月とライカと吸血姫を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
打ち上げ期日が残り三週間と差し迫る中、レフとイリナは息抜きに繰り出す。
初めてのジャズバー、赤い茱萸の実の酒、月映えの湖…。
真夜中のデートは二人の心を軽くし、湖面は静かに、お互いの思いを聞き届ける。
塵界を遠く離れて、地上より永遠に…。
そんな感じの真夜中デート、寒い国の宇宙英雄譚第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
まじで一話ズッポリ、かわいいかわいいイリナちゃんとデートするだけの回で…大変良かった。
長尺のスケートシーンはなかなか神秘的で、二人がお互いのオリジンを語り、心が近づくのに十分な情感があったと思う。
二人きりの特別訓練はどんどん距離を縮めてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
若い血潮は志と恋に燃えて、ヒューマニズムがグツグツ煮立つ。
けど、全体主義の監視社会において”人間”であることは時に危うく、熱血漢のレフはその危うさに気づいていない。
…あの眼鏡、チェカーかな。声も井上喜久子だし(偏見)
今回心の中を相照らしあった二人が、離れ離れになってどう転がっていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
”雪解け”の異名通り、レフの思いは膠着した支配体制…ジャズの本場たる王国との冷戦を融かしうるのか。
主人公の二つ名が”それ”だと、間違いなく話のスケールはそこまで行くよなぁ。あの世界にエレンブルグがいるかは判らんが
お話は二人が一生キャッキャしながら、真夜中の散歩である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
なーんも知らないイリナちゃん(じゅうななさい)が、レフに手を引かれて新しい体験するのを見守るのは、心がホッコリして非常に良い。
レフを通してドキドキLOVE追体験つーより、俯瞰の保護者目線で見ちゃうな…。
イリナちゃんは造形と萌え仕草がややオールドスクールで、ぶっちゃけ昔のエロゲヒロインっぽいところが肌に合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
そんな彼女の期限が、酒の勢いで語られるエピソードでもある。
戦争で焼かれた父母、月面への憧れ。
少女は少女なりに、宇宙に賭ける思いがある。
レフくんもそんな純粋さを受け取るに足りるピュアボーイで、監視と党利と虚栄に満ちた地上を離れ、無辜なる宇宙に憧れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
しかし宇宙開発が、地平線を超えて着弾地点を観測可能な”天の眼”を求める所から始まる以上、空のロマンと生臭い現実は、どうやっても切り離せない…のか?
ソ連宇宙開発史をファンタジックにトレースする今作が、その外縁として切り離せない冷戦史、自閉国家の腐敗と衰退に、主役をどう向き合わせるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
ここら辺の味付けも、個人的には気になってるところだ。
同志ゲルギエフ第一書記に英傑の匂いが漂っているので、史実とは違ったルート進む感じもあるが…
そんなマクロの視点は先の話として、少年と少女のマクロなロマンスは、いい感じに咲き誇る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
夜間飛行に続いて、吸血姫の氷上滑走も大変ムーディに描かれ、人と鬼が縁を深めていく様子が、雄大な夜景とともに心に染みる。
(画像は"月とライカと吸血姫"第4話より引用) pic.twitter.com/OswcM6huWo
初めてのアルコールの後押しもあって、心に秘めてた月への憧れ、宇宙への思いを口にするイリナちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
鮮血を啜り鏡に映らない吸血鬼への偏見が、こういう美美しい場面で反転するのは、結構好きな見せ方だ。
彼女は茱萸の赤い酒に浮かれ、湖面に己と月を反射しながら、美しく踊る。
その真実を知っているのは、現状レフくんただ一人である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
この緊密な距離感が、激ヤバ全体主義国家の中でどう活きるか、はたまた無力か。
二人のロマンスと、それを取り巻く社会情勢を並列で描くカメラはそこに、僕の興味を集めてくる。
いやー…絶対悲恋になるだろ、この流れと見せ方。
困難を超えてこそロマンスは輝くものだし、お互いのために危機に身を投げる理由も、今回月下で共有した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
人の汚れが未だ届かない、静かで美しい宇宙。
二人はそれぞれの形で、飛ぶ意味を共有している。
世界がそれを許してくれないからこそ、その絆はもっと強くなるのだろう。
そんな感じの、主役とヒロインの距離が縮まり、その危うい美しさを描くエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
綺麗なものが綺麗なままでは居られない、生臭い共和国の現実。
青年たちの純粋な志は、はたして地上の束縛を越え、自由な宇宙へと羽ばたくか。
そろそろ穏やかな前奏が終わり、一騒動ありそう。次回も楽しみ!