プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
おつかい先でBB団のやべーヤツ、アオイに再開したユウキ達は、彼女が転入したお嬢様学校へと向かう。
象牙の塔で出会ったマイペース少女、ユニに導かれ、暗い森の中で見つけたのは亡霊の涙と、世界の真実だった。
そんな感じのユニちゃん先輩と世界の秘密、プリコネアニメ二期第3話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
ダウナー、マイペース、ちびっこジト目に小原好美の声帯。
けだるげな態度の奥に、情熱を秘めた孤独な天才にフォーカスを当てた回となった。
研ぎ澄まされたキャラ造形で『人気ありそ~~』ってなったな、ユニちゃん先輩。
ここまでの二話が主人公のホームたる”美食殿”にクローズアップした内容だったので、セカイの欺瞞を研究するゲストキャラクターを通じて、ランドソル王国…よりもっと広い、作品世界全体を描くエピソードは、なかなか新鮮な食感だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
あえて視線を広げすぎない、ハンディな感触を大事にした語り口。
それが”美食殿”という家、”食”というテーマと上手く噛み合って、アニメ版独特の魅力を生んできたわけだが、まー色々設定もあるよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
あきらかユウキくんの失われた過去にデカい感情繋げてるアメス様の描写とか、クリスティーナさんのグリッチっぽい能力の書き方とかね。
一学生が扱うにはあまりに大きすぎる真実を遠く眺めつつ、強制修正システムに飲み込まれて学究を断念するユニちゃん先輩の無念と、それすらも暖かく包んでいく日常と友情を、相変わらず元気な笑いで美味しく食べさせる、プリコネアニメらしいゲスト回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
キャラやテーマの重心をどこに寄せるか、かなり思い切った作りを選び取れるのは、このお話の強みだと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
前回は”カルミナ”からツムギ、今回は”なかよし部”からユニ。
アホみたいに大量な人数を上手く捌き、作画のクオリティで満足度を上げつつ、ドラマの中心軸はしっかり絞る。
そういう集中力は、世界の謎や主役の過去は匂わせるにとどめて、あくまで”美食殿”が大事な我が家になっていく様子、その構成員の感情と因縁に描画範囲をとどめたシリーズ構成とも、強く重なっている感じがした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
僕はアニメからなので、何もかも書こうとしすぎて漫然とするより、軸が明瞭な方が嬉しい
同時に濃口なキャラを活かした演出を随所に入れて、あんま話の真ん中には座らせられないキャラも蔑ろにしてる感じは受けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
ちぇる~んって言う人のちぇるちぇるした動きとか、見てるだけで面白いもんな…人格を彫り込む余裕はソコまでないが、印象にはちゃんと残る。
原作からドバっと押し寄せる人数を巧妙に捌きつつ、アニメ独自の物語としての芯をしっかり確保する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
そういう巧みさを感じることも出来る、いいゲスト回だったと思う。
前回はキャルちゃんの彫り込みと同時にやってた部分を、今回は世界設定開示とやってる感じだね。
というわけで、久々再開のアオイを導線に、かわいいかわいいユニちゃん先輩と、怪しい森に突き進んでいくユウキくん達。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
キャルちゃんお手製のおつかいメモがすっごい可愛くて、ああいう感じで”美食殿”の毎日見れるの嬉しいなー、と思う。
ペコ公と屋根でお昼寝してる姿も良かった。
僕は『世紀末オカルト学院』で悪霊に取り憑かれて『殺”して~や”る~』って言ってた時代から、ざーさんのトンチキ声が大好きなので、アオイが出てきてヤバ行動取ると…嬉しい!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
BB団の絆を見せていい話風味にまとまりそうだったのに、首ゴキで全部ダイナシにするの流石だ。
元々ホラーの表現がうまいアニメなんだが、森に迷って切り離されるシーンの不気味さは、その強みをとても良く生かしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
あそこに漂うマジ感が、お嬢様学校に通ってもイマジナリーフレンドと裏声でお喋りし、それを暴力隠蔽するアオイのヤバさで笑いに変わる落差の活かし方、好きだなぁ…。
今回のエピソードは学園に馴染めなかったアオイが、『BB団は困っている人を見捨てない!』と助け舟出したユウキくん(偉い)の尽力で、新しく友達をつくる話でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
それはアオイにとって希望であると同時に、セカイのルールに夢を奪われるユニにとっても、大事な慰みとなるものだ。
あの森が奇っ怪なループ構造になっていたのは、世界のバグの吹き溜まりというか、不安定で嘘まみれの世界が別の場所に繋がりうる場所だから…なんかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
王様が亡霊になってしまった悲しい戦いを見つめたのは、あり得たもう一つの世界…あるいはもう一つの物語を場の歪みによって顧みた形か。
荒唐無稽な夢追い人と、学者失格の烙印を押されたユニちゃん先輩こそが一番真実に近いのならば、あのバグった”もう一つの世界”こそが、ランドソルの背後にある欺瞞を剥ぎ取った姿なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
そして世界が多層に、仮想に存在しうる不安定さを指摘すれば、世界自体が消去しにかかる。
『冒険満載のファンタジー世界』という表層(そこは飯を食い家で寝る、リアルな生活の場でもあるのだが)が壊れる要素は、世界レベルで設定されてるセキュリティプログラムが、白紙に書き換えてしまうわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
勇者ならざるユニちゃん先輩は、その事実を受け入れ、探求をやめる。
あるいは主役たる”美食殿”こそが、ユニちゃん先輩が接近した真実に触れる、唯一の当事者性を持っている、という話なのかもしれないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
ある意味撤退する敗残者であるユニちゃん先輩は、しかしダウナーな表情に似合わぬ熱い思いと、確かな尊厳を持って描かれていた。
主役ならざるゲストキャラの、微かな矜持。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
それをたっぷりチャーミングに、笑いを交えマジな思いもしっかり掘り下げて描けたのは、とても良かった。
散々萌えとダイナシでポップに楽しませつつ、話の核にいい話要素とキャラの本気を譲らず据えるの、安定感ある作りだよな。
ペコ公が髑髏の王を抱きしめたのも、垣間見た”もう一つの世界”に漂う嘆きを、他人事とは受け取れないからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
王冠を被り、臣民を守る使命を果たせない辛さは、真の名前と王宮という”家”を奪われた彼女が、一番良く知っている。
だから倒すのではなく、思いを受け止めて救う。
第1話のアンデッド・パーティーもそうだけど、呪いになってしまった死者の無念に耳を傾け、倒すよりも実りのある決着を掴み取る描写が、二期の”美食殿”には多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
普段アホばっかやってるおもしろ人間たちが、自分では本来の想いをもう取り戻せない亡者に救いを手渡す高徳の輩と描くの、相当好き。
第2話でのコッコロちゃんとのやり取りを見ても、無敵の腹ペコ太陽娘が相当にシリアスな思いを抱え、かなり頑張って笑顔を造ってる様子が、じっくり積み上がっている印象を受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
これはキャルちゃんの可愛さと同じく、終盤大きくぶっ放すための火薬を溜め込んでる形…かなぁ。
ペコリーヌにとって”美食殿”の日常が、重たいシリアスを耐える支えになっているように、夢を奪われたユニちゃん先輩にとって仲間たちの笑顔、新しい友達との楽しいご飯が、残酷な世界で生きていく縁だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
勇者ならざる自分に、セカイのルールは変えられない。
小さな体でそれを飲み込む時、小さくて尊い負けん気と、なーんも知らん風で隣りにいてくれる”なかよし部”がいてくれることが、どれだけ救いなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
別ギルドの別のキャラの話をやりつつ、主役と”美食殿”に今後通じそうな味わいがしっかりあるのが、とても良かった。
ちびっ子(かわいい)なユニちゃん先輩が知性でも情緒でも大人びていて、夢を諦めざるを得ない現実に苦笑い一つ、タフに飲み込んでいるギャップも良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
媚びた造形に見えて、魂に筋金が入ってんだよなー…ポップな質感を大事に話回しつつ、そこちゃんと描いたの良かった。
今回のお話ってストーリーラインだけ追うと凄い苦い物語なんだけど、実際出てきたものを口に含んでみると楽しくて爽やかで、『ああ、見てよかったな。ユニちゃん好きになっちゃったな…』て思える仕上がりで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
それは色んな重たさを背負いつつ、それでも旨いもん食って笑う強さを、大事にしてるからだ
王宮を追われたペコリーヌにしても、記憶と人格を奪われたユウキくんにしても、光と闇の間で苦しむキャルちゃんにしても、みな自力ではどうにもならないものと戦いつつ、それに押し潰されず日々を生きている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
布団を干して家を繕い、食卓を共にする友達と笑い合うことで、戦う力を蓄えている。
神様に『どうだ!』と負け惜しみを告げる、ユニちゃん先輩のちっぽけで偉大なプライドもまた、色々ままならぬ人生を生き抜く、大事な武器だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
そんな感慨を豊かに広げて、1エピソードを心地よく見終われるのは、やっぱいいアニメだと思う。
一話見終わった後の爽快な充実感は、この作品の確かな強み。
そう思い出させてくれる第3話で、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
とにかく強い造形してるユニちゃん先輩の強さを120%でぶん回す話の作りといい、『ソシャゲのキャラ回はこう仕上げんだ!』って、お手本みたいな回だったな。
大変にお美事でした。次回も楽しみ。
余談 押井守の小説だと、アレが一番好きだし面白いと思う。
余談
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月29日
グリッチ多発の森のヤバさ、世界の真実に迫りっぷりは『あー”Avalon 灰色の貴婦人”でドッグヘッズがハメ技でハインド狩って経験値稼いでた場所と同じか!』と納得したんだが、こういう飲み込み方をする人間がこの令和に何人残っているのか、自分でも疑問である。