明日ちゃんのセーラー服を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
前髪整え気合を入れて、体育祭の買い出しに来た小路達。
友だちと過ごす時間は弾むように過ぎて、沢山の新しい楽しいが胸に届く。
そこに影をさす、古城さんの忘れ物。
思い出の栞を追いかけて、四人の冒険が始まる!
そんな感じの青春爆弾ショッピングモールに炸裂、明日ちゃんアニメ第9話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
名手・舛成孝二のコンテも冴え、明日ちゃん達がどんな青春を駆け抜けていくか、爽やかに活写したスケッチとなった。
肩の力が程よく抜けた挿話であるが、瑞々しい実感が心地よい。
僕舛成監督の仕事で一番好きなのアニマス第7話(やよい回)なんで、生活の香りが馥郁と立ち上る今回のお話、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
モールを舞台に各キャラクターの個性、個人史がよく滲んで、学校では描けない特別な風も良く吹いて、別角度から登場人物の肖像画に陰影を出すアングル。
…なんだが、ここまでこのアニメが培ってきた爽やかで眩しい感触を忘れず、なんでも無いからこそかけがえない、青春の1ページを上手く切り取っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
完全アニオリながら、原作でも描かれていない四人の表情が朗らかに弾んで、『見させてもらって、良かったな』と思える回になっていたと思う。
明日小路の家庭生活を、お母さん床屋の微笑ましい情景でスケッチしつつ、明日ちゃんの特別な日曜日が始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
どっしり時間を使って、本に夢中な古城さんの邪魔をしないよう、でも出会えた喜びにあふれる仕草を丁寧に重ねていく。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第9話から引用) pic.twitter.com/XLtE3BOIVZ
少し過剰にすら思える時間の使い方であるが、後々転がっていくドラマを思うと、このセリフのない日常描写は効率的に物語の予感を作っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
古城さんにとって、本がどれほど魅力的であるか。
明日小路が友だちと過ごす時の距離感、視力の良さ。
さり気なく差し込まれる、紫陽花のしおり。
何気ない日常の1ページとしてここで描かれたものは、後々しっかり有効活用されて、ありふれてるけど何処にもない、ユートピアとしての青春を見事に彩る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
その下準備を兼ねて、どっしりゆったり焦りなく、少し偏執狂的ですらある筆致で空間と時間を切り取る。
その微細な分解能だけが、伝えうる空気。
それを最初に作っておいたことが、四人の少女がモールを駆け回る時間を、特別なものと色づけていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
初手で一発カマしておいたことが、後々響いてくる演出プランで、僕は凄く好きだ。
これだけ微細に切り取られる価値が、ありふれた日常、当たり前の青春にはある。
そういう価値論的メッセージが宿る、バスの中の二人である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
この微視眼はエピソード単位ではなく、作品全体を貫通する巨大な柱なわけで、全体的な空気によくマッチしつつ、この話数のオリジナリティを強調する筆致にもなっている。
ここら辺の馴染ませ方と浮かび上がらせ方が、個人的には面白い。
さてはてかくして、運命のショッピングモールに集った四人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
オシャレだけど嘘っぽくない、でも特別可愛く思える私服の書き方に、このアニメが”現実”を解体咀嚼する腕前を感じるが。
一応公務のはずなのに、死ぬほどはしゃぎ倒す少女達が眩しい。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第9話から引用) pic.twitter.com/ptppgiauWi
明日ちゃんが熟練者ぶって慣れ親しんだモールを説明するも、その思い出故にちょとズレた感じになる所とか、大変いい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
幼いプレイルームでの思い出を書いておくことで、後に描写される栞への思い入れ、家族との絆にリンクが生まれるのも、奥行きのある表現だ。
都会で揉まれた兎原はおしゃれ番長の面目躍如だし、マジモンの箱入りである江利花ちゃんは、初めてのショッピングモールに興味津々だし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
”遊園地”と作中称したのは嘘ではない特別なワクワクが、四人のキャラクターを深く彫り込んでいくのが良い。
その個性を、沢山の笑顔がしっかりまとめる。
兎にも角にも、今四人でいることが楽しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
明日小路が隣りにいると、少女達はそんな思いを表に出すことを躊躇わなくなる。
何かを楽しいと思い、誰かを好きでいること…それを言葉にし態度で表す事が、どれだけ嬉しいことなのかを、明日ちゃんはいつも教えてくれている。
なのでモールを舞台とした青春戦闘は一切の遠慮なし、本気で笑い本気で遊ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
小気味いいモンタージュが連なって、彼女たちの楽しい時間をしっかり伝えてくれるのが、大変良い。
色んな場所を皆でくぐり抜けて、色んな楽しいを掴む。
学校もその外も、とても素敵な場所だ。
今まで舞台となった明日家周辺、ならびに蝋梅学園の敷地からカメラが出ることで、物語の舞台が多彩な輝きを持っていることも、巧く示される回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
都会と自然が隣り合い、色んな顔を持っている土地自体の面白さ。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第9話から引用) pic.twitter.com/yG3AjA9sCD
それが揺籃となり、明日ちゃん達の青春がまばゆく育まれているお話なので、今回都会的で洗練された部分がよく描かれたのは良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
バスに少し揺られれば、こういう風景にアクセス可能な場所で、彼女たちは日々を過ごしている。
そういう手触りが、作品世界を広げてくれる。
本に潜れば息も忘れる、生粋の本の虫。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
古城さんの目が書店に釘付けなのを明日ちゃんは見落とさないし、友達が開いてくれた扉から、新しい喜びを見つけることを忘れない。
他者の興味を自分の興味に引き寄せていく努力と、それを押し付けない自然さ
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第9話から引用) pic.twitter.com/IYrUoEldQd
対人関係に自分と他人をどう置き、どう向き合うかの手触りがスムーズでスマートなのは、このお話を見てて心地よく感じる、大事な足場かもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
社交辞令でなく『私も見たかったんだ』が出てくるの、人間力強いよなぁ、この中学1年生たち…。
新しい楽しさにも、メチャクチャ貪欲だし。
つーか蝋梅1-C太陽系の中核である明日小路が、バイタリティの権化としてあらゆる出会いに目を輝かせ、あらゆる喜びを肯定し、メチャクチャ褒めてメチャクチャ見つめる女だから、周囲の人もその色に染まってる感じか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
特別素敵な女の子の引力が、周りの人生を良くしてく変化の描写、やっぱ好きよ。
『超絶お嬢様、初めてのバーガー齧り付き』を可愛い神輿に乗せてひとしきり練り歩きつつ、物語はちょっと凹み調子に。江利花ちゃん可愛いね~~~~~~~。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
赤い風船がエピソード全体に漂う、無邪気な頑是なさを巧く象徴していて、印象的な描画だ。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第9話から引用) pic.twitter.com/nX8HEHDMN1
皆の楽しい時間を壊さないように、大人びた態度で自分の気持ちを封じ込めようとした、古城さんの困り眉。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
それはとても立派な態度なんだが、しかしそこで諦めようとしているものはあまりにも眩く輝く思い出であり、本を好きになった原風景である。
せっかく出来たお友達がそういう物分りの良さに閉じこもろうとするのを、明日小路を主人公とするこの物語は許さないし、解法の目印となるのはちょっと子供っぽい、赤い風船である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
楽しいモール探検で描かれる表情と合わせて、二つの季節が混ざり合う思春期の風を、丁寧に描くエピソードといえる。
思い出を取り戻す手段として急にJC櫓組む唐突感とか、手を伸ばせ届かないもどかしさの指先とか、栞奪還大作戦の手触りが独特で面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
初手”肩車”を差し出す明日小路から、どんだけ花緒ちゃん背負ってるか解るのとか最高。妹で慣れてるッ!!
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第9話から引用) pic.twitter.com/qb4fRmyzZf
風船と一緒に飛んでいってしまいそうだった心を受け止められて、古城さんの瞳は大きく広がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
ここにまた、”明日小路”が心に突き刺さってしまった女が一人…。
こんだけ特別な瞬間を、クラスメート全員に止めどなくぶっ刺しまくって一切計算がない辺り、やっぱ天才なんだと思うネ。
明日小路は何かを諦めたり、心に蓋をしたりする悪しき”大人っぽさ”を、けして認めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
大人への階段に足をかけ、色んな事が面倒くさくなったり恥ずかしくなったりする仲間たちの先頭に立って、思う存分子供っぽく走り、元気に笑う。
それは実は、少女達が心から望む疾走でもある。
出逢った誰もが明日小路のように行きたいと望む、強烈な引力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
それが自分の特権ではないと、明日ちゃんは先頭を走りつつ後ろを振り返り、手を差し伸べる。
あるいは運命の扉を元気よく開けて、何も諦める必要はないと手渡してくれる。
そういう存在は、当然誰かの特別になるだろう。
こんだけ他人の人生メチャクチャにしておいて、嵐が吹き荒れた後のフォロー、二度目三度目のブロウも叩き込む持続性が、明日小路の凄いところだなー、と思ったりするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
今回のメンバー、全員初登場じゃないかんね…皆一度以上”ヤ”られとるからね…。
怖い子だよ、明日小路…。
降り出した雨に、迷わず駆け出す明日ちゃんの背中を追いかけて、少女達も明日に走り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
ここで栞の中の思い出の紫陽花が、今まさにみずみずしく咲き誇っていると”絵”で見せて話まとめてくるの、すっごく好きな詩情。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第9話から引用) pic.twitter.com/PGKU1g5rQ9
本屋で見た時は写真の中に封じ込められていた天使の梯子も、今目の前の生きた現実として大きく広がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
でも世界にそういう物があって、とても素敵だと思えたのは、お友達の”好き”に従って本屋に赴いたから。
彼女が手放しかけた赤い風船を、皆で捕まえたから。
明日小路の強烈な引力をけして緩めることなく、彼女もまた様々な出会いに世界を広げ、新たな喜びに変化していく一少女である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
アニメだと特に強いそういう描き方が、ショッピングモールの冒険に丁寧に刻まれていくエピソードでした。
赤い風船は思い出の道標であると同時に、未来を指し示す星でもある
本屋で『書きたい!』という古城さんの夢を語らせたことが、明日ちゃんが何を守ったかの奥行きを凄く広げていて、そういう風に過去と現在と未来が入り交じる美しい季節、それが踊る舞台の眩しさを、強く奏でるお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月7日
そんな青春の大勝負、蝋梅学園体育祭は始まったばかり。
次回も楽しみ!