ヒーラー・ガールズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
歌を用いた治療行為が市民権を得ている世界で、”ヒーラー”を目指すかな、玲美、響。
凛とした佇まいの師匠に見守られ、一人前の癒し手を目指し今日も歌い、笑う。
ドタバタもトラブルも満載な三人の青春は、一体どんな詩を奏でるのか!?
そんな感じのミュージカル医療青春群像劇、まさかの角度で春に着弾である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
色んなヤバさがPVとOPから立ち上り、主に衣装方面で何かこー…何かヤバい感じがブーストされてた作品であるが、蓋を開けてみると大変面白かった。
やっぱ色眼鏡付けて、アニメを遠巻きに見んのよくねーな!
世界観としてはお歌が治療パワーを物理的に持ってて、バチバチの”実在”として社会的に認められてる感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
聖蹟桜ヶ丘ベースの、妙に気合の入った日本家屋美術に引っ張られて、ついついリアリティを上げてしまいがちだが、根っこはファンタジーだと思って受け取ることにした。
『そういう世界』というハラ作れば、お歌で人が治るのは『そういうもん』なわけで、お出しされる世界をすんなり食ってくのが良いんかな、と感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
歌が人を治す良さ、主人公たちがヒーラーを目指す意味は、第1話で(あんま派手ではないが)ちゃんと書かれたと思うし。
全体的にポケポケ空気の抜けた作風で、しかし命の危機となるとボケボケ三人組の顔が一気に締まり、迅速に適切な行動を取るのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
ここまでボケてると”治療行為”って作品の根っこが揺らぐトコだが、おばあちゃんがぶっ倒れたらヌルいきらら雰囲気は上手く抜けて、医療従事者見習いの顔になった
しかしそういうシリアスな問題を突破するのは、ファンタジックなお歌であり、それを取り巻くのは大変日本情緒に溢れた、古き良き景色である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
要素要素が噛み合っていないように見えて、裏拍でオリジナリティを出しているような、大変独特の空気がある。
それはこの奇妙な世界観と、良いハーモニーだ。
高垣彩陽演じる師匠がなかなか良くて、ポケポケ三人娘の憧れとして、お話に締まりを与えるツッコミ役として、良い造形であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
リサリサ先生みたいな雰囲気なので、修行シーンがジョジョ二部っぽいのも、個人的にグッド。
何しろ高垣彩陽なので、歌の説得力は圧倒的に担保されているのも強い。
歌の説得力という意味では、第1話での主役を担ったかな役礒部花凜の歌唱は圧倒的で、大阪芸大ミュージカルコース卒業というバックボーンを、最大限に生かした配役だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
俺はミュージカル好きなんで、常時歌いまくってる演出も肌に馴染んだし、今後もバリバリ歌って欲しい。
第1話は妙に走りの作画が重心移動を感じさせるいい仕上がりで、診療所の細かい美術と合わせて、上っついた世界観に上手く重力を与えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
欄間の書き方とか、木造建築の肌合いとか、『え? そこ頑張んの?』みたいな所が異様に仕上がってて、しかもそれがさり気なく物語的に大きな仕事をしている。
歌の使い方、全体的な雰囲気の出し方、キャラの配置と書き方。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
全てスタンダードで”普通”なアニメとはズレてると思うが、違和感や不快感がそこのズレから生まれうかというと、そんな事はない。
むしろ奇妙な味と呼吸になって、不思議な面白さでエピソードを上手くまとめてくれる。
このややオフビートな裏拍の面白さは凄く独特で、見てて楽しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
登場人物が基本的に善良で、のんびり助け合いながら夢に向かって進んでいる感じも、”ヒーリング”というテーマによく合ってると思う。
それだけで終わらず、〆る所は〆れる描き方だったしね。
かなりの奇っ怪アニメと分類されると思うけど、その波長はいい塩梅に僕に響いてくれて、なかなか良い第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
ダイアログのテンポと熱量がこれまた独特で、新米ヒーラー三人がキャッキャしてるだけで結構面白いのは、日常系の味わいもある作品としては嬉しい所。
メインキャラの人格紹介も、世界観を上手く説明…つうか描写しつつ出来てたと思うし、全体的な手際はシャープだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
『こういうお話、こういう連中』ってのがどんなに奇妙でも、それを一作品としてパッケージして『なるほど、そういうモン』と飲み込めるなら、それはいいお話なわけで。
そういう第一話のお仕事を、かなり頑張って僕に届けてくれるスタートだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
ヒーリングが”効く”理由付けは…あんま細かくなくてもいいかなー、と思う。
『そういうモン』でもう飲み込めてしまったので、理屈説明に時間使うなら、ある種の魔法として理由抜きで駆動しちゃって良いと思う。
ポケポケしつつも生真面目で優しく、芯の入った三人娘への好感度は既に高いので、今後玲美や響がメインになる話にも期待したい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
あと第1話の幼女、2話から乱入してくるっぽい銀髪…のきなみかなりのデコで、『もしや相当にオデコ成分接種アニメなのでは…?』という期待が、勝手に膨らむ。
というわけで、斜めからナメて作品に対峙したら、奇妙ながら力のある描写に気持ちよくぶん殴られた第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
今回打ち立てた土台に、どういう角度でお話を積み上げていくかは読み切れないけど、無邪気で真摯な所が気に入ったので、そういう方向で行ってくれると嬉しいかな。
歌が医療行為になっている異世界ファンタジーとして、そう為りきってない僕らの現実と何が違うか…歌という魔法にこの世界で、何が出来るかをよりドラマティックに描いてくれると、より良いかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
当たり前の医療従事者として、冷静に命の危機を越えていく地道な描写も、スゲェ好きだがね。
ただガチで生きるか死ぬかの瀬戸際にバチバチすると、作品に漂ういい意味でヌケた雰囲気が濁っちゃう感じもあって、ここら辺のバランスは難しそうだなー、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
そういう意味では、苦痛を緩和しつつ根本治療は(僕らにも馴染みがある)西洋医療に任す今回、結構良かったね。
作品を一つのパッケージとして、『そういうモン』で飲み込むハラは作れたので、今後はより鋭く面白い『そういうモン』をお出ししてくれると、より楽しくお付き合いできるかな、と感じました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
そうしてくれる期待感は、ちゃんと打ち立ててくれる第一話だったと思います。
次回も楽しみですね。
…しかし声優ユニットにブースターを積むオリジナルアニメというと”夏色キセキ”と同系統になるわけで、あのアニメのトンチキな手触り、ローカルなペーソスと独自の呼吸が大好きだった自分としては、波長が合うのも必然かなー、って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
奇アニメ力もどっこいなポテンシャルを感じるぞ!(褒め言葉)
追記 こういう益体もない妄想が広がるのは、お話が好きになってる証拠なので個人的に良い兆候。
あとあの世界観、ターミナルケアとして苦しむ患者の苦痛緩和を専門にしてる”レクエイム”って通り名のヒーラーがいそうすぎて、奇妙な角度で異様に煮えるのスゲェなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
絶対インドの”死を待つ人々の家”で、聖歌隊とヨーガの混ざった唱法を極めてきてるでしょ”レクイエム”…。
だって見たいでしょ…坊主の声明とか神父の聖句とか、音楽と混じり合った宗教的実践が実際に”癒やし”として力を持ちうる世界で、社会の一部として宗門がどういう存在になってるか…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
まぁそこに踏み込むと、別の地雷で作品の足が吹っ飛びそうなので本家ではヤんなよ! 絶対だかんな!!
この『音楽が力を持ってしまう違和感に、自分たちなり腰を据えて向き合ってみた』感は”戦姫絶唱シンフォギア”とも通じるものがあり、トンチキに真顔で対峙し続けるアニメが、なんだかんだ好きなんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
今後もそんな風に、奇妙な足取りで自分らしく、必死に軽やかに踊ってくれたら嬉しい。
追記 実態を反映しない便利なラベルとして、安易に使われ過ぎな言葉だよな、”宗教っぽい”。
しかし”宗教っぽい”てのも不鮮明な言い回しで、そんな言い方できるほど『宗教』なるものの実態、それを支えに生きてる人の血潮と体温のことお前が知ってるのかと、自分に問いかけないといけねーな、とは思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
時に歪にもなるが、それは別に”宗教”に限った話ではなかろうよ、つうね。
俺は個人的な興味からも置かれた環境からも、一般的な水準より『宗教』に視線が行ってる人間だと思うが、特定宗派への信心が形になっているわけでもなく、知識も浅い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月4日
理解不能な何かを揶揄して、自分を守る意味合いでそういう言い回しをするのは、あんま誠実じゃねぇなと自分に思った。気をつけよう