かげきしょうじょ!! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
文化祭で特別に行われる”ロミオとジュリエット”は、オーディションによるサバイバルレースとなった。
4/40の狭き門を目指し、プレッシャーに苦しみ、自分だけの道を探す予科生達。
闇を知らぬさらさと、恋を知らぬ愛が見つけた星は、果たして輝くのか!?
そんな感じのラストバトル開始、かげきしょうじょ第11話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
最終コーナーが見えてくると、やっぱ一年の総決算感があるこのイベントが最後に来るところまで詰めて詰めて展開させたのは…身を切る痛みも当然あるけども…正解だったのかなー、という印象である。
群像それぞれの思いにフォーカスしてエピソードを編み、全員が思いを込めるオーディション。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
ここまでの歩み一つ一つが、答えでもあり未来への第一歩でもあり、4/40の狭い舞台が全てのゴールというわけでもない。
まだまだ続いていく舞台の、しかし確かな決着として、ここまで来れたのは良かった。
そう思える最終章第一幕であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
逃避先として紅華を選び、さらさと出逢って舞台に目覚めた愛ちゃんが、自分の至らなさと向き合って掴んだ、彼女だけのジュリエット。
ずーっとさらさを見つめてきた彼女の答えとして、あの涙はやはり眩しい。
そして愛ちゃんはファーストランナーでしかなく、未だ自信のない綾子も、闇に惑うさらさも、己の答えを示す舞台が待っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
さらに言えば、選ばれて立つステージは(大事なアピールの場だけど)ゴールではなく、あくまで夢への第一歩。
何が起こるかもまだ、判らない。
銀橋に至るまでの一歩一歩が真剣勝負で、トップに立っても…多分劇団を去ってもけして終わらない、長い長い歩み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
その中で選ばれるものも選ばれないものも、何を賭して勝負に挑み、何を掴んで駆けていくのか。
その多彩と不屈を描く物語らしい、フィナーレ序奏でした。
というわけで、突きつけられた”4/40”に予科生は騒然である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
こういう状況下でビシッと〆るのが、プロ意識の高い薫なのは納得。
つうか今回の作画、ところどころまつげビシバシで超カワイイね…。時折クセ出るけど、それがいい味出すよなーこのアニメ。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第11話より引用) pic.twitter.com/pbOS3VIksc
ゴロゴロ思い悩むさらさに、かつて見た星を思い出しながらロミオを進める愛ちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
ここの思い出を反芻する、ちょい高めの視線が良かった。
胸の中に突き刺さっちまった一番星が、今も愛ちゃんを足元の暗い闇じゃなく、高い空に導いてんだな~って理解る。
その星は、もじゃもじゃヘアーで満点笑顔だ
『お友達ってどんなものかしら…』と、憧れと不慣れを不器用にぶん回していたところから、悩めるダチのために心からのアドバイスを率直に差し出せるところまで、愛ちゃんは来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
寄り添ってくれる友達が欲しかった、寂しくて弱い自分を認めれたのも、手を差し伸べてくれた人がいればこそ。
さらさの悩みにアドバイスするのは、そんな自覚からの恩返し半分、持ち前の真摯な優しさ半分ってところか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
愛ちゃんはさらさだけでなく、薫や綾子にも、分かりにくい態度ながら色々差し出してる所が良いよなー。
さらさとの関係を足場に、色んな人と頑張って繋がってる。
こういう変化を見ると、世界全てを拒絶するギリギリのところで、太一が自分の部屋をシェルターとして差し出せたありがたさも、また際立ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
あの時鍵を差し出してくれる人がいなければ、この段階まで愛ちゃん、持たなかったと思う。
色んな人との縁があって、苦しんだり笑ったり。
笑顔が怖い聖との関係も、愛ちゃんはビビらず真意を汲み上げている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
虐待を受けた時は呪いでしかなかった美貌も、元JPXの看板も、競争を勝ちきるための武器に変える。
そんなシビアな現実主義の、もう一つ奥にあるアドバイス。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第11話より引用) pic.twitter.com/G98ADujlR6
どんだけ恵まれたスタートでも、必死で走らなければ追い抜かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
非常に分かりにくい形で、後輩に奮起を促す”お姉さま”の言葉を、愛ちゃんは素直に受け取っている。
非常に捻じくれて奇妙な形だけど、この二人の距離感も良いものと、確認して最終コーナーを曲がってくれるのは嬉しい。
さらさにも奇妙な繋がり方をした大事な人がいて、暁也くんとの対話の中で、絡んでいた糸が解れて欲しいものが見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
お互いを導きの星にしながら、もう戻れない道を突っ走っていく少年少女。
”彼氏彼女”というフレームに収めるには、歪で綺麗な想いが宿る間柄。
暁也くんが答えを差し出せたのは、さらさを理解してる彼氏だからってより、自身演劇者として演じることに向かい合ってるからかなー、という感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
無論フワフワ天然娘が、見た目より貪欲で執念深いことを、よく知ってるからでもあろう。
本当は、リベンジしたいんでしょ?
言外に差し出された問いに答えるように、皆が自分の望みを黒板に刻む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
紗和がティボルト役を選んだ時、薫が一息入れるの良い芝居だな、と思う。
この無言の緊張と安堵が描かれてるから、後に綾子に投げる発破が、実感を込めたエールだと判る。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第11話より引用) pic.twitter.com/44qw99sWV0
実力を認め尊敬する相手だからこそ、競い合いたくはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
そんな弱気が薫にも当然あって、だからこそこの期に及んでの綾子の弱音に、一言言ってやりたくもなる。
復活のアリアを聴いた時、見せた歌姫への期待。
親友たちの実力への、信頼ゆえの恐怖。
色んなものが、少女の脊髄を伸ばすのだ。
『さらさの白目を真似する愛ちゃん可愛いなぁ…』と、蕩けた感想吐き出しつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
適切な個性の出し方が判らない愛ちゃんが、幼い日母から聴いた演劇心得をさらさに伝えるのが、健気というにはあまりに切なかった。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第11話より引用) pic.twitter.com/aw1Q2NNk0s
あんだけされても、やはり母の名残を追ってしまうものなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
肉親として期待するものはもう無くても…あるいはだからこそ、偉大な演技者としての言葉は骨身に染みるのか。
どちらにしても、演技者の夢を真摯に追う愛ちゃんは、その支えをかつての思い出に託している。
役を塗りつぶすのではなく、役に寄り添って初めて引き出される個性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
そのガイド役として、ティボルトが何を思うか尋ねていくスタイルは、大運動会で”Eカップのさらさ”が何を考えるのか、尋ねて引き出した紗和のアプローチに似ている。
仮想の物語の中を、キャラクターがどう生きているのか。
そこを深く掘り下げられる想像力が、やっぱりさらさの武器なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
それは憑依させたキャラクターを制御する難しさと直結していて、武器にしたと思ったら仇にもなる、難しい強さなわけだが。
とまれ、愛ちゃんのアドバイスと問いかけは、さらさを包む闇に光条をもたらして行く。
それがどこから来たかと問われて、”母”と言えない哀しさと、親友の”ありがとう”に満面の笑みが浮かぶ嬉しさと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
このオーディションを終えても、愛ちゃん主役の人生劇場は幕を閉じない。
色んなものを乗っけて進んでいく脚本に、悩みつつ上を向ける所に来れて、愛ちゃん良かったね…の気持ち。
”ロミオとジュリエット”のあらすじを予科生がリレーしながら、それぞれの努力が写される演出は大変良かった。綾子はやっぱ”唄”よなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
おじいちゃんの教えもあり、抱かぬようにしていたどす黒い感情は、しかし名作に掘り下げられる人間の宿業でもある
(画像は"かげきしょうじょ!!"第11話より引用) pic.twitter.com/Qo01iLb5fR
世界の輝き、自分の中の明るい思いをまず見つめて、それに従って進もうとするさらさの魂は、彼女自身にとって…そして彼女に出逢った人々にとって、強い救いであり導きであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
でもその輝きだけじゃ、ティボルトには近づけない。
掃除サボって伸ばした手が、なかなか掴めない答え。
それは夢に続く花道に立つ暁也を見た時、さらさの中に思い出されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
確かにそれは、自分の中にもあったのだ。
ティボルトという仮想の存在を掘り下げることは、さらさの知らない”渡辺さらさ”と出会い直すことだ。
あるいはさらさは、こういう形でしか暗い自分と出会えない人なのかもしれない。
自分にはけして掴めない遠い星を、サラリと掴んでしまう選ばれたものへの羨望。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
潰れて終われと、どす黒く見上げる闇の暗さ。
それを過去から引っ張り出して、さらさは役を掴んでいく。
でもね…確かにあったその薄暗さに、押し潰されねぇよう孫娘に向き合った、おじいちゃんマジで偉いと思うよ…。
誰かを恨むのは正しくないからとか、悪いことだからとは言わないのよね。外側に答えを置かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
『自分に返ってくる』てロジックで、孫娘が暗い場所に沈まないよう手を引いてあげてる。
ここら辺、歌舞伎と暁也個人を切り離して向き合ったのと繋がる、おじいちゃんの人格だなー、と思う。
そんなさらさの輝きが、知らない恋に思い悩む愛ちゃんの導きともなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
鉄面皮の奥でグラングラン、挑戦を諦めるほどに追い詰められかけた愛ちゃんの、脳裏に炸裂思い出ボム。
出逢って、見上げて、追いかけて。
貴方が私の星だった。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第11話より引用) pic.twitter.com/lmLIafy7fM
『そらそ~よ。奈良田、一生渡辺見続けてたもん…』と納得の、覚醒の笑顔と涙である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
全てを拒絶し諦めていたツン期を超えて、心の底で望んでいた庇護と輝きを差し出され、一緒に進んできた日々。
硬い鎧で自分を守るしかなかった少女が、一歩ずつ歩いてきた青春の物語。
それこそが山場の勝負で、一つの答えを出す決め手になる流れは、物語が11話積み重なってきた納得と必然が力強く宿って、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
さらさはキャラクターを深くブートし、愛ちゃんは思い出に天啓を得る。
それぞれ、様々な闘い方…自分なりの答えがある。それが良いのだ。
極限状態で自分を出し切り、ガス欠だった愛ちゃんを抱擁するさらさ、向けられる笑顔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
これがこの物語で、奈良田愛が手に入れたもの。
空っぽに引き裂いた心の中に、差し出されて詰め込んだ幸福の形である。
笑えるようになって…本当に良かったです…。
(画像は"かげきしょうじょ!!"第11話より引用) pic.twitter.com/MdV7j4N4ZJ
そっしてなかなか笑えない少女も当然いるよッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
さー山田彩子、お前の答えはどこにあんだいッ! …ってところで、オーディションは後半へ続く。
一見アタリがキツい薫の態度が、どんだけの期待と信頼から出てるか、もう分かるのは物語の力だよなー。
みんな可愛いよ…(キモ蔵、早くもうっすら涙)
1クールの物語を〆るにあたって、群像それぞれの闘いと決意、努力とドラマが多彩に輝く舞台を選べたのは、やっぱ良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
そこに至るまでに駆け足で、色々取りこぼされたものも正直あんだけど。
メディアが移り変わるときの宿命っつうには、あんまりに惜しいもんだけど。
でもやっぱ、1クールアニメというフレームに作品の魅力が最大限輝くように、渾身振り絞ってくれたからこそのクライマックスだなぁ、と感じました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
ギリギリに追い込まれた愛ちゃんが、さらさとの出逢いと触れ合いで新たな自分を掴む瞬間は、やっぱ眩しいわ…。
そして道はまだ半ば、オーディションはまだまだ続くよ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月14日
プレッシャーの中でそれぞれがどんな輝きを見せ、どんなジャッジが下されるのか。
緊張の後半戦を、アニメがどう書いてくるか。
次回も大変楽しみです。
今回で十分以上にクライマックスなんだが、まだまだまだまだ押し寄せるからなぁ…。