。
二期で散々、彼の愛嬌と苦悩を見守った立場からすると、それが濁りのない真実だと信じたい。
しかし、画面は不穏当にsuspendされ続けている。そのサインを、僕は見落とせない。刺すねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
ヤマちゃんの問題が序盤の山として解決した後も、おそらくモモちゃんを巡る黒い影は別の問題として残って、そのために布石を積んでいる状態なんだとは思う。こりゃ、尾を引きそうだぜ。
桃色天使が見せる不穏さには、了の影が長く伸びている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
沈む船から大事なものを一つ守り抜きたいのか、獅子身中の虫を狙って走狗を演じているのか。
判別するには、ちと材料が足らない。ここでネタバレても、サスペンスが成立しないしな!
酸いも甘いも噛み分けて、アイドルの”てっぺん”になったモモちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
そんな彼が卑劣に芝居をしないといけないくらい、了の謀略と暴力は強いのか、弱いのか。
そこが見えないと、演技か本気か判断しきれねーんだよな、結局。
雑魚で小物が相手なら、大人の嘘で最高の結末を狙う余裕もあるだろうし。
そこを読み切って安心したい気持ちも込めて、はよう了とŹOOĻくんには本格参戦して欲しい所である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
何もかも曖昧な灰色が、三期の基本色調であるから、それを描く筆致もややゆっくり気味、サスペンスを長く引っ張る作りにはなるよね。そこも楽しいんだが。
電脳世界に、満ちるファンの視線。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
取り繕っても不和は伝わり、守りたいもの、生み出したいものが不確かに揺れていく。
ここあたりから、携帯電話がその多彩な表情を主張し始める。
情報の窓であり、誰かに繋がる縁であり、思いの伝達機。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/guLRjGun3Y
もはや一番身近になった超情報機器に、人間の機微を載せて演出する手腕は”ゆるキャン△”思い出したりもするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
さておき、アイドルは本気で嘘を付く商売。
ギスギスを抱えたまま作った嘘では、ファンを騙せない。一織Pも危機感バリバリだッ!
人間の機微はイマイチわかりきらないが、顧客の動向には大変敏感であり、現場でのマス・リサーチにも余念がないあたり、一織は面白い男である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
モモちゃんが膝を曲げて視線を合わせれた体育座りの姿勢も、立ったままの応対だしなぁ…。
でも、真心がないわけじゃない。
つうかこのポンコツロボ人間は、自分の中に実は溢れてる情熱をどう伝え表現したら良いか、それだけが解かんねぇ男なので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
ヤマさんとはまた違った意味で、十分子供であることに失敗し、大人びてしまった青年なのだろう。あー、ややこしい。(そこが好き)
銀色の白皙もまた、そういうところが不器用な男であり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
愛を信じ未来を夢見て受け止めてるはずなのに、喉が絞まったり絞められたり。千サン…アンタも難儀だね。
しかし、見上げる先に虹は、確かにある…はずなのだ。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/gd6nI9u9nL
携帯電話の履歴には、三月からの歩み寄りが履歴と残る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
愛され、見守られている今の自分をたしかに知りつつ、光の中には進み出せない。
ジリジリと己を焼く、熱く強い光。それが生み出す濃い影。
二階堂大和は一人ではずっと、そこに佇んでしまう青年である。
千はそうして小さく丸まった影から、堂々自分を出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
一人背筋を伸ばして、光の中に立てるのは独りではないからだ。あの夏の日、虹の向こうに見えたダサいかっこよさは、誰かのために流した汗で輝いている。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/cpIoBznOKZ
そんな気持ちをようやく吐露できたのは、首を絞めるほどに激しく気持ちを揺さぶられ、エレベーターの前で崩れ落ちて、普通じゃなくなっている自分をようやく認識できたから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
自分が取り繕っていた”普通”が、どれだけ危うく得難いものだったかを、思い出したから。
小さく丸めた頭に、手を差し伸べられて泣きじゃくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
そんな素直な子供扱いを、大和はやっぱり受け入れられない。
凶暴に喉笛に噛みつき、言葉の刃で切りつけ、それで傷ついて膝を曲げる、綺麗でも素直でもない大人に、彼の半分はもうなってしまっている。
だから背中を見せて、絞り出した言葉を受け止めてくれるこの距離感が、今の彼には最適なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
ハンパに大人で、兄貴ぶって取り繕っていた嘘は、しかし確かに二階堂大和の一部でもある。
グズグズに乱れた”普通”じゃなさだけが、ヤマちゃんの全部ではない…あってはいけないのだ。
心に秘めていた憧れと、いつか見た虹にもう一度出会えた喜びを言葉にする時、世界は潤いに満ちて虹がかかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
黄色いバラの花言葉は、嫉妬と友情。
キレイなものと醜いものが入り混じった世界と、そこに佇む自分をようやく、大和は見上げる
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/VgCNMSSGV6
頭は撫でず、肩に手を置く。少し距離があって、自分を小さく縮め切りもしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
多分それが大和の望んでいた、セルフ・イメージなのだろう。千さんの振る舞いは、そこを適切にすくい上げていく。
幾重にも積み重なった嘘と強がりを剥ぎ取って、むき出しの自分を告げる。畏れず見せて、立ち向かう。
そんな座ったままの背伸びを、千は正面から向き合って正しく評価する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
あんだけハードに揺らしたら噛みつかれたから、今度は甘い汁でビタビタにする戦術だなッ!
普段ヌルい言葉遣いをしない男だからこそ、こうして向き合って差し出してくれた言葉が、大和を影から日向に出す、とも言えるか。
促されるまま、携帯電話で思いを伝える。胸に抱きしめたものを解き放って、進むべき場所へ漕ぎ出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
その若き輝きを、千は影から見上げる。
光の権化に思えたものも、何処か傷と闇を孕んでいる。大人の世界はやっぱり、難しい灰色だ。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/slKuugdLYe
待ち望んでいた歩み寄りを受け取って、満面笑顔の三月に対し、モモちゃんは手を伸ばさない。歩み寄りもしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
吉報を受け取って一瞬言いよどむ裏には、一体何が這いずるか。
打ちっぱなしコンクリート、灰色で冷たい世界に、何を抱えて立ちすくむか。
大和と三月のギクシャクが、虹と花と潤いの領域にようやく開放されたと思ったら、今度はRe:valeの影がクローズアップされていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
色んなキャラクターの傷と迷いを回転させて、上がったり下がったりを繰り返す地獄のメリーゴーランド、アイドリッシュセブン。恐ろしい作品だよ…。
曲作りの苦悩、大人であることの難しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
大和を前に、見事に光を演じきった千さんは、道を違えた元相棒と本音を交わす。
ダイレクトに手を触れ合わせず、いたわりの籠もったコーヒーでクッションして繋がるの、面白い対比よね。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/XIIr5scaIu
大和のように、直接触れて触れられて、あるいはそんな子供扱いにしっくりこない時代が確かに、二人にあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
でもそれは遠くに過ぎて、大好きだからこそふれあえない難しさが、愛おしく二人を阻む。
現役アイドルの千が、TVモニタに捕えられてる構図…その縁が、万理との境界線を引くレイアウトが残酷
千が柔らかな自分を真実預けれるのは、子供のように泣けるのはやっぱ百だけで、時の流れが三人をそこに押し流した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
万理はもう歌わない自分に、アイドルの”万”ではない自分に、プライドと愛情と寂しさがある。
でも、未練と後悔はないのだろう。”大人”だ。
コーヒーを差し出してくれた優しさに体重を預けようとして、一線を引かれて背筋を正す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
千もちょっと時計を巻き戻そうとしたけど、万理は許してくれなかった。
ここの触れ合いとすれ違いは、大和の前のめりの危うい熱量とは違う温度で、流れる時…大人を取り巻くものを書いて面白い。
思い出にフラつき、愛しさに迷う人間味が、千にも当然ある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
しかしそれを正しながら、より高く輝く場所へ自分を…愛する伴侶を押し上げる野心もある。
その矜持が妥協なき曲作りとして、彼を苦しめる。
何もかもが入り混じって、綺麗には割り切れない。灰色だから面白い…とは、なかなか言えないね
さてアイナナとRe:valeがそれぞれの迷い道に立つ中、TRIGGERは移動する大きな”家”のなか仲良く喧嘩し、セクシーな虚像でファンを喜ばせていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
ベタつきすぎず、離れすぎず。寄りかからず自分を持って、しかし孤独にはならない。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第5話より引用) pic.twitter.com/hHiCrqQ2kn
TRIGGERの立ち姿はバランス良く見えるが、しかしそれを崩すだろう危うさは、随所に潜んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
龍之介のハイソでセクシーな偶像が、作り込んだ嘘だってのが了陣営に伝わってるっぽいのがね。
そこに加えて、爆弾持ってモモちゃん登場。一体、どうなってしまうのか!
そんな感じの、揺れる人生模様でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
大人と子供、優しさと凶暴の狭間を危うく彷徨う大和の一歩一歩、それに寄り添う人たちの様々なアプローチが、多彩かつ的確に切り取られて、とても面白かったです。
心の底から子供には戻れない、でも立派な大人にも、残酷な汚濁にも染まりきれない。
そんな愛おしいハンパさを、大和がどう見据えて手助けしてもらうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月1日
しっかり判る、良いエピソードでした。
この迷いと導きを経て、虹の麓へと戻る。
やっぱり、おうちが一番。
おそらくそんな答えが出るだろう物語は、まだまだ揺れそうです。次回も楽しみ。