NIGHT HEAD 2041を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
世界崩壊の瀬戸際で、二つの兄弟はお互いを知り、定めに身を任せる。
変革の種子として託された思いは、荒廃した世界に希望を蒔くのか。
因果の輪が閉じ、ウロボロスの蛇が物語を飲み込む。
その先にある未来へ、二人は今漕ぎ出していく。
そんな感じのさよならニーサン! 2041最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
うーむ…まぁ良かった、ん、じゃないだろうか。
話を牽引してた親殺しのミステリにもオチがついたし、どんずまりの物理JAPANにも微かに前向きな風が吹いた感じで終わったし。
兄弟が宿命を飲み込み、悟る納得力にはやっぱ欠けるが。
あまりにざっくりしたキャラの退場は引き続きで、血みどろラストバトルで譲れない感情を掘り下げるかと思っていた本部長は、ババァの遺志を継いだ君枝に射殺され、あっさりフィニッシュ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
キラキラ粒子になる因果がないので、物理で殺すしか道が残されてないのは、なんとも哀れだわな…。
僕は君枝好きだったので、ラストサバイバーとなってろくでもない世界の守護者…兼抑圧者になる終わりは、結構満足度が高い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
預言者が死に際、仕掛けをしてる描写もあったしね。
マインドコントロール仕掛けてでも、黒木兄弟を欲しがった情念も良かったと思う。
そこら辺は良いんだが、ニーサン達が完璧とは言えない結末を、人間としての幸福を諦めて使命に殉じる結末は、十分煮込まれたとはやっぱ感じなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
お話の都合に流されるばかりで、能動的に決断し、感情を十分掘り下げ、文句のない意思を込めて道を選び取る力強さが、やはり主役に欠けていたと思う
霧原兄弟も、御厨が上から目線でふんわふんわタレ流す、体温のない救済概念を自分に引き寄せて、消滅の運命を受け入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
しかしそれは納得できないと反発してたもので、何処を起点にその心情が変わったのか…描かれてはいるものの、自分としてはあまり納得も共鳴も出来ないまま、最後を選んだ。
運命に押し流され、役割を押し付けられ、救世主という名前の世界の犠牲として、人間でいることを諦める決断。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
それは作中キレっぱなしなほど感情的で、人間味溢れる兄弟にとってはなかなか受け入れがたい道のはずだ。
だが、物語はそれを受け入れる道を、主役に強いる。
そこでグダグダほざいて世界崩壊となったら、また別角度から最悪なので、ニーサン達がキラキラ消滅を飲み込むのは判る…のだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
やっぱそうなって然るべきという物語的必然、それを暴き出す力強いイベントと描写が、物語全体に欠けていたように思うのだ。
彼らはなぜ、死んでもいいと思うのか。
それを視聴者(つうか僕)に納得させるためには、ロジカルな設定でも話の流れに知らぬうち乗っている展開でもなく、感情を揺さぶる問答無用の強い場面が、幾つか必要であったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
作品との波長が合わなかったせいか、自分にとってはそういう場面が、ずっと訪れなかった。
所々に可愛げはあったし、話の流れに文句をいうのも人間として当然のリアクションであったので、霧原兄弟のことは嫌いではなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
だからこそ、もうちょい彼らが譲れないものを譲り、変えられないものを変えるに足りる物語的衝撃を、しっかりと突き刺しお話に乗せて欲しかった。
とまれ、霧原兄弟は道を選び、黒木兄弟はその思いを受け取って現実に残る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
もう一つの地球に宿る精神文化を引き継いで、人間性の欠けた世界に微かな光を継いでいく道。
その始まりが、もう一人の兄弟の決断によって時を越え、因果を越えて生まれていた不思議。
それが2041のフィナーレである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
アンティークショップの詩情もあって、悪くない終わり方なんだが、だからこそ黒木両親の描写はもうちょい前倒しであってもよくなかった? という感じ。
あんだけの最悪世界が、急に変わるのは…トップが君枝になった影響…かなぁ?
やっぱ一切描写がないまま、極楽良いとこ一度はおいでと描かれる”もう一つの地球”…その具現たる御厨を、欠片も信頼できなかったのがキモかなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
『いや、オメェらも大概なもんだろ』と幾度か顔を出したツッコミを、もっと深いとこまでブッ込んで掘り下げて欲しかった。
オカルトは時に論理を超越するものなので、精神地球が『とにもかくにも良いところ』として描かれるのは、ある程度飲むとしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
その具現たる御厨とか岬とか翔子とかが、とにかく体温低く信頼できない、共鳴できない存在として、分厚さのない書き割りに思えたのは良くなかった。
ここら辺納得して食えれば、作品とのシンクロ率も上がって、言いたいこと、書きたいものを腹に落として見れたんだろうけど…やっぱ波長が噛み合わなかった感じだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
物理JAPANの最悪っぷりは、戯画化が効きすぎではあるが面白く書けていたので、カウターたる精神の救い、利点にも説得力が欲しかった。
なぜ、もう一つの地球は救われているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
『精神は精神であるがゆえに精神的で、だから救われている』という、スピリチュアリズム満載のトートロジーを越えた答えを、説明ではなく描写で、進行ではなくドラマで届けてくれたら、兄弟最後の決断にも体温が宿ったと思う。
精神主義を看板に掲げた救済経済が,どんだけ物理存在でしか無い人間のカルマと癒着して、ろくでもない商売をしているか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
心という形のないもの、超常の世界に惹かれる視線をどんだけ泥臭くだまくらかして、色んな不幸が世界に蒔かれているか。
物理と精神は二項対立ではなく、お互いに侵犯しあい、混ざりあった奇っ怪なキメラとして、恐怖の大王が降りてこなかった現世を、堂々闊歩している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
そういう状況に恐怖と興味をいだいている身としては、この作品の二分法はちとナイーブに過ぎると感じられた。
人間に眠る未知の可能性が、結局どこでもない場所に僕らを連れて行ってはくれなかった後の世界に再誕するのであれば、オカルトと経済、救済と絶望を巡る認識も後一枚二枚、アップデートされて然るべきだったと、僕は見終わって思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
サイキックアクションは、最新版で良かったんだがなー…。
ともあれ、2041最終回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
ノリ切れない部分も多々あれど、自分たちがやるべきと定めたことには真剣に、ナメた態度は取らずに語りきろうとした作品であったとは思います。
ただそうして描かれたものが、僕には正直上手く刺さらなかった。
人知を超えた巨大な使命、それに翻弄される二組の兄弟。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
その大きな枠組みに体温を宿すドラマの主役として、主人公たちを十分悩ませ、戦わせ、己と世界を問わせたとは、どうしても思えなかった。
迫りくる運命を知らぬ間飲み込むのではなく、全力で殴り付け、叩き壊して噛み付いて…
人間としてキレ散らかしてた感情と向き合った果てに、その決断を掴んで欲しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
ぶっちゃけ、急にキャラが変わるんですよ、見ている側の印象としては。
変わるに足りるイベントとして描かれているものが、必要十分な衝撃を伴って炸裂していない、というか…これは僕だけかもだが。
不可視の力が激しくぶつかり合う、サイキックアクションの魅力は存分に堪能できて、そこはとても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
超常バトル描写の様式美をしっかり踏まえつつ、ド派手にぶっ壊し暴れまくる快楽が結構元気だったのは、とても良いところだったと思う。
旧作では一人だった兄弟、一つだった世界を二つに増やして、その狭間での葛藤、惹かれ合う運命を軸に据えた基本構造も良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
ただそれに肉をつける具体的なエピソード、背骨になる概念の彫込は自分には甘く感じられ、もうちょい圧力と体温が欲しかった。ノリきれない。
とまぁ色々言いましたが、最後まで視聴できたのはなんだかんだ、作品全体に漂う可愛げ、真剣な力みを楽しんでいたからだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月29日
1クールお疲れさまでした。
スゲー上からの感想になるけど、悪い作品じゃないし嫌いにもなれないです。ありがとう。