王様ランキングを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
予告された襲撃を前に、”王妃の盾”は微笑む。
己の居場所を、何処に定めるか。
魔獣達の牙が問いかけ、開放された剛力が答える。
そうして護られた命が、いま魂を王に問う。
我が子の絶叫は、ただ母のみに聴こえていた。
そんな感じの四天王最後の一人! 王妃の盾はマジでつええ! っていう、王ランアニメ第9話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ここまで様々、濃い口のキャラを見せてきた連中に負けず劣らずの存在感を、たった一話で見せつけるドルーシさん…。
話の背骨も強いし、アニメ独特の表現力もパワフルなんだろうなぁ、この爆発力。
今回はボッジをカメラから外した展開で、ヒリング様がまーた百面相してヒロイン力をバチ上げていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
運命に流されつつも奇妙な情を見せるボッス王、孤独な暗闇に泣け叫び復習を誓うダイダ、一瞬の夢に涙を流すミランジョと、群像に様々な宿命と感情が輝き、大変眩しい。
健気なボッジを襲う過酷な運命、不屈の闘志で主柱をおっ立て、そこに色んな立場と力を持った人々が絡み合って、運命が踊っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
群像劇としての面白さが、謎めいた宮廷劇の複雑さとガッチリ噛み合い、大変に面白い。
…え、後一ヶ月で終わんのこのアニメ!? 二期はよッッ!(早撃ち人間爆誕)
さておき、今回も誰かを守る強さと誰かを殺す過酷さが同居する、人生を圧縮したお伽噺が踊っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
己が確かにお前を愛した男だという証明に、棍棒を超暴力で圧縮してダイヤに捧げるボッス王、ロマンあるわね…。
(画像は"王様ランキング"第9話より引用) pic.twitter.com/iSVVMgkeS9
王が愛を告げる時、武器をへし折って誓いに変えているのは、とても示唆的な描写だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
我が子を喰らい死から蘇った野望の男は、確かに優しさを知っている。
武器を収め、平和を求めることを知っている。
しかし運命は、その義を押し流し過酷な場所へと追い込んでいく。
己の手を傷だらけにして差し出すダイヤには、どれだけ異常な状況でも飲み込まざるを得ない説得力があり、夫が我が子を乗っ取った最悪と合わせて、ヒリング様も遂にパンクである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ホント色んな表情をしていて、大変可愛い。
ヒス持ち経産婦こそ、ブッチギリヒロイン!
『ヒステリック』っていう、意地悪な継母によく付与される記号を『情がありすぎて抑えきれない』っていう”人間”に繋げてくるの、やっぱスゲェ語り口だなと思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ボッス王も、王らしい非常に鉄面皮に何かを隠し、記号の奥に”人間”を秘めてそうな香りがプンプンする。
お伽噺をベースにしたシンプルな記号論と、その奥に複雑な感情が踊るストーリーテリングの同居。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
このギャップが心地よい裏切りともなり、お話に前のめりになる引力も生む。
『あー、こういう感じね?』という”ナメ”を覆される瞬間ほど、アニメ見てて気持ちいいものはねぇ。
というわけで、四天王最後の一人もガンッガンに裏切るよッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ぶ厚めに出会いを回想して、自分だけでなくヒリング様、ボッジの描写も深くしていくの、最高の尺の使い方だなー、と思う。
ベビーボッジとヒリング様が”親子”になってく描写、染みるぜ…。
(画像は"王様ランキング"第9話より引用) pic.twitter.com/c0nxSuCJiC
やっぱヒリング様は『嫌なお姫様』っていうステレオタイプをテコに使って、デレ期の火力をアホほど上げてくる新世代のツンデレで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ケーキにしか興味がねぇ、他人にわがまま押し付けるイヤ女と思わせて…かーらーのー!
とにかく息子と仲良くなりたい、汗水たらして全力疾走ママン力ッ!
『これでオタクはイチコロってわけよ…これが見たかったんだろ!?』と、WIT STUDIOに言われてる感じしたけど、ハイ大好きです(素直)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
こうしてドルーシがヒリングを自分の目で見定め、守るべき相手だと…槍ではなく盾こそが己の生き方なのだと決める流れが、彼の強さをよく語る。
ベビンを採用したときもそうだけど、ボッス王は己の目で見て判断することを自分としても、部下に対しても大事にしているようで、ただ暴虐な暗君という感じではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
思えば英傑たる四天王が忠誠を捧げてんだから、そら人物ではあるよね。
そんな彼も、運命には抗えない。
『なんでこうなっちゃうのかなぁ…』と、幸福だった過去を見るほどに疑問が湧き上がるが、おそらくそれが作品のセントラルクエスチョンを掘り下げる、大事なメスなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
この作品は、一体何を語っているのか。
自分で判断しなきゃいけないのは、ドルーシさんだけじゃない、と。
ヒリング様がボッジ相手に、伝わるコミュニケーションを必死に手探りし、差し出して繋がろうとする試みが、”人間”を感じてよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
自分のスタイルが幼子に威圧感を与えてしまうこと、ハンディキャップを越えれる手段を積極的に学ぶこと。
ヒリング様は、裸のボッジを最初から見ている。
だからこそその弱さもよく解ってしまって、苛烈な玉座から遠ざける選択をした…結果、疎外感で遠ざけちゃった形というね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
あの決断、実子をボッジの代わりに王権の嵐に差し出す形になって、その重責と阻害に耐えかねてダイダがミランジョに頼り、体を乗っ取られての現状なので、余りにやるせない。
愛すればこそ近寄り、遠ざけ、聴こえぬ声を効いて、八つ裂きの死体を望む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ヒリング様をキャンバスに描かれるものは、ボッジともダイダともまた違う人間の肖像画になっていて、大変に面白い。
おそらくボッス王も、同じ印影を別角度から照らした、奥行きのあるキャラなんだと思う。
そんな王から投げかけられた、凶暴なる牙。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ドルーシの優しさは思い出の中に、強さは流れる血の中にこそある。
その証明として、アクションシーンの作画が毎回最高なの、ホントつえーなと思う。
壁に叩きつけられた時の主観とか、ほんとに素晴らしい臨場感。
(画像は"王様ランキング"第9話より引用) pic.twitter.com/N2GKOrZT8I
同時になぎ倒される魔獣くんが、差し迫った死に怯える当たり前の命であることを抜け目なく描いた! 後にッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ミランジョに洗脳されただけで、家族とともに平和に暮らしていた、ただの”動物”だったって見せるの、あんまりにヒドくないッ!?
魔獣くん悪くないよ…利用されただけだよ…。
しかしどんな事情があろうと、大切なものを守るためにこそ盾と鎧は投げ捨てられ、赤と青の血が流れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
闘いの本質、強さの意味をえぐるこの物語で、寝室前のこの決戦はとても大事なものだと思う。
優しきドルーシも、守るだけでは勝てない。
罪なき凶器を折ることでしか、使命を果たせないのだ
この修羅の宿命に、冥府にて新たな強さを手に入れたボッジがどんな楔を打ち込むのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
守備力特価の鈍重かと思いきや、最速最強の鉾でもあったドルーシさんの魅せ方に興奮してたけど、それを心地よく覚ます、悲壮で哀しい闘いだった。
闘いというものは、多分常にそうなのだろう。
強いことでのし上がったボッス王が、その哀しみを知っているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
知ってなお、我が子を喰らい、死に勝てるほどに強くなったのか。
その無残は本意ではなく、鏡の魔女が暴走した結果でしかないのか。
様々な疑問をはらみ、玉座は踊る。
(画像は"王様ランキング"第9話より引用) pic.twitter.com/fItCtLHejl
冷たく硬い人形の体に、愛する男の温もりを宿し、魔力で覆った一瞬の夢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
大変ロマンティックで、これまた哀しい逢瀬が描かれたことで、ミランジョが超絶巨大感情を秘めた無機物であることが確定し、私は大歓喜である。
ボッス王が情を知る男なのだと、このダンスで判るの良いよなー…。
もし現状が望まぬ復活、忌避しべき簒奪なら、ミランジョを詰ってもおかしくなさそうじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
でも王は、己を弱く醜いと泣く魔女に情を見せる。
そうせざるを得なかった思い、非情の奥にある情を肌で感じて、奇妙に爽やかな少年の顔で微笑む。
その奥には、泣き叫ぶ我が子の絶叫がある。
目覚めた母が朝焼けに、決意を固めるように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
王もまた、流れ行く運命の只中で行く末を、どこか楽しそうに見守っている。
それぞれが未来を見つめる表情の重なり合いが、同じ運命を共にしつつもぶつかり、離れていく宿命を上手く語って、大河ロマンの趣が濃い。
そしてダイダ少年の牢獄は、徹底的に暗くて悲惨である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ボッス王に思いと事情があれど、それは許されざる悪行。
そういう事がよく判る、梶くん渾身の演技である。
後のサトリナママンの絶叫と合わせて、役者の気合が見れる回で嬉しい。
つーかボッスとダイダの二役、かなり大変だろうなぁ…。
魔女もまた決意を秘め、冥府へと赴くその裏側で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
王妃は夫を問い詰め、消えぬ憎悪に身を焦がす。
手話を覚えて語らおうとした我が子は、野望に狂った実子に殺されかけ。
愛した夫は、その誕生を喜んだはずの愛子を踏みにじる。
(画像は"王様ランキング"第9話より引用) pic.twitter.com/xxduy5u5xh
ヒリング様も大変お辛い立場であり、『父として王として恥ずかしくないのかッ!』と、ド正論で殴ってプルプルさせるのに、最も相応しい存在である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
この一家、愛すればこそ悲惨な結末が雨のように注いできてて、そのままならなさこそが一族の証明って、感じもあるな…ギリシャ悲劇っぽい。
王ならざる、父ならざる己を他ならぬ妻に責められ、それでもボッス王は顔色を変えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
それは王たるべきもの、国家を身体とし国是を魂としなければけない存在に必要な、不動の仮面であろう。
若きダイダは、ここらへんが足りんかった…ていうには、彼の嫉妬も切望も、余りに熱い血に満ちてるわけだが
だが不動の心だけが王の全てかと問わば、玉座に震える握りこぶしが、そうではないと語っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
己の内側に渦を巻く熱血を、語らぬことこそが王の、父の、大人の使命と強く任じて、ボッス王は玉座を動かないのか。
…1クールだとそこら辺、明かされきれない感じもあるな。
さて母の絶叫は暗い壁を越え、泣きじゃくる我が子に届く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
それは親子の縁の深さを意味するが、この政治的舞台では狂気にもなってしまう。
『やっぱ宮廷劇には狂女だよなッ!』と、シェークスピアとソポクレスを歪んだ受容した人間は、喝采を叫んだ。
(画像は"王様ランキング"第9話より引用) pic.twitter.com/gjlByFj6Zx
愛に狂うヒリング様だけが超常的な真実を理解しているのだが、それはドルーシを筆頭とした常人たちには、理解の及ばぬ領域である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
我が子を助け出そうと振りかざした刃は、同時に我が子を殺す一撃にもなってしまう。
ホクロ処刑の時のドーマスと合わせて、四天王が悲しき兇行を止める描写が続く。
ヒリング様は”愛”の持つ二面性…相手に寄り添い受け入れる深さと、それ故に狂い殺す凶暴さを、しっかりその身に宿したキャラクターである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ボッジが殺されたと聴いては処刑を命じ、ダイダが閉じ込められているなら夫も殺す。
その激情は、正しき道をひた走るボッジには描けないものだ。
鬼と菩薩の両面が、ヒリング様に同居している複雑さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
それは我が子を喰らいつつも、様々な人の可能性と優しさにちゃんと目を向ける、ボッス王にも伸びていると思う。
己ではどうにもならない刃が、どこに行き着くか。
それは玉座を手に入れても分からない、永遠の謎だ。
あるいは取り乱すヒリング様を止める”王妃の盾”のような存在が、間近にあることが救いなのかも知れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
母が短剣を奪われることで悲劇を回避したのに対し、泣きじゃくるダイダはミランジョへの殺意を虚空に握りしめることで、絶望から這い上がる。
(画像は"王様ランキング"第9話より引用) pic.twitter.com/TBGtvwKMrX
漆黒の闇の中で王冠を奪われ、ただの子供に戻った…あるいは皮肉にも”戻れた”ダイダが、ボッジの絶望と強さを思うのが、なんともやるせない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ここまで自分と兄を追い込まなければ、見えないものもある。
虚空に握りしめた復讐の短剣と、弱き者の苦しさと強さを思える優しさ。
そのどちらを抱えて、王冠を奪われた幼き王は暗き迷宮を…心のなかにある冥府を踏破していくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
運命は大河のようにうねり、強く人々を押し流していく。
それに立ち向かい己の在り方を突き立て、人間の証明を果たしうる刃は、魂の炎で炙られ試練によって鍛えられるのだろう。
そういう英雄物語、あるいは神話的なテーマ設定、骨の太さが、色んな人の表情を映すことでよく見えてきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
御伽噺のポップな変奏かと、正直最初は侮っていた物語ですが。
重厚な語り口、積み重なる無情と想いが、ハイクオリティなアニメーションと化学反応を起こし、いま正に大爆発であります。
遠く離れた故郷はもう、運命と情念がドッカンドッカン大騒ぎ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月9日
ここに修業を終えた我らがボッジが、どんな刃を突き立てるのか。
次週、大変楽しみであります。
王権を語る物語に相応しいスケール感が、ガンガン匂い立ってきて最高…おもしれアニメよマジでッ!!