ヴィジュアルプリズンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
レコーディングは無事完了し、しかし青年は人生に悩む。
血縁に秘められた謎、永遠を生きる意味。
故郷に進めた足に絡みついたのは、傲慢なる美獣達の歌声。
ECLIPSEとの、忘れられない夏が始まる…。
そんな感じの風光明媚なアズミノでやりたい放題仕放題! 待ってましたのECLIPSE回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
大変良かった。
今まで全裸オモシロ爆弾として画面を賑やかしてくれたディミトリ様と、その傍らで微笑むハイド様が何考えて”V”やってるのか、しっかり伝わるエピソードでした。
同時進行でギルの時限爆弾とか、アンジュのヴァンパイア進路問題とかしっかり彫り込んで、ちゃんと本筋進めてるのも偉い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
不死者であるヴァンパイアで難病死別ネタ盛り込むための、赤い月の罰設定だったんだなー…色々納得しちゃった。
やっぱり耽美のど真ん中、美しき衰微は描きたいお話よね。
前からそうだったんだが、今回アンジュ達を描く筆は、古典的吸血鬼の描写をあえて全部裏切ってる感じがして面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
鏡には揺れる心を写しまくるし、清らかな流れ水に触れて楽しむし、鮮やかな朝日こそが希望の象徴。
ヴィジュプリの吸血鬼像って、結構独特。
勿論『招かれなければ入れない』って描写に在るように、クラシックを大事にしてもいるんだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
結構独自の味付けで古典を改変もしてて、それが現代的ゴシックとして面白いところだし、大事だなーとも感じる。
まぁ青白い顔して闇に潜む種族なら、バンドなんかやんねーよな!!
そこら辺の生き様がアズミノ探訪の中、見えてくるのが今回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
レコーディングの終わりを決めきれないアンジュは、自分の生きざまをギルに預け、もたれかかる姿と重なっている。
既に音楽家として一本立ちした個性を持っているのに、『これが俺だ』と胸を張ることが出来ない青年。
その面倒をとにかくよく見て、しっかり教えるギル兄さんが頼もしい…とか萌えてたんだけど、ネタばらしされてみると死ぬ前に渡せるだけ渡しておきたいっていう、結構切羽詰まった親切だったんだな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
しかしアンジュに出会わなければ、ただ死ぬに任せて消えてたわけでね…縁とは不思議で残酷だ。
経験値も実力も高い自分ではなく、あえてアンジュをセンターにしたのも、最期が近いと解っていたからだろうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
歌に己を乗せて世に問う生き方の、厳しさも哀しさも尊さもよく知っている身として、自分を慕い救ってくれた青年に、出来ることをする。
ヴァンパイア…誇り高く義理堅い種族…。
というわけで自分のルーツを探りに、帰ってきましたアズミノ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
何故か付いてくるECLIPSE。『オーディンだッ!』じゃないんだよなぁ…。
青々と広がる夏の田圃、入道雲と乗り合いバスに、あまりにもそぐわない”V”の王者が、あんまりにも面白すぎる。
他人の家でも迷わず全裸、ディミトリ様は無敵だ。
今回旅の道連れになることで、ディミトリ様が博識で傲慢でとびきりチャーミングなことも、ハイド様がそんな彼の飛び出した部分をしっかり補う、永遠のパートナーであることもよく解った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
結構ズケズケ言う所、関係長く続きそうで好きだなぁハイド様…ミストとはまた違った参謀タイプ。
思い返せば第1話から、ハイド様はアンジュが何をするべきか大事なヒントをくれていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
自分の親父が憧れの人の運命だった衝撃に、グラグラ揺れるアンジュに助け舟を出し、想いを定める手助けをしてくれたのも、納得の立ち回り。
ほんと、悩める子羊を救いたいだけの人達なんだな。ヴィジュアル聖人だ
血兄弟だからこそ絶対の信頼を置き、離れてもなお心を繋ぐ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
O☆Zで一塊になってると見えない部分に、ECLIPSEから光が伸びる話でもあった。
そんな大事な人を救えなかった無念を、完璧の欠片として滲ませるディミトリ様も、大変チャーミング。
嫉妬に狂っても良さそうな所で、むしろむしろの助け舟。
根本的に人間が良すぎて、『そらー王者だわ…』って納得があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
永遠の生は全て、己を求めるファンのために。
ECLIPSEの哲学にクローズアップする話だからこそ、そこを半歩はみ出して、愛しき兄弟とその運命を変えた少年のため歌うステージが、眩く輝く。
ド耽美で清廉な歌心と、アズミノの素朴な風景、土の匂いがする浴衣がバチバチミスマッチしてて、とても面白いステージだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
『あなたのために歌います…』から曲に入るところと言い、情念ド演歌の匂い濃いの面白すぎた。
それでは聞いていただきましょう、”月蝕”のお二人で”吸血鬼安曇野恋歌”。
さておきECLIPSEにーさん達に見守られながら、アンジュは思う存分悩んで走って答えを探す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
その姿は永遠を生きる吸血鬼でもあり、有限に悩む人間でもある。
ここで必死に青春したから、『ギルとともに、永遠の夜を生きる』って答えを、流されるままではなく自分の歌として、掴み取ることも出来る。
ここで一話、アンジュの進路決定に時間使ったのやっぱ良いなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
ニューボーンとエルダー、吸血鬼と人間、若者と大人。
色んなレイヤーを重ね合わせつつ、この話は差異を超えて繋がり、混ざりあって一つの歌を作るお話として編み上げられている。
良い答えに至るためには良い問いが大事で、『進路決める前に、故郷帰ってちゃんと考えてこい!』って突き放したギル先生は、やっぱ偉大なわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
人か、鬼か。
己に向ける視線は誰かの代用品で、同情でしかないのか。
色々悩むアンジュには、普遍的な青年像がしっかり焼き付いている。
吸血鬼であること、バンドをやること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
二つの”V”が誇らしき自己発見、自己実現として機能するポジティブさと、ゴシックロマンスの退廃的な空気。
その同居…というより、闇に生きればこそ強い光を求められるのだと、明暗を混ぜ合わせるスタンス。
それを強めるために、この旅は必要だったと思う。
そんな青春旅の裏で、イヴがギルを押し倒し『貧弱エルダーが…ハンターに膂力で叶うわけねーだろ!』してた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
ああいう退廃定形から、患部が手遅れなまでに悪化してる診断に繋いでくるの、健康系吸血鬼物語に相応しいヒネりだと思う。
どうあがいても、風通しが良くなってしまう作風である。
ギルの宿命を告げられた時、ロビンが『兄さんは大丈夫なの!?』と最悪発言するの、エゴの塊って感じで最高なんだよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
人間、魂の根っこに突き刺さってる相手は当然違っていて、そこの食い違いが決定的な破滅に繋がらないように、色々小細工もする。
自分の口から思わず飛び出した爆弾に怯えるロビンに、『いいさ…』と微笑むギルの成熟が、少し悲しくもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
『ドラゴンボール集めてどうにかしようぜ!』っていう視聴者の思いつきも、作中でソッコー潰してくるの、上手かったな。
血の雫に頼るのはダメ。
ではどうやって、奇跡を引き寄せる?
死の秒読みと合わせて、いい具合に緊張感を生み出す話運びである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
何よりかにより”真実”ってのが大事な物語なので、安曇野をオモシロ人間たちと彷徨って答えを見つけたアンジュの疾走が、未来に繋がっていくんだろうけども。
なかなか安心はさせきってくれないのが、優れたファンサービス。
『永遠を、愛しきキミたちと…』って結論は、実は安曇野行く前と後で変わってない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
でも自分の心、それが生まれでた場所をしっかり見据えて、自分で選び取る事が、同じ答えを別物にする。
永遠の停滞を跳ね除け、人であり続けるために必要なのは、全速力で走ることだ。
もうそれが叶わないからこそ、自分だけを頼りに生きる不確かさを超え、一人の”V”としてしっかり立って欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
そんなギルの想いは、早すぎる終わりに燃え尽きようとしている。
果たして運命の行方は。
O☆Zの歌は、如何に夜に響いていくのか。
次回も、大変楽しみです。
追記 『一生の仕事として耽美をやるからこそ、人間の根っこはしっかりしてないと持たない』てのは、一つの真理かもしれない。
ヴィジュプリ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
ECLIPSEが完璧を自称しつつ、しかしファンに求められ答えることでしか生き様が完成しない欠けた月であると、自覚してるのが良かった。
自分たちを満たすのは、常に不完全な人間との関わり合いの中。
だから、自閉した存在として腐敗していく道は選べない。
そういう謙虚さが、お人好しの超越種族にはしっかり宿ってて、音楽を続ける意味とも繋がってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
同時に永遠で孤独な存在を真実解ってくれるのは、目の前の兄弟ただ一人だっていう特別さも、しっかり理解してる。
ヴィジュプリの吸血鬼、みんな視力が良いんだよな。
自分の中と外に何があって、どう繋がってて、それを活かしたければどう生きるべきか、しっかり見えてる感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
何かとエゴの怪物と描かれがちな吸血鬼を、他者に敬意を持てる人格を大事に書いてるの、かなり面白い視点だと思う。
一番堕ちそうなの、どう考えてもロビンだもんな…。