時光代理人 第3話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
皆さんご存知、超熱血バスケアニメも第三話。
田舎の弱小チーム最後の意地が、ダーティなプレイを辞さないクズどもに壊されようとした時、シックスマンが才能を炸裂させた。
ラストシュートの行方は如何に…というお話。
いやー…ビックリだね本当。
あまりにも本気過ぎるバスケ作画に面食らったが、写真を通じて過去に潜る物語の構造が、バスケとはトキとヒカリにどんな意味を持つかを次第に暴いていくドラマと巧く重なり、未来改変のサスペンスも巧く盛り上げて、良く整った仕上がりだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
情報の制御が、とても上手い。
軽い感じでいつもの依頼、いきなりのダイブで敵味方の状況もわからないまま、ただただ試合をこなして”仕事”の瞬間を待つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
スタートはそんな感じだ。
体育館は廃墟のようにボロく、試合自体は負けが約束された出来レースで、チームメイトも冴えない。
この体温低い所から、マジガンガンにアガる。
やっぱスムースで丹精な競技の作画が、エピソードを下支えする最強の武器だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
ココがけして緩まないので、トキがバスケに費やしてきた別格の情熱、それ故バスケだけは譲れない思いの強さもよく伝わる。
薄汚い反則で、それを踏みつけにする相手に負けられない気持ちも。
第1話はダークな現実を飲み込み、第2話は忘却の中から輝くものを思い出させた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
ここまでは(少なくとも表面上)ダイブによる未来改変が起きずに進んできたが、今回はフラッシュを焚いた瞬間から、運命が変わっていく。
『そんな小さなことで!?』と思わされるトリガーが、バタフライ効果を思わせ良い
トキとヒカリの関係性、異能によるダイブが生み出しうるもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
作品が何を扱い何を描けるか、その可能性を視聴者に突き刺すための手順が、非常にロジカルで良く整理されているのが、このお話の強み…の一つである。
作品内でどんな事が起こりうるのか。
どんな価値や情動を、この物語は彫り込めるのか
熱量と人情のあるドラマをしっかり駆動させながら、作品全体の見取り図を段階を踏み、視聴者に受け取りやすい形で手渡す計画性が、今後への期待を高めもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
ダイブが生む光と影、”仕事”をミスなくこなした場合は、ここまでで見えた。
んじゃあ、ミスをしてしまった場合はどうなるんだ?
そんな疑問が見ているうち自然に生まれ、熱い試合がそれに的確に答えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
作品から読み方を押し付けられるのではなく、的確にガイドされて噛み砕ける構成になってるのは、やっぱ凄いな、と思う。
しかもこのクレバーさが、スタイリッシュで自然な描線に隠され、悪目立ちしない。
今回で言えばそれは試合自体のイカした描写であり、写真の中の過去と、二人の思い出がシンクロしていく温度である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
人生でめったに出会えない、信頼というパスを手渡せる相手。
トキにとってバスケがどれだけ重たく、ヒカリがどれだけ大事かが、変えてはいけない負け試合の中で熱く炙り出されていく。
ここにキャプテンの無骨で真っ直ぐな思い、地方都市の悲哀が精妙に絡み、勝ってはいけないはずの試合は絶対に勝ちたい試合へと変わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
このジレンマを試合展開に合わせてしっかり引っ張り、ラストショットの行方でスパッと切り落とすのも、大変良くできた話作りである。
時の迷人として、冷たいビジネスをしに来たトキは、他人の人生に共感し、またバスケという聖域に踏み込んだことで、試合の当事者として温度を上げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
それは優しさという美徳だが、世界のルールを捻じ曲げうる異能が背景にあると、押し殺さなければいけない凶器にもなってしまう。
それでも、バスケだけは譲れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
そう思い込んでスーパープレイを連発するトキの気持ちは、痛いほどよく伝わる。
この切実さが、競技への敬意となってエピソードを強く裏打ちもしている。
他人のはずのキャプテンが、負傷をおして奮戦する強い気持ちを、そこに響かせているのも良い。
トキは眼鏡を必要としない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
被写体に乗り移ったとしても、その眼も心もトキそれ自身のモノだ。
何を見て、何を感じ、何をするかを写真の中、トキは自分で決めれる。
それはとても正しい。
しかし世界は…ヒカリとのビジネスは、時にそれを許さない。
それでも心通わせたチームメイトを信頼し、投げたボールは運命のゴールへと吸い込まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
それはただ勝敗が変わっただけではなく、トキが熱く燃える自分の心を、冷たい”仕事”よりも優先させた結果だ。
そしてその思いは、ヒカリと繋がってるからこそ強く熱い。
トキの圧倒的個人技で最初は見せつつ、それに触発されてチームがチームに為っていくこと、バスケはパスを出す競技なのだと描いていく筆が、写真の中と外、譲れないものを見事に照らしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
それを裏切りたくないから、トキはパスを出し勝ちに行った。
それがどんな結末を導くかは、次回を見てみなければ解らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
コート上の熱狂に浸されていると、トキのプレイも決断も、全く正しい答えに思える。
自分が見つめ感じたものに素直に、譲れぬものを守って戦う。
しかし引いた目で見てみれば、それは現実改変の大罪でもある。
この主観と客観のズレが、写真の中に潜るトキと、それを外側から見つめるヒカリというキャラクターの立ち位置にしっかり重なっているのが、見事な表現である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
黒白綺麗に分かれた相棒が、それぞれ足を置くもの。
感情と理性、暴走と制御、実感と俯瞰、個人と社会、人生とビジネス。
それはお互い信頼を預け合うかけがえのない絆であり、二次元の写真と三次元の現実に否応なく切り離されるものであり、アドバイスを与えてもそれに従うかはダイバー次第の、危うい関係でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
繋がり、絶たれ、二人のパスは何処に向かっていくのか。
ゴールはしたが、それは始まりでしか無い。
そういう戦慄に満ちた予感も含め、大変に整ったエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
バスケの熱さでグーッとのめり込ませて、ゴール入って『ヨッシャー!』ってなって、ふと『え、ヤバくね?』と我に返る。
エモーションの曲線をどう作り、どう制御するか。
それを作中のドラマ、物語の構成とどう重ねていくか。
そういう事に怪物的な視力と腕力があることを、しっかりと示してきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
ここまで三話、マジで巧すぎて震えるが、キャラがしっかりチャーミングに描かれて、トキとヒカリが好きになってるのが偉いなー、と思う。
巧すぎる話って、そういう所置き去りに進んじゃうことがあるからね…あざとくて偉い。
青春の狂熱が冷めた後、目の前に広がる怜悧な現実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月3日
それを改変しうる異能を制御する責任と、未来に広がる波紋の行方。
次回一体どうなるのか、大変楽しみである。
異能サスペンスとして、情報の隠蔽と開示が的確なの本当に強いよなー…主役の内面や過去の見せ方含め。