イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 21/08/08 TNX『イコノクラスト』

今日はSONEさん作製のイコノクラスト:トーキョーN◎VAシナリオ|SONE|note を遊んできました。

シナリオタイトル:イコノクラスト システム:NOVA-X RL:コバヤシ

シェンツさん:”アルブレヒト・ハルトマン”ジョン=マーヴェリック:28才男性:クロマク◎レッガー●カリスマ 軌道ゆかりの麗しき画商……をペルソナに、騙して操るロクでもない詐欺師。軽やかに廻る舌先三寸と、ニューフォートのスラムで磨いた折れぬ魂を武器に、地べたから天を掴むべく腕を伸ばす野獣である。
新米くん:”飛ばし屋”フリィ=フライヤー:10代後半女性:カゼ◎●エトランゼ=エトランゼ 空飛ぶバンを操り、颯爽とニューロエイジを駆けるルーキー。実は魔法が技術となった異界の出身であり、この世界の有り様を見定めるべく”仕事”に精を出している。

こんな感じの凸凹コンビが、新世界のイコンを巡る大冒険へと挑みました。とても楽しかったです。

NOVAは大変面白いシステムなのですが、神業という強烈すぎるリソースの扱いが存外難しく、固定化されたルーチーンで扱うことでむしろ、その豊かな表現力を抑え込んでしまってる部分があると思います。
いわゆる『神業の使い所』をシナリオに入れ込むために、シナリオに参加できるキャラクターの幅は狭く、また繰り返し気味にもなり、クライマックスでの神業処理は重くなっていく。加速し刷新され続ける進化にやや、システム全体の速度が追いついていない部分が、自分的にも感じられていました。

このシナリオはそこら辺の不自由から、大胆かつ適切なシナリオルールの導入によりシステムを開放していて、とても面白いTRPG体験が生まれるように設計されています。
『この神業を用意しなきゃいけない、ここで使わなければいけない』という縛りを、煮えた展開と公平なルールのバックアップが解き放って、凄く自在な発想と心地よさで、神業が持っている表現力、スタイルが持つかっこよさを暴れさせています。
NOVAが持ってるポテンシャルを最大化し、それを阻害する壁を大胆にぶっ壊しているわけですが、そのために必要な手間は最小限にして、最大の効果を引っ張り出しているのがとても良かったです。
シナリオの中間部分をGMが一人抱えするのではなく、PLにも物語生成に積極的に参加してもらって、みんなで楽しい体験を作っていく。近年のシステム(リヴァルチャーやイリスベイン、ブラッドパス等)が積極的に取り込んでいる、シナリオ生成とマスタリングの負担を軽減する工夫をNOVAらしく取り込み、軽快なハンドリングで負荷少なく楽しめるようまとめています。

そうしうシステム面へのアプローチだけでなく、ニューロエイジの世知辛い現実と夢を、この時代の芸術とイコンをテーマにしっかりと切り取り、魅力的なゲストが熱くスタイルを貫いていく物語の基本的な熱量が、非常に高い。
煮えてて面白いシナリオだからこそ、積極的に自発的に物語を紡ぎたくなるし、かっこいい見せ場を作りたくもなる。『やらされている』のではなく『やりたくなる』面白さがしっかり元気で、それが新たな試みを加速させているのが、とても良かったと思います。
キャストも既に覚悟を固めスタイルを貫くベテランと、自分のスタイルをニューロエイジにどう焼き付けていいか悩むニュービー、それぞれのカッコよさを思い切りぶん回し、大変楽しいセッションとなりました。
シナリオに描かれ、僕がロールして命を吹き込んだゲストに本気で共感したり、苛立ったり、前のめり体重を乗っけてアクトに参加してくれたことが、今回のセッションを熱量のある楽しい体験にしてくれました。ありがたい限りです。

というわけで、システムに新たな息吹を与える野心が、最高にかっこいい物語と噛み合って極限まで加速していく、とても面白いセッションとなりました。同卓していただいた方、シナリオ執筆のSONEさん、ありがとうございました。