ルパン三世 PART6を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
稀代の鉄道マニア、マーキス公爵ご自慢のお宝を狙って、ルパン一味は狂騒の庭園へと忍び込む。
全長五キロの大陸横断鉄道、美女に眼がない二人の少年、バレバレの入れ替わり。
嘘に塗れたドタバタ騒ぎ、終着駅は一体どこ!?
そんな感じの辻真先脚本、PART2テイスト溢れるスラップスティック鉄道コメディ回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
ミニチュア鉄道に狂った金持ち、おとぼけ少年探偵の初恋に、ヘンテコなお宝。疾走するポニーと溢れる仮装。
止まらぬはずの列車停止ミステリに、キメるところはしっかりキメるルパン一味。
チャーミングなキッチュをたっぷり詰め込んで、終わってみると爽やかな喉越し。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
練達という言葉すら生温い、アニメ脚本&日本ミステリ界の生き字引が、50年目のルパンに捧げる精妙なラブレター…といった趣であった。
自分がやりたいことたくさん盛り込んでるのに、雑味がないのは流石だなぁ。
全体的にどっかが狂った、しかし浮ついて楽しい狂騒に満ちた話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
このアッパーテンションなペーソスが、PART2の手触りを心地よく伝えてきて、懐かしくも生き生きしている。
ミニ鉄道、庭園サイズの大陸横断、ポニーに仮装行列に切符一枚のお宝。
小物のチョイスにセンスがあるのが、乱雑に見えて無調にならない理由かな、と思ったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
狂ったドタバタが許されるカーニバル的な空気が上手く醸造されてて、それが『懐かしきルパン一家の冒険は、そういう場所でしか今や存在できない』つう批評眼を、静かにあぶり出しもする。
世代を必死に追いかけつつ、五右衛門の着流しがどうしても”コスプレ”になってしまう乖離。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
でもその浮ついた騒がしさは、魅力的な楽しさに満ちている。
死体すらどこか滑稽で、何もかもが心地よい洒落で収まる洒脱な空間。
それが盗みに入るほどには大きく、大陸を収めるには小さい貴族庭園に成立する
自動運転の鉄道を止めたトリックや、細やかなクスグリに満ちたドタバタの仕上がりも良いんだが、諧謔と転倒に満ちた”不思議の国のアリス”的空間を、あくまで優しく、僕らが見たい”ルパン”をしっかり展開しながら作り上げる技芸に、一番酔ってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
(劇空間に漂う独特の魅力は、例えば”コンクリート・レボルティオ”の辻真先担当回でも大変元気で、作家としての武器なのかなー、と思ったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
日常から乖離しながら、不思議な落ち着きと独自のルールを持った物語時空を、自然と生み出せる気持ちよさは、今回も元気であった。)
何もかもが奇妙で不思議な事件なのだが、ルパン一味はあくまで小気味よく、狂騒を駆け抜けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
コミカルな味わいを残しつつ、四人全員チャーミングに”らしく”見せ場が確保されていたのも、見事なファンサービスだった。
大塚次元の激渋力が、少年二人のナイス持ち上げで成層圏突破してて大変グッド
あとメイド不二子がとにかく可愛くて、少年二人がメロメロになる説得力があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
ミニチュア鉄道での残酷処刑と、”ガリバー旅行記”のリリパットを不思議に絡めた描写とか、微かに文学の香りが漂う。
ノリでヤッてるようで、滅茶苦茶色んな文脈に目配せした回だよね。エラリー・クイーンとか。
しかしその目線はあくまで心地よい枝葉であって、本道は殺しも笑いも交えた、スラップスティック・アクションである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
情け容赦なく殺しと乗っ取りをやってんのに、どっか可愛げのある悪役。
それと対峙しているのに、洒落た会話を続けるルパン。
騎士は小さなポニーに乗り、疾走する列車に飛び乗る。
『鉄道アクションなら絶対入れる要素』を、丁寧に拾った乗り込みシーンとか、それがあくまで貴族の道楽であるズレ方と合わせて、絶妙な味わいだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
何もかもが狂ってズレていて、でも狙いすました不協和音が心地いい。
それが多分、辻真先の想う”ルパン”の良さなのだ。
そうして仕上げられたエピソードを飲み込んでみると、『確かに、良い”ルパン”だ…』と思わされる喉越しで、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
ルパン一味はあくまでクールにビズをこなし、普遍の英雄のまま去っていくのに対し、少年二人は冒険を経てちょっと前に進む対比も、奥行きとコクがあった。
自身のキャリアと知見を最大限活かし、懐かしくも古びない味付けで、”今”のルパンを描くエピソードであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
ゲスト脚本家回の初手がこの仕上がりだと、今後に期待も膨らむ。
味付けは大きく異なるが、PART5第6話『ルパン対天才金庫』を思わせる、ノスタルジーと今を活きる力の同居でした。素晴らしい
ほいでもって次回もゲスト脚本、どう考えても”立喰師列伝”をやりたいだけな押井守回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月1日
幻と消えた押井版ルパンに怨念を込めて、天使の化石でも盗ませるかと思ってたが、さてどんな仕上がりか。
楽しみです。
ぜってぇ、『ルパンが気持ちよく定番の活躍してフィニッシュ!』とはならんだろうな…