阿波連さんははかれない を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
密着低燃費系男女の青春日記、その三話目。
前回エキセントリックなヤバさを暴走させた大城さんだが、ライドウくんと阿波連さんがいつも通りのナチュラルボケなので、常識人ポジションに収まりつつある…てのがAパート。
あの二人、マジでやりたい放題だな…。
ライドウくんは阿波連さんの奇行を「~~じゃね?」と内言し、一見ツッコミを担っているようにみえるけども、常識ぶん回してその異様さを際立たせ、視聴者に笑いどころを可視化・共有するわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
むしろ「~~じゃね?」が、彼独特のセンスで突っ走るもう一つのボケである。
そこを是正する外部装置がないとどこまでもぶっ飛んでいくが、そのぶっ飛び加減は思いやりに満ちて、結構幸せなんじゃないか…てのがBパートか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
やっぱり独自の味付けと温度で、奇妙ながらも面白く愛おしい。
ライドウくんが阿波連さんのこと、とにかく大事に思ってるのが良いんだろうな。
不思議系美少女としてパッケージされてそうな阿波連さんが、結構雑に顔面を歪ませられ、ヘンテコなポーズを取る所が、僕は結構好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
大胆すぎる怒髪天とか、EDで回収する奇妙なダンスとか、外見イメージから受ける”丁寧な扱い”ってやつを、主役が甘受しないズレは心地よい。
大城さんにとっては憧れの美少女なので、家業で培った美容能力で色々ケアもするのだが、当の阿波連さんが自分のツラに無頓着だし、ライドウくんの想いもそこにはあんまりない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
色んなところがズレているが、しかしズレたまま安定はしてきてて、ツッコミが火種のまま発火しない。
その不思議な状況が視聴者にとっても不完全燃焼かというと、メタ視点では奇人変人っぷりはしっかり強調されてて、『何もかもがおかしいよッ!』とツッコむ仕事が、視聴者に任されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
同時にそのツッコミは、当人たちがなんか幸せそうに暮らしているので、オートで無効化もされる。
笑いと日常の受容がこういうズレに満ちつつ、不思議な角度で作中のフィクションと、作外のリアルにしっかり刺さる所、独自のセンスと構成力だなぁ…とつくづく思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
例えばライドウくんのリップ塗り塗り、あれは高校生男女の”間合い”ではなかろう。
しかしそこをガチ恋距離も思い詰め、二人の関係を色恋に加熱することは、阿波連さんもライドウくんもしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
距離感分かんねーのはお互い様で、ライドウくんが相当阿波連さんに入れ込んでいる事実が、席替えを巡るトンチキな日々から見えても来るが、彼はそれを自覚しない。
…否、大事な人と自覚はしてるし、阿波連さんが幸せに過ごしてもらえるよう全力を尽くしてもいるのだが、その熱量と重さが尋常では無いことを自覚していない…というか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
”はかれない”のは、阿波連さんの奇妙さをしっかり受け止める主人公も同じことで、これが良いバランスなのだろう。
ライドウくんは妄想癖が強めなので、事実確認を置いてけぼりに突っ走る傾向が強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
世間一般の答えを勝手に背負って、席替え前最後のご奉公と元気に空回りし、結局愛すべき至近距離に戻っていく様子とか、それがよく見える。
今回は洒落ですんだが、いつかその暴走が痛みを伴うこともあるのかな?
奇っ怪人間のズレながらも幸福な日々と関係を、ジワジワ積むこのお話が、第1話で見せたような痛みを今後、どんだけ取り扱うか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
それはまだ見えないけど、ズレが生み出す擦過傷は、阿波連さんだけでなくライドウくんも悩まされるんじゃないかなーと、心配であり期待もしてる。
ライドウくん、トンチキながらとにかく阿波連さんのことを真摯に思う青年なので、持ち前のズレが痛みに繋がったとしても、そこで蹲りはしないだろうな、ていう信頼があんのよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
むしろズレを痛感したことで、より善くズレていきそうな感じがある。
愛は最良の潤滑剤であり、大城さんもライドウくんも、それはタップリ持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
そして阿波連さんも、自分を大切に思ってくれてる人に適正距離で、愛を返せるようになっても来てる。
どんだけトンチキで面白いズレがあっても、そこが繋がっていれば大丈夫だろう。
ふわふわ空中に浮かんで掴みどころがなく、しかしいちばん大事な所で確かに繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
そういうこの作品独自の距離感を、画面の外でツッコミ笑いながら確認するようなエピソードでした。
前回の出来事を経て、大城さんが想いをいい距離で制御できてる様子が見れて、とても良かった。
あと阿波連さんが顔面をグニグニ変形されたり、真顔で変なポーズ取るのは最高なので、今後もゴリゴリ押し込んで欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
いかにもフィクショナルな美少女として造作された存在が、イリーガルな使い方されまくってるとスゲー興奮するな…何なんだろうな、この感覚。
席替えの騒動は、自分のぶっ壊れ方を自覚しないまま、ライドウくんが”まとも”であろうと心がけている現れだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
偶然で同じ位置に収まったように見える至近距離は、そんな彼の空回りを作品世界が優しく見守り、『ズレてて過剰に近い。それで良いんだ』と告げたような感じがあった。
今後も奇妙な至近距離を維持したまま、二人の日々は転がっていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月15日
調理実習で一緒になった生徒は、トンチキなままノーツッコミで回る主役たちに、良いスパイスにもなってくれそうだ。
それをすぐさま起動させないところが、このお話独自のテンポだなぁ…などと思いつつ、次回を楽しみに待つ。