BLUE REFLECTION RAY/澪を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
コモンの最奥へと辿り着いた陽桜莉たちは、異形の神と化した紫乃と対峙する。
静謐な絶望を振りかぶる紫乃の、震える手を取るために。
リフレクターは剣で守り、想いを貫く。
そして明かされる最後の秘密と、果たされる最後の決断。
今、目覚めよという声がする。
というわけでブルリフR最終回、ありがとうトンチキ百合異能伝奇ジュブナイル! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
最終話はがっぷり紫乃と組み合い、まさかの幼馴染真実も飛び出して、大満足の仕上がりであった。
アクションも気合十分、ぼったちバトルは無しッ!!(コスってるけど、俺はアレが好き)
神になった紫乃とリフレクターのバトルは、あの段階で一番太い縁があったお姉ちゃんが自分の傷を捧げて、神を気取って絶望に沈んでた紫乃の壁をぶっ壊す流れが、大変に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
まーあそこに踏み込む資格があるの、お姉ちゃんだけだよな…。
最終決戦は剣も弓も構えるけども、勝負を決めるのは己の魂から引っ張り出し、誰かに託されたフラグメントで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
譲れないエゴを燃やして暴力に変える事ではなく、砕かれた心に共鳴出来る資質を、異能者達に与えてきた作品らしいバトルだったと思う。
残酷でろくでもない当たり前の世界に、自分が殺されないために閉ざした心。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
それをこじ開け、あるいはそこから這い出す暴力を跳ね除けるために異能の力は必要なんだけども、結局人と世界を変えていくためにはもっと柔らかく純粋なものが大事だと、選んだ話でもあって。
一期ラストで百ちゃんにフラグメントを捧げられたお姉ちゃんが、己のフラグメントを捧げて陽桜莉に道を開くのも、良い反復だな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
愛しさを癒着させた姉妹は、滅びる世界を幾度も繰り返した末に、お互いの痛みと弱さを引き受け、照らし合って離れていく。
死別エンドに見えて、どっこい元気でやってるお姉ちゃんのタフさ含めて、平原姉妹らしい決着だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
当人が手放しても共鳴する切なさは消えないし、離れたとしても響き合う愛おしさは無くなりはしない。
人が残響し、繋がり合うとはどういう事なのか。
それを考え続け、描き続けたアニメが最後に、姉妹に辿り着かせる結末は苛烈で、鮮烈だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
”一周目”では慄いて動けなかった『偽善ッ!』の言葉に、エゴと知りつつ贖罪と共感を叩きつけに行く美弦も感慨深い。
かくして、陽桜莉と瑠夏は紫乃の心の奥底に分け入っていく…わけ、だが。
まさかそこで最後の秘密が、衝撃とともに押し寄せるとは思ってなかったので、最高に嬉しいサプライズであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
そっかー、ここでラスボスに幼馴染属性かぁ…。
紫乃の絶望に隣り合いつつ、それを忘却し救えなかった陽桜莉の後悔って、瑠夏の初期衝動と重なってんだろうね。
暴力の鎧を引っ剥がされ、心の奥底に踏み込まれた紫乃も、大量の後悔を共鳴させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
もっと話していれば、頼っていれば、何かが変わっていたかもしれない。
そう囁く悲痛な声は、変わらない過去への諦めと、それでも疼く痛みに満ちている。
他者と同じく、人間は過去にも手が届かない無力な存在だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
起こったことは起こったこと、何を願っても変わらない。
その現実的なニヒリズムは、『リフレクターは何も出来ない』という諦観を生み、思いを封じた静かな滅びこそ救済なのだと、紫乃と美弦に思わせた。
確かに過去は変えられないし、様々に形を変える思いを制御することも、完全に他者を理解することも出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
しかしそれでも、響き合ってしまう心にこそ正しい理不尽を越えていける希望があって、リフレクター達はそれを信じることにした。
その希望が、紫乃の心への道を切り開いてきた。
だから最後も、神様が吐露するあんまりにも当たり前なお願いに手を添えて、一緒に帰ってくることで終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
紫乃がやりたかったことが、ごくごく普通の少女が…人間が、皆望む小さな幸福であることが逆に、当たり前の幸福がけして当たり前にはなりえない、この作品の認識を伝えてくる。
断絶も絶望も残酷も、世界には色濃く満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
それは様々な形で人を刺し殺し、魂を砕いて絶望させる。
そうして斃れていく思春期の戦友に共鳴し、見捨てられないからこそリフレクターも傷つき、己の無力に絶望もした。
戦いを終えても、現実は多分残酷なままだろう。
変わったのは少女たちの心一つで、そこしか変えられないからこそ、そこが全てなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
紫乃が自分の願いと弱さを、かつて繋いだ掌に預けられるようになったこと。
陽桜莉が一度手放してしまった掌を、もう一度見つけ直して繋いだこと。
結局それこそが、2クールの異能バトルで手に入れた宝石だ。
紫乃は己の心の中で、陽桜莉に抱きしめられて自分の思いを告げてようやく、子供の自分から今のありのままへと戻ってこれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
あまりにも哀しく、苦しい記憶に凍りつかせていた時間が、共に歩んでくれる人の体温で溶け出す。
季節が先に進んでいく。
コモンの再生、紫乃の帰還を成し遂げ、世界は元の姿を取り戻していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
床にぶん投げられたフランパンがあんまりにも面白いが、都が救済を見上げながら『諦めなくてよかった』と告げたのが、心に刺さった。
つまり只人たる彼女は、一度ならず諦めようと思ったのだ。
英雄のように気高く強く思えるものも、皆震えを握りしめながら戦い続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
情報分析に、人間としてあるべき道の提示に、獅子奮迅の活躍を見せた都も、(これまで行くどもそう描かれたように)人間的な痛みにうずくまっていた。
そしてそこから、砂を掴んで立ち上がったのだ。
『その勇姿を見てオメー駒川詩、思うところはねぇのか!』と言いたくもなるが、リフレクターで唯一指輪を赤いまま輝かせる結末に至った救えない彼女が、僕はやっぱり大好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
お前はその虚無を抱えたまま、激しく踊り続ける。ブルリフ島でも元気にやんなッ!!
各キャラクターのエピローグも、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
紫乃が皆と同じ制服を着て、普通の中学生として旅立つ道に同行しつつも、陽桜莉と瑠夏が同じ場所には行かないのが、凄く良かった。
橋の向こう側は、紫乃一人の戦場だ。
そこには自分以外誰もいなくて、皆がいる。
涼楓と亜未琉があのバス停で、今度はしっかりと手を繋いでお互いを見つめていたのも、良い終わりだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
明言されないが濃厚に、お互いを強く求める性愛を背負った二人は、彼女たちだけの真実として今後、強く結びつきながら進んでいくのだろう。
その思いを禁忌と遠ざけ、関係を保留する弱さが砕いたものと、そこから蘇ったもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
過ちを知ればこそ形を変えて繋がり、欠片を重ねて満たされるもの。
二人にしか表現できないものが、とてもこの作品らしい筆致で語られていたのは、やっぱ良かったなぁ、と思う。
かくして特別な変身が出来なくなった世界に、少女たちは漕ぎ出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
当たり前の絶望と、当たり前の救済が、けして重なり合わない共鳴によって繋がれ、形なき想いの刃で未来を切り開いていく。
そんなありふれた人生の物語を、皆が進んでいく。
そういうコモンな結末へと、少女たち全員を送り出せたのは良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
約一名指輪の魔力から抜け出せない輩もおるけど、そんなイレギュラーもひっくるめて、作品が追いかけてきたものに誠実で、切実なエンドマークだと思った。
そして、物語は終わる。
キャラデザは独特だし、演出の呼吸もクセ強いし、全体的にトンチキで作画はヘニャヘニャで、全くヘンテコなアニメだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
人は選ぶし、評価に値しないという声にもある程度、納得はする。
万人に100点満点と、堂々お出し出来るアニメだとは僕も思わない。
だが、しかし、そうであろうとしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
最高のアニメだった。
三話辺りからヒリヒリと肌を焼いた、トンチキ人間たちの奇妙な切実さ。
自分の胸の傷、そこに共鳴する他者への慈しみと憎しみが、凄く独特でトンチキな形でブスブス突き刺さりだす。
コイツら…”本気”だッ!!
そう思えるようになってからは正直アバタもエクボで、ぼったち戦闘も奇妙なテンポも、”らしさ”として肯定出来るようになってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
そんな風に作品を僕の内側に入れたのは、異能の道具立てで何を描き、何を掘り下げるかという作品の意図…そこに宿る熱量出逢ったと思う。
時に凄く現実的な問題を切りつけながら、共鳴しぶつかり合う魂が見せる輝き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
救いを求めればこそ絶望し、わかり合えない宿命に魂が共鳴る。
常理を越えた異様な風景を描きながら、そこに焼き付くのはとても普遍的で、綺麗で、真摯な思いだった。
リフレクターそれぞれの、そしてフラグメントを持つあらゆる少女たちが、皆譲れぬものを抱えて立ち続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
その尊厳に、血を絞り出すような必死の叫びに、しっかり耳を傾けて、見ているものになんとか伝えようと足掻いた傷跡が、僕に共鳴したから。
それを見終わった今、こんなに嬉しいんだと思う
僕は響いて、解ってしまった側に立つ人間だから、この作品が面白くなかった人の感覚は結局遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
俺には、最高に面白く最高のアニメだった。
それでいいかなぁ、とも思っている。個人サイトの感想だし。
他人がなんと言おうと、ブルリフRは傑作で、いいアニメだった。
己が持つ世界観や問題意識、好みや美学と強く共鳴して、そう言わせてくれる作品と出会えることは、やっぱり幸福で幸運なことだなと思いつつ、そろそろ感想を閉じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
作中で武器を取り闘った少女たちが皆、必死で、誠実で、チャーミングだった。みんな大好きになったよ。
ぬか漬けに青椒肉絲にツナマヨおにぎりと、メシに異様な存在感があって、モノ食う存在としての人間を大事に描いてくれたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
服を着替え、住処を清め、日々を過ごしていく。
超常の戦いと奇妙な並走を見せながら、描かれた当たり前の日々。
そこに強い実在の手触りがあったからこそ、凄く特別な力で、あまりにも当たり前な人間の業と幸福を探り続ける作品が、自分たちらしい答えをしっかり届けて終われたんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
幸福になりたくて、でもその思いがすれ違って悲しみを生んで、残酷な現実の中で絶望に沈んでいく。
そしてそれを越えた場所に、弱さを認めればこその強さで、重なり合わない宿命ゆえの絆で、辿り着いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
凄く当たり前で、だからこそとても大事なものを、自分たちだけの筆でちゃんと描いてくれた作品だと、僕は思いました。
面白かったし、いいアニメだった。
ありがとう、お疲れ様!
あ、淡麗なキャラクターデザイン、象徴と震え詩学を大事に進んでいく物語から漂ってくる、正調少女小説の硬い質感は、大変に良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月25日
凄まじくトンチキな作品なんだが、繊細で美しいものがどう語られてきたか、自分たちがその系譜にどう繋がるか、強い視線があったと思う。