SPY×FAMILYを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
オペレーション<梟>完遂のため、嘘で固めた家族を作った<黄昏>。
スパイと殺し屋と超能力者が家族になるため、街に繰り出すも問題山積、歴戦のエージェントの心も折れかける。
笑顔とピンチに満ち溢れた、おでけけ記念日の果てにあるものとは!?
そんな感じの役者は揃った! これが楽しいフォージャー一家だッ! な、スパイファミリー第3話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
嘘まみれの主役たちがどんな日常を送っていくのか、その暖かな質感を丁寧に編み上げつつ、面接コントなりお出かけ漫才なり、一緒にいるだけでコメディになってしまう愉快さで、楽しく見せてくれた。
前回はお留守番だったアーニャちゃんがグイッと前面に出てきて、ちょこまかちょこまか可愛いところを乱打する展開となり、あまりのチャーミングにくの字の折れ曲がりつつも、大歓喜大感謝であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
超能力があっても児童なんで、思考パターンと立ち居振る舞いがマジ子供なのが、可愛すぎるギャップよ
アーニャの扱いは結構雑なのに、ヨルさんには常時ジェントルなロイドさんの外面と、”家族”という難ミッションに挫けそうになる苦労人気質のギャップ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
あるいは夜さんの麗しく朗らかな外装と、血なまぐさい内面の落差。
各キャラ魅力的な差異がしっかり内蔵されていると、楽しませつつ解らせる回だった
それぞれの外面と内面、嘘と本当がアーニャの読心能力を通じて結びあい、でも子供なので素直には繋がらず混線していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
そのままならなさがなんとも可愛らしくて、奇妙な面白さと温かみを作品全体に宿してくれる。
皆とんでもない嘘つきで犯罪者なのに、アーニャが読み解く心は温かい。
街に出た後、アーニャが思念酔いして鼻血まで出す描写は、家族の隣では彼女が傷つかないことを逆説的に証明する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
未だ戦争の余韻が残る”東”で、アーニャはその異能ゆえに傷つきやすい存在だが、<黄昏>が作った嘘のお城の中で、優しく守られ健やかに育まれていく。
ロイドさんはミッション完遂までの仮の続柄と、自分と家族を冷たい場所に止めようとするけど、今回の描かれた家の中と外を見てしまえば、それこそが嘘なのだということはしっかり伝わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
そしてそれは、紳士で正義漢な本性を仮面で隠し、冷酷さを作ってミッションに挑む男から、溢れたものでもある。
娘の無邪気に振り回され、妻の天然に悩まされ、ため息交じりの日々であるけども、その嘘はロイドさん自身を癒やし、家族を結びつけていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
そういう穏やかな温もりを、丁寧に積み上げていくエピソードだった。
美術や作画のクオリティがパないのが、リッチな生活感を高めていて素晴らしい。
前半どっしり、ヨルさんが越してきて”家”が出来ていく過程を追いかけるカメラは、彼らが暮らす家のハイセンス、美麗な内装と温もりを僕らに教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
こういう場所で暮らすなら、日々は楽しく、暖かく、美しいだろう。
そう思える空間を設計し、破綻なく描写し続ける筆の強さ。
やっぱ60~70Sのヨーロッパを基調に、デザイナーズチェアの傑作をさり気なく盛り込んだ独自の世界設計が、大変良い仕事をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
フォージャー家の周りには、…そりゃ色々ドタバタはあるけども、基本綺麗でいいものしか無いのだと、こっちを安心させてくれる美術だ。
そこを舞台に、楽しい他人の家族劇が楽しく踊る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
ヨルさんの殺し屋芸、アーニャの子供芸、ロイドさんの苦労人っぷりが楽しく噛み合い、あらゆる瞬間微笑みながら見守れるのは、とても贅沢な視聴体験といえる。
実質四才なアーニャの言い間違え、全てが至宝。可愛いねぇ本当に…。
ヨルさんは所々ぶっ壊れた内面を覗かせつつ、新しい絆に自然と溶け込み、朗らかで美しい”はは”として、家族に喜びを与えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
嘘で繋がった家族なのに、ジェントル極まる”ちち”と合わせて、マジで理想の家族像なのも、魅力的なギャップの一つだろうか。
そして、そんな外面は大事じゃない。
アーニャは大人たちの嘘を知りつつ、その奥にある優しさや暖かさ、面白さに素直に飛びついて、”家族”を頑張る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
その幼い直感こそが大事な答えで、アーニャと過ごすうちにロイドさんやヨルさんも、自分たちにとって何が一番大事かを学び、あるいは思い出していく。
既にロイドさんがアーニャに相当気を許して、飾らない自分見せちまってる様子とか、マジたまらないわけよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
百の仮面で覆った天才スパイが、その奥底に隠し持っているものはもう、アーニャちゃん可愛い光線で暴かれちまってんじゃないかいッ! ていう話よ。
おもしろ漫才を繰り広げつつ、一家は街に繰り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
休日は当たり前の家族がそうであるように喧騒と笑いに満ちて、優しさで繋がっている。
ロイドさんがアーニャに口では冷たく当たりつつ、抱き寄せたり膝曲げたり帽子かぶせたり、実際の行動全てが超ジェントルなのが最高だった。
敵と味方を冷静に見定めつつ、極力穏やかに朗らかに過ごす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
それは<黄昏>がかぶった仮面の一つなんだが、スパイという職分を離れた”プライベート”において、そういう人物なのだと思う。
そこすらミッションの一つ…というのが、ロイドさんの難しいところであり、影の戦士としての魅力でもあるけど。
今回のエピソードは、爆炎のエンゲージから始まった奇妙な夫妻のデートとしても読めて、常時紳士的なエスコートに導かれ、ヨルさんは可憐に咲いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
お互いの美しさ、麗しさが二人でいると更に際立つ、お似合いのカップル。
そういう姿が、アーニャをアクセントに堪能できるのも善い。
己の立場に縛られたロイドさんは、一人ならひったくりを見逃す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
街を歩きながら、血みどろな自分の仕事が『皆のため』になっていることを確認するヨルさんは、私人としての義憤のまま駆け出していく。
それを追いかけたロイドさんは、アーニャの読心能力に助けられて、正義を為す。
大変良い作画でアクションが踊ったVSひったくり犯とのバトルは、異能者一家がひとまとまりになると何ができるかを、巧く示していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
同時にただのファミリーコメディで終わらない、ハードアクションが必ずついて回るフォージャー家の”日常”を、しっかり届ける回でもあった。
前回『ヨルさんには”公”がない』と書いたけども、原作でチラ見せされてるガーデンの設定を思うと、超ネジ曲がった形の”非公式な公”みたいなものを、いばら姫の殺戮行は背負っている感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
ロイドさんが自分の立場と、背負った人民のために我慢した正義感を、ヨルさんは躊躇わず暴走させる。
それが<黄昏>が本当にしたいことを、代理でキックスタートさせていくって側面が、この嘘まみれの家族にはあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
あるいは嘘まみれの任務の中で、何が大事で何を守りたいかを、思い出させる仕事。
それは色んな物がぶっ壊れてるヨルさんに、あるいは世界に一度見捨てられたアーニャに…
大事なものを取り戻させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
老婆から手渡された飴ちゃんは、嘘の中に真を隠した聖家族への報酬…なんだけども。
お家に帰って楽しく日々を振り返る時、コーヒースプーンはばらばらの方向を向き、お皿はそれぞれ別々の色だ。
(画像は”SPY×FAMILY”第3話から引用) pic.twitter.com/JsUo6aKNrF
この暗喩的な静物画の方を、今回のラストカットに持ってきたのは凄いセンスだなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
嘘の中に本当を隠し、本当に見えて嘘まみれ。
そんなフォージャー家の日々は、ウソもホントも全部ひっくるめて楽しく明るいもので、何かが欠けた人たちがお互いを補い合う、”家族”のぬくもりに満ちている。
このお皿とスプーンの群像は、そんな主役たちの現状を凄くよく示す絵だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
嘘だけど面白い。嘘だからこそ面白い。
そんな作品の妙味を、アニメスタッフがよく捉えてる証左だと感じた。
ダイレクトなホッコリ描写、ストレートな笑い。
わかりやすさと力強さに満ちつつ、こういう影の描画も巧い。
そういう作品の強さが、自然とこちら側に手渡しされるような、フォージャー家の穏やかな休日でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
キャラの登場が終わったこのタイミングで、彼らがどんな日々を生きて行くのかジンワリ染みるエピソードを、この精度でしっかり仕上げてくるのはつえーな、と思う。
そして錦織監督×星野源、無敵の布陣で挑むEDも素晴らしい仕上がり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
モノクロームで形のない思い出から始まって、ちちとははに出会い学校に通う中、具象と色彩を手に入れていくアーニャの世界が、ポップに可愛らしく描かれていた。
(画像は”SPY×FAMILY”第3話から引用) pic.twitter.com/eY4xdvR3lG
この安心しきった寝顔をこそ、<黄昏>は守りたくてエージェントやってるし、その幻を追いかけて、”いばら姫”は血の沼に沈んでいるわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
作品を駆動させる一番つえーエンジンを、一番優れた表現で1分30秒、メコメコに殴りつけてくるの最高に良かった。
作風に相応しく、超オシャレだしね…。
つうわけで、大変楽しく、心温まり、キャラとドラマの見通しも良くなる第3話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
やっぱつえー原作をつえースタッフがつえーアニメに仕上げるの、文句なしに強いわ。
アーニャちゃん可愛いし、ロイドさんジェントルだし、ヨルさんは危うく美しい。
この筆が次回入学試験どう踊るか、楽しみですね!
追記 そして貼り付けた仮面にプライドを持ち、ミッションを完遂するハードボイルドな所も、ロイドさんの大きな魅力なのだ。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
”受験対策をせよ”ってサブタイなのに、家の中でキャッキャして、家の外でキャッキャして、楽しく休日過ごして…その結果、ちょっと対策できた、て描き方が好きなのね。
一家にとって何が大事か、ロイドさんがミッションの奥に何を見て、何を掴んでいくのか。
それが良く分かる第3話だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月23日
ロイドさんは”東西平和”つう建前のために命張ってる人なんで、家族はウソでしかないと強がるわけだけど。
それが生み出す温もりと、何も目的なく見返りも求めない絆こそが、彼が生み出し求めてるもので。
それを三人の生活は、ちゃんと与えてくれるのだ。