ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
唐突に投げ込まれたスキャンダルの余波は、”LIP×LIP”を大きく揺らす。
ファンとして友人として、マネージャー見習いを退くというひよりの決断を前に、少年たちに何が出来るのか。
身近な人の言葉に背を押され、愛蔵と勇次郎は会見に挑む。
そんな感じの青春絵巻は超大荒れ! クライマックスに向けて起伏の激しい第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
まーったくプライバシーや児童の権利に配慮しないまま状況が転がってて、『ぜってーこの世界で児童に労働させたくない…』というゲンナリ感が、濃厚に漂うが、まぁそこは本筋には関係ない…
つうか、そこを気にしてるのは俺が外野のオッサンだからで、メイン客層にとっては”子供”が主役であるための重要なファクターなんだろうな…とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
ここで”責任ある大人”がしゃしゃってきて、正しくクソみたいな状況に適切な対応を取って、傷が少ないよう立ち回ったとしても、それは大人が主役の話
困難を打破する主権はあくまで子供サイドにあるべきで、結果としてバッシャバッシャ波風が直接、子供らに折っ被さる状況になっているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
その理屈はわかりつつ、事務所のカスっぷりは本当に凄いと思う。
ひよりちゃんへの対応だけでなく、”LIP×LIP”本人に会見させる所とか。
ここら辺のリアリティを持ち出すのは、ガンダム見ながら『二足歩行の巨大ロボットとか、戦車のほうが良いだろ~』とか言い出すようなもんで、対象年齢を絞ったファンタジーの前提を殴りに行く行為だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
正直な話メチャクチャ気になるポイントではあるが、そこが大事な話じゃないのも飲めはする。
むしろここで”責任ある大人”を介入させないことで、特定年代の当事者性、共感、ある種のエンパワーメントを成立させる土台が出来てんだろうなー、という観測が、自分の中で成り立っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
『児童誌であるコロコロにおいて、絶対に”おもちゃ”って言葉を使わないって内規と同じだ』という納得。
さておき、話の方はひよりちゃんが因果を含んで一歩引き、愛蔵と勇次郎それぞれの身内が迷う二人の背中を押す形で、次回に続いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
ファンを疑うな。笑わせろ。
アイドルとしての”正解”を言う役はやっぱりひよりちゃんで、倫理的優越は常に彼女の方にある。
男の子は迷い、女の子が導く。
太眉ボサ髪裏方仕事の惨めさと、答えはいつもこちらが握っているという優越の同居。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
プリンセスになりうる資質を持った灰被りが、最終的にどういうところに流れ着いて、根性悪な顔面優良男児にどう突き刺さるか。
こっからの話運びは楽しみである。
明瞭な恋愛関係まで行かないのかな、この塩梅だと?
ひよりちゃんという主役抜きだと、”LIP×LIP”の人生はあんまいい方向に転がっていかなくて、この介入可能性=自主的な突破能力の欠如が、男女の差、見た目の差を超えて二人を”ヒロイン”足らしめている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
一見華やかで夢を与える”アイドル”が、滋味で誠実な少女を特別な存在として選ぶ構造に見えるけど。
その実、人生の正解を無意識的に掴めるひよりちゃんが、二人と出会って導いていく構造だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
今回のスキャンダルはそれが揺らいで、真実”LIP×LIP”がひよりちゃんの手を引くためのチャンス…になるか、否か。
試練は否応なく変化を求めるので、やっぱ波風があると話が動く。
ひよりちゃんが悪しき撤退から立ち上がって、自発的に動き出すのはもうちょい先なので、まずは”LIP×LIP”が家族と向き合いつつ、背中を押して貰うフェイズ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
愛蔵のにーちゃんは絡み結構あったから納得だが、勇次郎弟はもうちょい顔見世してから仕事したほうが良かったんじゃね? と思う。
ここで家族関係にクッションかけたのは良い手筋だと思ったし、ここに至っても鏡写しのシンメトリー、二人まとめて”LIP×LIP”で描画されるのも、ある意味カルマ濃いなと感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
連作先も交換しあわねー、ソリの合わない仕事仲間…ってサーフェス張っているが、二人の描き方は基本癒着している。
”LIP×LIP”から切り離された愛蔵個人、勇次郎個人という存在が、『プレイボーイの兄に反発する弟』『家業の重さに苦しむ御曹司』という記号を離れた部分で、あまり見えてこない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
そのタバで扱う処理が、彼らの行動を上手く制御しつつ、ひよりちゃんの相手役として必要な、綺麗な顔を照らしていく。
表面的ないがみ合いより深い部分で、彼らの意見が一個人として衝突して、乗り越えるべき矛盾が生まれる瞬間って、多分この先もないんじゃないかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
ここら辺の割り切った機能主義的描写こそが、オーソドックスながら強い話運びを駆動させる、大きなエンジンなんだと、勝手に想像している。
残り話数と合わせて考えると、『個性ある二人のうち、どちらを選ぶか』というドラマまでは踏み込まず、『アイドルと恋愛する禁忌、世間の無理解を越えていく』『不定形に思える社会の中で、己を吠える』っていうドラマで、話は落ち着く…と予測しているが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
そこで落ち着くなら、個別の顔はいらんか。
『オメーら不仲営業やめろッ!』と思わされる(こうツッコむのも、また楽しいわけだが)シンクロっぷりは、顔のある個として一人ひとりが描かれるのではなく、属性を変えつつ根っこの部分で繋がっている”LIP×LIP”として描かれ続けることが、多分根っこにあるんだろうな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
一個人それぞれの陰影を彫り込むには、尺的にも物語のポテンシャル的にもコストがかかるので、”責任ある大人”と同じく、そこは(今回は)大事じゃないのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
んじゃ、何が大事で何を描きたいのか。
それを知りたくて、こうして俯瞰で作品を腑分けもしてる。最後まで見る。
やっぱこの冷感症的なスタンスで作品と向き合ってるの、褒められたことじゃねぇよなぁ、とは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
作品が供給され受容される文脈と環境からあんまり遠い立場に座る以上、ときめきのど真ん中で当事者として作品を浴びるってのは、もともと期待薄なわけだが…まぁ、こうなるしかねぇ、か。
自分のことはさておき、家族の支えも受けて”LIP×LIP”はファンの顔を見つめ直し、記者会見へ臨んで、伝えるべきを伝えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
この善き行いが、ここ数話で腐った側面を見せつけてきた作品世界に、どんだけ響くのか。
…ここで”ファン”が顔を持ってくる話運び、になるのかな?
スキャンダル騒動で、芸能のドス黒さ、アイドルの難しさを掘れたのは、個人的にはいい感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
ここでタメた分、アイドルとファンの輝かしい関係性をぶち上げて最終局面までぶっ飛ぶ…て展開だとは思うのだが、さて部屋で体育座りしてるひよりちゃんがどう動くか。
あるいは、動かされるか。
そこら辺を楽しみにしつつ、次回を待つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月9日
『マネージャー辞めるのが正しい、距離を取るのが正解』と、否定するべき答えがひよりちゃんを閉じ込めてる状態、そこにうずくまってる本当の願いが分かりやすく可視化されてるのは、結構好きな描写でした。
こういうダイレクトな食感は、なかなか好み。