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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
不死身の暴威を圧倒的な武力で封じ、ボッジの前に立ちふさがるボッス王。
棍棒を手放せぬ巨人を前に、弱き王子は一歩も引かず立ち向かう。
冥府への旅を経て培われた正しき力が、迷妄を砕いた先に待つ、新たな地獄。
闘いは、まだ終わらない。
そんな感じのスーパー作画で親子決戦! 王様ランキング第21話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
第7話以来の御所園翔太コンテ演出で、大胆…という言葉も生ぬるいほどに暴れるパースとレイアウトが、大迫力の決着を活き活き駆動させる。
デカさ遠さがよく分かる表現を選んだことで、ボッス王の孤独がよく見える。
我が子を贄に力を求めた若き日の過ちと、守りたくて守れなかったミランジョへの無念を抱えたまま、巨大で立派な王/男であり続けたボッスのマチズモ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
その未練が晴らされるハッピーエンドへは、まだ二手三手、物語を紡がなければ足らない感じではある。
ただこのお話は、ボッスの巨大な棍棒の影を追い、そこから外れた第三の道をボッジが選び貫く物語である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
幾度も繰り返された巨人殺し、王殺し、父殺しの物語…の先にある希望を描くためには、一旦ボッスに勝たないといけない。
あるいは不敗の王を、ちゃんと負けさせてあげないといけない。
その資格を得るために王子は一度死んで冥府を巡り、賢者に賢く優しい強さを手渡されて、新たな道を示す資格を得た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
父の王国にいた時は周囲に理解されず、世界も変え得なかったボッジの優しさは、カゲくんと触れ合い彼を救ってから、その奥にある強さを輝かせ始めた。
ここまで21話続いてきた旅は、業に満ちた人間の領域を飛び越え、超自然存在である魔神…その異形に宿る人間的起源にまで伸びようとしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ミランジョは悲壮にして悲痛な、救うべきヒロインとしてすっかりキャラを定めた(アピス坊やがいい仕事)が、求めるべき救済は彼女の魂だけでは止まらない。
地獄の主であり、癒やされぬ上にさいなまれる餓鬼でもある超常の存在すら、ボッスの剣は救いうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
デカい親父の背中を越えて、己を示した若人の最終章は、そこを焦点に描かれそうである。
ここでもう一枚壁を用意してあるのは、結構好みのクライマックスだ。
さて、とにかく遠近法が極端に効いて、何もかもが極端な今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
アバンからして演出大暴れであるが、この極端さがボッス王の現在地を、大変巧くスケッチしている。
父と王と彼を慕い、その強き治世に優しさを見出したもの達は、彼から極端に遠い。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/y231e9tMuc
この遠さを埋めて、『殺すか、殺されるか。道は二つしか無い!』と棍棒を手放さないマッチョの鎧を壊すのが、ボッジのミッションとなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ミランジョへの愛おしさは妻を迎え子を作っても消えることなく、しかしその愛着が魔女と巨人をともに縛っている。
鏡には、ミランジョの王だけが写る。
この狭く閉じた関係性でここまで転がった結果、ダイダは体を乗っ取られ、ボッジは生まれつき可能性を略奪された存在として、塗炭の苦しみを越えなければいけなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
巨人に鏡以外の景色を見せ、鏡に彼女の王以外の存在を見せることが、繰り返す運命を越えて新たな道を目指す、大事な勝負になる。
『え、ボッス王こんな巨大感情秘めたまま王様やって、結婚して親父になったの?』と、新たに書き起こされる思い出の乱打に気圧されもするけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
この強く閉ざされ、気づけば歪んでしまった関係は、けして二人を繋がない。
玉座の下からの大胆なアングルが、王と魔女もまた離れていることを教える。
ミランジョ→ボッスが男女の慕情であったのにたいし、ボッス→ミランジョが父子の情愛に近い思いで繋がっていたズレが、問題ここまで拗れる遠因な気もするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
あと暴行から生き延びるためにサイボーグになったことで、”王の妻”に求められる資質を簒奪されたのも大きい…のかなぁ?
ボッジは力に力で応える”王らしい剣”が生まれつき取得できないハンディを、王国を支配していた価値観から飛び出す(だから冥府で学ぶ)特権に繋げたわけだが、ミランジョが人形であり、永遠の少女であることは苦しみの源泉にしなかならないのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ここは、個人的に気になってるポイントである。
今回巨人との闘争において、大きいこと、強いことの無力が大迫力で暴かれていくわけだが、強さが弱さに通じるのであれば、弱さは強さを生み出しもするだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
主役たる無垢なるボッジは、カゲくんとの運命に助けられ、そんな価値逆転を成し遂げた。
では過ったミランジョは、ボッス王はどうなのか。
ここはボッジ最後の奮戦が答えを示すところであろうし、その助けを借りてミランジョ自身、ボッス自身が自分を押し上げる物語であってほしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
まぁそれは、この激戦を超えた先にしかないお話なんだが。
行いで証を立てねば、どうにも動かぬものが世の中にはある。
ミランジョの妄執もある意味”証”なわけで、ボッス王はその悍ましさを知りつつ、そうまでさせてしまう魔女の深情け、そうさせている自分の罪科に縛られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
気づけば二人、生まれついた姿すら投げ捨てて、死体まみれでこんな所まで流れ着いてしまった。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/LBHtgLo9Dh
ボッス王の身体は壮健であり、それは個人で収まらず灯火に満ちた彼の王国に拡大しているが、その中心には彼最初の”子”がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ミランジョの暴虐を許していたのは、あまりにも不憫な長女の『好きにさせてあげたい』気持ちが、巨人の魂に深く突き刺さっているからかもしれない。
良かれと差し出した復活の聖杯が、ゴロンと床に投げ捨てられ、王から遠い場所にあるのは印象的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
その悍ましき再生にボッス王は価値を感じていないが、しかしそれを差し出さざるを得なかったミランジョの情念には、国だろうと己だろうと息子だろうと、何を差し出し返しても足りない。
しかしミランジョと二人、どうすれば幸せになれたのかは、因果の果てに流れ着いた今も解らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
『そもそも二人でいた事自体が、全ての幸福だったのだ』という、”青い鳥”めいた答えを思い知るには、血みどろの道を二人で進みすぎた。
強くなければ生きてられなかったし、生きてなければ幸せになれない
結果、王は鏡に愛しさを告げる時も棍棒を手放せず、”強い男”であることからはみ出せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
これを武装解除していくのが、超絶大暴れバトルである。
父との闘いに赴く時、ボッジは強き弟の優しさを思い出す。
これ見よがしの二の腕は、確かに頼もしい。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/S9VDIu4oVn
正しく振るわれた強さは優しさの足元を支えるはずなのに、この力こぶに呪われたダイダは、兄を殺す所まで自分を追い詰めてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ボッジが握る針剣、そこに添えられるカゲくんの手は、そんな捻れを解く編み針でもあろう。
剣を握って殺さず、因縁を殺して改む。
そんな太刀筋は、魔女も救うか。
今回溢れるケレンに目が行きがちだけど、新たに書き起こされまくる思い出ボムの良い作画とか、アピス坊やがどんだけミランジョ様LOVEか細かく切り取る所とか、アクションからはみ出した叙情の作り方が良いんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
『殺して救う! 頼んだボッジ様ー!』と割り切ったようで、ブレブレ未練まみれ。
アピスの在り方は全く”男らしくない”が、それが彼の偽らざるタブローであり、人間一つのあり方なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ボッジがこういう方向にブレすぎると話もそっちに引っ張られるので、サブキャラに間違えさせまくり迷わせまくるの、上手い制御でもあるな、と感じたり。
王国の礎たる四天王はそれぞれの決意を秘めて、彼らの新たなる王の前に立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
しかしそこからは背中と足しか見えなくて、彼らがどんな顔をしているのか分からない。
ボッジが本当に見たいものは、守られる立場からはけして見ることが出来ない。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/fcw1Dcdf8N
ボッジの立場からは剣を構える勇ましさだけでなく、愛する人と敵対する足の震えも見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
勇士達自身が見ようとしない心の奥底、弱さと繋がった優しさを代表して背負うべく、ボッジは王として先頭に立ち、皆の顔が見える場所へと己を進めていく。
そう出来る資格は、冥府で手に入れたのだ。
ボッジの剣は力に逸るドーマスを制するが、倒れてくるその巨体を支える力は持ち得ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
潰された後はカゲくんに助けられて、彼が立つべき場所に立ち直すことになる。
運命に選ばれた特権者として決闘に赴くのはボッジであるが、彼の弱さは消えたわけではない。
しかし、超えられないものでもない。
一人で足りないなら二人で、手を繋いで進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
これまでカゲくんとボッジの歩みで幾度も描かれたモチーフであるが、此処で対峙するボッスとミランジョもまた、強く強く手を結びあっている。
それが過剰に強く結ばれているから、王は棍棒を手放せず、魔女は王以外を見れない。
それを解くべく、ボッジは巨人と対峙する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
過酷な宿命を愛弟の救済のために、愛弟子に、幼子に背負わせる。
己の身勝手に顔を歪めるデスパーさんが、ちゃんと書かれているのは良い。
彼もまた、無欲で清廉な賢者ではないのだ。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/bFz21hMKAi
デスパーさんが戯けてくれないと話重くなりすぎるし、その高潔なる我欲が彼が示す正しさ、無条件の共感を説教臭さから、遠ざけてる感じもあるしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ボッジは自分と同サイズのダイダではなく、かつて憧れ守られてきた”父”を相手に、闘いに飛び込んでいく。
それは強く、大きく、遠い。
これはボッジが弱く情けない、非ボッス的存在であったのと同じく、ボッスにおいてけして振りほどくことが出来ない一つの属性だったのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ミランジョを悲劇が飲み込んだ時、怒りに任せて全てを叩き潰せるほどに、彼は強かった。
その強さは、血みどろの道以外を歩く可能性を、彼から遠ざけた。
そんな巨人の勇壮な孤独、悲壮な強さと、小さく弱い自分のまま向き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
この大暴れ作画は、そんなボッジの強さを可視化したものなのだと思う。
同時に意思なき災害にすら思えるボッスの強さが、生々しいまつげを持った”人間”でしかないことを、絵で伝えるためでもあろう。
自分が憧れ目指した巨大な力が、自分が突き落としすがった小さな強さで乗り越えられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
その瞬間を見つめる、ドーマスの表情が良い。
自分が力の使い方を教え、世界の見え方を変えた少年がどこに突き進んでいくか、見据えるデスパーさんの視線が良い。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/fx3KU4Jj9n
かくして王の剣は巨人を捕らえ、子は父を超えていくわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
こうしてボッジが勝ったから、ボッスの生き様は”間違い”であったと、証明されるのだろうか?
めっちゃ長かったオウケンとの闘いで、ボッジの剣は彼を止め得なかったこと…ボッスの棍棒がすべてを解決した事実を、ちょっと思い出そう。
ボッジ/正しさの剣→ボッス/強さの棍棒→オウケン/不定形の暴力→ボッジ…という三すくみがここでは成立しているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ボッスがボッジの正しさに負けたのは、己の過ちを正して欲しいと思える人の心が、巨人の心臓を動かしていたからだろう。
オウケンを消すのではなく獄に封じる選択をしたことからも理解るように、ボッスの中に弱くて正しい、小さなボッジは確かにいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
オウケンも”殺さない”選択を時にするわけだが、それは死に悶える苦しみを観測するためで、可能性を未来に繋ぐためではない。
ボッジが正しいが故に遠ざけている、しかし確かにそこに存在しているどす黒い闇に対峙し、制するためには、ボッス的な強大さが時に必要になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
それが自分の中にあることを、巨人との闘いの中で示すために、ボッジは国の外、父の影から出て”強く”もなった。
そしてそんな強さは、制御と思慮を失えば醜悪な不死身と化して、ただただ暴力を振りまくことにも為る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
オウケン的な暴虐が自分にもあると、ボッス王も当然理解はしていて、しかし自分で手綱は握れない。
強さで競い合えば誰も自分を打ち負かせない世界で、それでも誰かに負かされ止めて欲しい
ボッジはそんな王の願いを叶える外部装置であり、同時に『強くなりたい』とひたすらに希い、父の背中を追った一人の少年でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ボッスがミランジョと向き合う中、見えなくなっていた自分の弱さと優しさ。
それがボッジの形を取っていると考えると、王の”強さ”が子から剥奪して生まれたのは印象的だ
弱さと強さは常に繋がっていて、求める答えは自分の外側に…そこに反射する自分自身にこそある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
そういう古くて新しい答えが、血湧き肉躍るボッジの冒険として楽しく、力強く描かれ続けたのは、やっぱ良いことだな、と思う。
まぁ、そういう話なんじゃないかな。結論出すには早いか。
さて巨人幻想を打ち砕かれてなお、ボッスは棍棒を手放せず、愛する魔女への道を身体で塞ごうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
これみよがしに放たれた一撃を、ボッジは避けない。立方体、メチャクチャに飛び交うな今回…。
それは父の優しさを信じた、息子の強さなのかもしれない。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/EyWow4Yqy8
それを示されることでようやく、ボッスは敵に背中を向けて、本当に守りたいものがどこにあるかを見つめることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
強さで己の巨体を支えていた存在は、打ち負かされるまでその影になっているものを、直視は出来ないわけだ…。
ここで向き合わせてやるこのお話が、俺は好きだよ。
砕かれ、揺らされる心に蘇る、複雑な感情。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ここの主観四連思い出ボムが、巨人がどんな遠さで何を見て何に手を伸ばしたかったかよく語っていて、大変良かった。
複雑な感受性を持った、優しい心の持ち主としての自分を、封じればこそ王でもいられたのだろう
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/aNW2IBKQEj
そんな重責を引っ剥がし、弱く優しい自分の鏡となってくれるのは、己の強さの犠牲と捧げた我が子である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
手作りの王冠を被り、背中に国土を背負う。
その勇壮に、王は砕かれた棍棒をどこに振り下ろすべきか、自分なりの答えに行き当たる。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/1fblLjlJ3w
『アピス坊やアンタ…』って感じであるが、人生の答え合わせが終わって棍棒を砕かれても、何を打ち捨ててでも守りたかった相手の前に立っても、ボッスは棍棒を捨てられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
それは男らしさであり、王の責務であり、血塗られた暴力なのだろう。
鏡に不定形の影ではなく、意思と心を蘇らせたミランジョが映っても、ようやく大事な人の顔が取り戻せても、ボッス自身はもう止まることが出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
棍棒で砕き、自身も殉じること以外に答えが見いだせない。
それをせき止めるのは、父の野望に殉じさせられた、生まれつきの贄である。
ここで一瞬戸惑うボッジの背中を、カゲくんの言葉が押すのが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
この土壇場、身をなげうって哀しい運命を変えうるか、ボッジですら悩む。
その迷妄を払ってくれるのは、ともに長い旅を進んできた親友の、ただの言葉である。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/BRh56SPUV4
かくしてようやく、強き男は武器を下ろすことが出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
これと連動するように、デスハー王がランキング制度を拒絶し、王たちを力に縛り付ける巨大なシステムから離脱する様子が描かれる。
いやまぁ、”王様ランキング”がどんなもんか描写がないんで、この読みが正しいかも解んないんだけどさ。
ここで王が武を図る天秤から降りれたのは、王国進行で対峙したボッジの器量、その真っ直ぐな目が思い出させた過去の悲劇と兄弟の絆ゆえ…だったら良いな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
俺デスハーさんが自分が対峙したもの、打ち捨ててしまったものにしっかり目を開いて、道を改めることを恐れない人だと思ってっから…。
この『己を改むに恥じず』という変化への強さは、強きボッスにどうしてもなかったものであり、それこそが巨人を縛る一番の鎖だったのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
デスハー王もボッジとやり合うまでは、弟嫌いのパワー信者、建国の非道に正対しきれないかったわけでね。
変わるのは、殺すより難しい…かもしれない。
とまれ巨人はコテンパンに打ちのめされてようやく涙を流し、宿命の重さを嘆く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
心を閉ざして人形を演じたからこそ、我が王を最強たらしめる夢にも溺れられた。
しかし心が蘇ってみれば、為した非道は重すぎる。
終わらせてくれと、鏡が囁く。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/H6WLtNDmOl
『アピス坊やの心はもう限界よッ!』って感じの、シビアでハードな状況。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ボッス王が決断の主体となり、ミランジョを救う権利を得ていないことは、明暗/生死が鮮明に別れたレイアウトからもよく伝わる。
影と光の境界を飛び抜け、第三の道を進む特権は、あくまで主人公にある。
しかしその時、道を示す”証”となるのはかつて父が伸ばしてくれた暖かな手、ボッス自身がいつの間にか置き去りにしてきた優しさである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
巨人と魔女は王子から強さを奪い、弱さを閉じ込めることで過ちに突き進んだわけだが、その象徴こそが因縁のどん詰まりを突破する、最後の希望でもあるわけよ。
死んだ人との対話が多く、思い出がその意味を完全には喪失しないこのお話は、凄くポジティブだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
何かを間違えても死にものぐるいで抗い、沢山傷ついた先に、過ちを取り戻す可能性が残っている。
死は絶対の終わりではなく、誰かが置き去りにしたものは誰かが取っておいてくれる。
そういう再帰と再生への信頼…あるいは期待が、作品の背骨にあると僕は感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ならば、地獄の先にも祈りは届くだろう。
そして祈りは、時に身勝手でもある。
デスパーさんの打算が、幾度も顔を出すの公平で好きよ。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/Hn2cAkPP0n
悪を砕き、弟を助ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
誰も殺さない刃を鍛え上げたボッジは、ここで始めて何かを殺す。
それが少女を縛り付ける因縁なのか、ただ幸せで痛かった人たちの祈りなのか。
さー超常存在が開放されて、最後の戦いの幕があがるぞッ!
色々傷跡も深いが、ヒゲモジャマッチョの超級英雄が愛子のため、ようやくただただ泣けたのは良かったな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
『ボッス王とミランジョの所業、どう考えても精算つかねぇだろ…』と思ってたし、今でも思っているが。
そこに拘泥する立場だと、親父は泣けなかっただろう。
魔神がミランジョを”食う”のが印象的で、彼は何かに飢え何かに突き動かされているから、魔女の魂でそれを満たそうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ボッスが自分をせき止める希望を、血を分けた王子に見出したように、魔神もミランジョの魂のぬくもりに何かを見出し、だから”食べ”た…のか?
ここら辺ひっくるめて、鏡の牢獄から抜け出した先にあった血まみれの餓鬼道に、全力で飛び込まないと話は進みそうもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
魔神と魔女の出会いはどんなもので、その美しく眩い光は、何がどうなってこんなんなっとるのか。
(画像は”王様ランキング”第21話から引用) pic.twitter.com/bR0QAFQzes
最後の伏せ札が表になってきて、いよいよ2クールの長きに渡るサーガも、決着の時が近い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
魂を貪っては吐き出し、また貪る。
満たされぬ獄卒と化した今の魔神と、幼い魔女を光に連れ出す小さき存在が同じとは思えぬ…が、最初から”食べて”はいるんだよな…。
ここまでケレンたっぷりに、巨人王が追い込まれた強さの牢獄、その遠さを強調してきた演出が、ミランジョと魔神の始原を描く時はとても柔らかな筆致になるのが、メリハリ効いてて良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
あんだけ壮大な英雄的アクションも、こういう童話めいた優しい世界も描けて、なおかつその二つは強く繋がっている
ミランジョが夢の代価として囚われた、終わらぬ苦痛の世界も、だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
ボッス→ミランジョへのどうにも動かせぬ思いの鎖が今回描かれたように、次回以降はミランジョ→魔神の因縁と感情が、たっぷり暴れそうである。
地獄の主も、かつては光に満ちた夢を見た。
鏡の魔女が、そうであったように。
ボッス王がその悪辣を解りつつ、ミランジョを”正しく”改められなかったのと同じ感情…置き去りに救済を掴んでしまった疚しさが、ミランジョから魔神に向けられてる感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
陰謀の中心を砕いても物語は終わらず、完璧な結末は未だ遠い。
ボッジはもうちょい、強く優しく頑張らなきゃいけないようだ
ここでベストエンドにたどり着いて魔神の因縁すら救済できたら、師であり”正しさ”の使い方を教えてくれたデスパーさんの思惑すら、ボッジは飛び越えていくことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月10日
父を越え、師を超え、恩讐と運命を超越してどこまでも自由に、小さな勇者は駆けていけるのか。
次回も楽しみ。