リーマンズクラブを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
敵味方の間を往復し、行き交うシャトルと感情。
立花梓馬は”神童”の幻影を未だ追いかけながら、自分のゲームを必死に組み立てていた。
過去の傷に囚われるかつての憧れに、燃え盛る魂。
お互いたどり着いた”今”に、隣に立つ相棒に、嘘のない一球を、ただ求めて!
そんな感じの中盤の山場、さらばトラウマこんちわ蜜月、リーマンズクラブ第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
大変良かった。
開幕六分、立花くんの濃厚な男男感情をどっぷり浴びることが出来て、『そ、それだよ僕が求めていたのはァ!』ってデカイ声出た。ありがたい…。
主人公の酒癖を感情解放のために便利に使いすぎてたり、キャラの思いをダイレクトに言葉にしすぎたり、時折無骨な真っ直ぐさも見える作風であるが、やはり作劇上強い要素をベタ足で叩き込んでくるタイミングは、しっかり見据えて逃さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
ここはメガネ男子のドロドロ感情を、延々語らせてほしい場面
そんな期待に答えて、神童に置いていかれる恐怖に背中を押され、白鳥くんに相応しい自分になろうと必死に走った過去が、怒涛のように押し寄せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
先週の過去回想で、あんまキャリア長くないのに全国レベルに駆け上がった描写(そして、それを当人は当然視してる)があったので、この焦りには納得。
本来なら運命共同体、相手が見ているものを自分もしっかり見据えて共に進んでいくべきダブルスが、お互いを見れなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
つまりは自分も見れていなかった、って話で、若い二人にありがちなすれ違い…って切り捨てるには、起こった事件が重たいけども。
立花くんはそれでも、リハビリをくぐり抜け窮地を脱し、自分なりのバドミントンを新たに始めるところまで、自分自身を押し上げた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
トラウマに食われず自力で立った彼としては、彼だけの神様が地面でのたくってるのは、とても見ていられないのだろう。
そらー、思わず吠える。
俺は胸の奥に激情を秘めつつ、寡黙に冷静さで自分を鎧っていたクールガイの魂が、熱く迸る瞬間が何より好きなので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
立花くんが元相棒に檄を飛ばした時は『キター!』って感じだった。
立花くんが今いる場所、白鳥くんが囚われ進めない場所。
それが競技に必要な、ステップの軽重で書かれてるのが好き
キュッキュッという音も軽妙な、シャトルを追いかける足捌き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
既に自分を掴んでいる立花くんのステップは、競技に必要なだけ軽やかに描かれ、トラウマに縛られた白鳥くんの足取りは、なんとも重たい。
それが、元相棒本気の叫びで変わっていく。
お互いの心が、スポーツとしての描写に宿っていく。
やっぱスポーツ・フィクションってそういう、形にならない情熱と、身体に宿った動きがシンクロする瞬間が気持ちいいと思うので、今回試合描写に気合が入り、バドミントンの軽妙さ、ダブルスの信頼感が、作画に宿っていたのは大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
心境の変化が、実際のプレイに反映されていくのは気持ちいい
若き情熱をぶつけ合う相棒に対し、人生の先輩達は後ろでどっしり構え、目の前の勝負が本気の本物になるよう、誠実にプレイしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
年上の包容力が敵味方双方、大変頼もしくて良かった。
”今カレ”である外崎さんが、オラオラ強引に引っ張ってくれる人なのが、クールガイに相性いい感じ。
白鳥くんの心の傷、それが反映されたプレイの躊躇いを、献身的にケアする健さんの汗もそうなんだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
このお話、バドを”気持ちのスポーツ”として描いてて、それが見てて気持ちいいんよね。
負けないために、必死にシャトルに食らいつく泥臭さ。
一瞬一瞬を、全力で駆ける熱量。
それを年上勢がバンバン燃やし、相棒を引っ張りプレイで発揮することで、作品が扱うスポーツ自体が熱を帯びてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
そういうアツさがちゃんとあるのは、やっぱ良いなぁ、と感じる。
健さんはワンプレイワンプレイ、バドに敬意持って走ってくれるからなー…そういう選手好き。
無論若造達がバドを蔑ろにしてるわけじゃないけど、心に一点の曇りもなく全力集中、全てを目の前の試合に投げ込むからこそ生まれる純粋な輝きってのが、スポーツ最高の強さだと僕は思っているので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
そこにたどり着くべく、立花くんが冷たい仮面を投げ捨て、熱い思いを彼の神様に伝えたの、やっぱ好き
再開して幻滅して、声もかけずに終わることも出来たわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
でも叫んだのは、無論自分の気持が叫ばなきゃ収まらなかったのもあると思うけど、必死に追いかけた神童にもう一度、立ち上がってほしかったからじゃない。
復活した自分を、本気の白鳥くんに受け止めて欲しいからじゃない。
必死に追いかけて、虚しく転んで、それでも立ち上がって這いずり上がった自分のバド人生を、もう一度白鳥尊のそれとぶつけたかったからじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
やっぱね、そういう色んな感情が混ざりあい嘘のない、熱のある思いが描かれると、キャラと作品を好きになれる。
これを受けて白鳥くんは調子を取り戻していくわけだが、その鍵が尊さんとの”声掛け”にあるのが好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
迷ったら、基本に戻る。
作戦とも言えない泥臭いベーシックを通じて、自分たちがバドをやってる”今”を取り戻していく描写が、とても良かった。
心が落ち着いてくると視界も取り戻せて、先読みの異能が勝負に食い込んでくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
白鳥くんを特別にする力は、ただ相手の力量を見るだけでなく、それを見つめる自分もしっかり見据えないと発動しない、メンタルに左右される力だ。
ここら辺未完成ボーイのチカラとして、大変いい設定だと思う。
加熱していく試合の中で、だんだんと音が消え、ただ相棒の声だけが届く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
このために、トマリ運輸が大応援団を引き連れたんだなーと分かって、凄く気持ちの良い演出だった。
静寂を描くためには、騒々しいノイズがあったほうが際立つもんねー…良い演出だった。
前半戦長く引きずってきた、飛べない白鳥の傷。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
選手としての壁を超えていく一瞬を、強く見せる最後の一点は凄く良かった。
ここは力入れるべき勝負所で、そこで勝ちきれるよう積んできた描写を生かし、しっかり勝ちきったのは偉いなー、と思う。
追いすがろうと必死だったあの時、二人の視界は重ならなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
ぶつかって砕けて離れ、流れ着いてもう一度であって、今は隣にいない。
隣にいないからこそ向き合えて、その時お互いを支えるのは、もうお互いじゃない。
自分の神様ととずっと一緒に入れなかった切なさと、それでも続いていく人生。
『結局白鳥くんのダブルスは健さんで、運命に選ばれない白鳥くん切ないな…』とも思ったが、打ち上げでの外崎さんとの交流シーンがLOVE満載だったので、ホッコリ明るく終われた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
たとえ誰かの影を振りちぎるように流れ着いた居場所でも、そこが自分の”今”だから。
そういう前向きな自己肯定、自分を見てくれる誰かに報いる姿勢を、若人たちが示してくれるのは嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
ネトネト後を引く巨大感情の残響音も大好物だが、デカいからこそそれを引きちぎって前に進む食いしばりも、やっぱ良い。
その両方食わせてくれるのは、大変ありがたい。
白鳥くんも見事な飛翔を果たし、液体化したデウス・エクス・マキナである酒の力も借りて、真っ直ぐな気持ちを言葉にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
シラフで自分の気持ちと向き合い言葉にしちゃうと、白鳥くんのキャラ性完全に使い切っちゃうからな…ここはワンクッション、まだタメる所よね。
んじゃあどこで爆裂させんの、っつたら、健さんとの正面対峙なわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
Cパートで、今の熱血おじさんを造った運命の人が白鳥少年であることが判明し、デカすぎる因縁と想いのウロボロスが完成していた。
こういう形で、出逢うべくして出逢った二人を補強していくの、大変いい。
白鳥くんが失ってしまったものを健さんは持ち続けて、それが醒めてしまった白鳥くんを蘇らせるけど、ガムシャラに玉を追い続ける生き方は、健さんを終わらせつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
でも健さんは、再びであった運命の少年が、自分に呪いをかけたのだとは思わないだろう。
人生救われちまってる健さんが、ニヤケ顔の奥に秘める爆弾も表に出てきて、なかなかいい感じの折返しであります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
スカシ面の若造が年上の熱に惹かれてるように見せて、それを超える”渦”を年上側が抱え込んでるの、良い感情星雲(エモ・ネビュラ)よね…。
ここで過去を振り切ったことで、物語の焦点が未来に向く準備も整ったわけですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
さて後半戦、どんなお話を展開していくのか。
大変楽しみであります。
トラウマ克服した白鳥くんが、神童の本領を取り戻していく物語でもあるんだなぁ。
かつての職場がラスボスになるの、良い構図だね。
しかしかつて ↓ みたいなことを書いたけども、元カノ立花くんはオトタチバナヒメだろうし、因縁の相手である霧島はクマソの本拠で、『リーマンズクラブ、大和武尊神話ベース説』があながち、ヨタでもなくなってきた感じはある。https://t.co/KMK8o5t3Pl
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
大和武尊の”タケル”は、彼がクマソタケルを倒したことで得られた名前なので、年上である健さんが倒れることで、白鳥くんは真のタケルになる…んだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
原典(とするなら)は白鳥に化身して、クソみてーな地獄絵図だった現世から旅立つバッドエンドであったが、そこは今回の飛翔で越えた感じもある
今後お話がどうなっていくかは、選手を信じて見守る大野監督にもかかってくるけど、彼が恫喝するだけのポンコツではないとちゃんと書いたのも、今回良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月28日
コミカルな属性を生かしつつ、その地金に人間の顔をちゃんと書いてあるのは、このアニメの良いところだなー、と思うね。