トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
卒業を控え、あすかの進路は未だ定まらなかった。
燃え残りの灰のように、コートに置いてきた未練。
それを燻ぶらせる百合子が、フェンスを超えてこいと挑発する。
混ざり合う感情が、赤い焔を重たく燃やす。
ここまでの道、これからの道。
どこへ続く?
そんな感じのそろそろ最終盤! ファイナル個別回の先陣を切るのは滝沢あすか!! な、トロプリ第38話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
結構独自なテンポと作画で描かれる、白鳥生徒会長との因縁決着…あるいは再始動。
トピ部をあえて置き去りに、二人の感情に強くフォーカスした仕上がりで大変良かった。
まー会長との因縁は初登場以来長く引っ張ってきたネタであり、トピ部の後輩の前ではサバサバ気持ちいい人間なのに、百合子相手にだけバチバチしたりジメジメしたりする、思いの外煮え切らないあすか先輩の覚悟と未来が、バチッと定まる回でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
選ばれた特別な戦士として、世界の命運を背負い非日常を生きる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
進路の話が始まると、一年間の超絶モラトリアムから離れて、終りが近いのだなって感じが強くなるけど。
ずーっと頼りがいある先輩の顔をして、彼女自身の湿度に踏み込めなかったあすか先輩については、嬉しさのほうが強い。
さんごちゃんとかみのりん先輩とかは、登場直後に自分を深く掘って変えるエピソードがあったし、ローラはこのまえ幼年期の終りを迎えたばかり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
乗り越えるべき壁の兆しはありつつ、なかなか正面からぶち当たらないまま”お姉さん”してたあすか先輩に、遂に訪れた大爆破チャンスである。
…そういう意味じゃ、実は主役のまなつが一番、問題克服のドラマに主体的アプローチ出来てない、とも言えるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
あの子好き勝手絶頂に現在絶対主義者やってるように見えて、視野は広いし対人センスもあるからな…令和っぽい主役ではある。
ローラとの離別が、最初で最大の爆弾かなぁ…。
さておき物語は、ガッツリ進路に切り込んで始まる。炎のお祭り男に、進路調査がどうこう言われたくねぇなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
不正義に傷つけられ、友情に裏切られ、一度は背中を向けた夢。
トロピカる部でヘンテコな青春を過ごす中で、あすか先輩も自分を変えてきた。
そんな変化を、フェンス越し目の当たりにする昔の女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
見えているのに超えられない場所を、あすかも百合子も今回、複雑に行き来する。
例えば宮本宏彰の鮮明な明暗とは違うが、あんまりタメすぎないがしっかり重いモチーフの使い方が今回、とても面白い。テンポが結構独特よね。
あすか先輩、いかにもスケバンって外見なのにトピ部ではとにかく生真面目、面倒見の良いお姉さんなので、百合子相手にはバチバチやりまくるのが新鮮でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
逆に言うと、そういう生来の闘争心を表に出来るのは、唯一百合子相手だけ、って話でもあるか。
しかし同じ場所には立てない、立たない。
そんな二人が百合子の挑発で、フェンスを越えて同じコートに立ち、白球に魂を乗せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
物語開始時は嫌味を言い合うだけだった二人が、中学最後の一年でようやく、正面対峙する機会を得た。
その火蓋を切って落としたのが、道が定まってきた百合子の方なのは、意外でもあり納得もする。
ここで向き合わなきゃ、一生すれ違ったまま。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
そういう想いがあったからこそ、わざわざ奇妙な条件出して、かつての相棒を勝負に引っ張り出したのだと思う。
その決断の裏に、一年生徒会長をやったことが影響してるのか、してないのか。
そこを推察するには、生徒会の描写がちと弱い…かな?
でもあすかがトピ部で色んなモノを手に入れたように、百合子もあすかと離れてからも自分の人生があって、そこで必死に生きた結果として、今回の決断にたどり着けたんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
トンチキばっかやってたけども、生徒会は生徒会で独自の共同体として息してる描写、結構あったしな。
最後の個別回ということもあって、じっとりと重たい湿度が演出にやどり、激しいラリーが強がりを削っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
バチバチ敵対ムード漂ってる中で、急に昔の話をしだす滝沢、あんまりにもズルい女過ぎて爆笑しちゃった。
そういうのを持ち出してもいいかなと、思える空気がそこにはあったのだろう。
それは百合子があすかをコートに引っ張り出した結果だし、トピ部の活動で一度は見限った”仲間”が、あの時信じたかった輝きをまだ宿してると知ったからでもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
守るのではなく、共に闘ってほしかった。
ずっと言いたくて、言えなかったものをボールに託して、キュアフラミンゴは闘いに赴く。
百合子とトピ部、過去と現在。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
どっちが大事という話ではなく、どっちも大事にするために今、自分にしか出来ないことをやり遂げたい。
あすかが試合を放棄したのは、まぁそういう事だと思う。
凄く静かで熱のある正体バレで、あの穏やかな炎は独特だなー、と思った。情感あってよかったです。
あすか先輩が後輩の面倒見て、色々与えるばっかではなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
年下の仲間と一年過ごす中で、散々バカやって沢山笑って、自分もたっぷり貰っていたと言ってくれたのが、僕は嬉しかった。
まなつの思いつきに振り回されているようで、その実ちゃんと、お返しを貰ってる。
主人公が生み出したコミュニティが、そういう場所として機能してる姿を見てるのが僕は好きだったから、ちゃんとその恵みを言葉と行動にしてくれて、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
あすか先輩は不正義に傷つく子供で、その脆さを受け止めるまで、時間と場所が必要だった…て話かもしれない。
百合子は最初から、推薦枠譲る気で勝負仕組んだのかなー、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
進学って形さえ整えば、あとは同じコートで触れ合って心が通じ合う、壊れたものが戻ってくる。
そういう行き場のない想いが、あの奇妙なラリーに宿ってたとすると、なかなかいじましい。
しかし闘志の人である…ことを、ノンキで平和な部活動を通じて思い出したあすか先輩は、譲られた勝利を置いて、自分の足で生きたい場所に進む覚悟を決める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
そうさせたのはやっぱ、百合子の働きかけと、一年育んできた縁であろう。
色々あって、収まるべき場所に魂が収まっていく。
既に引退式が始まってる時期に、第二志望なしの不退転スタイル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
滝沢あすかの受験闘争、かーなり火達磨な気がしないでもないが、少なくとも進路はクリアだ。
今回過去と向き合い、言えなかった言葉を伝えられたことで、あすか先輩が真にあすか”らしく”慣れたとも思う。
トピ部に見せてた、優しくて潔い生き方をあの時もしたくて、それを百合子に認めてほしかったのに、そうはならなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
百合子も、そんな風になりたくはなかった。
拗れた思いを引きずって、誇れる自分になれなかった時間は終わった。
後は、進むだけだ。
そう思えるまで、こんなにも縺れる。
そういう当たり前の少女としての顔を、湿度高く描き上げるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
結局テニスって形じゃないと本音が言えない相手を、きっちりコートに上げる辺り、百合子はあすかが良く解ってる…好きだから解かろうとしてる自分に、ようやく素直になれたのか。
トピはなーんも考えないアーパー話やってるようで、当たり前に学校に通って青春し悩んでる子供の顔を、結構丁寧に彫り込んでくれる所が好きです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
このハンディな学園の空気は、デカい宿命の闘いをあえて持ち込まなかった選択が連れてきた、明白な強みだと思う。
いい意味で、フツーな話もやれる。
そんな地力を確認した所で、次回はさんごちゃん最後の個別回となりそうです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年11月29日
まなつに出会って以来、一歩ずつ自分の”好き”を探してきた彼女が、一つの区切りにどういう答えを差し出してくるのか。
次回、大変楽しみです。
第32話が僕凄く好きなので、どう活かしてくるかなー、って感じ。