その着せ替え人形は恋をする を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
心寿も交えた廃墟スタジオでの”烈!”合わせは、最高の思い出として幕を閉じた。
そしてやってきた夏休み、海夢と新菜は新たなコスプレに挑み、渋谷デートに勤しむ。
楽しい時間があっという間に過ぎて、突如どんより重たい空気が…!?
そんな感じのコスプレ青春絵日記、アンソロジー風味な第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
ジュジュ様編のエピローグに前半を使い、後半は五条くんと海夢ちゃんの渋谷デート…というペース配分。
キャラに愛嬌があって、ずっと見てたくなるんでこういう日常スケッチも気持ちよく楽しめるね。
お話として何かが大きく前進するわけではないけど、二人の甘酸っぱい恋、爽やかな青春の一ページを観測できて心晴れやか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
作中海夢ちゃんが推しを摂取してテンション爆超になっとる気持ちが、ちょっと理解できる作りともいえる。
この子ら見てると、とってもいい気分になるのがありがたい。
心寿と五条くんが差し出したサプライズプレゼントは最高の仕上がりで、”烈!”合わせは楽しく進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
コスプレの”本番”と言える撮影をどっしり描く筆は、海夢ちゃん生来の華と、それを維持しきれないポップな性格を同時に写す。
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第10話から引用) pic.twitter.com/o1TWBYygnl
役を降ろしてなり切るスタイルだけが、紗寿叶が今まで許容できる”コスプレ”だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
海夢ちゃんの華は、ブラックロベリアの理想をリアルに実体化させ、廃墟への恐怖を忘れさせる。
しかしそれは、長く続かない。
海夢ちゃんはいつものごとく相貌を崩し、デレデレと笑う。
ここで紗寿叶は今までのように怒るのではなく、心から笑う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
疲れてもうコリゴリと、微笑みながら振り返る”合わせ”を通じて、許容できる”好き”が広がったのだ。
そういう風に喜びを広げる力が、出会いと触れ合いにはある。
コスプレという趣味は、それを繋げてくれる。
メインテーマにこういう強さがあるってことは、何でもOKどんと来いな強い人格を持つ(そしてそれが眩い魅力でもある)海夢ちゃんでは惚れないところであって、エピソードヒロインの面倒くさい人格を、巧く活かしたまとめだなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
話の基本形を強く打ち出す第一章から、キャラを増やして第二章
主役二人では描けないものをしっかり背負ってもらって、テーマと選んだものにどんな豊かさがあり、そこに切り込む強さを主役たちは、どんな風に備えているか描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
乾姉妹を通じて、”二章”に必要な物語的作用は完璧に発揮されている。
コスプレは、人を良い方向に変えるのだ。
影に入って憧れるだけだった妹との関係が、より開放的で対等な距離感に変わったりとか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
あんだけビビってた廃墟が、気づけば楽しい場所になってたりとか。
ジュジュ様が色々めんどくせーからこそ、”コスプレ”と五条くん達と出会い、触れ合って生まれた変化は見えやすい。
コスプレという現代の”変身”を扱うこのお話の主人公は、ただ服を作りメイクを施すだけではなく、出逢った人たちの心を開き、求めていたけど手に入らなかった夢へと押し出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
そんな魔法は五条くんが、何でも出来る特別な人間だから使えるわけじゃない。
むしろ自分を押し殺し、”好き”を表に出せなかった時間が長かったからこそ、”好き”を受け止めてくれるありがたさに感じ入り、同じ立場の人間に手を差し伸べられるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
人に付きまとう暗さ(海夢ちゃんが圧倒的な”陽”だから際立つもの)が、排除するべき弱点ではなく、優しさと変化の源泉足りうること
そういうのを、最初の物語とは画角を変えキャラを変えて描けたジュジュ様編は、やっぱ凄くいいお話だなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
あんまり良くしてもらったおかげで、恋心入っちゃった描写もあるが…まぁ五条くんジェントルでハンサムだからしゃーなしだなッ!
海夢ちゃんは気が気じゃないが…。
思わず目を奪われる華、コスプレイヤーとしての才を描いた前半に対し、後半は自然体の緩んだ表情が多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
せっかくの夏休み、ガンッガンに間合い詰めてモリモリ思い出つくりに行く行動力が、なんとも眩しい。
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第10話から引用) pic.twitter.com/8SsEP6ZY3c
明るく微笑ましい渋谷デートは、五条くんが拒絶の気配を見せるとスッと暗くなって、海夢ちゃんの顔も画面から切り離されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
作品全体のトーンとライティングがシンクロする、映像表現の基本に忠実な演出。
やっぱベタ足で”アニメ”するのにためらいがないの、このお話の強みだと思う。
結局それは五条くんの健全なるスケベ心、海夢ちゃんを性と愛の対象として特別に意識してくれている事実の反射だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
友達で、戦友で、いつか恋人になりたくて、でも今はそうじゃない。
そんな距離感が影の中から出てきて、飛行機雲を引いて空に舞い上がっていく。
海夢ちゃんから発して、まだ五条くんには届かない(でも力強く飛翔している)恋心を、斜めにせり上がっていく飛行機雲で伝える演出は、青春ど真ん中でとても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
自分の”好き”を受け止めて、世界を変えてくれた人。
心臓を強く揺らす、とても魅力的な人。
お互いの気持は、まだ定かに見えない。
だから二人は顔を隠して背中を見せるが、思いが繋がっていることは飛行機雲の角度が、よく教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
こういう甘酸っぱい詩情、心地よい映像の暗号が毎回あるの、ダダアマラブコメで終わらない風通しを感じて、このアニメの好きなところである。
A-1系列の演出だなぁ、と思ったりもする。
かくして光の中に進み出す二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
舞台は夏なので、眩い場所は暑い場所でもある。
それは恋にじれる心の熱であり、性に燃える身体の炎も宿している。
高まる体温に背中を押されて、肘を引き寄せて秘密の一言。
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第10話から引用) pic.twitter.com/KdehbdipNp
それが無邪気なからかいに、恋が恋にならないいつもの距離感に思えるように、海夢ちゃんは結構頑張って演技をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
好きピへの気持ちを即座に告白せず、”好き”である喜びをたっぷり反芻する貪欲と臆病が、なんとも可愛い。
もし、当たって砕けてしまったら…。
好きだからこそ、そりゃビビる。
あっけらかんと大声で”好き”を語っていた海夢ちゃんが、五条くんから自分に向かう思いを確認した後は、ひっそり誘惑を耳打ちする所が好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
それは特別で、たった一人のために細く小さく尖らされた、”好き”という甘い毒だ。
色んなキャラに溢れかえり、センター街に堂々叫ばれる”好き”と、同じで違う
その隠微で個人的な手触りを描いて、今回のエピソードは終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
とても良かった。
海夢ちゃんが半ば自動的に装備してしまうエロティシズムに、五条くんが圧倒されつつ魅惑され、翻弄されつつ向き合っている様子。
セックスが持つ暴力性を悪戯にくるんで、甘く弄ぶ海夢ちゃんのときめき。
それが夏の熱気によく踊って、とても面白かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
性衝動と敬愛が結びついて、両方を拒絶しない。
二人だけの不思議な自然体を見ているのが、僕は好きなんだな、と思い出すエピソードでもあった。
コミカルでポップな味わいを維持したまま、青春のリビドーをちゃんと描いてる所が好きなんね。
そろそろクールの終わりも見えてきて、残り話数をどう使ってアニメをまとめてくるかも気になりますが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月14日
賑やかに愛らしく転がっていく二人の青春を見守れれば、『いいアニメだったな…』と満足して見終われるという確信を得れる、良い青春のスケッチでした。
次回も、とても楽しみですね。