白い砂のアクアトープを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
夏凛の尽力で、小児病棟への出張水族館を行うことになったくくる達。
仕事に勤しむ中で、ヒョイと顔を出す一匹のカニが、とんだ騒動を巻き起こす。
うみやんの約束、助力の理由。
ドクターフィッシュは、人の心も癒やすのか!?
そんな感じの水族館青春群像劇、病院舞台の第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
前回空也さんを軸に色んな人を掘り下げる感じだったが、今回はうみやんと夏凛の人物が見えてくる運びに。
せっかく人数が多い話なので、こうして一人ひとりの顔が見える話が続くと嬉しいね。
顔のいい若人が多い話なので、うみやんがどう描かれるか気になっていたのだが、約束を違えず、未来を決めつけず今をどっしり進む優しきタフガイで、大変に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
子供に目線を合わせ、約束を忘れない優しいおじさんに、大変に弱い。ありがたい…。
観光課の責務で片付けるには前のめりな、夏凛の協力がどっからくるかも掘り下げられ、1エピソードで色んな所を狙ってくる…のに、語りたりない感じがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
それぞれが差し伸べられた手を支えにしつつも、自分をしっかり立てて前に進んでいく作風と合わせて、”職場”の話としていい感じだ。
というわけで、小児病棟への出張水族館が決まったところから、物語はスタート。ご飯をしっかり食べて仕事に励むくくるの笑顔が、可愛くていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
『でーじ感謝』と、夏凛の尽力にしっかり言葉を返すうみやんも可愛いね…。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/pYWrfBihng
すっかり”間合い”が詰まったくくると風花は、密着スクーターでうみやんを置き去りにしていくが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
助手席に置かれた海の仲間を、朗らかに受け入れる態度が大変良かった。
デカいおじさんが小さな命に敬意を持ち、また優しいと…嬉しいッ!
コミック・リリーフの仕事が多かったうみやん、今日は主役だ。
彼の人格がどんなもので、他者に対しどう接するのか序盤からしっかり書いてくれているのは、エピソードに背骨を入れる意味でも大事だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
人にも魚にも、構えたところのない鷹揚さ、デカい笑顔でいつでも応対。
そんな描写が、後々しっかり効いてくる。
サブタイにもなっているカニ騒動はコミカルに演出され、カニ裁判に闇のカニ、ちと大げさな描画が笑いを強めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
同時に地道な仕事の描写が、風花の変化を裏打ちし、地道な説得力を積んで行く。
腰に乗せてから持ち上げないと、荷物上がんないよなー
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/sSwMMaVatx
ビニールシートを引いてから設営する気の使い方は、くくる館長代理がどういう気持で”仕事”に向き合ってて、風花がそれにどういう影響を受けてるか、上手く絵にしたシーンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
こういうコンパクトで具体的な描写があると、キャラの人格に手触り出てくるよな。
あと、カニがかわいい。
この辺りから主張仕事に暗雲が立ち込め始めて、うみやんは扉を閉められるし、夏凛の現実主義とくくるの幼い理想は衝突するし、そらー風花も変な発音で『かぁにぃ~』って言い出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
さすが元アイドル、あざとさの使い所を知っとるね…。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/6IG3clS1sI
バラバラのプラレール、ナースセンターの境界線。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
印象的な演出でコミカルな空気が上手く冷えて、夏凛を取り巻く世界と、くくるが見たい夢がぶつかる瞬間が切り取られていく。
おじいを筆頭に、”大人”の目線からはがまがま廃業はシビアで動かない決定事項…と見るしか無い。
夏凛自身の進路のように、動かしようがないものは世の中にあって、諦観と後悔を混ぜながらも時は進んでいってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
うみやんはそんな、”絶対”のない未来を鷹揚に受け入れる強さがあるが、くくるは諦めることをまだ知らない。
知りたくないからこそ、必死にあがいても居る。
というかまぁ、生まれ得なかった姉妹に父母の死という、デカ目の理不尽を既に背負っているからこそ、二度負けたくない、という話なんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
やっぱこの南国天然元気系、根本的な部分が暗くて重い。そらー櫂くんも心配するわいな。
重たい感情を抱えてやってきた屋上の景色は、そんな性根を反射して暗めである。これが海咲野くくるの”色”…少なくともその一つ、なんだろうな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
そんな彼女に寄り添う、心優しき巨漢。
未来がどうなるか解らなくても、するべきことをする。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/XhHsa45U31
約束を抱えて小児病棟にやってきた男の言葉を受け取って、孤独だった時は散漫だった雲が、大きなクジラのように少しまとまるのが、なかなか良い無言のファンタジーである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
やっぱデカい身体を折りたたんで、対等な視線で小さな存在と向き合える誠実は良い。マジ大事。
うみやんにとってくくるは仕事をともにする仲間であり、年頃の子供でもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
痛む腰を抑えながら、その両方にちゃんと報いようとする姿勢は、おじいや絵里さん、さつきさんとも通じる、この作品特有の”大人”を感じさせる。
一個人として尊重した上で、しっかり見守り見届ける姿勢つうか。
ずっと上を見上げて、青い空に明るい心を拡げていたうみやんと同じ心には、夏凛もくくるもなかなかたどり着けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
今回は”デキる女”である夏凛に残る、物分りの悪い子供の部分が大事な話なので、わだかまりが残ってるのは良いことだと思う。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/9wmlLtBroQ
がまがま水族館は子供がよく来る場所だが、そこで魚に触れる経験、知らないことを初めて実感する喜びがかなり丁寧に描かれ続けているのは、僕はとても好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
”知らない”が”知ってる”に変わる瞬間のエネルギー、それで開けていく地平がどんなものか。
主役たちが、それにどれだけ寄与できているか。
コンパクトな出張水族館でも、そんな場所への導きにしっかりなりうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
これは映えるお魚かき氷を入り口に、海への興味、体験に目を開ける心を育もうとしてたおじいの考えを、引き継いだ描写とも言える。
くくる自身が、少し臭い海水を嗅ぎ、魚に実際に触って、色んなものを学んだ。
そこに感謝と愛着があるからこそ、がまがまを諦められない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
その不屈に自分が置き去りにしたものを見つけるから、周囲の人達もくくるを助けたくなる。
こういう接続と連鎖が、結構色濃く描かれているのは、このお話の良いところだと思う。
そんな喜びの輪の中にかつてはいて、今は離れてしまった一人の少女。シリアスな場面になると影がマジで濃くなる演出、俺は好きよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
金城さんを恐怖のどん底に突き落とす”K”に、手を伸ばすまでうみやんが待ってるのが、彼らしい対応だ。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/nZ0MPY2Ian
触れること、学ぶこと、癒やされること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
ドクターフィッシュを主演に、これらを一繋ぎに演出していく組み立てはとても良い。
不足の変化にショックを受けた少女との、約束を守るべくやってきたうみやんの思いが、カニとガラ・ルファを通じてしっかり届く。
まぁ恐怖症ってマジで洒落になってない場合があるので、子供の成長の足場として金城さんの硬直を使うの、マジどうかなと少し思ったが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
”K”ではなくカニと、名前が呼べる程度には恐怖心が改善され、怪我の功名と子供の笑顔第一で考えてくれる人でよかったね…。
やっぱ不安定な未来に心を乱されるよりも、やっぱ目の前の”今”、大好きな水族館が生み出した変化に微笑んでいたほうが、くくるはチャーミングだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
手洗い場に飛び散った水は、収まりを見つけられなかった心の残滓であり、命の飛沫でもあるか。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/tWocNQaiTL
約束して叶えてもらう側から、約束を差し出して自分が叶える側へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
うみやんと少女の間柄は、がまがまでも病棟でも変わらないが、しかし確かな変化はある。
未来はいつでも分からない。でも、必ず悪くなると悲観したものではない。
より良い明日を掴み取るために、今日も約束。
そういう風に一歩ずつ、明日に向かって進んでいく男なのだなぁと、うみやんの事が分かるエピソードでとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
群像の一人を取り上げるエピソードが、きっちりキャラと物語の芯を射抜いて効きが良いの、このアニメの良いところだと思うね。
アクシデントもあったけど、出張水族館は結果オーライ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
どん詰まり重たいように見えて、明るい場所に繋がるエレベーターの前で、くくると夏凛は飾らぬ思いをさらけ出していく。
移動体の到着、扉の開放で、重い空気がフッと抜ける演出が良い。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/ur2WWhEZ6X
ここは人物のフィジカルな移動と、背負った背景、経験の差異と共鳴が凄く上手く重なってる場面で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
新しい扉を開けてまず入るのは、既に自分の物語を一回終えている、年上の夏凛なのね。
くくるを光に近い場所につれていくのも、”デキる女”たる夏凛の操作。
でも溢れる光の前立ち尽くして、決意を込めてそこから踏み出していくのは、あくまで白紙の物語に挑んでるくくるだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
行き止まりに思えた場所が実は扉だと知ってて、自分たちを動かすものを操作する知恵があり、光に向かって導いてくれる存在。
”大人”がそういう力(若いくくるが持ち得ないもの)を持っているのは、定かじゃない未来を”出来ない”に塗りつぶしてしまった経験故でもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
そうやって諦めと妥協を知って、しかし流れ着いた場所で必死に頑張って、今出来ることを果たす中で、明日約束を掴める力を蓄えていく。
そういう人生を、飼育員の夢を諦め、しかし観光課の職員として、くくるの夢を応援する年上の仲間として、夏凛は進んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
先に行けばこそ出来るこそ。
そこにたどり着くために、置いてきたもの。
両方にプライドを持って、夏凛はくくるの”今”を応援してくれている。
ここでくくるが無邪気に踏み込むのではなく、弱く脆い自分を認め晒した上で、それでも不屈を信じて足を進めているのが、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
とにかく抱え込んで隠す子なので、周囲に見守られるのではなく、自分から曝け出す相手は多いほうが良いんよ、絶対
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/owqfSu9xjZ
くくるへの助力が置き去りにした夢のリベンジ、ある種のエゴイズムだと率直に告げたのも、二人の未来に明るい要素だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
自分がやりたいから、やる。
恩着せがましく聖人ぶるのではなく、実直に結果を差し出すスタイルは、うみやんとちと似てるかな。みんな立派だ。
怯えながらも、守りたいもののために光に踏み出すくくるの背中は、結構屈折した”今”に身を置く夏凛にとっては眩しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
でもそれに導かれて、影から彼女も進んでいく。
その視線の先は、カニの形をした雲。
瞳をあげた向こうこそ、青い海は広がっているのだ。
誰かの応援をすることで、主役になりそこねた自分を取り戻す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
夏凛が告白した立ち位置は風花とも似ていて、そんな人達に支えられ、触れ合いながらくくるは進んでいく。
その行く先がどうなるかは、やっぱり不確かだ。
”絶対”はない。
でもそんな未来から何を掴むかも、それぞれに委ねられている。
というわけで、バリバリ観光客を稼ぎそうな新規の水族館から、新しい女がINNしてきて次回に続く!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
よ、読めねぇ…。
風花との”間合い”がガンッガンに煮立ってる所に投げ込まれる、この新たな触媒が生むのは、愛か嵐かッ!!
(画像は"白い砂のアクアトープ"第8話より引用) pic.twitter.com/87Uuei4hoK
そこを楽しみにしつつ、がまがま水族館に集う人たちがどんな魂をしてるのか、よく教えてくれるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
前回の空也さんもそうだったけど、『コイツの内側が見たいッ!』って思えるようキャラ書いて、メインでしっかり彫り込んでくれる流れ、乗っかってて超気持ちいいな…良い話数の使い方だ
ともすれば便利なお助けキャラ、子供が持ち得ない力を都合よく差し出してくれる存在になっちゃいそうな夏凛の陰りと光も、上手く見せてくれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月27日
こういうある種の手前勝手さが前向きに描かれてると、キャラを信頼できて有り難いですね、ホント。
新たな女も投げ込まれ、次回も楽しみッ!