takt op.Destinyを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
宿敵を前に少年は殺意を燃やし、兵器は背を向けた。
傷ついたその身を横たえた洞窟で、タクトは”運命”に問い、答える。
闘う意味、音楽がそこにある意味。
全てが焼け焦げた世界で、それでもなお鳴り響く音に向かって、子供らは進む。
その身を、赤く染め上げながら。
そんな感じの一つの節目、新たに始めるための終結符、タクト第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
戦場に立つべきではなかった少年と、指揮棒を握るべきではなかった悪漢が対峙する中で、”運命”でしかない少女を周囲が認め、兵器が人間への一歩を歩みだすエピソードとなった。
ここまでの集大成感があり、大変良い。
生まれたてのポンコツ兵器として描かれてきた運命が、製造目的であるD2の殲滅以外に目を向ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
音楽本来の意味を取り戻すべく自閉していた少年が、世界との繋がりを取り戻してくれた少女を失い、それでもなお繋がる意味を探る。
ムジカートとコンダクターは、似た者同士だった事を対話の中で知る。
タクトが問いかけ役として、凄く良いクエリーを投げかけてくれたことで、”運命”のヒロイン力が天井を突破し、二人が二人でいる意味も強く掘り下げられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
戦場にはいられないアンナの想いもしっかり掘り下げ、子供たちの震えを支えるレニー&巨人も頼りがい十分。
NYシンフォニカのろくでもなさも強調されつつ、傲慢極まる小悪党はキッチリ鼻っ柱をへし折られて、謎を残しつつ新章へ…という感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
MAD HOUSEの超絶アクション作画、艶と陰影がよく宿った表情も素晴らしく、大変良いエピソードでした。
俺、このアニメ好きだなぁ…(今更の感想)
思い上がった私欲で大事なもん全部ぶっ壊された少年に宿る、漆黒の殺意。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
タクトが復讐者として獣の顔をする度、僕は悲しく心配で、同時に異様なカタルシスが腹から吹き上がってくる。
物語の始まりにおいては、制御不能な紅い獣でしかなかった”運命”
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/0hd7uGkV8q
彼女は今回、宿敵を前にしてコンダクターを背中にかばい、逃げ出す選択をする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
その”らしくなさ”が、ここまでの旅路で培った人間性をよく語っていて、アクションとドラマが上手く噛み合った表現であった。
仕草一つ一つに宿る切迫感、言葉にならない感情の強さも、大変良い。
過酷な運命に選ばれ、望まずマエストロ/コンダクターとなってしまった少年と少女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
その異質性から、凡愚たるシントラーが常に置いてけぼりにされてる描写も、なかなかいい感じだった。
本来ボッ立ちサポート職であるコンダクターが、自力で音速超えて殴ってくる特別さ、やっぱワクワクするな…。
タクトが憎悪のまま隻腕の獣となって敵を狩る姿は、かつての”運命”そのものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
”運命”は死にかけのコンダクターを抱きしめて、敵に背中を向けることで、殺戮の機械として生まれた自分を超越していく。
それは彼女が力を宿した/奪った、人類文化の精髄たる音楽本来の形に、立ち返る歩みでもある。
音楽を戦争のパワーソースにするヤダ味に、この作品はかなり自覚的である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
『本来音楽とはどうあるべきか』という問いは作中常に投げかけられてきたし、タクトは音楽が音楽のまま在れない世界の中で、それでも純粋に音楽を求める青年(故に、不器用で愛しい存在)として描かれ続けてきた。
今回”運命”が『戦わない』という選択をすることは、彼女が素体となったコゼットに親しい(しかし異質な)人間性を旅の中獲得し、タクトの音楽を待ちわびる聴衆として生きる道へと、自発的に進んでいくことを意味する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
ソシャゲのキャラ記号として”音楽”を簒奪する立場のキャラが、そういう道に進む。
進ませるべくして物語を展開していく自覚ってのは、僕にとっては結構大事である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
その反射板として、音楽を権力の道具としか見れないシントラーの存在、その卑小は大事なんだろうなぁ…。
いやまぁ、話の主題に入れなすぎて憐れですらあるんだけどさ。
頼れる姉が戦場から遠く、弟妹の帰還を待ちわびる中。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
”運命”は命の糧をその手で掬い、唇を器にしてタクトに飲ませる。
傷を癒やすこと、渇きを満たすこと、当たり前に生きていくこと。
どれも、兵器で子供な存在には大変難しい。
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/zkpkiCi4Gf
それでも自分しか、タクトの音楽を繋ぎうる存在がいないのだから、”運命”ちゃんもらしくない営為を頑張るのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
不器用に傷口を縛り、水を飲ませる。
人間として当たり前の行為を旅の中、とても大事に描いてきたことが、この洞窟での変化をうまく照らしているように思う。
”地獄”の攻撃を防ぎきれず、ショックを受ける描写が微かに、しかし確かにあったのも良いんよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
D2を殺す存在であり続けても、大事なものは守れない。
流れる血は”運命”がこのままの存在でいていいのか、厳しく問いかけた。
ここで与えられるばかりだった戦闘機械が、タクトを治療することの意味。
それはここまでの旅路で、”運命”がポップコーンとかレモンケーキとか、美味しいご飯を沢山食べさせて貰ったことと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
音なき世界に絶望したタクトの扉を、コゼットが根気強く叩き続けたことと、しっかり呼応しているように思う。
人間、与えられたものを返すことしか、基本的には出来ないのだ。
逆に言えば与えられたものの意味、奪われたものの価値を知ればこそ、理不尽な喪失を越えて人は生きていくし、そう生きていくしか無いのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
傷にうなされる中で、コゼットの幻影に再開するタクトも、その幻を嘘と知りつつ演じ、マエストロの手を抱きしめる”運命”も、彼らなりの生を必死に歩く。
暗い洞穴に照らされる触れ合いは、この物語が旅路を描いてきた意味を、かなり鮮明に切り取っていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
紅い獣にも慈悲と音楽は生まれてしまうものだし、彼女が闘争から逃げたことで、タクトは復讐者として人生を食いつぶす道から、上手く外れることも出来るのだ。
闘争の機械たる”運命”がとても”人間”らしくなれたのは、タクトが彼女をコゼットではない存在として受け入れ、複雑な思いを飲み下して、一緒に進んできたからこそで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
そうして給餌してきた存在が今回、タクトの魂と命を救うのは、優しさ…というには凶暴に過ぎるものが、ちゃんと報われていて嬉しい
そういうモンの大事さが、さっぱり判らんシントラー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
悪役仕草でワインを嗅ぐだけ嗅いで、腹には落とさない無為がまぁ、彼の欠落をこのアニメらしく語っていて、好きな表現である。
メシに籠められたモンが判らんから、人間を平気で踏むんじゃな…。
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/ZBjRZUxV6z
シントラーは力にならない音楽を憎み、タクトは音楽を捨て去った世界を憎む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
敵も味方も灯火の側で己を語るが、その在り方は真逆で、だからこそ宿敵なのだろうけど。
それ自体は何も動かさないからこそ意味がある音楽が、否応なく暴力と接続されてしまった世界。
その到来をシントラーは寿ぎ、タクトは呪う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
泣きながら復讐するように、一人で引いていた音楽。
それを外に連れ出し、人に繋ぎ、世界と自分のあり方を教えてくれた人は、もういなくなってしまった。
前回冷たいダイナーで答えが返らなかった問いかけを、灯火が融かしていく。
”運命”はタクトの音楽と命を、暖かな灯火と例える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
しかしこの冷たい洞窟で、灯りとなり温もりとなる炎は他でもなく、彼女自身が点火たものである。
D2を殺すだけの、暴力としての音楽ならば必要のない機能、あるいは営為。
傷を直し、腹を満たし、生きていく行為。
タクトが一度打ち捨てようとして、コゼットのお節介にその意味を思い出されたモノに、”運命”も不器用に向き合っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
タクトはコゼットと共に連弾した時も、今ここで”運命”と焚き火にあたる時も、目の前に差し出されたもの、誰かがこじ開け広げてくれた世界の意味を、率直に受け取る。
『感動できる』という資質はアーティストには大事で、これが無いからシントラーはコンダクター失格…て話でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
ニューオーリンズで託された五線譜、コゼットとの思い出。
理不尽に奪われてなお、続いていく音楽の意味をタクトは解っているし、絶望に沈みかけてなお、しぶとく浮かび上がる。
この率直と不屈が、僕がタクトくん好きな理由である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
もっとこー…どす黒い憎悪に沈んでもいい境遇なのに、音楽を信じ託されたものを信じ、ズタボロになりながら旅を続けようとする少年が、僕は好きだ。
年相応に屈折し、背負った過酷に相応しく歪み、心を閉ざし孤独であろうとする。
そういう薄暗さと、眼の前で必死に藻掻いてる少女たちの健気にちゃんと応えて、自分なりの思いを共鳴させもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
コゼットとは、どんな存在なのか。
荒廃した世界で、それでも曲を作ることに意味はあるのか。
遠ざけていた”運命”の問いかけにも、ちゃんと自分なりの真実を返す。
そんな風に胸の中をさらけ出すことが、下手っぴな包帯以上に心の傷を包んで、眼の前の少女が”運命”でしかない事実を、彼に受け入れさせるのかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
吹っ切れたようでいてジクジクと疼く、愛おしさと哀しみの合金を真っ直ぐ見据えて、あるべき場所に置く。
それが出来るのは、マジで偉い。
こうしてマエストロが己の魂を定めたことで、ムジカートも自分が何者かであるかを強く問いただされ、それに応える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
他でもないお前は、俺の音楽を求めるのか。
この問いかけが表に出たことは、二人の関係にとって、作品全体にとって、凄く大事で良いことだと思う。
理不尽な喪失からどう、人は生き直すのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
けして簡単ではない問いかけを話の真ん中に据える以上、コゼットの面影を残しつつ”運命”でしかない少女…音楽でありながら兵器でもある少女がどんな存在なのか、鮮明に描くのは大事だ。
彼女は闘争しか知らない獣として生まれ、旅路に糧を差し出され…
他者に糧を分け与えるもの、傷口を癒やすもの、誰かの音楽を待ち望むものへと、己を変えてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
獣から人へと”運命”が変わるためには、色んな人が、その魂の中にある音楽との触れ合いが必要だった。
そういうことは、この焚火の語らいでちゃんと描けてんじゃないかな、と僕は思う。
人造存在たる”運命”だけがぶっ壊れて治るわけではなく、人間様であるタクトもまた別の形でぶっ壊れてて、ポンコツ兵器と凸凹旅する中で治され、迷い、それでも進んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
そういう相補性、対等でお互い様な距離感も焚き火に滲んでいて、痛ましくも嬉しい場面出逢ったと思う。頑張れ二人共…。
頼れるレニーさんが救援に向かう後ろで、待つしか無いアンナ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
彼女が後悔を言葉にする時、コミュニケーション・ツールである”通信機”に触れてるの、すごく好きな描写である。
弟妹を後部座席に載せてる間は、”お姉ちゃん”やるしかない少女。
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/61BHwf1jUL
彼女が年相応、運命相当の弱さを見せる壁役としても、レニーさんの揺るがぬ頼りがいはありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
レニーさん自身も多分、色々あって正義を諦めない生き様選んでるとは思うんだが、それを受け止めてくれるのは誰になるんだろうねぇ…”巨人”たんで良いのかな?
ムジカートの戦装束ではなく、ただの少女として一人決戦に向かう”運命”の決意を、”地獄”は黎明に聞く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
”運命”は魂を繋いだコンダクターに手を差し伸べて立ち上がるのに、”地獄”が見据える景色にシントラーが欠片も写ってないの、徹底した演出だよなぁ…アンタは一生蚊帳の外!
逆に言うと、エグい戦闘狂に見える”地獄”は、紅い獣が人間になる意味をちゃんと判っていて、作品がテーマとするものにむきあえるきゃらだ、という描写でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
上田麗奈のキチ声を大量摂取できるのは、正しく国民の福祉でありますので、”地獄”さんにおかれては今後も強キャラ力を崩さず暴れて欲しい
かくして狂い咲く人間の証明、武装せぬまま挑む”運命”の土壇場に、血みどろの少年が追いすがる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
”運命”が強敵を前に手に取るのが、切り株に突き刺さった斧と鉈なのが、大変良い。
それはこの雄大な自然に、確かに人間が生きていた証だ。
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/I9J9VUeSAE
”運命”が一足早く進みだした、人が人であるための輝きに、傷を癒やし立ち上がったタクトが目を細めているのも、大変良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
人と兵器、コンダクターとムジカート。
立場は違えど、導きを与えてくれるもの、世界を広げてくれるものは同じなのだ。
そうして鳴り響いた音楽に報いるべく、”運命”は人の姿のまま戦いに挑み、タクトはその窮地に血みどろで駆けつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
やっぱこー…このド直球なヒロイズムは、最高に良いな!
二人共捻くれたキャラだったからこそ、この真っ直ぐで強い演出が映えるわい。
タクトと”運命”が未来に向き合う時間を作るべく、前座として”地獄”に向き合うレニーさん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
シントラー自身を相手にしてくれてるのが、レニーさんくらいしかいないのも小物の悲哀を際立たせる。
あといつも朗らかな”巨人”たんの、表情が冷える瞬間好き。
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/pzfu9Yat5V
ホントシントラーは今回、レイアウトの中核から外れた場所に置かれ続けていて、蚊帳の外感が半端ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
実際、音楽を音楽として使えず、力を力としても使えない愚物は、お話が扱うべきテーマから外れた存在でしかなく、その疎外感をヴィジュアルでしっかり演出してる、ってことなんだろうけど。
そして己の運命に正面から立ち向かう二人は、堂々画面の真ん中に据え付ける、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
僕はタクトが闘争の代価をしっかり払って、”運命”と一緒に闘ってる感じが凄く好きなんだけども、”地獄”に侮られ…てることすら気づかず、噛み合わない指揮棒降ってるシントラーは、そこも真逆なんだろうね。
お互いが置き去りにしてきたもの、奪われたもの、それでも大事にしたいものを通じ合わせ、真の力に目覚めた二人は…無敵だッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
つうわけで、画面に砕けた立方体が飛び散り、アクションシーンが大サービス。”地獄”さんが嬉しそうで何より。
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/NjJcZCoPBy
ここでもタクトと”運命”に向き合ってるのは”地獄”でしかなく、シントラーは画面に何が写ってるのか、自分がどういう立ち位置なのかを把握していない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月23日
選ばれた証と思っていた力も借り物でしかなく、つまりは”天国”の乱入によって剥奪されていく。
へし折られた指揮棒が、大変示唆的である。
音楽なき世界の正義を体現するはずのNYシンフォニカは、シントラーの命令違反だけを問題視する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
音叉でD2を操り、私欲を満たし沢山の犠牲を生んだことは視野の外である。
レニーさんにとって、”そこ”こそが人間が人間である証、彼だけの音楽なんだろうなぁ…。
シントラー蚊帳の外において、”地獄”さんが好き勝手絶頂大暴れしたことで、『ムジカートは道具存在でしか無い』つう奴の持論も、根っこから崩れたわけだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
んじゃあ人間性を獲得しつつある”運命”の在り方が、真のムジカートかといえば、どうもそうでもないようで。
NYへ向かう旅路…目的地にたどり着いた後の物語が何を語るか、なかなか楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
災害によって音楽が奪われた世界で、その意味を問う。
人間性のかけた紅い獣を主役にすることで、ヒューマニティの定義を探る。
何かを喪失させることで物語にどんなことが描けるかという、話の骨格が太いのは好き
全てをベッキリ喪失し、ようやくシントラーは画面の真ん中に立つが、その吠え声は道化の悲鳴、下で聞いてる人達はドン引きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
今回死ななかった彼に、どんな物語的役割が残っているのか。改心…てのは、まぁねぇだろうな。
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/r8tqHRs7ac
タクトが自身傷を負い力の代償に赤く染まり、なりふり構わずズタボロになるのに対し、シントラーってずーっと綺麗なままで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
それは自分の足で旅をしてきた少年と、高御座にふんぞり返って他人の人生踏んでた選良の差だ。
安全圏に身を置いて生活から遠ざかってると、こういう足払いを食らう。
どっしり自分の足を泥で汚して、自分だけのタクトで自分だけの音楽を奏でるためにも、タクトと”運命”は故郷を出て旅をする必要があったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
そしてその旅路は、二人だけのものではない。
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/w5dVAJQZtF
アンナが”運命”の顔…そこに反射する、妹の死を受け止めきれない自分の弱さをちゃんと客観視して、思いを告げる距離。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
物語の開始から描かれてきた歪さとちゃんと向き合った上で、その客観よりさらに深く、近い間合いに抱擁させていく描写が、僕はとても好きである。
コゼットに似て、しかし”運命”でしかない少女兵器が一体どんな風に、世界や他者と触れ合おうとしてるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
ずっと彼女の面倒を見てきたアンナは、その努力と尊さに目を塞がない。
自分に都合のいい幻を見ようとしてた弱さを砕いて、今目の前に在るものを抱きしめていく。
迷いつつも足を前に進めるこの姿勢は、もういないコゼットの名を呼びつつ、自分だけの音楽を五線譜に綴るタクトの在り方と、強く共鳴している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
紅い侵食、闘争の痛みは事実として、身体に刻まれていても、それが立ち止まる理由にはならない。
(画像は"takt op.Destiny"第8話より引用) pic.twitter.com/LndWVZHAoh
作曲の時に大事だと、父に教えてもらった聴かせたい相手。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
それが今目の前に生きる”運命”であり、既に去ったコゼットであるのなら、タクトの音楽は死も時間も越える奇跡にならなければいけない。
万人のために鳴り響く、麗しき世界音楽(ムジカ・ムンディ)
傷だらけの少年が目指すべき高みを、土埃に塗れた地上から見上げつつ、物語は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
アクションシーンの強さと、ここまでのお話を踏まえた問いかけがよく効いて、大変見応えのあるエピソードとなりました。
やっぱキャラクターと物語の根っこにあるものを、強く問いかけるシーンは好きだなぁ…。
返ってくる答えと同じくらい、問いかける行為自体が人を前に進め、新たな音楽を生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
そういう正しい答えに行き着く前の、どうにも心を整理できない身じろぎを…その餓えを満たしてくれる糧を、旅の中ちゃんと描いてきたことが、生きる決戦回だったと思います。
他の誰でもない”運命”が彼の音楽を求める以上、タクトは誰かと、世界と繋がりうる音楽…コゼットが教えてくれたものをもう、手放すわけにはいかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
その決意は導きであり救いであり、過酷な運命を約束する呪いにもなるでしょう。
一つの楽章を終えて、旅はまだ続く。次回も楽しみです。
あ、同一でありまた個別でもある”運命”とコゼットを=で結ぶサブタイトルは、タクトとアンナがたどり着いた場所を鮮烈に照らし出し、最高中の最高です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月24日
ドラマのこの地点に名前をつけるなら、確かにそれ以上のものはない。”正解”としか言いようがねぇ。