ルパン三世 PART6を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
次元大介。
古臭いリボルバーを相棒に、軽妙に難局を乗り越える凄腕。
タフでクラシックな男も、時の流れには勝てないのか。
プラスティック・エイジの銃撃戦に、俺の居場所はないと背中を向けるか、笑い飛ばすか。
最後の宴はにぎやかで…だから、少し寂しい。
そんな感じのさらば小林次元! 50年間まじでありがとうございました! な、PART6エピソード0である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
時代とともに変化していく”ルパン三世”が、そのために必要な変化をどう受け入れ、どう受け入れないのか。
メタな視線も交えつつ、ルパン一味のいつもの…そして最後の乱痴気が、渋く展開するお話。
派手な盗みをあえて外して、ルパン一味のしっとりした情感、一言では語りきれない関係性を分厚く描く筆は、一つの区切りにふさわしい敬意と寂しさを、しっかり宿していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
一つの時代が終わり、一人の男が去り、新たに戻って始まっていく結節点。
そこに一つ、エピソードを置かなければ気がすまない制作陣の次元好き、”ルパン”好きが、PART5から継続でありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
ポップアイコンとして、50年続くサーガとして、重たい荷物になりそうなものをどう軽妙に書いていくか。
難しい問題にがっぷり組み合った結果の、”第0話”だと思う。
お話は牢屋から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
本気でやり合う気にもなれねぇ、オモチャの銃にしょぼいドローン。
テクノロジーで武装した、効率主義の尖兵は銃声も軽く、まともにやり合う相手にゃ不足だ。
残弾表示も照準も、プラスティック製の殺しの道具。
(画像は"ルパン三世 PART6"第0話より引用) pic.twitter.com/yfZ0PnOuy8
ルパンは針金一つ、ひどく古臭い方法で牢を抜け、軽やかにドローンの先読みを突破していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
AIとフィンテック、グローバリズムを話の真ん中に据えたPART5でも、彼は最先端技術と、変化していく時代と的確に向き合い、翻弄してきた。
だが、次元大介はオモチャの銃を撃てない。
今回非常に象徴的に描かれる、ドローンとオモチャの銃は、PART5からの架け橋でもあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
そこに象徴されているのは、ルパンがかつての物語でガッチリ向き合ったものであり、あの傑作が一つの答えをしっかり出したテーマである。
例えば第19話、あるいは第23話では、次元大介も向き合った時の流れ
ガンメタルの重たさ、硝煙の香り、人間VS人間の沸騰する血潮は、もう古臭いのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
時代遅れのガンマンが、時代のうねりに翻弄され、あるいは翻弄する軽妙な怪盗物語に出来ることは、まだあるのか。
次元大介も、制作陣も、ずっとそれを問うている。
今回描かれる一つの終わりは、その大事な答えだ。
今回はクエリーの多いエピソードで、皆が『お前は誰だ』と次元大介に問いかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
時を経てこそ味が出るウィスキーと、それに向き合う資格のある男達。
酔えば酔うほど、迷えば迷うほど、言葉にはならないものが澱と溜まって、宴は賑やかに寂しい。
(画像は"ルパン三世 PART6"第0話より引用) pic.twitter.com/C9V4MEz63x
とっつぁんの問いかけを減らず口で飲み込み、ルパンの信頼と愛銃が待つアジトに足を進める次元。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
普段は寡黙な五右衛門が、共に”相棒”を持つ存在として、長い時間共に走ってきた戦友として、柔らかで熱い視線を次元に向けているのも、また良い。
凄い勢いで次元とルパンがイチャイチャしだして、『こんな出血大サービス…良いんですか!』って感じだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
時に『ノラねぇなぁ…』と背中を向け、時に肩を組んで酒を酌み交わす。
僕らが好きで、ずっと見ていたいルパンと次元を、今描いておくのが大事なのだろう。ありがたい。
今回のエピソードは凄く類型的…というか、ファンが考える”ザ・ルパン一味”をすごく丁寧に追いかけてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
ああ、そう言えばこういう連中だった。
その舌触りを思い出させて新しいシリーズが始まるのも、ありがたいファンサービスだと言える。
同時に、ノスタルジーだけがあるわけではない。
金をばらまき、美酒に酔い、タバコを吸って腹いっぱい食う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
少し古臭い蕩尽の戯画から、酔い醒ましに飛び出したベランダ。
あるいは、当人がいないからこそ切り出す本気。
フォークとナイフで、戯けた血統を引き受ける”ルパン三世”
(画像は"ルパン三世 PART6"第0話より引用) pic.twitter.com/z94GncmNcN
一足早く変わっていく時代に向き合い、一つの終わりを越えて今ここにいる男。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
”ルパン三世”はあくまで軽妙に、真面目くさった世の中を笑い飛ばし、トリック・ポップスターとして夜を駆ける。
だから変わらないでいてくれた相棒への思いは、酔漢の戯言としてしか吐き出せない。
次元が古臭い”相棒”を愛おしく撫でるように、ルパン三世も次元大介を、信じて待ち続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
五右衛門の斬鉄剣に、戯けた仕草で向き合うことしか己に許さない男の、燃え盛る血潮。
ここに、栗田貫一の思いが確かに重なると見るのは、過剰な読みだろうか。https://t.co/MBp6tJMuLI
様々なものが変わり、それに真摯に向き合えばこそ生き延びてきた”ルパン三世”
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
その物語の中で、しがみつき食らいつき変わらずにいてくれた存在が、今宴から降りていく。
しかし、”次元大介”は消えない。
老いず、死なず、永遠にカッコよくいて続ける存在は、その構成要素を取り替えつつ、永遠に在る。
虚構であればこその永遠性と、それを取り巻く現実の儚い寂しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
このエピソードで問いかけられ、吐露されるキャラクターの思いは、その両方を見据えた花束であろう。
”ルパン”を語り継いでいく製作者達が、今贈るべきだと、言わせるべきだと思った、”いつものルパン達”からちょっと外れた、マジな言葉
冒頭腹に据えかねると腐していた不二子に、『お前はいい女だよ』と呟く次元は、ルパンと同じく酔っているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
何かが終わる寂しさは、五右衛門だけが気づいてるわけじゃない。
それでも狂騒の舞台から”次元大介”が降りないように、あるいは誘惑しあるいはただただ戯けて待つ。
変わるもの、変わらないもの、変わってはいけないもの、変わるべきもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
PART5はシリーズ全体で、それに向き合い取り組んだからこそ、傑作だと思っているが。
そこにもう一度向き合うこの第0話は、やっぱりPART6との間を取り持つ橋渡しのエピソードであると思う。
かくしてシリアスでメロウな空気がエピソードを覆いかけたところで、”いつものように”とっつぁんが駆け込んできて、ドタバタのカーチェイスと銃撃戦が始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
拳銃一本小脇に抱え、オレはオレのまま時代を笑い飛ばす。
(画像は"ルパン三世 PART6"第0話より引用) pic.twitter.com/UKVObujFXR
そんな決意を背中に受けて、ルパンは旅立ち次元は残る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
AI予測を超える跳弾と、殺人ピタゴラスイッチはケレンが効いてて、少し古臭い演出で、だから良かった。
荼毘の煙は、あくまで爆炎。
この大騒ぎが、華麗に暴力を乗りこなし銃弾を乗りこなす次元大介、一つのゴールである。
ここで初めてルパンは黒シャツに緑のジャケット…この後のPART6に挑む正装をまとう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
楽しく感傷的なオフタイムが終わり、新しい時代が始まるのだ。
次元大介は少し変わった装いで、しかしクラシックなスタイルを守ったまま、必ず追いついてくるだろう。
そこで描かれるアクションは、響く声色は、これまでとは少し違うだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
でもやっぱり”次元大介”であると思うし、あって欲しいと願う。
様々な変化を経てなお”ルパン三世”であることの意味を、PART5が見事に描ききった後のシリーズだからこそ、次元大介の新生はどこか、懐かしい匂いがして欲しい。
PART6も新たに、そしてしっかり”ルパン”出逢って欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
そんな願いをちゃんと叶えてくれそうな期待が、しっかり高まる別れの宴でした。
まだまだ続く物語と、確かに終わるもの。
それを描く時必要な微笑みと寂しさが、”いつものルパン”に強く漂っていて、とても良かったです。
声優交代の節目、PART5からPART6に移り変わる節目にこういう話をやってくれるのは、物語を扱う手付き、時代と歴史を受け止める足腰に信頼が置けて、大変ありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月11日
クラシックでオーソドックスな”ルパン”で閉ざした幕が、再び開いた時始まる物語は、どんな楽しさで踊るのか。
PART6、楽しみです。