月とライカと吸血姫を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
祖国の威信を真紅のノズルに宿し、遂に打ち上げの日がやってきた。
実験動物として”ボルシチのレシピ”以外を語ることを許されず、ヘルメットに祖国の名を刻むことも許されぬイリナを、数多のアクシデントが襲う。
それでも辿り着いた場所は、あの紅いお酒に似て…。
そんな感じの吸血姫宇宙挑戦日記、一つの到達点である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
鳴り響く雄大な祖国の音楽、頻発するアクシデント、宇宙空間に轟くペーソス。
達成感と爽やかさがある、このアニメらしいクライマックスだった。
やっぱ大質量がかっ飛ぶ映像は、無条件にテンション上がるなぁ…。
開幕五分でレフくん監獄送りが解除され、代わりにフランツが一瞬で”いないもの”にされてビビるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
つーかやっぱあの井上喜久子、KGBだったか…声が怪しかったよ声が!(偏見ぶっぱ)
結構な大事件だと思うが、発射前の小事とばかりサラッと流された…のが、逆に共和国の現状語るね。
死の爆弾を背中に抱え、計器は常時不安定。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
通信途絶が当たり前の状況で、しかし味方は確かにいる。
ロケット発射台の3Dモデルがよく仕上がっていて、打ち上げに赴く緊張感がよく出ていた。
イリナの声がずっと届かないのが、レフくんと僕らの不安を煽って、大変良い進行。
アーニャが涙をにじませる隣で、レフくんが結構冷静なのが、イリナと繋いだ絆の太さを感じさせた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
あんまりにもデカい存在すぎて、動揺を表に出す段階は過ぎ去ってしまっているのだろう。
でも生還の見込みがある探索には、血圧高く駆け出していく。俺、やっぱこの主役好きだなぁ…。
イリナは”実験動物”なので、そのヘルメットは無地である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
そこに真っ赤な文字で”ツェルニトラ共和国連邦”と墨書してやるのは、レフの役目である。
彼の中でイリナは立派な宇宙英雄であり、その栄誉を尊重されるべき人間なのだ。
(画像は"月とライカと吸血姫"第7話より引用) pic.twitter.com/bq1SPbY6wA
こっちの歴史だとSK-1宇宙服のヘルメットには堂々”CCCP”と刻まれていて、イリナに続く人類二人目の飛行士も、祖国の栄誉を背負って飛んでいくんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
彼女を実験動物として扱う政府は、国籍がバレるようなヘマはしない。
でもレフくんは、そこに栄誉を刻んでやりたかったのだ。
アクシデントをくぐり抜け、ボルシチのレシピを全世界に放送しながら、くるくると宇宙船が星の海を征く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
あんまテンション上がるマーチではなく、土着の匂いを残した素朴な音楽とともに、イリナが成し遂げた偉業は、ちょっと可愛い感じに描かれる。
それが、なんかとてもこの作品らしい。
支え支えレシピを語るイリナも、見届けた夢の先でこそ”生きたい!”と願う気持ちも、健気で可愛かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
長い訓練期間を人間同士として、共に過ごしたレフくんにだけ届く暗号として、茱萸のお酒に思いを託し地上に届けるのも、切なくロマンチックだった。
それしか、実験動物には許されない。
それすら内通を疑われ、爆破大好き事なかれ主義者に殺されかかるんだから、二人に吹き付ける逆風は濃い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
チーフがイレギュラーをなんとか度量で収めて、”実験動物”とその想い人を庇ってくれるのが、なんとも暖かかった。
まーじで人道主義者には肩身が狭い場所だよな、宇宙開発最前線。
レフくん視点で打ち上げを見守っている視聴者としては、周囲の無慈悲な態度に苛立ちもするが、レフ自身が言っていたようにここは『そういう国』である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
そのままではイリナの偉業も未来も、秘密の奥に封じられて終わりだが、後半でひっくり返す算段をつける感じかなぁ。
最後の難関、大気圏再突入はアクシデントに見舞われ、着地予定地点は大幅にズレる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
断熱圧縮で炎に包まれていた宇宙から、冷たい雪が吹きすさぶ地上へ。
探索パートは、絵的なギャップがよく生きていた。
夢のように綺麗で、御伽噺のように自由な場所には、吸血鬼は長くいられない。
雪原に吹き付ける嵐は地上の厳しさを代弁するようで、イリナを探すレフも転倒し、血を流す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
それでも真っ白な場所で名残を手繰り寄せ、パラシュートで雪を避ける。
万感極まったレフくんが、イリナを抱き寄せて涙を流す姿には、二人きり運命と戦う健気な切なさが、よく宿っていた。
イリナは無重力に丸い涙を流して、絶望に縛られていた昨日を振りちぎる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
二人の涙は無明の闇にもブリザードにも凍ることはなく、まだまだ物語は続く。
世界から隔絶された二人きりのシェルターの中で、キスしないのが良かったな、と思う。
ただ、肩を寄せ手を重ねる。
それが差別と偏見と、無茶なスケジュールと腐った政治組織に立ち向かい、地上で信じ宇宙に上がった青年達に与えられた、最も偉大な報酬だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
この成功を受けて、『人類初の宇宙飛行』はどう進んでいくのか。
実験動物のお世話役を完遂したレフくんは、どんな道に進んでいくのか。
そして役目を終えた"実験動物"を、祖国はどう遇するのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
後半戦に向け色々気になるところはあるが、今は赤い瞳の宇宙英雄の偉業とその帰還に、お疲れ様とおめでとうを。
こんなに凄い事成し遂げたんだから、レフくんならずとも報いて欲しいと思うが、まー『こういう国』だからな…。
吸血姫の先行打ち上げが折り返し点にあって、こっから変化していく状況、二度目の打ち上げを後半戦は追う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月16日
ヒロインの努力と達成に、主人公がどう報いるのか。
宇宙へと舞い上がったロマンは、果して世界を変えるのか。
次回も大変楽しみです。