SPY×FAMILYを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
遂に迎えた、イーデン校受験本番。
十重二十重に巡らされた監視と試練を、嘘つき家族は華麗に乗り越えていく。
真のエレガンスとは何か。
アーニャの涙と<黄昏>の拳が、老教師の心を打つ。
運命の合否や如何に!?
そんな感じのおもしろ愉快お受験アニメ、テロも暗殺も今回はなしッ! な、第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
家族の誰を軸にするかで、東西冷戦の狭間に揺れるスパイの物語とか、美しい顔に危うい魂を宿した血みどろ暗殺者の話とかに切り替わる、このアニメ。
今回はアーニャが軸の、スタイリッシュ家族劇である。
何しろアーニャは子供なので、起こるハプニングも微笑ましいものだし、しかも可愛く面白い子供なので、セリフのやり取りも起きる事件も大変愉快である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
濁りのないキッズ・コメディの主役として、健気さも含めて大変良い感じなのよな。
そんな彼女を囲む時、スパイも暗殺者も”良き親”の顔になる。
それは二人が隠す裏の顔からすれば嘘で、でも確かに心の何処かに宿ってる本当でもあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
冷酷なスパイ、あるいは暗殺者が確かに持ってる人間味を引き出す触媒としても、アーニャは大変優秀である。
そして嘘の父母と触れ合うことで、アーニャも欠けてるものを取り戻し、満たされていく。
オペレーション<梟>の成否とはまたちょっとズレた所で、一家は運命を共にする共同体であり、欠けてしまえば魂の大事な部分が抜け落ちる、真の家族にもうなってしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
アーニャの涙と任務、両天秤にかけて前者を取ったロイドさんが、任務第一な口ぶりの奥で何を求めているのか。
そういうのも、良く分かるエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
こういう硬い芯に、沢山の『そうはならんじゃろ…』というドタバタ、トボケたリアクション芸、アーニャの可愛い緊張と言い間違い、ヨルさんの天然と、多様な笑いがたっぷり付いてきて、なんともお得な感触である。
色々盛って濁らないのは、巧さの証明かな
さて今回のエピソード、主役はもちろんフォージャー一家…と言いたいところだが、ヘンダーソン先生のキャラが立ちすぎ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
山路さん大暴れの声芸と、一人だけ尾田栄一郎時空(あるいは田丸浩史レルム)な顔芸のあわせ技で、マージ面白い。
(画像は”SPY×FAMILY”第4話から引用) pic.twitter.com/FswCawE7pq
崩れに崩れた面白顔もすれば、キメる所キメるハウスマスターの表情も見せ、『今後の学園生活絶対面白いだろ…』と予感させる、ナイストンチキである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
監視対象を片眼鏡に反射させて、チョイシリアスな味出してる所とか、凄くシャープな演出だったな…。
ロイドさんの内言もそうだけど、カッチリスタイリッシュに装った人たちが、トンデモないトボケをぶっこんでくる、落差の面白さが今回は元気だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
色んなピンチを乗り越える時のキメ作画、そんなに頑張らんでも…てくらい良い仕上がりだからな。
(画像は”SPY×FAMILY”第4話から引用) pic.twitter.com/S8fr3ZEHiM
ロイドさん主演のスパイアクション、あるいはヨルさん主役の暗殺行だとメインディッシュになる、油と気合の乗ったスタイリッシュ・アクション。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
それをアーニャ軸の日常コメディに上手く活かすことで、ここでもギャップの笑いが元気である。
真顔で、ハイクオリティにやり抜く。
原則を理解っている…
『歴史ある超名門校が、毎年こんなオモシロ試験してんの…?』という常識外れを、更に常識外れなフォージャー一家が華麗に乗り越えていく、ある種の爽快感。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
それは俺たちのアーニャちゃんが今後日常を過ごす場所が、愉快で楽しいと教えてもくれる。
笑いが先の展開への、安心を生む構図よね。
かくして数多の罠を乗り越え、寮長先生に特大のエレガンスを叩きつけた一家は、面接試験へと挑む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
最後に顔面イワされるためだけに生まれてきた、ひがみ根性とハラスメント体質を人間の形にしたオッサンの”圧”が、なかなかヤダ味濃いけども。
(画像は”SPY×FAMILY”第4話から引用) pic.twitter.com/iZzf8DK7gS
まークズが飛ばしてくる泥を華麗に回避し、逆手に取って投げ飛ばす”スカッとオスタリア”な部分もある話なんで、事前のタメは大事よね。ヨルさんの婚期コスりとかね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
しかし、アーニャちゃんを泣かしたことは許されざるよ!
ロイドさんが血を流し、寮長先生が殴って腹の虫も収まるけども。
この面接、ドタバタ激しい前半と比べて落ち着いた感じで進むわけだが、その分心理劇の色合いが濃い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
任務優先、家族は他人と自分に言い聞かせている時、嘘つき家族の顔は見えない。
しかし亡母を思い出し流れる娘の涙を見た時、百の顔を持つスパイは素顔のまま、任務に背を向けてしまう。
怒りの鉄拳を人間相手ではなく、机に向けても赤い血は流れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
ここら辺、”いばら姫”が纏う赤が全部返り血なのと、面白い対比だなぁ、と思う。
私情を切り捨て公務に徹するべきスパイほど、娘のために赤い血を流す。
一方ヨルさんは『(殺す…か)』ってスイッチが、早めに入ってた。あぶねー所だった
前半では緊張のあまり間違った”です・ます”調で笑わせてくれたアーニャちゃんだけど、フォージャー家での暮らしを問われた時は、淀みなく100点と答え、涙を流す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
それは事前に用意してきた答えでも、テレパシーでカンニングした嘘でもないから、すらすら言葉になるし、止められないのだ。
実際アーニャちゃん4歳で小学校受験やってる形だし、この時期の二歳差ってメチャクチャデカイと思うのだが、ようやく手に入れた安住の地を手放さないため、彼女なり必死に頑張る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
その健気さに、ミッションを抛ってでも応えるロイドさんの熱血は、やっぱりスパイに向いていない…のか?
人間という存在、それが寄り集まった国家のハラワタを探り、血と嘘で平和を繕うスパイという仕事を完遂するためには、コレくらいの情熱と理想がなければ、果たせないのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
そんな事も思わされる、まさかの任務放棄である。
そういう志が届く人が、イーデン校にもいると見せる回でもあるか。
先週はてんでバラバラの方向を向いていたコーヒーカップも、嘘つき家族の確かな絆を確かめた後は、ちょっと同じ方向を向いてきて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
とにもかくにもお疲れ様ッ! で終わらない、家族写真の不吉な予兆で、今回はおしまい。
(画像は”SPY×FAMILY”第4話から引用)https://t.co/Hyd9ewhbe0 pic.twitter.com/mDEIdmKe9U
そんな感じの、たっぷりの笑いとツッコミどころ、健気とエレガントに満ちた、ドタバタ楽しい受験本番でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
嘘と秘密に塗れた家族にとって、本当に大事なものはなにか。
上から押し付ける形ではなく、笑っているうちに自然と染み込む感じの描画で、大変良かったと思います。ロイドさんの血が熱すぎ。
ずっと一緒が良いと、皆が心の底で願っている嘘つき家族。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月30日
それを結び合わせている任務は、<黄昏>怒りの鉄拳で粉砕されてしまうのか。
はたまたその熱を受け取った寮長先生の計らいで、イーデン校の扉が開くのか。
入ってからも可愛さ満点、一家の物語はまだまだ続くッ!
次回も楽しみですね。