ラブライブ!スーパースター!! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
神津島と原宿に別れ、それぞれの夢に突き進むかのんと千砂都。
お互いの道を尊重し、開いた距離に隠れた心。
たった一人何事かを成し遂げ、並び立てる自分になる。
その決意に追いついて、追い越して、共に見る輝き。
それは…。
そんな感じの嵐千砂都必然の電撃加入! ”侠”と”勇”と”情”が南国に嵐を齎す、スーパースター第6話である。まーた勝っちまった…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
いやー…凄かった。
ちーちゃんが何を思っているのか、巧く引っ張ってきたサスペンスの真相…から更に大きく踏み込んで、幼馴染だからこそのもつれた距離感と飛躍を描いた
魂を救われたあの日から、胸に宿った本気の操。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
告げぬまま走りきろうと固めた覚悟が、月光に揺れながらも気高く咲く寸前、海を越えて再び舞い降りた運命。
澁谷かのん、やはり人生の問題集を一問たりとも間違えない女(ひと)…強すぎる。
ストイックにダンスに励んでいた過去を、かのんと共に進む未来への代償と貶めるのではなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
千砂都の決断を、ただ憧れのために己を捧げる犠牲に堕するでもなく。
出会いがあり、決意があり、夢と憧れがあってたどり着いた必然として、少女たちの決心を眩しく輝かせる幾度ものクライマックス。
四人となったお披露目ステージだけにピークを置くのではなくて、千砂都が音楽科に入って貫いた道、その頂点に踏み出す前の運命のうねりを、スピーディに畳み掛けてくる感動の乱打が、まったく見事なエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
加入するまで六話。タメた以上の爆発を、きっちり嵐千砂都に捧げてきたな…。
というわけで物語は、嵐千砂都の心に澁谷かのんがぶっ刺さった瞬間から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
生まれた時から侠客気質、曲がったことは大嫌い。
クゥクゥの夢に恋が不当に立ちふさがった時、グイと前に出て筋を通したその顔は、幼い頃と変わらない。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/DMjtYKWsU1
しかし挫折を繰り返し、ヤサグレかのんちゃんだった頃、この気質はシナシナになっていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
クゥクゥと出会い、スクールアイドルと出逢ったからこそ、千砂都の人生を変えた勇気がかのんに戻ってきた、とも言えるだろう。
やっぱ、主役が”侠”を識る女なのが良いよなー、スーパースター。
守られているだけの自分が嫌で、かのんちゃんに出来ない自分だけの道へ進もうと誓った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
その証を立ててからじゃないと、同じ道は進めないと思った。
嵐千砂都は小さな小さな頃合いから、護る/護られるという不均衡な関係を、崩す決意を固めていたのだ。
実際かのんが進めなかった音楽科に、かのんはダンスで合格しているわけで、ある意味憧れを追い抜いたところから物語を始めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
しかし彼女の心の中では、追い抜くどころか未だ並んでもいないのだと思う。
自分を助けてくれたヒーローは、もっとずっと凄い。
それに憧れ見上げるだけでも、護られ後ろにいるだけでも満足できなかったから、託された縁でお団子を作って、嵐千砂都は今日も踊り続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
護られるだけのプリンセス願望を蹴飛ばし、ヒーロの証明を求めて踏み出す心意気は、誰かに語るものでもない。
この静謐なストイシズム、決意から費やした年数と、それを足場に夢に飛び込むまでの速さが、なんとも颯爽と眩しいエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
嵐千砂都のチャームポイントは山程あるが、大事なことほど一度宣言したら言葉ではなく、行動で証明していく寡黙は、自分の中でデカい。
神津島ではサニパとの特訓が元気に始まり、クゥクゥとすみれは先週に引き続き仲良くケンカし続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
衝突がヒリついたイメージにならないよう、同行したキャラクターが必ず『仲良しだね』と言い続けるのも、先週と同じ。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/C3yWX9yttL
キャラ運びの粗い部分、お話の角を丁寧にヤスリがけして、滑らかな印象で届ける工夫はスーパースターに特徴的だと思うが、それはそろそろ加入が見えてきた恋も同じだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
千砂都が原宿で孤立するタイミングで、思いの外他人を見ている性根が視聴者にも見えてくる。
『こんだけいい子なのに、何が引っかかっているのだろう?』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
これは千砂都の加入をここまで引っ張り、魅力的なサスペンスとして活用したのと同じ見せ方だと思う。
なぜ恋は、”スクールアイドル”だけを応援してくれないのか?
”スクールアイドル”にとって、大事な疑問点である。
千砂都がそうであったように、恋の何気ない仕草、台詞の端々に隠された理由はおそらく既に示されていて、明かされたときの驚きと納得を下ごしらえしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
ドラマの歩みを止めないまま、こういう端っこの印象を丁寧に積んでいく技術が、太い物語を支えている気がする。
恋が目を留める退学届がちょうど、視聴者としても先週からずーっと気にかかってるポイントであり、ヒキを活かした描写と言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
いったい鞄の中の爆弾には、どんな思いが込められているのか。
どうしても気になるポイントが、作中のキャラクターと視聴者でシンクロする。
自分と同じものを見ていたり、言いたいことを言ってくれるキャラクターとの重なり合いは、好感度を高める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
こういう行動を恋に取らせたということは、スクールアイドル活動を阻む壁役から、彼女の立場が少し変化しつつある、ということだろう。
キャラへの好感度という意味では、悠奈ちゃんの書き方も上手かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
一生イチャイチャしてるクゥすみの料理漫才の裏で、千砂都がいないことで生まれたスペースにスルッと入り込み、かのんの悩みを受け止めていく。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/ROACnSIT4x
話の主軸をかのんと千砂都に絞り、クゥクゥとすみれはあくまで脇の賑やかし(なんだけど、反発しつつ惹かれ合う二人を見てるのがとっても幸せ)に留めた運びは、自然と悠奈ちゃんの存在感を高める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
行き場のない思いを受け止め導く、頼り甲斐のある先輩。話の通じる相手。
かのんに視線をあわせ、同じポーズを取り(これも共感を高めるシンクロの描写か)る彼女の歩み寄りを通じて、今後追いつくべき目標として、思いを同じくするスクールアイドルとして大事な仕事を果たすだろうサニパは、グンと存在感を増していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
5話分の謎を爆発させる千砂都周りの話が太いことが、このエピソードを名作にしているのは間違いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
その上で、それ以外のキャラクターをただ遊ばせるのではなく、かなり綿密な狙いと心配りで物語に配置する視線が、強く感じられた。
これがスーパースターの特長かなー、と現状お思っている。
かのんは悠奈に聞いてもらうことで、自分と千砂都の距離感を再計測していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
いないことで見えるもの、いないから届けられないもの。
今回のエピソードは、思いをどう歌にするか、アーティストとしての澁谷かのんを描くエピソードでもある。
”常夏☆サンシャイン”は『キミがいてくれてよかった!』という友情ソングであり、ポップな南国楽曲であり、神津島に来て、サニパと触れ合ったから生まれた歌でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
自分を駆け抜けていった経験の全部を、トンチキなアサーナを経て、一つの歌に整えられる。
可愛らしく悩みつつも、そういう場所に表現を引っ張り上げられるかのんの作家的背筋が描かれたのは、この連作の(沢山ある)良いところだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
自分たちを招待し、悩みを受け止め道を示してくれたサニパへの、義理堅いアンサーソングになってるところも良いよね。
しかし歌が仕上がるまでには迷い道があり、同じ月を見ていても心は離れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
思い出のブランコに、嵐千砂都は今一人。
その切ない視線に、澁谷かのんは重ならない。
都心と離島に離れればこそ描ける表情が、大変良い。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/NqokX6itgg
ブランコに座る千砂都のセンチメンタルが、一体何を捉えているか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
それはこの後恋に告白されるわけだが、この段階ではあくまで切ない視線で、輪郭だけを縁取られ続ける。
そこには確かに何かがあるが、しかしどんなものかは確かにわからない。
奥を見たくなるサスペンスを、醸し出すための意味深。
それを冒頭の回想と巧く重ねて、幼馴染二人がたどったあゆみ、たどり着いた場所をスケッチする画材として活用してくるのが、なかなか上手かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
クゥクゥとすみれ相手には、新しく出逢ったからこその鮮烈な旅立ちを。
千砂都を描くときには、幼馴染だからこその年輪を。
主人公であるかのんが、どう各キャラクターと心を触れ合わせていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
それを、魅力的に切り替えながら積んでいくのも良い。
電話越しだからこそ千砂都が見せてる切なさ、それをかのんの見える所では表にしない矜持が、月光に照らされて刺さる場面である。
あと神津島もお花いっぱいの特別な場所として描き、無機質な壁にすらペンキで白百合描くトコロ、徹底してんなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
花が持つ生命力と華やぎが、やっぱスーパースターを貫通するライトモチーフなんだろうな、って印象。
それはあらゆる場所に満ち、青春を彩る。
この後恋に思いを告げつつ、一人決戦に向かう千砂都と、島での生活で絆を深めた悠奈に為すべきことを告げれるかのんの対比も良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
友情こそが、未来を紡ぐ糸。それはチームが違っても同じなのだ。
…ここで『往きます!』って言い出す無茶を通すために、悠奈との絆値上げてた部分もあるかな?
さて、どーしても退学爆弾が気になる恋の出たり入ったりコントを経て、長く秘された嵐の想いが告げられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
まんまるが好きで、みんなが苦手な女の子。
誰かに追い立てられて泣いている時、いつでも手を差し伸べてくれた女の子。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/TBw8fp8lMn
澁谷かのんが如何にして、嵐千砂都の人生の一番深い場所にぶっ刺さっちまったかよく判る、幼年期の回想である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
ここでちーちゃん児童が”まんまる”書いてるの、三つ子の魂百まで感があっていい。
変わらないものもあるし、意を決して変えていくものもあるのだ。
俺は人間が本当に辛くて泣きじゃくってくる時、心から手を差し伸べてくれる人以上に偉大な存在はいねぇと思っているので、ちーちゃんの涙に手を添えた幼きかのんをマジで偉いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
そらー、人生の形がキマっちまうよ…。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/xHEL79zvUJ
草陰に身を隠していたら見えなかった、高く美しい景色。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
それを取り巻く柵もまた、千砂都の大好きな”まんまる”である。
思いでをなぞるように、校庭の巨木を取り巻くベンチも”まんまる”であるが、恋はまだ千砂都の隣には座らない。輪≒和に加わるのは、もう少し先の話だ。
退学届は覚悟の証、届かないなら死ぬのみ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
『失敗したら…』などは最初から慮外、やるかやらないかしか、あの時決意を宣した嵐千砂都にはないのだ。
あまりにも潔い、静かな覚悟が総身にみなぎる生き様である。
どう考えても愛読書は”葉隠”。正気にて幼馴染はならず。
海外修行ってことはかのんちゃんにも会えないってことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
彼女と互角に並ぶために人生燃やしてきた女にとって、それは負けるよりも過酷な刑罰であろう。
しかし誰に悩むでもなく、嵐千砂都は静かに決意を固め、自分を証明する戦いに一人挑む。
不安はある。寂しさも。
しかしそれは、思いを預けるたった一人にだけは告げるものではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
艶やかに咲き誇る花たちとは、また違った月光の張り詰めた美しさで、嵐千砂都は柔らかく微笑む。
こんだけの覚悟を満腔に宿しながら、他人の顔をよく見て、穏やかな対応を崩さない所に、魂の太さがあるわな。
高校一年生が滾らすにはあまりに熱すぎる”志”を受け、恋が圧倒されているかのようにも見える場面だが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
ここは語らぬなにかに己を捧げる同志としての感銘が、彼女を貫いたんじゃないかな、と僕は思っている。
千砂都はかのん、恋は母。
最も大事なものは、軽々と表には出せないのではないか。
だからこそ、時に不器用に思いを貫く熱さを己の体温と感じて、嵐千砂都と彼女に関わる人々…その中心にある”スクールアイドル”を見る切っ掛けに、この対話はなるんじゃないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
まぁ一本気人間大好きですからね僕…ここの読みは『そうあって欲しい』つう期待が十割ではあります。
己を打ち立て、誓いを果たした後はどうするのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
答えはもう、聞くまでもなく決まっている。
ようやく、肩を並べる自分になれる。
あの時差し出されたものに、対等に思いを返せる場所まで進める。
広げた両手に護られるでなく、差し出した手を導かれるだけでなく。
曇り空、あの人からのエールが届かぬかと胸においた携帯電話に、届く”ごめんね”
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
『おっ、メールで勇気づける展開かぁ…』というオタク予断を、”秒”でぶっ飛ばす実在感。
生身の体温だけが伝えるものが、世にはある。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/KwYY8hhELI
電話越しのため息にしっかり気付いていたかのんは、海を越え時を超え道理を越えてたどり着くべき場所に己を進めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
しかし二人を覆う空は未だ曇り、窓枠は断絶を照らして縦に太い。
いかな思いで、嵐千砂都は一人人生の勝負に挑もうとしたのか。
何故来て欲しくて、何故来て欲しくなかったのか。
幾度目か差し出された手を振り払い、己の弱さと矜持を初めて伝える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
ずっと憧れて、だからこそ追いつきたくて、対等に向き合える自分を掴むために一人になったのに、また追いつかれてしまった。
その誇り高い震えに、かのんは優しく踏み込む
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/IAT1wQveFL
くしゃりと歪んだ表情は、自分の道をひた走る”頼れるちーちゃん”でいたかった少女が、一番見せたくない顔だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
だが澁谷かのんは、泣いている子供を常に放っておけない。クゥクゥと出会い直した時から、そういう自分を取り戻したのだ。
だから、窓ガラスに示された断絶を越えて踏み込む。
しかしそういう”義”だけが、かのんを突き動かすのではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
幼いあの日、弱くて護らなきゃいけないはずのあの子が未来を叫んだ時、心に吹いた風。
瞳を”まんまる”に広げてくれるような、力強い変化の兆し。
それが、自分を支えてきた。
貴方こそが、私の憧れでもあった。
かのんの背に護られ、魂が潰れてしまいそうな苦しみから救われた女の子が、だからこそ叫んだ決意は一方通行の献身ではなく、かのんにとっても導きだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
お互いを目指しながら進んできた道は、挫折もありつつ今、新たな仲間を加えて輝きに進みつつある。
そうなれたのも、貴方がいたから。
千砂都が選んだ『一人であること』の尊厳も、かのんが差し出す『二人でいること』の輝きも、見事に収める対話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
今度は手を繋ぐんじゃなくて、いつもしていたみたいに、『うぃっすうぃす!』と軽やかに。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/7R59tqxguQ
『お、今まで印象づけてきた可愛い仕草を感動に相転移させてフィニッシュかー…』というオタク予断を、再度蹴っ飛ばしての魂のハグ。ここのうぃすキャンは強すぎる…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
ここまで頑なに、かのんにより掛かるまいと己を律してきた千砂都からの抱擁だからこそ、晴れ渡る空に青春が、眩しく映える。
音楽科に入れなかったかのんにとって、あるいはそういう事件がなくとも、嵐千砂都は自分と対等以上の尊敬の対象で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
千砂都が証明したい場所に二人はもうたどり着いてて、『うぃっすうぃす!』はそれを確認できる仕草だったと思うのね。
ちーちゃんは抱き合う距離感を超えたい、って告げたわけだし。
でも自分が張り巡らせた孤高を超えて、海の向こうからやってきた澁谷かのんの実在を前にしてしまうと、抱き合う以外に道はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
それは千砂都がここまで自分を運んだ、頑なな決意が既に超えられていることを、強く語っていると思う。
『なければならない』を超える瞬間、というか。
『一人じゃなきゃダメだ』という千砂都の思いは、純粋すぎて危ういが、けして間違いではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
たしかに己は何かを成し遂げたという自信こそが、澁谷かのんに相応しい自分を…望んだ関係性を連れてきてくれるというのは、疑いようもなく道理だ。
しかし同時に身体の熱さ、貴方がそこにいることが常に、二人の縁を結んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
泣きじゃくる千砂都を護る時、かのんは言葉だけで動きはしない。
両手を大きく広げ、自身の体を盾にして弱いものを庇い、理不尽に抗する。
新しい世界を見せる時、かのんは自分の手を差し出し、隣り合って喜ぶ。
そのフィジカルな大きさ、『澁谷かのんはそこにいる』という実感こそが、嵐千砂都をこの高みまで導いてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
そこにいないからこそ、貴方を思う。
離れてそれを痛感した二人が、お互いの心根を晴天に照らし合わせた今、熱く抱擁するのは必然と言える。
そして、そこに留まらないのも。
お互いの思いと実在、共有された過去と為すべき夢を確かめた後は、長らく語ることもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
勝利は必然であり、旅立ちは疾風のように激しく、未来へ駆け抜けていく。
ここのスピード感は、嵐千砂都が何故”嵐”かを、心地よく語ってくれた。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/dXUt1n7yjI
千砂都が何を思い、何を抱えていたか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
そこにかのんがどう踏み込み、二人だけの答えを掴み取ったか。
ここが分厚く描かれているので、結末がスパッと叩きつけられるのがむしろ心地いいんだよね。
『そらーそーなる、そうなるしかないッ!』つう納得がある。勝つよ、そらー。
かくして一切の憂いなし、晴れやかなステージに挑む四人を、夕焼けが祝福している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
お料理勝負で失点したクゥクゥが、ステージ演出で挽回する描写をしっかり入れてるの、すげースーパースターらしいな、と思った。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/xZnNAZ961d
すみれのステージデビューでもある今回、四人だから出来るフォーメーションチェンジの面白さを大事にしつつ、クローズアップで個人アピールを抜くカメラが元気で、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
歌い、踊るだけで終わらない、感情表現としての”アイドル”が力強くて、良いステージであったね。
話の展開上かのんと千砂都に寄せたが、しかしあくまで四人は四人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
皆が仲良し、力強く進んでいく対等な関係性が、ステージパフォーマンスの中に息づいているのも良かった。
電飾バリバリの明るいステージが、湿り気の多い青春を燃料に炸裂するスクールアイドル力を、見事に示す。
ダンスの指導をしてた千砂都は当然、加入即踊れるわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
思い返せば、前回サニパが千砂都ワントップで引っ張ってる状況を指摘したのは、千砂都が見てる風景と、それを既に追い抜いてる現状のギャップを、それとなく示すためだったのかなー、と思ったりする。
憧れに伍するためのダンスは、しかし何かのための代用品ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
泣き虫だった嵐千砂都に、決意通りの力を与え、先を行く背中で誰かを守れる強さを生んでいた。
それが歪さに繋がることもあるが、しかしお互いの目をしっかり見て、正しく進んでいけば道は開ける。
そういう明るい未来像で、作品全体を照らす話運びにもなっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
かくして祭りは終わり、物語は未来へと進む。
あの時は一人で書いていた”まんまる”が、色んな筆を足してもう、賑やかだ。
それは一人で進むと決めたからこそ、辿り着けた景色。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/1bjarzR0A3
Aqours刺さってる人間は、砂浜になにか書かれてるだけで”文脈”見つけちゃって大変だけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
すみれの『仕方ないわね~』とかちーちゃんの海外修行とか、やっぱスーパースターは過去作の要素を丁寧に拾いつつ、オマージュだけに溺れない話作りをやっとるね。
というわけで、大変良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
嵐千砂都が完全に鍋島武士道の論理で動いていると解って、その献身を超えた場所へ澁谷かのんが”来ちゃった…”キメて、凄まじい強さでした。
『献身的な幼馴染』という、物語進行に便利で、”ラブライブ!”のアイコンでもある存在。
それを主人公とどう向き合わせるか、その先にある風景にどう進んでいくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
過去を共有すればこそ生まれてしまう感情と権力の勾配を、どう対等にするか。
第6話の段階であまりにも太い結論を出せたのは、素晴らしいことだと思います。
見てるか南、渡辺、上原…嵐が全てを吹き飛ばしたよ…。
個人的にはかのんちゃんの”侠”を感じるのがスーパースターで一番気持ちいいまであるんで、ちっちゃな頃から義人だった彼女をみれて、大変良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
でもそれって、挫折にやさぐれたままだと発揮されなかった美質なのよね。
クゥクゥの夢に寄り添うと、魂を燃やし”スクールアイドル”始めたから
『歌える澁谷かのん』として『踊れる嵐千砂都』の眼を真っ直ぐ見れる自分を取り戻せていた部分は、凄くあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
そういう事をしてくれるのが”スクールアイドル”なのだと、作品の主軸がどんな価値を持つか、語る話運びにもなってますね。
スーパースターは、ここ凄く大事にしてると思う。
『何故”スクールアイドル”なのか』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
千砂都が加入し、それを直接問いかけ続ける恋との対峙も本格化しそうです。
次回はすみれ主役のコメディ色っぽいですが、どーせ全身吹き飛ばされるエモ地雷が随所に埋まってんだからよ…解ってんだぞ。
大変楽しみです。つえーなスーパースター…。
あ、リエラのうたは今週も最高でした。お花に合うねぇすみれちゃん…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
挫折と前向きな再起を妖精すみれに朴訥と歌わせるの、なんか言葉にし難い力強さがあって凄く良かった。
儚く描かれたものが、折れぬ強さを歌う姿は凄く刺さるね。
(画像は"ラブライブ!スーパースター!!"第6話より引用) pic.twitter.com/BfocWEVVz7
追記 土地に縁付いた”みんな””わたし””わたし達”の描き方、その変遷は個人的に、””ラブライブ!”を横断的に見る時気になるポイントだったりする。
スーパースター追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
サニパは島を背負い、島と一体になってスクールアイドルをやっているが、かのん達に(まだ)そういう共同体意識はない。
母の学校を背負う恋に幾度となく『何故スクールアイドルなのか』を問われ、時に反発されている段階である。
これは無印とサンシャインが、廃校回避のために動いていた(動かざるを得なかった)動きの逆を打っていて、裏口から同じところに入り直す足取りだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
あくまで”個”として、志を同じくしながら道を進んだ虹ヶ咲ともまた違う、私から始まる私達の物語。
ある意味物語装置として漠然と与えられていた、廃校で壊れていく”みんな”とまた違う共同体を今後描いていくという予感が、”島のスクールアイドル”たるサニパ…それを見つめるかのんの描写からは感じられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月6日
ここら辺、アニメの殻を超えた共同体意識の変化、それを見据える作家の視線が滲む気がするね
追記 姫は王子であり、弱者は保護者となり、ヒロインはヒーローとなる。変化に対して啓けている風通し、役割固定を巧妙に回避・破壊していく話運びは、”今”のラブライブだなと感じる。
スーパースター追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月8日
幼少期、転んで泣く千砂都に靴を差し出すところから、かのんとの運命は始まる。
シンデレラと王子様めいた関係性であるけど、脱いだ靴を差し出して貰い、見つけ出して貰い、守ってもらう間柄を千砂都は物語が始まる前に、既に拒絶している。
誰かが担ぐ神輿に乗っけられてのシンデレラ・ストーリーではなく、たった一人己を証明するクエストを宣誓したことが、挫折を味わい自身のヒロイズムから背を向けかけていた王子様が、諦めず立ち向かう理由ともなっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月8日
旧い役割固定を壊して、対等で互いに支え合うような距離。
そこに、嵐千砂都と澁谷かのんの間合いはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月8日
柔らかく形のない人生が定まっていく最初に、決定的に出逢ってしまう幼馴染という関係。
それが生み出す歪な勾配を、どう平にするか。類型から出るか。
四作重ねたからこその刷新という感じもある。
さらば、幼き灰かぶり姫たち。