ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
空条承太郎の娘・徐倫は無実の罪により、15年の刑期に囚われた。
姿を見せぬ父が送ったペンダントが目覚めさせる、異様な能力。
使用者の心に反応し奇っ怪な現象を生み出す”それ”は、徐倫の未来を閉ざすか、切り開くかッ!?
そんな感じの待ってましたジョジョ六部アニメ化ッ! 今度の舞台は監獄だッ!! な、ストーンオーシャン第1話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
初っ端ということもあって、主人公と作品の舞台、全体的な雰囲気を上手く視聴者に届けつつ、ラフで力強い物語にグイッと引き込むお話である。
アニメで見直してみると、徐倫という少女の喜怒哀楽、人間味が最初から非常に元気で、どんなキャラがどんな話に挑むのか、しっかり挨拶してくれる感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
最初に”マ”の話をするのも、性の尊厳すら奪われる監獄の中で、彼女の魂が死んではいないことを示す、良いフックである。
善悪すら逆転するこの世の果てでも、人間は逞しく生きて様々なことを望む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
むしろ極限状況だからこそ魂の地金が見えて、優しさや強さが本当に試されもする。
『そんなお飾りなしの人間物語を、これからやるッ!』という宣言として、”マ”はとても良い。
ただインパクトがあるだけじゃあない。
徐倫は19歳のアマちゃんで、初恋のロメオに腑抜けた表情で甘え、ヌルい犯罪に手を染めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
そんな彼女の運命も、世界を救った戦士である憎き親父と絡み合って、否応なく尋常ではない方向へと転がっていく。
その厳しい試練が、彼女に流れる血の定めを顕にもしていく。
僕らは彼女が英雄の血族であり、嫌っている父がどんな闘いをくぐり抜け、託した”矢”が何を目覚めさせるかを知っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
しかし運命の渦に巻き込まれた当人は、何も解らぬまま当惑し、しかし必死に生きて己の才覚を目覚めさしていく。
その過程には”マ”もあるし、出会いもある。
クソみてぇな陰謀にガッツリハメられて、無実の罪で牢獄送り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
悲劇のヒロイン…という言葉で飾るには、最悪の状況に飛び込んでからガンガン座っていく目が、あまりに頼もし過ぎる。
”矢”が目覚めさせた超常的な知覚能力、余人が気づかない特別な力の見せ方も上手い。
同時に拡大された知覚から入ってくる情報を、冷静に捌く能力も目覚めていると、よく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
左手薬指に宿る情報、糸から伝わる暴虐。
徐倫は覚醒していく感覚に軽く戸惑いつつ、自分がなすべきことに目を瞑らず、タフな状況を乗りこなす資質を見せつけていく。
未だ”スタンド”と名前がつかない、不定形の異能力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
それに当惑と興奮が宿るこのタイミングが、現代異能伝奇の手触りがあって好きである。
不気味な紫と緑を生かしたアニメのカラーリングも、そんな雰囲気を上手く演出していて、ガチっとハマっている。
今回のエピソードは、徐倫が目覚めた力をどう使うか、勇者の資質についても手際良く描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
彼女の”糸”は自分に良くしてくれたエルメェスがボコられるのを止め、卑劣な罠にハメたエルフ弁護士に正当な復讐を果たす。
メソメソ泣きぬれて、誰かが助けてくれるのを待つお姫様ではない。
むしろ厳しい北風をこそ追い風に変えて、自分の魂を高く飛ばせるような逞しさが宿っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
父の贈り物が目覚めさせたパワーが、どんな原理で動き何を為せるのか。
激情に燃えつつ、クールに確認する賢さもある。
総じて、徐倫はとても魅力的な主役だ。
そんな彼女を試しつつ、掃き溜めだからこそその醜さも尊さも見えるキャンバスとして、監獄という舞台も、第1話の段階でその魅力をよく伝えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
ギャングメンバーから囚人へ。
陽の光が当たらない日陰者達が、それでも燃やす魂の炎を、五部から引き継いだ形だ。
尊厳を剥ぎ取り魂を屈服させようとする監獄のシステムに、徐倫は堂々諸肌脱いで対抗する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
ケツの穴を覗き込まれようとも、汚名を着させられようとも、けして奪うことが出来ない魂の光。
『それをこそ、この物語は追うのだッ!』と、軽妙なギャグの合間に上手く告げてもくる。
初めての彼ピに夢中で、犠牲者を助ける意思も貫けぬまま罠にハマった少女は、そんなジョジョらしい物語の真ん中に立つ資格十分だと、この第1話は見事に告げてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
主役がどんな人物か、説明的すぎず言葉足らずにもならず、魂に理解らせてくる話運びはやっぱり良い。
”マ”を茶化しつつもその尊厳を守ろうと、色々面倒を見るエルメェスに自然、好感が湧く見せ方も良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
田村少年の声がドンピシャな彼女が、アニメでどんな活躍を見せてくれるか。
大変楽しみである。
女囚コンビが両方、情と義に篤いって第一話から判るの、やっぱ良いよなー。
同時に徐倫を監獄に引き込んだ得体のしれない”悪”は、十重二十重に彼女を狙ってもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
その正体に迫り、また脅かされるサスペンスの気配もじっとり漂っていて、なかなかワクワクする。
この危機を超えていく相棒として、父が託した”糸”はどんな働きをするのか。
自然、スタンド能力の魅せ方にも前のめりになっていく話運びで、大変いい感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
久々に出逢ってみると、徐倫は面白くてアブない奴であり、そんな主役が暴れる舞台として”水族館”はベストマッチだなと、再確認する第1話であった。
よく出来た導入だよなー…テクニカルでパワフル。
”矢”により目覚めた力は、徐倫をどこへ運んでいくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月13日
彼女を狙う謀略は、どんな牙を研ぐのか。
グッと作品に引き込まれた先には、更に魅力的なドラマとキャラクターが待ち構えている。
それをどう動かしていくか、今後の描き方、話運びに大変期待大です。
次回も楽しみ。