ヒーラー・ガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
仮免合格を果たしたかな達は、昂揚と緊張に調子を狂わせつつも、初の現場へと赴く。
外科手術のサポート要員として、アクシデントに揺れる気持ちを支え、患者の命を繋ぐ。
ひよっ子ヒーラー最初の一歩は、少女たちをどんな場所へと連れて行くのか!?
そんな感じの医療と業界越境要素強め、新機軸お仕事アニメの第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
前回日常描写濃いめのキャラ回だった分、『音声医療がある世界』に一歩踏み込んで描くお話を、少女たちのキャリアアップで新たに見える景色と混ぜ合わせながら描いてきた。
なお、今回も飯田剛士一人原画。
外科の現場に引っ張り出され、鮮血にクラクラなどしつつも、免状持ちの医療従事者として三人スクラム組んで仕事する様子が、なかなか頼もしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
四話まで来てみるとデカいイベントだけでなく、事前の準備とかそれを支える日常とか、ヒーラーが過ごす時間全部を描こうとする作品の画角も見えてくる
変わっていく環境に調子が狂ったり、それを三人ドタバタ笑いながら乗り越えたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
歌が癒やしの力を持つ仮想世界の実在感を、そんな時間を丁寧に追いかける中で高めていく作風は、柔らかな面白さとカッチリしたリアリティを同居させ、オリジナリティが濃い。
色んな表情が見れて、見てて楽しいしね。
というわけで前半は、崩した表情多めの日常スケッチ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
ギャグ顔もどこか上品で、愛嬌のある作り方なのがこのアニメらしいな~などと思いつつ、あんま変化はないけど確かになにかが変わった時間が、どっしり切り取られていく。
緊張でガチガチになったり、過剰に入れ込んだり、巧く乗りこなしたり。
何も変わってないと言いつつ、確かに何かが変化した日常が三者三様描かれ、なかなか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
フワッとした少女青春物語でありながら、仕事の階段進んで戸惑う新人あるあるが巧く盛り込まれて、お仕事モノとしていい塩梅なのが、大変独特である。
この戸惑いの季節を経て、確かな一歩もある。
Aパートラストで踏み出す一歩はあくまで朗らかな遊びで、生真面目な玲美ちゃんはそこに付き合わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
「い~~~っぽ!」とおどけて笑うかなちゃんの表情が大変良くて、彼女たちを取り巻く青春の息吹が、真っ直ぐ伝わってくるような名場面だった。
この遊びの一歩を、後に回収するラストが良い。
Bパートは師匠と師匠の女達に手を引かれる形で、業界越境のテストケースとして外科のサポートを頑張ることに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
あくまで実効ある医療行為は実在の医療に任せて、歌によるヒーリングは(物理的証明に裏打ちされた)精神的サポートに徹してるの、良いバランス感覚だな、と思う。
かなちゃん達の成長に合わせて、作品世界の分解能がドンドン細やかになっていくのも、作り込んだ仮想世界に視聴者を引き込む大事な工夫で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
今回は師匠のキャリアがヒーリングの外から始まり、協力者がいて、ヒーリングと一般医療の間には壁があること…かな世代がそれを壊すと期待されてることが解る
僕らの世界がそうであるように、社会的構造物にはそれぞれのアイデンティティがあり、隣接し反発し融和しながら、それぞれの責務を果たしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
歌うたいの力なんぞ借りなくても、医療は自分で仕事ができる。
そう考える人達がいるのも、自然なことだろう。
ここら辺の硬直した状況に風穴開けたいのが師匠達っぽくて、今回の初仕事も気楽なチャレンジという空気をまといつつ、結構政治的な一手だなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
サバサバヒーラー道だけに邁進してるように見えて、かなり野心的だよね烏丸師匠。
流石、マリア・カラスが元ネタだけはある。
免状貰って、負荷と責任が大きい現場にも出れるようになった見習い達の目を通して、ヒーラーがどんな仕事してるかも見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
『喉を残す』っていう概念と、幾度も休憩所に行ってお水飲む描写が、ロードレース選手めいた長丁場の過酷さを教えて、とても面白かった。
アスリートがそうであるように、ヒーラーって日々の鍛錬で鍛え上げた自分のフィジカルを冷静に観察し、課せられたミッションをやりきれるよう適宜使い潰しながら、結果を残す仕事なのだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
あんなにファンタジックな表現をされながら、その駆動理念はシビアで、明確な限界がある。
そこを緩くすると、命を扱うシビアさもまた緩んでしまう…つう判断なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
ただただ歌って、手術のプレッシャーでピリピリしてる現場の空気抜き続けてると絵面的にマジ地味なので、TCGアニメ的イメージ表現にもなるけども、本質的には地道でタフだ。
なので、過去のヘマから学び、それを仲間と共有しながら成長していく描写もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
第3話でかなが体験した知見を、その場にはいなかった二人に分け与えて窮地を乗り越えていくのは、新米チームのお話として超王道であり、ヤッておかなきゃいけない描写でもあった。非常にグッド。
よく制御された程よい緩さの日常と、張り詰めながらも希望を壊すほどでもない命の現場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
この緩急が作品に独自のムードを生み出し、少女たちの成長物語としての、”音声治療”という嘘を大真面目に描く医療SFとしての、面白さに繋がっている。
可愛いと楽しいと面白いの配分が、ちょうどいいんだな。
かくしてアクシデントに揺れつつ、頑なボーイの初オペは成功に終わり、ひよっ子ヒーラーも自分たちの責務を果たせた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
外科と音声医療、両方の現場が混ざり合う今回、両方にひよっ子がいて”初仕事”を成功させる構図になってるの、かなり面白かったな。
こういう形で、各業界の”お互い様”感だすのね…。
夢の世界三大ヒーラーへの偉大な一歩を、あの時は踏み出してくれなかった玲美ちゃんが、お風呂からスラッと伸ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
ちょっとエロティックで挑発的で、だからこそ青春の息吹に満ちたエンディングで、凄く良かった。
このお話っぽい、爽やかな艶やかさだなー、と感じた。
”最初の一歩”への対応を書く中で、三人娘の現実認識がそれぞれ違っていて、でも同じ夢を見れてるのが解るのが面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
かなはフワフワ上っ付いた夢を見て、だからこそ先頭で引っ張って、響ちゃんはそれを後ろでニコニコ見守りながら乗っかり、玲美ちゃんは足元確認を怠らない。
この人格的アンサンブルが好バランスだから、三人娘がスクラム組んでキャリアを進めていく話としても、日常でキャッキャする話としても、楽しく見れるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
ホント三人の凸凹がよく噛み合ってて、なんでもねー会話聴いてるだけで楽しいからな。
作品の主エンジンが、良く仕上がって強い。
というわけで、かな達の初仕事に乗っかる形で、音声医療がどういうモノかもより良く見えるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月27日
僕はこの作品、SF的奇想シミュレーターとしても楽しんでいるので、こういう形で世界を教えてくれるのはとても嬉しかった。
この一歩から新たに見える景色は、どんなものか。
次回も楽しみ。