トロピカル~ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
”愚者の棺”を起動し、全世界を滅びへと導くバトラー。
光届かぬ深海に落とされてなお、希望を失わぬプリキュアの拳は、その絶望を打ち破る。
無事世界を救い日常を取り戻したトロピカる部は、最高のフェスを明日に控え、希望に瞳を輝かせていた。
そんな感じの最終決戦+α! とっととラグナロク終わらせて演劇やろーぜ! な、トロプリ最終回一個前である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
前回最終戦を飾るに相応しい暗黒の大質量を見せつけたバトラーくんだが、相容れない理念をぶつけ合ったり、残酷に粛清したりとか、そういうのはない。トロプリだし。
散々暴れてお咎めなし! な後回し一家含めて、かなりサラッと終わらせたわけだが、そこは今まで書いてきたものに嘘のない作りで良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
トロプリはどこまで削ったら”プリキュア”じゃなくなるか、極限まで物語の形を軽量化した、限界ミニ四駆みたいな作りだったと思うけど。
あくまで軸足は日常、どす黒く乗り越え得ない重たさはどこか他人事な戦いは、最終決戦でも同じ重さで展開していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
ドラゴニックに強まったバトラーくんが、自分を裏切ってプリキュアを助けたかつての仲間を、爆発四散させて世界滅亡計画の安定度を増したりとかはしない。
結局エルダちゃんの『今一番やりたいこと』を看過した結果、世界絶滅の悲願を挫かれたわけだが、その有り余る容赦がなんだかとてもトロプリっぽくて、僕はすごく良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
いい意味でのんきな南国風味、ハードでシリアスな要素もあくまで日常の延長。
悪党も基本、やる気なく流れで悪事をしている。
魔女様とバトラーは『そういう生き物』として悪に生み出されたわけだが、片や長い因縁を経て涙の意味を知り、片や悪に惹かれつつもどこか悪になりきれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
揺るがぬ抽象の領域まで突っ込まない、あくまで顔と体温のある敵役は、人非人の領域まで踏み込みはしないのだ。
それ故ラストバトルの空気が抜けそうなところを、圧倒的作画力で殴りつける超絶豪腕で塞いで、迫力と緊張感を強引に造っていたのは良いパワー勝負だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
『ここでぶん回さなきゃ、いつぶん回すんだ』というタイミングなので、正しいリソースのぶっこみ方だったと思う。
各種必殺技を跳ね返しまくるバトラーくんの巨体とパワーが、しっかり説得力のあるバトル描写に映えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
第39話で広域バリア展開能力に覚醒したコーラルが、たった一発の拳を止めるためにバリア重ねがけで対処し、それ全部ぶち抜かれるところ、大変いい演出でした。
まなつ達は闇に生まれ破壊に生きるしか道を知らないバトラーくんの、極めて複雑な”悪”に深く踏み込めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
そこに踏み込むに足る難しい問答を、日常の領分を超えて今までやっていないからだ。
ここらへん、悪との対話へディープに挑んだGo! プリとかスタプリとかと、テーマへの画角が異なる部分だろう
結果己の魂を生贄に捧げて、世界を魔女様に捧げようとしたバトラーの譲れぬ必死さを、真実受け止めきることは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
しおしおの小動物に堕ちてしまった彼の決着は、あくまで等身大に中学生であるまなつ達には身に余るのだ。
そこはまぁ、しょうがないところかなと思う。触ってないし。
悪党一家の構成も彼ら自身の努力に託して、サラーっと海に逃がす形で終わらせた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
この結末が許されるように、徹底して憎めない”人間”として描き、最後に良い作画背負わせて主役の味方させた感じもある。
実際自分を怪物に変え傷つけたバトラーくんを、それでも背負うチョンギーレさん、許すしか無い
逆にここで、そこまで交流してなかった”悪”と心通じあわせて、宿命を転換して絶対の答えを出す話運びになっても、見てるこっちには違和感が残ったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
戦いの中にも小さな触れ合いがあり、それが生み出す小さな変化もある。
変わりたくないエルダちゃんが求めた、『今一番やりたいこと』
それはかつてお人形を貰い、その笑顔を影から仰ぎ見たまなつに、戦う力を手渡すことだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
あの1シーンがあるだけで、トロプリはあくまで自分の言語で悪が善に通じうる希望を、ちゃんと書けたんじゃないかな、と個人的には思っている。
その小さな変化が、最後の日常に1話残す物語の答えだ。
まー最後の最後ですべてをひっくり返す感情の核弾頭に、主役サイドも報いるだけの熱を出してほしかった気持ちは、正直あるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
いやでもな~~~~、バトラーくんの捻じくれきった純情を理解し変化させるには、確かに存在強度が足らねーんだよなトピ部。
フツーの中学生な所が良いからな、彼女らは
暗い闇の底で、パパイヤの目がピカー光って、みんなが隣りにいることが分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
思わずくすっと笑ってしまう絶望(?)からの奮起であったが、俺はあれ、すごくトロプリらしくて好きだ。
最終必殺技の浮かれポンチっぷりと合わせて、あくまで明るく楽しく前向きに。
それはモニターの向こう側に嫌ってほど現在進行系で広がってる、先の見通せない闇にいる子どもたち(と、かつて子どもであった全て)に対し、”今”物語を紡ぐ意味を製作者がちゃんと考えた結果なのかな、と思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
闇の只中にいても、笑いは生まれるし光はある。
見えないようで、友達は側にいる。
凶悪目潰しとして様々なバトルで活躍してきたあの光が、最後に『私達はここにいる』と伝えるメセージに…誰も傷つけない生存の武器になったことに、僕は結構大きな意味を感じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
トロプリはそういう戦士であったし、”プリキュア”はそうありたい。
そんな吠え声を、あの笑いに聞けたのだ。
かくして巨大ラスボスもぶっ倒し、暴走するドゥームズデー・クロックもせき止め、ラストバトルは無事解決!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
おまけに強襲揚陸海底都市”グランオーシャン”の勇姿も見れて、なかなかアガる決着であった。
最後の最後でああいうハッタリをぶっこむのは、正しく強いわな。
しかし忘却を是とする国家の歪は、かけがえない友情を求める少女に重くのしかかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
女王様さぁ…『選ぶのはお前だよ?』っつって、どっち選んでも損がある選択肢を実質共用してくの、かなり最悪のムーブだからやめな?
やっぱプリキュアの光の超越者、最終局面でクソっぷりが目立ちだすな!
オメー世界をその小さな体で救い故国を奪還した英雄に”大人”がするべきなのは、『行くか、帰るか』の択押し付けることじゃなくて、『行って、かえって来れる』道をなんとか探り当てて、手渡ししてやることじゃねーのかよ! って感じだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
まぁそれは、玉座に座ったローラが切り開くべき夢…て形かな
ローラは純朴に”お姫様”に憧れ国家と親(でいいだろ実際問題)を信じてたところに、システム化された忘却と強制された選択を否応なく叩きつけられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
彼女の中で国家≒大人≒親≒女王様は尊敬を残しつつ無条件に信じるものではなく、だから体重を預けきることも出来ない。
ローラは自分で自分の物語を選ばなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
その孤独は同時に、選ぶことができる自由と尊厳…少女を大人にする極めて大切な分水嶺だ。
どんな道を選ぶにしても、ローラの名を聞けず別れた時、自分の生き方を定めたまなつと同じ領域に、ローラも次回上がる。
そんな決断と反逆のジュブナイルが、最終決戦より強い重さを持って最後に来るのが、僕の好きなトロプリでありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
かなり完成され間違えない主人公としてのまなつと、その影響を強く受けて己の形を探していく主人公としてのローラ。
この二輪で進んできた物語が、一つの形に落ち着くのだ。
別れの悲しみを通じて自分の物語を始め、その眩しさで色んな人を変えてきたまなつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
親友人生の決断もまた、彼女は最高にトロピカれるように見守り、支え、後押しするだろう。
それでも、選ぶのはローラだ。
選択の尊厳を奪いすぎないよう、まなつはずっと気を使ってきた。
根性ドブゲロクソビッチとしてあおぞら市に上陸してきたクソアマは、その勝ち気と気位を貶めることなく、活かし方を見つけた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
誰かの凄さを認めたら、自分が弱い存在になるわけじゃない。
知らないことに飛び込んだら、もっと自分を好きになれる。
そんなことを教わる、陸の日々だったろう。
彼女が手に入れた二本の足で、生来の尻尾でどこに進んでいくかは、次回描かれなきゃ分からない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
それでもローラが選んだものが彼女だけの、最高の物語になることが、彼女と彼女の友達の道のりを一年、見守らせてもらった僕には分かっている。
今一番やりたいことを、精一杯生き抜く。
沢山の笑顔と元気を積み上げながら進んできた物語が、最後に己を舞台に語り直して終わっていくのは、すごく詩情のある最後だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
それは自分たちがどんな存在で、これからどうなっていくのか、しっかりとしたヴィジョンがなければ生み出せない終わりだから。
作中の少女たちも、その造り手たちも
自分たちがどんな世界を生きてきて、どんな物語を紡いでいくのか、希望と夢を詰め込んで、しっかり形にしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
湿り気が欠片もない卒業に”劇”を選んだことが、一年間等身大の中学生たちが笑いあい、肩を組んで未来に進むお話を、収めるべきところにしっかり収めてくれるだろう。
創作にはテーマが宿るものだし、それをよりよく表現するべく色々苦心してきた様子も、たっぷり書かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
トンチキ劇作家みのりん先輩復活の一作が、トピ部の今までとこれから…何よりも大事な”今”が、どんな物語に結晶するのか。
お決まりの悲しい終わりなんて、こっちから願い下げ!
当事者として力強く”人魚姫”にNOを突きつけていたローラは、自分の物語をどんな筆で締めくくるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
しっかり終わってくれそうで、とても楽しみだ。
戦いの高揚感ではなく、日常の優しさと楽しさで話を締めくくりたいから、今回ガーッとデカい話終わらせたんだろうしね…。
つーかまぁ、ローラは思い出を剥奪することでしか維持できねぇクソシステムを改良し、海と陸がつながる新時代の導き手として、何も譲らねぇ未来へ突っ走ってくれ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
俺はパンクスとしての君が、本当に好きなんだ。
足も生やせりゃ海も進める、何でも出来るし何にだってなれる。
たくさん悩んで、たくさん笑ったローラは、やっぱトロプリで一番”プリキュア”だな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
そんな彼女の決断を、それを生み出してくれた全てを描く次回、トロピカル~ジュプリキュア最終回。
とても楽しみです。
先に言っとくわ。
いいプリキュア、いいアニメ、いい物語でした。ありがとう。
追記 時々払拭に勤む。やっぱまなつには仏性が強くある。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
寿命が尽きてなお祈りを絶やさず、ついに因縁を解いてくれる新世代の聖者を掴み取ったオアシスに比べると、サマーは自分のバグを自分で認識できない可愛そうな”悪”対峙する足腰が足りなかった、という感じ。
魔女様に愛の種を植え付け得たオアシスと、バトラーの決着を大人に預けるしか無いまなつ
これは善悪相対する運命に涙を流しつつ、それでも”キュアオアシス”として使命に準じたシリアスな大人と、決戦それ自体は未来への第一歩であり、目指すのはあくまで明日のフェスの気楽な子供が世界を見る視力の差でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
涙に濡れたオアシスの目が見れたものを、サマーは見つめきれない。
でもそれは正しい・正しくないの話ではなく、あくまで純粋に…ラスボス相手に『お話』を求めるような幼さ故に奇跡を呼び込めたまなつが、今はその段階にいない、ということだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
彼女の幼さが、世の理不尽や悲しさを完全に遠ざけているかというと、そういうことはない。
変わる苦しさ、勇気の意味を、お友達の名前を聞けなかったスゲー当たり前の体験に引き寄せて、彼女だって知っているのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
それさえわかっていれば…悪の苦しみに共感できる窓がちゃんと空いているのなら、希望と知恵を兼ね備え、より強く色んなものを背負える存在へと、まなつも変わっていけるだろう
そういう変化の片鱗が、最終決戦経てなおあるのはすごくトロプリっぽいし、児童の物語として、人間の物語としていいことだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
一つの物語の終わりに、新たな物語を紡ぐ。
トロプリが選んだお話の構造は、終わりに見えるものが終わりではない事実を、強く指摘している。