ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜 を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
必殺の一撃もなんのその、タフに青春を走るひよりをよそに、”LIP×LIP”はカウントダウンライブに全霊を注いでいた。
千鶴と仲直りし、ファンの本道に彼女を戻すべく、マネージャー見習いは奮戦する。
果たして二人は開場に間に合うのか!?
そんな感じのドタバタ青春絵巻、遂に遂にの最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
なんというか…なるほどなー、という感じの終わり方だった。
ひよりちゃんの青春はまだまだ続き、恋は予感だけ漂って形にならず、アイドルとファンそれぞれの”大好き”を噛み締めて終わる。
そこが、このアニメの決着である。
見始めた時から、もうちょい踏み込み煮込んだ所に話を持っていくと予測…あるいは期待していたので、正直消化不良な感じもあるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
ここをひとまずの決着にするなら、渚くんへのリアクションは現状に嘘のない、素直なアンサーだったんだなぁ…という納得もある。
今まで結構言葉を選んで感想を書いてきた(選んできたの、これでもね)わけだが、アニメの放送もこれがラスト、自分が何を望み何が叶わなかったかを率直に語っていこうかと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
正直、もっと恋愛すると思ってたし、もっと”アイドル”すると思ってました。
でもまー、書かれてみりゃそらね…。
千鶴ちゃんの暴走って純粋な愛がどんだけ脆く反転して、他人を陥れて恥じないクズにファンが堕ちるか、結構上手く描いてたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
しかしそれはピュアなファンが一瞬の気の迷いで間違えて、友情に助けられて自分を取り戻す物語として収束していく。
僕から見ると、彼女の存在はアイドル稼業の必然だ。
そういうモノを生み出してしまう陰りが、自分たちのビジネスと自己表現の中にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
そのことを直視した上で、”それでも”とアイドルにしがみつく何かを”LIP×LIP”には提示して欲しかったわけだが、カウントダウンライブでの到達点は、大好きだと言ってくれるファンを大好きだと思える所…までである。
そんな彼らをFT4は『純粋になった』と評するけども、むしろピュアだからこそ狭い視界の外側にあるもの、蔑ろにしたものの危うさが見えずに、写真でハメるは拳で殴るわ、大暴走も起こすんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
”アイドル”には、演じるものもすがるものも、そういう魔力がある…と、僕は感じてる。
そこに踏み込んだ上で魔女の呪いを解いて、自分たちが立ってる場所の意味を見つめ直す展開が来るかな~、来てくれねーかな~…などと思っとったわけだが、そういう方向には進まなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
まーここまでの描き方、踏み込み方を考えると、純粋さを掴みとった所までってのは、嘘がない結末だとも思うが
踏み込みが弱く感じるのは”LIP×LIP”とひよりちゃんの距離感もそうで、チケットはマネジじゃなく主役が渡すべきだろッ!! と思っちゃった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
自分たちが親しくしたせいでひよりに泥がかかったのを見て、”アイドル”として異性と接する距離感を考え直した結果…とも取れるが、熱が足りんよ熱がッ!
このカキワリ感は、愛蔵と勇次郎が顔のある個別の人間ではなく、”LIP×LIP”というグループ単位でしか行動も決断もしない、ニコイチな扱いから生じているのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
二人の意見が対立して、どちらかしか選べない結末に向けて背中を向け合う展開は、成熟した自我の証明には必須だと、個人的には思う
しかしアニメの範囲だと二人は両立しない何か、譲れない願いを求めることはなく、表面上の不仲とは裏腹に、同じ方向を向いて同じことを考え、同じ行動をする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
その省エネな扱いが、意思を持つ一人間として彫りを深くするチャンスを、彼らから奪っていた感じもある。
恋もまた、誰かを傷つけたり正しくはなかったり、わかっているけど譲れない思いに向かって突っ走り、キャラクターが人間であることを証明する有意義な見せ場足り得たかと思うが、渚くん回で示されたように、ひよりちゃんはそれを求める段階にはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
そして”LIP×LIP”は、恋の幻を平等に売る仕事である
それでも、だからこそ…というギト付いた情念には踏み込まず、あくまでマネジ見習いとアイドル、健全なお友達どうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
そう描いてきたのだからそこまでで終わるのは納得なんだが、僕はもうちょいグツグツ煮込んだ所まで話が転がると思ってた。
期待してた、と言い換えてもいい。
それは本来そう書かなければいけない、という話でも、そういう物語が正しい、という話でもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
僕の好みと、キャラクターの配置、ビジュアルその他から立ち上がる予測、ジャンルとしての定石などなど混ぜ合わせて、僕が『こうなって欲しかった』てのとは、ただただ違う、というだけだ。
正直な話、青春芸能物語の輪郭を外れなくなぞる丁寧さを超えて、今ここでこの話をしている理由、キャラクターが他でもないここで何かを選ぶ理由ってのを、僕は見たかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
そういう、唯一絶対で複雑怪奇なものをえぐり取ることを、受容者から求められていない物語なのかもしれないが、僕は見たかった
でもそれは、僕のセンサーが『今やってるの、こういう話だよ!』と囁いてくる描写を、見たがってる物語の幻影で見落とした結果である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
結局最後まで、上手く作品と対話できていないザラツイた感触が残っていて、それは大概見ているこっちのせいである。
まぁ、しょうがねぇ。
例えば未成年者をあんだけの報道禍に巻き込んで、なんか感動モノッ面で復帰を進めてくる事務所社長とか、全くノレないポイントなわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
ここに引っかかるなら、そもそも秘密のマネージャー業つう話の前提自体が成立しておらず、全てが元通りになる安心感も生まれない。
過度にシチュエーション・ドリヴンというか、定形でアガる場を作るために作中の必然性が横に置かれ、『まぁ、そうなるならそうなんだろう…』みたいに、展開を飲み込む状況が、自分的には多かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
定形をこそ求められているのならば、そういう話運びこそが正義であり正解なのは、まぁ解る…つもりだ
ただまーそういう所を全部横において、見たかったものを無責任に吠えておくと、もうちょい”アイドル”であることの闇と光を、恋をすることの難しさを、一人間としてのあの子達に向き合わせてあげて欲しかったかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
素材と筆致は、かなりいいものが在るわけで。
ややパキッとした色彩でポップに組み立てられた清潔な世界観も、力みのないチャーミングがあるキャラ造形も、僕は好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
だからこそもうちょい活かす書き方が…て言い方は、自分が見たかった物語を正解として捉えすぎた、極めて身勝手な物言いだろう。
自分にはガチッとハマらなかったが、他でもなくこういう転がり方と終わり方をしたこのアニメが必要で、自分の物語だと強く願える人がいて、そういう人の呼応で、お話は成立している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
そういう事を思い出せるって意味では、結構得難い視聴でもあった。
それが、ドンピシャに僕であっては欲しかったけど
まー最後に一切の飾りを外して喋ると、千鶴ちゃんとの仲直りは”ない”だろ正直…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
『魔が差しただけ、ホントはいい子だから』で済ますには、ぶっこんだ行動がヤバすぎ重すぎ手が出すぎに感じるが、ひよりちゃんはそれで良かったの?
良いのか、天下無敵の天真爛漫娘だもんな…。
ああいう大暴投も許容して、地獄まっしぐらの悪魔ファンを正道に戻せるのが、”アイドル”を純粋に愛し続ける”正しいファン”ての強さ、あるべき姿なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
…ひよりちゃんが人生のままならない場面で、もっとボキボキにされる話が見たいか見たくないかって言われると、まぁ見てぇわな。
もっと強力に圧をかけて、逃げ場も嘘もご都合もない試練でもって、純粋であること、”アイドル”であることを試して欲しかった…てのが、終わってみての正直な気持ちなんだろうな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
でもこのアニメが、最初からそういう話じゃねーのは理解してるつもりだ。
つまり、僕はハナから間違えていたのだ。
そんな結論に至りつつ、そうなってるのは100%こっちの都合なわけで、作品は全く悪くない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
最終局面だけこっち好みの重力で、話捻じ曲げたら、それこそ嘘だしね。
物語的負荷の強度、キャラクターの現状と希望、全体的な世界律は、最初から示されたトーンをはみ出さず、嘘がなかったと思います。
こうして考えると、”一貫性がある”てのは自分の中で、フィクションを判断する大事な軸なんだな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
何を選び取ってどう描くか、それは作品ごと様々にありえるけども、一度軸を定めたら、そこに嘘はつかないで欲しい。
そんな願いには、答えてくれる作品であったと思います。
まとめて言ってしまえば、どう考えても向いてないタイプの作品が、やっぱり向いていないことを確認するような視聴でしたが、楽しくはあったし、良い経験にもなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
この先ひよりちゃんと”LIP×LIP”を待つ物語が、波乱を含みつつ幸せであって欲しいなと、素直に思えたのはとてもありがたい。
本気で嘘をつく商売をナメてたクソガキ共が、ファンを”大好き”と思えるまでの物語と、それに間近で寄り添い、”アイドル”の凄さを知った少女の、現在進行形の青春。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月24日
12話、面白かったです。
ありがとう、お疲れ様でした!