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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
ダイダを乗っ取り復活した、死せる英雄ボッス王。
ボッジの運命を捧げ生み出した玉座に、再び座るその幼き顔。
浮かぶのは王者の冷徹、不鮮明な謎。
ホクロとドーマスが己の矜持に身を投げる時、王子たちはそれぞれの道を終え、あるいは闇に旅立つ。
風雲は急を告げていた。
そんな感じの王ラン男祭り、プライドと渇望があらゆる場所で炎を燃やす第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
ふーむ…ボッス王の帰還に伴い、強者達それぞれの運命が動き出し、ボッジが免許皆伝を受けてその舞台に堂々踊りだした、みたいな感じだな…。
ダイダは精神の牢獄に閉じ込められ、そことは別の戦いを始める…と。
子供を食い物に覇道を歩み、死してなお玉座に固執する力の亡者…とボッスを見てたわけだが、冥府から帰還して生きた顔を見てみると、なかなか複雑な人格してるなぁ、という印象だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
携えた鬼棍棒が示すように、マッチョにしか生きられない男であり、それで踏みつけにするものの多い男である。
しかし己の過ちを喰いつつ噛み締め、その上で運命の激流を楽しむ器量みたいのも感じて、シンプルな愚者とは言えない書き方である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
強さとはなにか。
膂力以外の答えをデスパーおじさんから学び取ったボッジと、同じように父王も岩を割り砕き、それを礎に国を作った。
戴冠石…ケルト系だな、巨人だし
己を犠牲に獲得された力に、込められたものとは何なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
本当に強いということは、何を意味するのか。
己の罪業に背中を向けようとしたドーマスと、責務に殉じようとしたホクロが共に生き延び、師弟として新たな運命に挑む道も、また開かれた。
王は秘するべき簒奪を、かつての臣下に告げていく。
状況はかなり大きく動いているが、さらなる謎は増え、マグマのように運命は胎動している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
ダイダの顔をしたボッスが何を考え、彼とは違う道に進んだ…父の選択によって押し出されたボッジと、身体を奪われたダイダと、どう対峙していくのか。
英傑たちは、そこにどう絡むのか。
なかなか楽しみである
というわけで、今回の物語は最悪回想からスタートする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
崩御の時に出てきた悪魔は、運命の取り立てにやってきたわけね…そしてミランジョは、ダイダの犠牲と復活の儀式で、悪魔の計算を狂わせた、と。
ボッスが自身の死と復活を、ミランジョが王を。
(画像は"王様ランキング"第8話より引用) pic.twitter.com/4VFT1FE82Z
それぞれどう考えているかは、大変気になる伏せ札である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
ボッスが悪魔と契約した時、その裸身はヒョロリと細長く、過剰な筋肉に膨れてはいない。
このあるがままの身体、覇道を突き進むには足りないナチュラルを、ボッスは肯定できなかった。
結果、己の寿命と息子の運命を捧げてチートしたのだ。
力のためなら不正義も、他者の血も辞さないボッスの在り方と、ボッジのママン…シーナ王妃の生き様は大きく異る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
登場時、彼女が唇から赤い血を流しているのはとても印象的だ。
ボッス王は後に、自身の傷を不正な力で塞ぎ、返り血にまみれて息子の誕生に立ち会うことになる。
それに対し母は、最初から自分の血を流している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
力の前借り金として使い潰すために、強い女と番い婚礼する。
そういうボッスの利益主義的求婚にも、純情に頬を赤らめ、素手で相手の力を確かめる。
男だから強い。強いことは偉い。
そんなシンプルなマチズモにも、賢く疑問を呈する。
強く大きな存在でありながら、小さな存在を慈しめる彼女の赤い血にこそ、多分強さの答えがある…のだが、この段階のボッスはそれを知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
知らないからこそ、野望の代償に自分だけでなく、未だ生まれざる可能性すら踏みにじる事ができる。
それはありえないほど傲慢で、最悪な力の獲得法だ。
やがて生まれくる命の可能性を、”親”という特権を振りかざして最初から剥奪し、蔑まれ踏みつけられる存在として、世に生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
膨れ上がった筋肉、これみよがしに巨大な棍棒と玉座。
ボッスが手に入れた栄光が噛み砕く、最悪の犠牲としてボッジはある。許せねぇよ…。
しかし同時に、シーナと交わり子を為す営みは、彼を変えても行く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
棍棒を置いての組合でもって、相手の魂を感じ取ってしまう戦士の心意気は、ボッス王の中にもある。
なればこそ、王国が立ち豪傑が付き従ったのだろう。
武器を置く強さの陰りで、ミランジョはフードを目深に、真意を見せない。
人間の形を捨ててまで、一度死んだ王を蘇らせ、謀略の糸を編む女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
けして王妃には選ばれず、英雄の弱さと影を知る女。
彼女が何を求めて、非道を為しているかはとても気になるところだ。
かーなり感情デカい感じすんだよなぁ…声も真綾だし(真綾が好きなだけマン)
屍山血河の果てに生まれた、己の業の犠牲。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
母がその大きな手で優しく包み、(いつかのヒリングと同じく)優しく口づけする赤子に、巨大な王は正対できない。
旅の終わりに巨石を砕き、安楽なる揺り籠として最高の王国を。
それが野望か、せめてもの償いか。
(画像は"王様ランキング"第8話より引用) pic.twitter.com/QE1e9zg2pD
王自身は、そこまで復活を望んではいなかったのかな、と思ったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
若き野心の、突き進んできた後悔の総決算として、悪魔の取り立てがやってくるのならば、それはそれ。
不当な簒奪により全てを奪ってしまった我が子を、その手に抱けないとしても、玉座だけは残す。
そんなつもりがあったとしても、力だけを是とする生き方は王国に、家庭に、兄弟に鳴り響いて、ボッジは非力に苦しみ、ダイダは兄を恨んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
遺言を捻じ曲げ、玉座を簒奪し、忠臣を刺客に貶める。
焦りすぎたダイダの誤ちは、ボッスが己の小さな身体に、向き合えなかった代償であろう。
王国の始まりの時、巨石を砕いた場所は王城となり、栄達は為された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
しかしその時世界に満ちていた光も人民の声も、今玉座には遠い。
たとえ不正な手続きで得られた、奪い殺すだけの力だとしても、それは様々な人の生活を守り、憧れと希望を生んだはずだ。
しかし、その栄誉に心底胸を張れるのか。
非力な…しかし確かな強さを持つ兄に憧れ、助けを求めつつも、その命を奪う所まで追い込まれたダイダの荒廃は、ボッスの寿命やボッジの膂力とはまた違った、不正のツケなのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
そして王はその痛みを、痛感すればこそ鏡に笑うのではないか。
(画像は"王様ランキング"第8話より引用) pic.twitter.com/eF2rkXGDYr
そんな事を考えさせられる、群雄達の夜である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
今回のエピソード、半裸の男たちが乱舞する男祭りであるが、今まで童話調に人のいい感じで…あまりリアルではない筆致で描かれていたホクロの身体が、非常にシビアな存在感を持って描かれ直されている。
彼は人のいい端役では、もはやない。
幾度も愛する人の死に苦しみ、腹の底から湧き上がる本物の殺意と、身を引き裂くほどの哀切と、それでも果たすべきを果たす尊厳をその身に宿した、一人の男である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
彼は卑劣なるドーマスに、剣では敵わない。
吐き捨てて逃げ出すその背中に、刃を突き立てる願いは叶わない。
しかしドーマスが向き合いきれなかった善心と矜持あればこそ、彼が帰還することが出来なかった場所へ、全てを伝えるべく戻ることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
ドーマスもまた、そこに戻りたい(あるいはたどり着きたい)と願えばこそ、ボッス王に憧れ剣技を磨いた。
彼の身体描写も、生き殺すものとしてのリアルに満ちる
命惜しさに背中を向けて、向き合うべきものから逃げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
その卑劣な笑みもドーマスの真実であり、同時にホクロの刃をあえて身に受け、己のしでかした所業に涙する情も、また本当である。
ボッスとボッジに分割され、対比されているものが、一人に同居している…とも言えるか。
ホクロが待ち受ける運命を知りつつ、それでも進んだ気高いプライドが、ドーマスを戻るべき場所に戻し、進むべき場所へと進めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
許せぬ仇と刃を突きつけあった者たちが、嘘偽りを剥ぎ取る命の土壇場に立てばこそ、魂を通じ合わせ、己の真実に向き合っていく。
その時男たちの裸身は、あるがままの強さと実在感を宿して、力強く躍動していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
このナチュラルでフィジカルな感覚が、けして衰えないクオリティで下支えされ続けているのは、このアニメの強力な武器だと思う。
”からだ”をどう書くか、よく考えたアニメだと感じるね。
さて、己の責務を果たすべく国に戻ったホクロに母は激怒し、八つ裂きを命じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
『ヒリングママン…そんな顔はしないでおくれ…』と思ってしまうが、子を思えばこその鬼子母神、激情もまた深情けである。
王妃様、表情豊かでヒロイン力たけーな!
(画像は"王様ランキング"第8話より引用) pic.twitter.com/ylNi6QPlVo
そんな王妃を始末するべく、鏡の用意したマジゅ雨を前に、ボッス王の表情は揺るがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
兄殺害をドーマスに命じた時、業に揺れていたダイダとは違った王才を、感じさせる佇まいである。
しかし彼は(そして彼の謀略に取り込まれたアピスも)武器を手放せず、巨大に膨れ上がった暴力を傍らに置き続ける
これは刃に反射した炎と血を、武器庫で幻視したボッジと真逆の在り方であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
ダイダ本人には握れなかった巨大な武器を、堂々振りかざせる力の行使。
ボッスは妻殺害の謀略と同じく、総身に漲った暴力にも怯えることはない…風に見える。
それが、王たるべきものの態度というものか。
はたまた、悪魔と取引し生き死にすら超えた巨魁には、その浮き沈みもどうでも良いことなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
なかなか読み切らせてくれず、大変に楽しい。
そんな王の振る舞いを、一生ミランジョが鏡から睨み続ける描写も入って、宮廷の陰影は大変濃い。
ぜってー、鏡の向こうに”獣”がいるぞぉ!(歓喜)
そして賢く生き延びようとしてたはずのドーマスは、刃の代わりに棒を握って刑場へと赴く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
つくづく、プライドとは厄介なもの。
それは膨れた筋肉の鎧とは別の場所…それが身につかぬよう、生まれた時から祝福を奪われていたボッジの背骨を、力強く真っ直ぐに支えたものである。
ボッス王が復活以来、敵の返り血を絞り出した斧を手に取らず、不殺も可能な棍棒だけを握っているのと、ドーマスが棒一本で死地に突っ込んでいくのは、どこか通じるものを感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
刃は忠義を、愛を、優しさを、人として置き去りにしてはいけないものを引き裂くだけだった。
その結果ドーマスは片手になったが、それは避けれる刃を避けてはいけぬと、己で選んだ結果でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
むしろ両手で剣を握れなくなったことで、ドーマスはより強く、よりあるがままの裸身に近くなったのではないか。
そんな感じもする。
(画像は"王様ランキング"第8話より引用) pic.twitter.com/jqR9DlKka8
ドーマスの刃はホクロを捕らえていた縄をほどき、その乱入は処刑を邪魔する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
ここで瞋恚に駆られるままにホクロを八つ裂きにしてしまっていたら、ヒリングは無辜の忠臣を血に染める悪行に、己を投げることになる。
乱入時の動揺した表情は彼女が、未だそういう冷たい場所に行く必要がないことを語る
刃を置き去りに、相手を殺すのではなく制する武器を握ればこそ、曲がりくねった道から正しいものを選び取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
そんな可能性が、己の魂に殉じたドーマスの突撃…だけでなく、それを制する王の乱入にも、濃く出ている感じがある。
王もまた、謀略の駒を断ち切らない。もしくは、断ち切らさせない。
王の棍棒と、ミランジョの謀略を危うくする真実の暴露があればこそ、ヒリングは呆気にとられ怒りを沈め、殺すべき相手を殺さない道を選べる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
しかしそれは、ボッスにとって己を危うくする不手際ではないのか。
二度も子を捧げ進む覇道には、不要な揺らぎではないのか。
様々な陰謀と呪いを張り巡らすミランジョには、しかし真実が写ってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
この世界で最も強いものと、問いかけた鏡に写ったのは、非力の青年。
その生存、その強さを父は高らかに笑い、堂々と宣する。
この一擲が、いかな未来を呼び寄せるか。
(画像は"王様ランキング"第8話より引用) pic.twitter.com/MnqalZlUIT
それを探るには、やっぱミランジョとボッス、二人の心底を覗き込まないと判らん感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
ダイダもドーマスもそうなんだが、浅ましき敵役に思える者に譲れぬ矜持の輝き、燃え盛る魂の色合いがしっかり宿り、簡単に侮らせてくれない所が、この作品の魅力であろう。
はー…ボッスを嫌いでいたかった…
そしてもう一人、この運命の渦の中生き残ったものがいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
再生の床で夢見るのは、己が戦士となった過去。
苛まれる者の涙に、突き立てられた牙に、その身を投げる男。
最強の忠臣、ベビンおじさんが生きてて良かったです。
やっぱ蛇といえば”不死”だかんな!
(画像は"王様ランキング"第8話より引用) pic.twitter.com/zSLs3G3Lb3
王に試される時、べビンの体はしなやかで細く、闘いは力に圧倒され吹き飛ばされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
しかし彼は折れた槍(誰も害せない、ただの棒)を手に取って、戦う意志を見せる。
傷ついた蛇への情愛と合わせて、これを評価して近衛に取り立てる所からも、やはりボッス王は悪魔と契約してから、内心の変化があった
…のかなぁ、って感じだね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
可愛い可愛いヘビちゃんの涙がホント可愛そうだったのに、蛇おじさんが愛で抱ける男だと解って、最高が更新されたよ…優しいおじさんが好き…。
かつて助けた命に運命を繋ぎ、さてベビンさんはどう動くか。
群像劇としての面白さがギュンギュンしてきたぞ!
混乱した情勢にボッス王は的確な行動…そして謎めいた指示を与え、状況を動かしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
王命による恩赦、正体の暴露、新たな目標。
ドーマスに囁いた未来は、迷える剣聖から迷いを剥ぎ取り、新たなミッションが二人を待つ。
ホクロのムケっぷりがスゲェ!
(画像は"王様ランキング"第8話より引用) pic.twitter.com/CIOaQsD9bE
王たるべき者が、どう振る舞うべきか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月2日
蓄積した人生経験と、揺るがぬ信念がドーマスとホクロ…彼らを処刑せずにすんだヒリングの未来を切り開いた形とも言える。
権力の底に眠る冥府の門を、怪物を呼び覚ます危険を、王はなぜドーマスに命じたのか。
謎は深まるばかりだ。
これに呼応するように、ボッジも修行時代を終える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
健気に掃き集められる枯れ葉が、費やした時間の長さ、それに寄り添ったカゲくんの献身を語っていて、短いながら好きなシーンだ。
王国の激動と冥府の青春が連動し、地下の扉で繋がりそうな予感を生み出してるの、うまい作りだなと思う。
王は”四天王最強”もその棍棒で試し、正体を明かして呵々大笑する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
これさぁ…自分がけしかける魔獣から、ドルーシさんが妻を守れるかどうか、確認して確証を得たから笑ってんじゃねーの?
しっかしヒリング様、ホント色んな顔するね。可愛い。
(画像は"王様ランキング"第8話より引用) pic.twitter.com/Drdh8Zetzs
ボッス王の振る舞いには奇妙な至誠と、冷たい謀略が同居していて、それを繋ぐものが一体何なのか、読みきれない面白さがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
野望に突き動かされた自分、その業に流され飲み下しながら、ボッジが体現するであろう新たな”強さ”を…それが守る優しさを、微笑み歓迎するような在り方。
そこに温もりの兆しが宿っても、第二子の体と運命を奪い、漆黒の牢獄に閉じ込めた罪もまた、そこには存在している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
ダイダボーイ…間違ったことも沢山したが、尊敬すればこそ追いつきたかった当の親父に踏みつけにされ、自分は魂の牢獄で強制的に自分探しとは、あまりに過酷だろ…。
漆黒の死の世界に一旦落ちて、そこから何かを掴んで戻ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
旧い英雄物語の類型を、ボッス親子は皆辿っているように思う。
となれば、ダイダもこの牢獄で何かを得て、現世に栄光とともに帰還してくる…かもしれない。
まぁ、酷い目にだけ合わせて終わりたぁならんだろ、この話。
さてはてかくして、王者英傑それぞれの運命が複雑に絡み合い、見えきれぬ思惑と魂が火花を散らすエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
四天王それぞれの人間が王の帰還とともに見えてきて、全員主役の面白さがグイッと立ち上がってきた感じもありますね。
そろそろ終盤って所で、第三ロケットに点火してきやがったな…。
ドーマスの卑劣と挑戦は、人が贖えぬ罪をどう贖うか、その試みを描いたものだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
とすれば、それを見事に裁量したボッス王もまた、己の野心に犠牲にし、王国を揺り籠と捧げようとした子供たちに、いかに贖うかを今後、描かれるんじゃないかな、と思っている。
しかしそれは人間の生き汚さ、譲れぬ思いの強さと絡み合い、容易には物語りきれぬ難題だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
ヒリング王妃が、ボッジの死に死で報いようとする浅ましさが描かれたのが、俺は凄い好きなの。
愛すればこそ、奪われて八つ裂きに憎む。
その燃え盛る炎も、また人間の在り様じゃないの。
この話は、それを描く
そういう事を幾度目か、確認するエピソードとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
怪態たる帰還を隠そうともせず、王は玉座に己を晒す。
その内側に広がる牢獄に囚われたダイダと、新たな強さを体得したボッジ。
彼らにまつわる、数多の英傑奸臣達。
物語は、さらなる運命へと続く。
次回も楽しみです。
追記 だから今回のサブタイ、”夢のいけにえ”になったのは子供たちだけでなく、我が子を食らうサトゥルヌス自身が、人間として正しく生きれなかった重さも示しているのだろう。
王ラン追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
建国がボッジに揺り籠を残すためだとしても、それは自分が色んなモン犠牲にして追いかけた野望を真綿でくるんで、『お前は俺に憧れたとしても、マッチョな生き方すんな』と告げ直しているようなもんで、人間として正しくはない。
しかし、えらく人間臭くはある。
『自分らしくある』という願いは、人間が社会的動物である以上必ず単体では完結せず、他者との関係性、世界との在り方の中で決まっていくものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
犠牲になってることを知らぬまま、二人の息子は両方、偉大なる巨漢に憧れた。
その逞しさ、力強さ、”男らしさ”に。
そうして夢を見る資格自体を、ボッスは生まれた時から、あるいは玉座に付いてから奪っているわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
そんな暴力的な在り方はしかし、時にあまりにも眩しい。
そういうマチズモの両極も、親子に別けつつ描く話なんだと思っている。
ヘミングウェイとか三島っぽくもあるな、このお話…。