takt op.Destinyを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
天より飛来し音楽を貪る怪物”D2”により、人類世界は変貌した。
旋律を力とする少女兵器”ムジカート”運命と、それを爪弾く”コンダクター”タクト。
遥か遠きニューヨークを目指し、ふたりの旅路が今始まる!
そんな感じの復興世界異能バトルロードムービー、第1楽章開演である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
大変良かった。
MAPPA×MAD HOUSEの作画力がバトルでも日常でも唸り、キャラクターの粒立ちも良く、心地よい掛け合いとその裏にある悲愴がよく伝わった。
あと運命ちゃんがマジ可愛い。
ぶっちゃけ、見る前はもっとテンプレートな仕上がりかと身構えていたのだけども、”音楽”を扱う手付きもかなり丁寧かつ独特で、復興のアメリカに宿る息吹もしっかり感じられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
美少女兵器異能バトルに終わらない、ロードムービーとしての味わいが、いい具合に際立つ。
世界設定を冒頭ナレーションで押し流すのはスタンダードな手法だが、中原麻衣の柔らかな声が心地よい”朗読”という形で、彼女の愛息と視聴者に語りかける形でスタートしたあたり、なかなか非凡である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
運命ちゃんのバトル回想もそうだけど、フツーのアニメ表現から外れた、鮮烈な絵面が時折顔を出す。
お話としては日常パートでのタクトと運命、彼らの”姉”たるアンナ三人の心地よい掛け合いと、バトルパートの鮮烈な作画が面白い落差で、独自の呼吸を生み出していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
血圧低めなタクトと、ポンコツロボ子な運命ちゃんのコンビが噛合良くて、彼らを見ているだけでニコニコ出来る。かわいい。
運命ちゃんはもっと冷たい感じかと思っていたら、常時モグモグ何かを食べてて、イノセントな可愛げのあるいいキャラだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
瞳を縁取る真紅のアイライン、バトルモードに入った時の赤いドレスが大変印象的で、ただ甘いだけで終わらないのも良い。
コンダクターはなにしろ”指揮者”なので、『儚い美少女前線におっ立てて、自分は見てるだけ』っつうヤダ味が出る所だが、タクトも戦闘に入ると片手を失い、それが運命のバトルドレスとなって共に戦う描写が、上手くそれを排除していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
闘った後ぶっ倒れるのも、公平さを担保しようという努力を感じる
アンナが頑なに”運命”と呼ばず、コゼットという固有名を使い続ける所に、かなりのカルマを感じるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
コゼットは素体になった少女…アンナ本来の”妹”の名であり、ムジカートになると生前の記憶、個性、人間性は蒸発する感じかなぁ。
タクトも、クラい回想してたしね。
とすると、一見運命ちゃんを雑に扱っているように見えるタクトくんの振る舞いは、相当にデカい感情を奥に隠した重力源ということになり、大変楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
NYへ向かう旅の中で、ここら辺のサスペンスも徐々に明らかにされていくだろう。楽しみだ。
敵を倒すと、世界に音楽が戻る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
主人公たちが戦う価値がコンパクトに示されている第一話であり、そこも良かった。
タクトが戦闘指揮者であると同時に演奏家でもあって、自分の夢を取り戻すためにも闘ってるか…そしてそれが、今のアメリカにどれだけ欠乏しているかという描写が、太くてよかった。
D2との絶滅戦争の真っ只中ではなく、あえてちょっと落ち着いた後をメインにすることで、独自のペーソスが生まれていたのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
国土のど真ん中を赤く分断された、麗しき祖国。
ダイナーとパンケーキとクッキーとジュークボックスに満ちた、善いアメリカ。
(画像は"takt op.Destiny"第1話より引用) pic.twitter.com/Y9SSbxUnI1
未だD2の脅威が残る中、そういうものを取り戻そうとする市井の人々も描かれたことで、作品世界に心地よい風通し、開放的な広がりが生まれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
アメリカ中部から東海岸まで、命がけのロードムービーとしても見れる作りは、楽しさが多角的でなかなか贅沢だ。
運命ちゃんが食いしん坊なのも、”音楽”とはまた違ったアメリカの食文化、消費文化に興味と敬意を持って、人間の営みを追いかけるためのフックなんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
後単純に、ポンコツロボ子がモリモリ食ってるのは最高だからな…今後も色んな場所の美味しいもんを、モリモリ食って欲しい。
D2とのバトルを扱う以上、”音楽”は敵を倒すためのエネルギーソース、おびき出すための囮になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
アート本来の豊かさを、そのまま発揮できない世界のザラつきを、タクトが持つ演奏への渇望、それを聞きたいと願う群衆の熱で示したのも良かった。
何しろソシャゲ連動なので、D2完全駆逐で絶対平和完成、とは終わんないだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
人類文化の精髄たる”音楽”を、兵器でも囮でもなく生まれたままの形で奏でられる世界を目指して、タクトと運命は走っていくわけだ。
このピュアな視線が主役にあるのは、とても良いと思う。
”月とライカと吸血姫”がソヴィエト連邦独特の産業文化を、プロダクトデザインに生かして空気を作っていたように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
この作品は三人が駆け抜けていくアメリカの住居、車、食べ物…生活全体をハイクオリティに切り取り、お話を支える背骨として活用している。
場所と時代には必ず独自の空気と美が宿り、それが世界となっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
意識せず手癖で流していると、背景に溶け込んで消失してしまいそうな所にガッチリ意識を盛り込んで、非常に良い空気感を出してくれているのはありがたい。
異邦旅行の追体験としても、いい塩梅に楽しめそうだ。
激闘の中で”音楽”を取り戻し、未来に進んでいくための旅。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
寡黙なタクトくんはなかなか自分を語らないが、戦争の道具である運命に、どんな感情を秘めているか。
その熱量が、月下の廃墟に大変美々しく宿っていた。
(画像は"takt op.Destiny"第1話より引用) pic.twitter.com/u41gUBQsSF
小気味いい日常コメディの強さに、こういう勝負どころの絵がしっかりキマることで、楽しさと壮大さの両取り、そこから湧き上がる贅沢な期待が、元気に立ち上っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
闘争決着後のこのカットは、二人の関係性、待ち受ける未来、秘めた思いを心地よく想像させてくれて、凄く良い。
一見ライトな歯ざわりなんだけども、所々しっかりした”芯”を感じる描写やセリフ、表情がしっかりあって、作品の奥行きを思わず手探りしたくなる第一話となっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
こういうのを初手からしっかり出してくれるのは、とても嬉しい。ぜってー色々あるだろ…。
主役三人が旅する擬似?姉弟であり、闘争により文化を取り戻す英雄であり、過酷な運命に翻弄される少年少女であると、スタートから小気味よく見せてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
キャラと世界に色んな顔があって、そのどれもが今後を見守りたくなる魅力を持ってるのは、とても良い。
超常バトルシーンも、マジかっこいいからなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
タクトの片手が薔薇に散って、それが運命に宿って赤く染める変貌の詩学も、どこか犠牲の悲しみを宿してて良い。
マイペースに闘ってるように見えて、何かをもぎ取られてるんだよな、あの二人…”姉”込みで三人か。
ピアニストでもあるタクトは、コンダクターになって片手を失うと演奏できない、つうのも、なかなか絶妙な描写で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
運命に片手を預けてる限り、彼の願いは叶うことはない…んだけど、未来を取り戻すためには運命と戦うしか無い、ていう構図かなぁ。
しかも、運命に傾けてる感情が秘めてデカい。キテる…
というわけで、どんなお話なのかしっかりと挨拶してくれる、楽しく元気のいい第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
世界設定、作品の方向性、キャラの味付けを手際よく説明しつつ、アメリカ風物詩の面白さ、鮮烈なバトル表現、小気味良いコメディと、多角的な魅力をたっぷり食わせる。
音楽が枯れ果てた世界に旋律を取り戻していく希望と、何かが喪失されている悲しみの同居も、作品独自の芳香として、魅力的に香ってきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
これらの目論見を、圧倒的な作画力、美術力がしっかり下支え。
いやー、マジで全局面”絵”がつええ。筋力の使い所知ってるアニメはつえーわ。
今後も愉快で、でもどこか寂しい三人組がアメリカの色んな風景を旅しつつ、荒廃した世界でそれでも必死に生きてる人々を助け、未来に進んでいって欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
そう思える第一話でした。とにかく運命ちゃんがKawaii。
果てのない地平線に、響く音はどんな彩か。
次回も楽しみです。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
東理夫の著作に”アメリカは食べる。”というのがあって、”無い”と思ってしまいがちな食文化が非常に豊かに、地域色、歴史の残響を宿してアメリカに存在しているかを活写してくれる、大変良い書物なんだけど。
運命ちゃんのモグモグには、ちょっとそれを感じた。https://t.co/kyxHsV3Z5p
今回はクッキーにパンケーキと、汎アメリカ的な食事が選ばれてたけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
今後東への旅をするにあたって、その土地ごとの匂いがある美味しいものを、勝ち取った平和のお礼として受け取ってハラに入れてくれると、見ている側としては大変嬉しい。
運命ちゃんがただ腹ペコなのでなく、戦って取り戻した平和の象徴として、去りゆく土地の人から手渡されたものを食ってるの、俺すごく好きな描写だなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月5日
戦闘兵器として、本来食事を必要としない彼女がその滋味を、己の養いとしてくれることを祈りながら、今後もモグモグを愛でる。可愛いね…。