ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
無重力の屠殺場をくぐり抜け、遂に中庭への扉を開けた徐倫。
しかしそこで遭遇したのは、黒幕たるプッチ神父だった。
ウェザーが巻き起こす死の嵐の只中で、ドス汚れた我欲と高潔なる意志が交錯する。
閉ざされた空を超え、未来を掴むのは誰だ!?
そんな感じのストーンオーシャン第1シーズン完ッ! な、ジョジョ六部第12話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
今まで影に潜み謀略を手繰ってきたプッチ神父が。遂に鉄火場に顔を出してその魂を晒すわけだが…やっぱとんでもなくクソいなッ!
狡猾な知恵を絞り、他人を犠牲にすることを一切ためらわない。
彼が求める”天国”が、身にまとった神父服に相応しい清廉な場所ではないことは、神(dio)の名を持ちながら最も邪悪な生命体であった男との縁を見ても良く分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
原作読んでた時はうっかり気づかなかったが、偽神父と偽神のコンビなんだなぁ、プッチとDIO…。
無論神学校は出てるし叙階も受けてるわけだが、プッチの心にキリスト者としての信仰も慈愛もない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
あるのは孤独な数字を愛する渇きと、”天国”を求める貪欲である。
そのためなら他人も騙すし、余裕で殺す。
極めて危険な男であるが、今回見た通り無敵でも完璧でもない。
だから危険なのだが…。
その正体を知らない神父を、殴り飛ばして目的を達成しても良い所で、徐倫は嘘を付くだけに留まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
監獄式の荒っぽいやり方に慣れたとは言え、無差別に力を奮って我欲を通すのは、徐倫のスタイルではない。
自分の目で真実を確かめるまでは、疑わしくとも拳は収める。
この制御された暴力性は、共にラング・ラングラーを退けたウェザーとも、また違った性質である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
彼の能力は毒ガエルを雨あられと降らせて、看守を何人も殺す。
前回はうっそりとした鉄面皮の奥にある優しさを示したウェザーだが、今回は封じられた凶暴さが表に出る感じだ。
『ファフロッキーズ現象って”天気”なのか…!?』と、思わずツッコまざるを得ない超展開であるが、まぁフロリダは湿地が多いしヤドクガエルもいるんだろう…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
ここら辺の『え!?』感、”命令”として『10メートルぶっ飛んで破裂しろ』が通る”ホワイト・スネイク”にも言えるよなぁ…。
さておき、ウェザーの助け舟は敵にも味方にも平等に危険であり、どう活かすかはそれぞれの魂の在り方に関わっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
神父は窮地を脱するために、助けを求める人の声を黙殺し、自分にすがるしか無い盲目の弱者を作り出すことで、有利な場所に隠れようとする。
異常な状況に苦しみ、すがる手を跳ね除けてズカズカ進む『神父らしくなさ』が、逆にラスボスの魂をよく見せる闘いだといえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
これまでの闘いで対峙した邪悪と同じように、神父のナリをしたゲス野郎であり、同時に彼だけの”天国”を追い求める狂信に追い立てられた、極めて厄介な敵なのだ。
神父がカエルを潰し看守を操ることで状況を打破するのに対し、徐倫は降り注ぐ命を守ることで、未来への道を切り開いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
糸が持つ柔らかさ、多彩な可塑性を最大限活かし、死ななければ脅威にならないカエルと共存する形で危機に対処するのは、非常に徐倫らしい。
打ち砕くのではなく受け止め、利用するのではなく活用する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
神父はカエルを(看守相手にそうであるように)救うべき命とみないので、徐倫が作った命の網を死の床だと思いこんでしまう。
ここで迷彩をかけて、逆転の一手を手繰り寄せる強かさも、また徐倫の強さだ。
かくして”サヴェージ・ガーデン作戦”は完遂され、徐倫はスタープラチナの”DISC”を財団に手渡す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
それは親父の言う通り、”天国”を巡る争奪戦の決定打にはならないかもしれない。
しかし彼の復讐の道具として刑務所にブチ込まれた無力な少女は、今回もその思惑を超えて見せた。
地面に這いつくばりながら、空を自由に舞う伝書鳩に希望を託し、勝利を掴んだ徐倫。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
降り注ぐヤドクガエルがウェザーの魂…その無軌道な危うさを示すとしたら、自由なる”サヴェージ・ガーデン”は徐倫そのものなのだろう。
危機をかいくぐり、重力に反して自在に翔ぶ、純白の翼。
しかしその足には鎖が繋がり、父の魂の欠片をガッチリと繋ぎ止めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
むしろ譲れない一点にしっかり結びついているからこそ、真実自由に飛べるのかもしれない。
黒幕の本性が顕にならない間は、無軌道に拳を振るわない節制。
己の目的のために、降り注ぐ命を踏みにじらない慈愛。
それを手放さず、意志と意図でガッチリ抱え込んでいることが、なりふり構わず”天国”へ突き進む神父に対峙する、唯一の武器なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
”サヴェージ・ガーデン”は勝利と希望を載せて刑務所を旅立つが、徐倫は”ホワイト・スネイク”の主に繋がる石の糸を断ち切られ、意識を失う。
闘いはまだ終わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
神父服に隠された邪悪は暴かれず、救うべき記憶は遥かに遠い。
しかし徐倫はドス汚れた地べたに落ちることなく、あくまで高潔なスタイルを保ったまま、神父の思惑を確かに突破した。
この勝利が、果たしてどんな未来を引き寄せていくのか。
それはこの後の第2シーズン…さらにその先にある激闘で、より強く描かれていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
『超おもしれぇの理解ってるから、明日放送しろッ!!』って感じだが、こんだけのものを作るのに時間と労力がたっぷり必要ってのも、また理解る。
ああ、蛇のように待つさ…。
というわけで1クール、徐倫の奇妙な冒険を見届けさせていただきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
面白かったなー…。
一応原作既読なんですが、実は結構記憶もあやふやになってて、結構大胆な再構築が見事に刺さってる構成の妙味と合わせて、新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。
ザクザクカットしてんだが、それが良いわな
改めて見つめてみると、成長する主人公としての徐倫が大変良くて、物語のエンジンとして凄く力強かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
ハメられてピーピー泣きわめいてた小娘が、過酷な刑務所生活に順応し、しかし泥まみれの邪悪には落ちず譲れぬものを守り続けているタフさが、非常にかっこよかった。
同時にジョジョ特有のペーソスとトンチキも健在で、敵も味方もオモシロ人間が笑いのラッシュを仕掛けてくれ、大変面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
人権を制限される刑務所が舞台だからこそ、人間のなまぐせー部分をネタに色々書けたのも、舞台を生かして良いところだったな。
魂の在り方が力の形に直結するスタンドバトルも、優しく靭やかな”ストーン・フリー”を筆頭に、良い感じに冴えてました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
原作読んだ時はバトルの興奮で見えにくかった部分が、時間を置いて分かりやすくなってる感じはあった。
どんどん分かりにくくなるからな、六部のスタンドバトル…。
まだまだ話は始まったばかりで、徐倫の周囲に集う仲間たちも、襲いかかる邪悪な敵も、ゴリゴリ深堀りできるポイントが待っています。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
そこに踏み込んでいく足場として、『コイツはこういうヤツだッ!』っていう挨拶がチャンとしてたと確認できたのは、とても良かった。
あとアレっすね…自分が年取ったのもあって、エンポリオくんが可哀想極まる状況でも懸命にお姉ちゃんをサポートして、メチャクチャ可愛くてよかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
徐倫の助力に希望を託すしか無いが、自分にできることは必死に頑張る。
今見ると、ヒロイン力高いよなーエンポリオくん。健気だ…。
というわけで、JOJOアニメの大きな武器である『時代を超えた読解と、原作の魅力を力強くアニメーとさせる工夫』もよく冴えて、大満足のシーズン1でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月28日
こんだけドすげぇモンを仕上げられるんだから、今後の物語に期待すんなって方が、まぁ無理で。
シーズン2も超楽しみです!!
ありがとうッ!