トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
海の底の都から唐突に届いた便りに導かれ、まなつ達はローラの故郷、グランオーシャンへ赴く。
水底のファンタジーに瞳を輝かせ、歓待に喜ぶ少女たちの影に、潜む謀略の罠。
どす黒い真実が顕になる時、生まれる新たな力。
しかし、それすらも…ッ!
そんな感じの終幕カウントダウン開始! あとまわし一味のロクでもない部分が、モリッと顔を出してくるトロプリ第36話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
予告の段階では『楽しいローラの里帰り』て感じだったので、現在絶賛上映中の映画で描かれたアレソレと正面衝突するんじゃ…みたいな危惧があったが、むしろ補強してきた。
トロプリは全体的にのんきな話なので、グランオーシャンがひとりでに復興し、平和で楽しく暮らせていてもおかしくない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
そんな予断を綺麗にひっくり返して、『やっぱ油断しちゃダメだわ。悪党は悪党だわ』と思い出させる話運びが、いい具合にハマってました。
そらーまーねそーなるよねぇ~!!
あとまわし一味の罠は悪辣かつ暴虐であったけども、『生物をヤラネーダ化すると強すぎてヤバいので、今までやってなかった』発言とか、やっぱ言葉の端々にフッツーの人っぽさが滲んでて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
ボタンの掛け違いで悪党やってる感が半端ないので、上手く対話を通じて落着させて欲しい。
あとまわし一味の家族感と、今回見せた邪悪さって別に矛盾ではないと、僕は思ってて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
身内の範疇には聖人であっても、そこを乗り越えたらぶっ殺すのにためらいがないってのは、人間の知性が兼ね備えた一つの特質だと思います。
むしろ家族大事だからこそ、他人を容赦なく踏めるって話でもある。
なら想像力の拡大を通じて、”身内”を広げていければ一方的な収奪、無理解と闘争は減らせるはずであり、そうでなければならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
イマジネーションの偉大さを常に描いてきた”プリキュア”の名を継ぎ、自作でも例えば第7話でみのりがその価値を見事に語った。
海の底の狭い価値観から、陸に視線を広げたあの時のローラのように、あとまわし一味も目の前で苦しんでいるのが”身内”だと思えるよう、強い思いとちょっとの暴力を、ドカンと叩きつけてわかり合ってほしい所です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
今までの書き方が、こっから彼らが”ただの悪者”として成敗されるのを拒絶してるよね…
さてお話はトロプリらしくザクザクと進んで、少女たちは一気にグランオーシャンへ突き進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
光と闇の宿命のバトルとか、けして譲り得ない善悪の境界線とか、そういう重くて時間を取るネタを極力排除して進んできたトロプリ。
クライマックスの火種を投げ込むには、ある程度強引さが必要になる。
『リップ付けてれば呼吸できるんだ~』とか、後出しの解説がめちゃくちゃ多い回ではあるんだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
制作サイドもかなり強引なクライマックス突入であることは理解してて、話の表面を口頭で地ならしさせてる感じはある。
まぁ、ツッコミどころを残したまま走られるより、全然OKではある。
グランオーシャン探訪パートが、見知らぬ世界にワクワクする楽しさにしっかり満ちていたのはとても良かった…し、哀しいことでもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
トロプリは学校に通い日々色んな事を学ぶ、等身大の顔が、彫り深く描かれてきて。
特にみのりは、憧れのファンタジーを実体験できて本当に嬉しそうだった。
あとまわし一味の悪辣は、そういうピュアな喜びも踏みつけにしていたわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
『故郷が無事で良かった。のんびり地上の友達に、この国がいい場所だとわかってもらえて良かった』つう、ローラが日常の中あんまり出さなかった不安の反動も、同時に踏んでるしな。
こっから最終決戦に向けてテンション上げるのに、悪役を『コイツラ絶対許せねぇ!』ってとこまで押し上げるのは、やっぱ大事で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
人間が踏んじゃいけない所を、片っ端から踏みにじってる今回の立ち回りは、ヘイトアーツとしてなかなか良かった。
だが、彼らを憎みたくない気持ちもやっぱあって…。
血縁を明言されてないけど、ローラにとって女王様は明らかに”母”として描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
児童が一番よりどころにしたい存在を踏みにじった上で、入れ替わってその尊厳を汚し、そのナリのまま騙してくるやり口が、一番メイン視聴者層に響く”悪さ”かもしれない。
ローラは(その言葉の最善の意味で)プライド高いので、けして表にはしなかったけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
母と家が蹂躙されて辛い気持ちだとか、だからこそ自分が元に戻す気概だとか、ハッピーな作風の奥で色々薄暗い感情は、強く渦を巻いていただろう。
だからこそ、友達に復興なった我が国を見て欲しくて、頼りを喜んだ
そんな強い気持ちが新たな力を呼ぶ…わけだが、むしろそれこそが悪事の本命であって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
生まれた海のリングは横取りされ、絶体絶命大ピンチ。
一体どうなってしまうのか! という所で、次回に続く…である。
いやー…エゲツないねぇ。パワーアップのお約束まで、逆手に取ってきた。
ここら辺の仕掛けを視聴者に不意打ちするのはアンフェアなので、真実に感づいてもプリキュアに伝えにくいくるるんを探偵役に、色々不穏さを見せる運びも上手かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
言葉通じぬ禽獣の哀しさと、無垢故の愛らしさが同居してて、今週のくるるんはなんか複雑な書き方だったな…可愛いけど。
なーんでグランオーシャンに元々、夢吸い出し装置があったのか、とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
まなつの夢枕に立つ先代は、一体何を伝えたいのか、とか。
色んな要素がモリッと顔を出して、のんきなお話が壮大なスケールで終わるための助走を、しっかり加速させる回となりました。
夢から拾える情報とか色々加味すると、魔女様は自分が何を守りたかったかすら忘れた悲しい怪物であり、それでもどうしても忘れたくない”プリキュア”を、倒すべき宿敵として捻れて覚えてしまった…それだけを忘れないために何もかも”あとまわし”にしてる存在なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
それを暴力で打倒するしかなかった先代とも、今回前半でまなつ達が笑いあったような日々を過ごしたからこそ、祈りが呪いに変わってしまったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
全てが黒く染まってなお、闇の中輝く星の名。
それはプリキュア。
…百合姫連載の海洋ファンタジーみたいな、湿度と重さが出てきたぞッ!!
まぁこれは推測でしかなくて、捻じくれた感情と因縁が生み出す天国めいた地獄大好き人間が、『よろしければ見させてくれませんか…極彩色の悪夢を!』と追いすがってるだけなんだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
でもなぁ…要素拾っていくと、相当にディープ&コアなんだよなぁ先代×魔女様。人魚姫だけに。
『サッドエンドで終わった”人魚姫”を、ガールクラッシュな気合で新たに書き直す!』ってのも、トロプリの大事な命題であると思うし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月14日
敵役たる悪辣を表に出してきた敵対者の謀略に、プリキュアはどんな手筋で反抗していくか。
クライマックスへの灯火が点り、次回も大変楽しみです。