BLUE REFLECTION RAY/澪を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
仁菜が差し出す記憶のカケラは、陽桜莉に”一周目”の真実を教える。
悲しい棘だらけの世界で、せめて守りたいと願ったことが罪か。
愛すればこそ与えた自由が砕いたのは、一体誰の心か。
砕けた心は、天使たちのパズル。
あまりに重く、解けない難問。
そんな感じの衝撃過去編ッ! お姉ちゃんの真実がド級の重さでのしかかる、ブルリフR第17話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
せ、切ねぇぇぇぇえッ!
その言動の端々から、優しすぎ脆すぎる魂が滲んでいた美弦がどれだけ妹を思い、フラグメントの少女を思い、それ故押しつぶされたか、しっかり見える回だった。
失踪した母の代わりに、大人になって妹を守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
美弦第二の天性となった救済願望は、ただ身内を助けるだけでは終わらず、フラグメントに苦しむ百や他の少女たちへと向けられていく。
その善性は世の中のままならなさ全てを吸い込むブラックホールと化し、少女の背骨は折れていく。
その決定打となったのは、己の愛が妹を追い込んだ事実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
どうすれば、思いは届くのか。
リフレクターの異能は、人を救いうるのか。
最後の源主が放つ光に飲み込まれながら、美弦は生まれ変わることを誓った。
何も出来ない自分に、唯一可能な救済を。
自分の無力に、世界の残酷に疲れ果てた顔をしながらも、”一周目”で救い得なかった少女たちをかき集めて、身近においていたと解って…まー、切ねぇのなんの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
どんだけ身勝手な怪物に堕ちたように見えても、結局お姉ちゃんはあまりに善良で、誰かを助けたいと願い過ぎる。
聖女が魔王にならざるを得ない影が、かつての自分から放たれていた重さを知り、陽桜莉は逃げ出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
自分には、何も出来なかった。
その苦しさは、お姉ちゃんが自分を怪物へと追い込んだのと同じ思い、同じ痛みである。
真実を知り、ようやく陽桜莉は姉と”共鳴”出来た…その素地が出来た。
ファンタジックな力で心に踏み込み、思春期の揺れる思いに触れ、救い、あるいは無力に苛まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
リフレクターの力、フラグメントの設定は非現実的な嘘であるけど、それを扱う手付き、それを使って描かれるものは、とても普遍的な色を帯びている。
人間誰もが抱えるものを、特別な筆で描く。
そのために、コモンやらフラグメントやらの設定があるわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
心底痛みに共鳴し、苦しみ悩んだ果てでなければ真実、誰かの思いを受け取り、正しく反射することは出来ない。
そういうルールも、常に描かれてきた。
上から目線の救済も、現実に膝を折った諦めも、人間を助けはしないのだ。
あえて愛を遠ざけた”二周目”のお姉ちゃんの行いもあって、陽桜莉は浮遊した特別感、強すぎる正しさを身にまとって、物語を進んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
悲しい愛に守られて、温室の薔薇のように無垢に遠く育まれた魂が、仁菜ちゃんが差し出した真実に傷つけられてようやく、姉と対等になる。
同じ痛みを、秘された過去
重すぎて逃げ出したくなるほどの生々しさで、陽桜莉を切り裂いた罪悪感、無力感。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
それは愛ゆえに妹を壊し、遠ざけた姉の決意と同じ、共感の足場になりうる。
そのためにはヒビの入った心を決意と絆で補修し、ダイヤモンドへと変えていく必要がある。
この克己と共鳴の歩みを、なんの力もねぇ都が既に果たし、人間裸一貫何が出来るかもう証明してるのが、マジで凄いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
リフレクターの異能があろうとなかろうと、人は寂しさを超え、犠牲になった過去、追い立てられた恐怖を克服して、誰かを許し強くなることが出来る。ツナマヨおにぎり作れるのだ
そんな彼女と共に戦い、共に笑ってきた陽桜莉が、同じ道を歩けねーわけがないと俺は信じているので、逃走エンドも安心して見守れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
…嘘を付きました。
逃げたくなる陽桜莉の気持ちもマジで判るし、帰ってくるなんて気楽には言えねーが、瑠夏も都も仁菜ちゃんも、絶望に堕ちる少女を放っては置かない
一人で抱え込みすぎる血筋を超えて、積み上げてきた仲間との思いが、ヒビの入った陽桜莉の心を繋ぎ合わせ、立ち上がる手助けをするだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
傷を受け、かさぶたができた心はより分厚くなり、より強く近い距離からままならない愛に寄り添うことを、可能にするだろう。
そしてそんな試練と成長が、あまりにも悲しすぎる闇の聖母を真実救うための武器を、陽桜莉に手渡すだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
何も出来なかった、間違えてしまった。
陽桜莉のその想いは、お姉ちゃんと同じなのだ。だからこそ、お姉ちゃんが掴めなかった答えを掴んで、手渡すことが出来る。運命を変えられる。
やっぱキャラクターの繊細な心、救済に必要な条件を丁寧に、掘り下げ組み合わせて作られるお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
ここで一度絶望しないと、陽桜莉はいつまで立っても高い場所にいる天使でしか無いんだよな。
お姉ちゃんがなぜ堕ちたか、絶望を以て救済を願う心に共鳴するために絶対必要なエピソードだった。
というわけで、これまで語られた姉妹の人生を裏打ちするように、お姉ちゃん視点で描かれていく二人の日々。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
七夕の短冊、クリスマスケーキ、輝きを閉じ込めたオルゴール。
特別でフェティッシュを効果的に活かすことで、望む幸せと愛を掴みきれない二人の切なさが、泣けるほど加速していく。
マージでお姉ちゃん陽桜莉のため、愛のために生き続けてて、現代の聖女とした言いようがねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
失われた母の代わりに、成熟した大人を演じていたことが抱え込む気質を加速させて、妹とハラ割って話し合う機会を奪っていたのが、また切ない。
そんなに大人びる必要ない。子供のまま幸せになればいい。
そう言ってやりたいところだが、お姉ちゃんが分厚い殻で自分を覆わなければ、ひっそり泣きじゃくる妹を守り抜くことは出来なかっただろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
世界が与えてくれなかった愛と救いを、自分が手渡す。
その気高い決意が、決定的な破滅に繋がっていくのは、悲劇としか言いようがない。
守るべき相手だから、弱みを見せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
そんな姉の脆さを知っていたから、陽桜莉は家事分担を言い出し、対等の関係に近づこうともがいたんだと思う。
しかしお姉ちゃんの眼に映る陽桜莉はずっと子供のままで、幸せを与える対象。重荷を一緒に背負ってもらう相手ではない。
ノートに確かに刻まれていた妹の成長を見れなかった美弦を、愚かだとも傲慢だとも感じはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
お姉ちゃんはそうならざるを得なかったし、お姉ちゃんがお姉ちゃんである限り、そうなっていたのだろう。
愛という肥沃な大地にも、哀しみの種は蒔かれて、知らず芽吹く。あまりに、やるせない。
陽桜莉の成長をだんだんと感じ、自分に縛られずに羽ばたいて欲しいと道を用意したことが、彼女達を追い詰めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
ではベッタリと、母がいない空っぽの子宮の中で二人、抱き合って生きてけばよかったのか?
問題なのはもはや正しさではない。既に、常に、美弦は正しいのだ。正しい人すら過つのだ。
同時に美弦は運命に導かれてリフレクターとなり、百ちゃんと心を繋いでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
他人の痛みが解ってしまう共鳴性が特別な力を与え、しかしそれは世界の矛盾、人の宿命を完全に書き換えるほど強くはない。
フラグメントに囚われた運命もまた、数多の矛盾を孕んで転がっていく。
オソロの衣装を着て、一緒にコンビニバイトしてる”みつもも”が、あんまりにも可愛くて泣けるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
百ちゃんは”二周目”と変わらず、誰かが背負った重荷に掌を差し出し、一緒に背負おうと呼びかけてくれる”義”の人物である。
それに美弦も救われるが、全てを預けることは出来ない。
”一周目”で救えなかった少女たちを、地獄の山百合会メンバーとして身近に集めて、一番求めてた百ちゃんは遠ざけるの、あんまりに人間臭くて泣けるよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
地獄に突き進む私を、優しい貴方は許してくれないだろうから、縁を断って背中を向けた。
傷つきたくないし、傷つけたくもない。
そして愛と救済と希望を、諦めることとも出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
繰り返してなお戦いから身を引かず、別の角度から理不尽を突破しようと思えるのは、やっぱお姉ちゃんの魂が超弩級に聖人である証で。
でも、”一周目”の過ちを真正面からは受け止めれず、何処か逃げた立ち回りにもなる。
自分が差し出した愛が陽桜莉を傷つけ、壊してしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
愛でて手折って刺される”野ばら”が、皮肉に鳴り響く虚無の極限点を通過してなお、痛みを感じない救済の機械であれとは、とても言えないだろう。
お姉ちゃんだって、泣くのを必死に堪えている子供なのだ。
”一周目”では陽桜莉のフラグメントが目の前で砕け、”二周目”では運命を超えてもう一度出会った百ちゃんの思いをその手でぶっ壊す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
破滅のリフレインが描かれたことで、発狂にも堕天にも納得がいった。
二度も、一番守りたかったものをその手で壊して、耐えられるわけもねーよな…。
どうすれば、愛を伝えられるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
どうすれば、伝わらない宿命を前に絶望せずにいられるのか。
幾度繰り返しても、お姉ちゃんに答えは出なかった。
ならば、彼女を愛し隣り合いたいと願う妹が、答えを見つけ差し出さなければいけない。
主人公、まさに正念場である。
しかし…その過酷な戦いに挑む前に、傷つくことも揺れることも逃げることも、当然あると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
お姉ちゃんはあまりに人間的だからこそ、救いを手渡そうと願い続け、その重さにへし折れた。
陽桜莉もまた、同じ弱さと愛を持っている。耐えられない痛みも、当然あるだろう。
しかしそこに思いを寄せ、悲しい涙だけでなく沢山の笑顔を、トンチキ満載の漬物ライフを一緒に過ごしてきたこともまた、嘘ではないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
この作品独特に積み上げてきた、少女たちが生きる息吹が陽桜莉に舞い戻って、険しくも高い道へともう一度進み直す力を、手渡してくれると良いな、と思う。
陽桜莉が運命の淵に沈みかけたことで、瑠夏がずっと願っている『あの時のやり直し』が可能になりかけてんのは、面白い運びだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
あの時見守るだけで手を差し伸べられなかった落下者が、一番身近で切実な場所にあることが、瑠夏の心残りを壊す契機になりそうなんよね…。
思慮深いからこそ足踏みする彼女が、内に秘めた正しい優しさを開花させ、親友を望ましい道へと連れ戻す未来が、訪れて欲しいと願っています。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
やっぱねぇ…もうここまで見守っちゃうと、あのトンチキ娘たちが文句なしで幸せになる未来しか祈れねぇのよ、俺は。みんな善良過ぎんだよな…。
仁菜ちゃんから受け取った重すぎる運命を、陽桜莉が新たな答えを携え超えていく…そうして捕まえたものを仁菜ちゃんに、お姉ちゃんに手渡すことで、ままならない世界への絶望に沈んでいたあの子達が救われていく未来も、力強く彫塑されていくと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
そういう存在になるしかねぇぜ、平原陽桜莉…
過酷すぎる宿命を前に、闇の中救済を探るもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月7日
愛ゆえに傷つき、それでも諦めず希望を手繰るもの。
否定するべき”敵”が宿す哀しみが色濃く彫り込まれ、お話はさらに陰影を深めていきます。
もう断言しちゃっていいだろ。
ブルリフR、傑作すぎる…次回も楽しみ。