トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
あおぞら中学は、来たる文化祭に向け燃えていた。
クラスの出し物、部の展示。
トロピカる部の面々も祭りに大忙しだが、ローラはみのりが宿す微かな陰りを見逃さない。
文芸少女が、筆を置いた理由。
メイクと友情は、過去を振り切り人を変えうるのか!?
そんな感じの秋の収穫祭、トロプリ第28話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
何の収穫かって…?
第4話、第7話、第15話と積み上げてきた”ロラみの”にキマっとろーがッ!
激しく熱く波濤のようにうねる陽の関係性”まなロラ”に対し、地道に着実に積み上げてきた思いが宿る陰の距離感。
それが地面に足つけて、しっとりと暖かな青春を夕焼けに照らすエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
みのり先輩と向き合う時、陸のことをよく知らない異邦人としてのローラがよく強調され、そこから変わり馴染んでいった二人が見えてくるの、1年アニメの醍醐味だな、と感じるね。
文化祭っつーことで、放送部コンビが再登場し学校全体が賑やかに主役を演じていたのも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
トロプリの学園重点な話作り、僕は大変好きなので、今回みたいにサブキャラが再登場して、彼女たちなりの物語が主役のそれと混ざり合うの、凄く嬉しいのよね。
くるるん探す時に想像力の意味を教えてもらったり、体を入れ替えて一騒動あったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
ローラは結構みのりと、縁深い場所にいる。
最序盤ニンゲン下に見てた女王気取りもすっかり鳴りを潜め、隣人として友人として色々配慮できるようになったローラは、賑やかに祭りの準備を進めながら、慎重に歩み寄る。
自分とは違うタイプだけど、だからこそ色んな事を教えてくれるみのりをローラは結構尊敬していて、だからその過去を土足で踏んでいいか悩みつつも、彼女の望みがどこにあるかをちゃんと知りたいのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
そういう距離感をローラが測れるようになったと、教えてくれるエピソードでもある。
変化はみのりにも訪れていて、表に出るのは苦手と裏方に奮戦、しっかり展示を練り上げる…だけで終わらず、仲間のためにみんなのために、リップに勇気をもらって堂々、取材にも応じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
図書館に潜み、傷ついた自分を守っていた時代と大きく変わって…でも確かに繋がる今のみのり。
批評という形で、他人の視線に傷ついた彼女が表舞台に立つ前に、”メイク”をする描写はとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
それは心構えを作り、恐怖に負けない自分を創る大事な儀式だ。
その面白さも、メイクが得意で好きなさんごと触れ合う中で、文学少女が学んだものだと思う。
メイクの歴史を伝える展示も、みのりが自分なりのアプローチで友達の大事なものを知ろうとした、ここまでの歩みが反映されているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
ちょっと硬くて、軽く力み過ぎで、でも真剣で誠実。
凄く、”一ノ瀬みのり”な展示だったのだと思う。
チャーミングなおでこを晒すヘアスタイルで、取材に応対する自分を作る時、みのりは『ローラを参考にした』と告げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
尊敬できる誰かが間近にいることで、今の自分とは違っていて、でもそうなりたいと思える自分を鏡に写すことが出来る。
そういう存在として、ローラとみのりはお互いを見つめていた。
そんな二人の思いと変化が、しっとりと寄り添って夕焼けに輝くラストシーンは、大変眩しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
頭でっかちで在り来り、全てが借り物と言われ、確かにそのとおりと諦めてしまった物語。
それは”キュアパパイア”でもあるみのりを主演にして、今まさに書き直されてる最中だ。
物語が一つの終りを迎えた後に、みのりがもう一度筆を執って、そこに至るまでの大冒険を糧に自分だけのストーリーを紡げたら…そこに勝ち気で誇り高い人魚の面影があったら、とてもいいな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
もしそこにもう一度踏み出せるとしたら、それはトロピカる部というヘンテコな部活が…
そこに集う仲間がいればこそだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
みのりん先輩、毎回トピ部のトンチキにメガネ光らせて、ノリノリで楽しんでおるからな…。
奇縁が繋いだ友達と、騒がしく過ごす日々から得るものは本当に多いのだと思う。
賢い彼女は、その意味をしっかりと理解している。
部活の応援したり、サンドアート大会を運営したり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
図書館にこもった頃の”一ノ瀬みのり”じゃ思いもしなかった楽しさに振り回されて、出会う新しい自分、思いもしなかった世界。
そういう場所に、傷ついた一人の少女を連れていけてるトピ部は、マジ功徳あると思う。
そんなみのりにアプローチしてくローラの歩みが、結構慎重なのも素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
物語登場時のローラならズケズケ土足で踏む所を、地上で友情に揉まれた結果忍び足になり、呼吸を図りながら核心を探っていくようになったのも、大事な変化だろう。
なにか褒めるにも素直じゃなくて、まなつのように『最ッ高!』と叫ぶんじゃなく『悪くないじゃない』になっちゃうローラ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
そんな彼女が、自分をモデルに変われたと、新たな出会いが宝だと親友が告げてくれた時どう思ったか。
夕焼けの美しさが、よく教えてくれる。眩しい…みんなキレイや…。
結構前に埋めといた伏線を引っ張り出して、最高の感情炸裂(エモーショナル・ビッグバン)につなげるエピソードとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
『書けなくても楽しい』という気持ちを大事に抱えつつ、いつかみのりが自分主役の物語を、もう一度原稿用紙に描ける日が来たら。
そんな気持ちにもなりましたネ。
あ、チョンギーレおじは”調理”つー専門領域を持ち出され、思わず本気でイカ焼き闘争に前のめりの善良っぷりで、『やっぱコイツラと絶滅戦闘したくねぇな…』という気持ちがフル回転した。ぜってぇ無理。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
終わった後、地震に怯えるエルダちゃんを囲む控室の空気…どう考えても”人間”でしょ。
しかしまー、バトラーさんが危惧する通り悪事が全然進んでないのも事実で。つーか歴代敵役でも、最強にユルいからなあとまわし一味…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
そこにテコ入れして新フォームお披露目だッ! てのが、来週のお話になりそうです。
今回もコスく、販促混ぜ込んでたしな…そういうのも大事! 次回も楽しみッ!!
あ、まなつのエゴ大暴走にも思えるトピ部の活動が、みのりの世界を広げてたと描くことで、どうやって”私のやりたいこと”と”みんなの楽しいこと”を繋げていくか、一つの解答がでてたのは、とても良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
やりたいこととやるべきことが一致してる、銀河美少年系プリキュア、夏海まなつ。
追記 作品ごとに様々な語り口、観点、切り口があって良いし、そうして選び取ったものだけが成し遂げうる輝きは、確かにあるのだ。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
みのりが心の傷を告白するまで28話、かなり時間をかけているが、だからこそそれがとても重く大きいもので、時間をかけて癒やしてきたトピ部の活動の尊さも、よく判る運びとなっている。
ここら辺、話運びを焦らないトロプリだからこそ出来る、蓄積のストーリーテリングかと思う。
敵もダークパワーに取り憑かれた邪悪の具体化じゃないし、宿命の地獄バトルが展開するわけでもなく、学園生活を大事に小さな変化と挑戦を積み重ねていく、トロプリの語り口。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
その恩恵を一番受けたのが、トンチキ部活動を毎回楽しんでいたみのりなのかな、と思う回だった。
自分を大きく傷つけたもの、未だ震えている弱い自分をさらけ出せる信頼は、なかなか芽吹きにくい花だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
それが夕景に大輪を咲かせる瞬間を、満を持して描けた今回は、トロプリが選んだ語り口が何を成し遂げ得るか、よく伝えるエピソードだったと思う。
追記 自分のやりたいを、周囲の楽しいと繋げながら誠実に形にしていけば、それは世界の承認を受け取って大きく膨らんでいける。
そういう人間集団への希望をトピ部通じてジワジワ積んでる所は、トロプリの良いところだなぁ、と思っています。
あと”放送”ってファクターを入れることで、最初はトンチキ女のクレイジーな思いつきだったトピ部が、学校社会の中で実績を積み承認を受けて、”公”に開かれた存在として堂々己を告げてる姿が描かれたのも、大変良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
今回、みのりとローラの個人的自己実現だけでなく…
彼女たちが共に作り上げてきた、トロピカる部の集団的自己実現、広報と承認のエピソードでもあったかと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月12日
こういう達成を可視化するにあたって、”祭り”っていう非日常的な節目は有効よね。
ハレ・ケの境界がある理由が、プリキュア通じて少し見えた気がする。