かげきしょうじょ!! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
夏休みを終えた紅華は、創立100周年の大運動会へ燃えていた。
ベテラン集う専科の指導を受けながら、晴れの舞台に突き進む予科生たち。
そんな忙しい日々の中、沢田姉妹に亀裂が走る。
重なり合うシンクロの日々を超えて、新たなハーモニーは生まれるのか?
そんな感じの、この物語は全員主役ッ! 今度は双子のメイン回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
やや巻き気味の進行は、群像劇として主役級のポテンシャルを持つキャラクターに極力幅広く、光が当たる構成を狙ってんだなー、とよく判るエピソードである。
皆それぞれの苦しさと輝きを背負って、晴れの舞台にひた走るのだ。
第6話あたりから積んできたフラグが見事に爆裂し、しかしヒビが入ったままでは終わらない紅華魂。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
大先輩ミレイお姉さまの導きもあって、既に重なってはいなかった道を誇り高く、もう一度交わるためにも進んでいく双子の決意。
どす黒い嫉妬も、輝く力に変えて前へ、前へ。
生き方に惑う若人をしっかりと諭す”教育”の側面もあって、大変良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
大好きだけど離れていく、突き放したいのに惹かれる。
矛盾する思いが生み出す心の力を、鮮烈に描き続ける筆が元気だ。
やっぱこんぐらいグツグツいってる物語が好きよ、私は。
というわけで、今日も可愛い愛ちゃんからッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
東京から戻ってきてさらさとの縁も深まり、序盤の張り詰めた表情がすっかり緩んでポヨポヨしとるのが、大変に良い。
鎧で固め、棘で守らなくても、生きていける”安心”を得た顔しとるわ…。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第9話より引用) pic.twitter.com/jD8a2CClSN
本来的に情感が豊かで、尖る必要のない子供だったと思うのだが、地獄の家庭内サバイバルに適応した結果視線を弾き、無感動で守ることしか出来なくなって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
でもさらさと出会い、紅華を夢に定めて、友達に与えられるだけではなく、対等に与え合う関係も作れてきた。
今回の(そしてこれからの)愛ちゃんがフニャッとした顔をしているのは、気が緩んだのではなく、安らいだ証明なんだと思う。ええことやホンマ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
ずーっとさらさの側で、ふにゃーんってしてるこの子を見てると、嬉しいのに”涙”出るな少し…もっとフニャフニャしてて欲しい。
本科のお姉様方を前にパなしたら鬼詰め必至の初級質問も、ちゃんと身内の予科室まで我慢する成長しとるけどね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
いやまぁ、紅華入るなら勉強しておけ、って話ではあるんだが。
でも人生一年生の愛ちゃんが質問しないと、視聴者が知らない設定が表に出てこないからな…ド素人担当は、こういう仕事大事ね
年齢を超越したフェアリーにして、舞台を支えるプロフェッショナル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
本科のお姉さま方と体育祭に挑むことになった予科生達は、各組トップの輝きに目を焼かれたりしつつ、楽しく日々を過ごす。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第9話より引用) pic.twitter.com/LRVES8cLqW
コミカルな話運びに、安道教諭が自分の一言を気にかけて、さらさにしっかり向き合う描写が骨を入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
『絶対になれません』と、トラウマえぐられた当時は何がショックなのか告げられなかったさらさが、『自分の全部を否定されたようで』と、冷静にダメージを言語化出来てるのは印象的だ。
愛ちゃんと浅草に戻って、暁也くんと歌舞伎に向き合って、動き直したさらさの時計。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
そこに刻まれているものをちゃんと見ているからこそ、さらさは自分が何に揺れ動いたか、安道教諭にちゃんと伝えられる。
それを聞き出す教師のアプローチ含めて、地味なフォローだが大事な場面だと思う。
そしてそんな”いい先生”になるまでには、全ての人に歴史があるもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
トップ男役の髪が長かった時代を知る安道教諭と聖の距離感も、時の流れを感じさせてグッドだ。
二人の背後にある10年前、前回描かれた薫の1年前。
みんな過ぎゆく時間を背後に敷いて、自分の道を進んでいる。
その先に、さらさが夢見るトップコースがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
規格外の逸材は険しい夢を駆け抜けて、銀橋の星にたどり着けるのか。
とりあえず、『ただのコピーで終わらない』という最初の山は、友情と決意に支えられて越えた。
こういう小さな成長と課題が、ちゃんと重なるのは良いわなやっぱ。
そしてハッピーな雰囲気の前半から、焦点が双子に集まってジリジリと、画面の雰囲気が重くなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
課題は主役の二人にだけあるわけじゃなくて、周りにいる少女たちもまた、己の人生という舞台の主役。
なら、山に挑まれ越えていかなければいけない。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第9話より引用) pic.twitter.com/8M7DeQccCJ
言い出せなかったジュリエット、無邪気な妹の笑顔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
黒く燃え上がる嫉心が、既に分たれていた魂が、千夏を暗い淵へ引きずり込んでいく。
泣きじゃくる妹のために合格を諦めたあの時から…否、それ以前から。
繋がっていたはずのへその緒はちぎれた。
私は、あの子じゃない。
鏡合わせに同じであることが、沢田姉妹のアイデンティティであり、魂の安定装置でもあったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
しかし片抜けの前歯(かわいい)が示すように、二人は似通っていても、通じ合っていても、元より同じではない。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第9話より引用) pic.twitter.com/ZpepHzsGHE
紅華の門をくぐり、演劇者候補として人間として様々に試される中で、そんな不協和音が表に立ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
あまりに近くにいすぎたからこそ、どんな風に向き合えばいいかわからない。
慣れていないことは、その渦中に身を投げるのが怖い。
ここら辺、愛ちゃんと”仲直り”の関係に似てる気がする。
ということは適切な誰かの導きを借りて、散々に悩んで迷って踏み込める、ということでもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
ドロドロと千夏の心に渦を巻く泥を、僕はむしろ応援しながら前のめりに見てしまった。
ここを越えてこそ、二人の魂より大きく花開ける。成長に不可欠な衝突と焦燥…
というには、当人たちには辛い日々だけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
でもこういう、身の丈が否応なく伸びて世界や自分と擦れて生まれる摩擦熱が、何を鍛えて何を生み出すのか、その時の痛みはどんな感じなのか、しっかり見据えて個別に書く筆こそが、このお話の強さだと思うのよね。
というわけで、もう一緒にはいられないと姉妹は衝突、さらさと愛ちゃんが仮の宿り木を用意する形に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
誤解を解くべく、真っ先に手を上げたさらさの侠気が目立つけども、愛ちゃんも体育座りの同居人を、よう見とるのよな…。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第9話より引用) pic.twitter.com/OxDG92dCLm
モヤモヤと積み重なったものが発火して、決定的な破断…そこからの変化と再生を生み出すまで、ミレイさんは状況を落ち着いて見守り続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
それは人が人である以上必ず生まれるもので、飲まれず力に変える逞しさは、自分で掴まなければものには出来ない。
でも、嵐の中に一人きりでは越えられない。
ここら辺は、先輩の重圧を押し返して手を上げたさらさ達の人格を信じて任せた部分かなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
ああやって前に出てくれる子がいるなら、一人で折れることはないだろう、みたいな。
実際必然的な衝突の後、さらさと愛ちゃんが引き受けて冷却期間を作る形に、自然に流れてるしね。
ミレイさん自身現役の紅華”生徒”なので、そのモットーたる健やかな友情がどんだけ強いか、綺麗事でなく信じてる部分もあろうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
かつての自分たちにどこか似てる後輩たちが、同じように悩み、同じように支え合い、同じように立ち上がる可能性への信頼。
それが、学生寮の嵐の裏にある気がする。
一条先輩に問われて千秋が思い浮かべるのは、憧れのジュリエットではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
舞台を彩る双子のバニー、いつの間にか離れてしまっていた夢を思って流れる涙を見て、千夏は黒い泥だけが、己の胸に詰まってはいないことを思い出す。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第9話より引用) pic.twitter.com/Tt5EkzNyTg
今回のお話、問題も答えは全て双子の”いままで”にあって、それをどう”これから”に繋げていくか、という物語なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
重なって始まり、気付けばズレていた波長がしかし、それでも豊かなハーモニーを生み出していたこと。
お互いがお互いを、確かに思い合っていた事実を、千夏は思い出していく。
二人が個別の存在であること、それ故摩擦も尊さも生まれるという、当たり前の事実に目を向け直すことで、少女は一歩、未来へと進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
それを思い出させてくれたのは、心に強い風が吹いた時受け入れてくれる友達だったり、辛抱強く告白と発見を待った先人だったり。
さらさにとっての暁也、愛ちゃんにとっての太一、綾子にとっての小野寺先生、薫にとっての辻くん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
少女が道に迷い苦しむ時、時に支え時に導く存在…それを鏡に照らされる魂の在り方は、それぞれ違う。
でも向き合う誰かがいればこそ、人は自分を見つけ治せる。
ベッタリと張り付いた同一の存在のままでは、双子はお互いを照らせなかったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
気付けば離れていた距離は、完璧で不可能なシンクロではなく、違うからこそ生まれるハーモニーを奏でるために必要な、大事な裂け目だった。
妹の真摯な涙が、伏せた姉の目を真実に向き合わせる。
母親世代のミレイお姉さまが、あくまで少し先を行く同志として、心の黒い泥を力に変える道を後輩に教えるのが、僕は好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
手を引くよりも、信じて待つ。
たどり着いたら、心から寿ぐ。
なかなか出来ることじゃないよなー…。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第9話より引用) pic.twitter.com/kFzsPosDv7
夕日差し込む体育館で、ミレイさんは少し怖い表情をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
憧れのジュリエットとして見上げていた時は、けしてみることのなかった人間の表情。
勇気を絞り出しそこに向き直ることは、自分の中にある黒い感情を、まっすぐ見据えることでもある。
人間・野原ミレイの顔は紅華に二人で入ったからこそ見る表情であり、一回目の試験で妹の魂を繋ぐために譲れないものを譲ったからこそ、向き合う貌でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
憧れに見上げ、挫折に顔を伏せていたら判らないリアルに向き合えたのは苦しくもあり、人生を導くほどに貴重な体験でもある。”教育”なわけよ…
豊富な人生経験、舞台経験の中で、嫉心に焼かれて堕ちたものも、たくさん見てきたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
自分自身、危うい淵に足をかけたのかもしれない。
だからこそ、ミレイさんは自分から言い出すのを待った。
人はあるがままに強くも、優しくも、美しくもなれない。
そうあろうと、幾度も己を正せばこそ。
紅華の理想は形になり、次代に引き継がれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
そういう理念が、骨の髄まで染み込んでる人なんだろうなー、と思う。
自身現役のアクターでありながら、優秀な教育者であり、立派な大人であり、紅華の先輩でもある。
沢田姉妹は、いい人に憧れた。
双子なのに、もっと双子になろうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
さらさの慧眼で望みを射抜かれて、二人はあるべき場所に戻っていく。
違うからこそ、その差異を魅力的に重ねてハーモニーを生み出す。
別れた道の先で、もう一度出会うために進んでいく。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第9話より引用) pic.twitter.com/uiehUamFaZ
二人が今回炸裂するまで同じだと思い続けていたのは、分たれていくことへの不安、一人で立つ自身のなさが、背後にあったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
『センターには立てなくても、額縁にはなれる』という、後ろ向きの発想はしかし、お互いのフアンを引き連れてもう一度出会う未来像へと、豊かに羽ばたいていく。
きょうだいでなくてもきょうだいになれ、双子であろうと重なる必要はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
誰にでもなれて、ありのままの自分を越えていける舞台の不思議が、これから姉妹をもっと高く羽ばたかせていく。
その高みからもう一度出会った時、二人の歩みはずっと豊かであろうと、笑い合う三人は確信している。
年も経験も越えて、三人の”生徒”が笑い合うこの結末は、既に心にあった火種を燃やし尽くし、新たな花を開かせる肥料に変えたからこそだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
そうなるために、必要なものはなにか。
信頼、勇気、愛情、友情。
何よりも紅く燃え盛る、永遠に若き魂の焔。
そういうエピソードであった。
かくして大波を乗り越えて、体育祭本番は間近。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
楽しくなかった思い出を、一緒に涙の上書きしていこうと微笑むさらさに、愛ちゃんも柔らかく微笑む。
見えるかパパ・ベアー…君を引き裂いた女の子は、こういう表情が、出来るようになったよ…。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第9話より引用) pic.twitter.com/0ydw7jc0wx
今回ずーっと、さらさと愛ちゃんが一緒に写ってて、仲良しな二人を見てると幸せになる自分にとにかくありがたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
太一が言っていたように、さらさが愛ちゃんの視界に入ってくるんじゃなくて、愛ちゃんがずーっとさらさを追い続けてるんだよな。
そんな親友を、さらさもずっと見てる。ええな…。
あと憧れの役を聞かれた時、綾子が『エトワールになれたら良いな…』とか細く、しかし確かに言葉にしていたのも、小野寺先生(想像上)と一緒に号泣だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
あの時寮の手を広げて差し出した”歌”は、山田綾子の心にしっかり根付いて、己を支える夢になっとるのよ…他人に告げれるほどのッ!
そんな感慨もありつつ、専科の実力者のお眼鏡にかなったさらさが、体育祭にどんな嵐を巻き起こすか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
いろんな青春と人生を刻みながら、紅華の一大イベントが幕を開けます。次回も楽しみですね!
追記 おじさんは無邪気な子供がその柔らかさを柔らかなまま、誰かに全体重を預けて無防備に振る舞う(振る舞い直す)姿を見るのが大好きでねぇ…。
最近の愛ちゃんに感じる、ぽけーっとした幼女気質がむっちゃ安心油断して、ぽけーっとした表情を無防備に誰かに預けれる状況のありがたさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月29日
どっかで見たなぁ…とデジャブってたけど、”かくしごと”の姫だな。
そうさせてる可久士もさらさも、マジでえれーよ…。