まちカドまぞく 2丁目を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
ミカンの不幸体質を払うべく、その心に潜ったシャミ子と桃。
混沌は形を為し、対話を通じて己の業を知る。
消えゆくウガルルを現世に繋ぐべく、少女たちの絆が夜を駆ける。
誰も消えなくて良い、優しく強い世界を目指して。
まぞくは今日も生きていく。
そんな感じの二期最終回! シャミ子の目が黒いうちは不幸の存在は許さねぇッ! なエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
前々から思ってたけど、シャミ子は体温高い時の大槻ケンヂ的な人格持ってるよね。
”小さな恋のメロディ”とか”タチムカウ”とか…圧殺されるもの特有のヒロイズム。
さておき、ミカンの不幸体質と根本対話して、みんな幸せになる道を必死で手繰り寄せていくエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
シャミ子の血筋と夏休みの努力、桃の知識杏里の家業、新しい仲間。
ここまでドタバタ走り回ったことが、有機的に繋がって奇跡のウガルル現臨に繋がるのが、スゲーまぞくッぽくて良かった。
シャミ子は主役でボスで、貧弱な魔力とフィジカルに悩まされながらも、色んな人に影響を与え、多魔のまちカドがどんな場所であるべきか、願いを譲らず駆け回る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
しかしその力は小さくて、一人ではけして望みはかなわない。
だからこそ人と魔の輪を拡げてって、皆で問題を解決する。
コレまでも作品の根っこにあったものが、ウガルル救出作戦ではグンと全面に出てきた感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
それはシャミ子自身が病と貧困の呪いから解き放たれ、桃色魔法少女にスパルタで鍛えられ、泥で汚れることも恐れず大事な人の闇を払って、色んなモノに抗った結果だ。
闘争の過去に渇ききっていた桃が、『この人の手なら取っても良いかな』と思える相手と出会って、自分が守りたいまちカドを見つけたからこそ、頼れる魔法司令として作戦を成功させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
色々シャレにならない重たさで、人生は試練を押し付けてくるけども、それは何とか跳ね除けられる…
ように、皆が手を繋いで足掻いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
この汗臭い抵抗が、ドタバタうるせぇ日常に下支えされ、そこで生まれた絆が靭やかに人を繋いでいる様子も、今回色濃く見えた。
別にシャミ子はいざという時役に立つために、毎日楽しく仲良く暮らしてるわけじゃない。
ただ、それが好きだからそう活きている。
しかしシャミ子を中心に広がった笑いと日常は、本来消えるべきじゃない存在が理不尽に揺らいだ時、それをはねのける力を連れてきてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
そういう強いパワーは、多分特別な魔法ではなく、ここまで描かれてきた当たり前で愛しい日々の中にこそ宿る…と信じる作品なんだと思う。
僕は、そこが好きだ。
思い返すと6話ごとに、メインキャラクターの背負った軛を愛と絆で引きちぎり、呪いに苛まれる少女たちの人生がちょっと良くなる物語が展開している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
おそらく単行本一巻ごとのフィナーレに、そういう大勝負が用意されてて、試練を乗り越えた少女たちは少しずつ強く、優しく、幸せになっていく。
人生の一大事を乗り切るクライマックスも好きだけど、僕はその後に拡がる”ちょっとだけ変化した
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
当たり前”を見るのが嬉しくて。
二期はそういうモノが、凄く元気に踊ってくれてたと思う。
シャミ子と桃が一期で出会って戦って、手に入れたものが、どんな笑顔と力をくれるのか。
それが書かれてた
だから…本編感想に入る前にフライング気味なんだけども、僕は今回ミカンとウガルルが互いの呪いを解きあった後、どんな風に幸せになっていくかをアニメでも見たい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
このねー…人生のイベントをそのピークで終わらず、むしろその余波をどう活かし己と世界を変えていくかつうのが、ほんと面白い。
このお話が人間を切り取る筆は、笑いに宿る高いテンションを壊すことなく、繊細で微細だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
身に刻まれた呪いとか、知ってしまった真実とかに向き合い、決断したことが生きてる人間にどう響いて、何を変えるのか。
その変化が触れ合う相手にどう伝わって、新たな変化を伝播させていくか。
まごころと勇気がリレーされていく様子、それが特別ではない当たり前の日々に滲んでいく情景を、凄く丁寧に見せてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
二期、桃とシャミ子をキャンバスにイキイキと踊った善き波紋が、呪いから解き放たれたミカンとウガルルにも、必ず待ってるでしょう?
俺は、アニメでそれを見たいのね、凄く。
一見キラキラかわいい女の子が気楽に日常コメディしているようで、多魔には辛いことが結構多くて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
それでも前を向き手を取り合って、自分と友達を大事に生きていったら、運命だって変えられる。
悲しいことは覆せる。
優しくなろうと頑張って優しく在る世界を、きれいな嘘っぱちを創ることに本気な話
だから今回示されたクライマックスと同じくらい、ここで頑張ったからこそ生まれた小さな幸せと沢山のドタバタが大事に思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
これは一期での奮戦を経て、桃とシャミ子がどんだけ幸せになったか、どっぷり確認できた二期だからこその目線かもしれない。
ちょっとずつだけど、色んなものを変えていける
そういう希望と信念が生み出すものが、奇妙で賑やかで楽しい日々にこそ埋まっているから、この作品は優れた”日常系”なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
異能渦巻くファンタジーと、和やかな日常コメディが切れずに繋がっていて、両方が大事にされてる感じが好きなんだろうな。
魔族にしても魔法少女にしても、”魔”に携わる特別な存在であることって、半ば呪いじゃないですか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
卓越した身体能力は、学友と一緒の世界で生きることを許してくれないし、絡み合った因縁は沢山の不幸を連れてくるし、戦いは大事な人を奪って心に傷もつける。
でも、そういう存在であることは消えない
普通ではない”魔”たる自分を抱きしめつつ、”魔”だからこそ出来ることを探して頑張って、シャミ子達はこの最終話まで走ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
歪に曲がった自分のあり方を、恨むことなく前に進めるように、スクラム組んで日常を切り開いてきた。
それはやっぱ、偉いことだと思うわけよ。
異質性を排斥の理由にしない、ヘンテコでのんびりした多魔は、何処にも存在し得ないユートピアではあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
でも魔法は使えずとも個別の歪さを抱えた”魔”は、モニターの外側にも沢山いる。
そういう人たちが楽しく生きれる世界を作り、守っていくために必要な事を、このお話は真っ直ぐ見据えて来た。
特別と日常がキレずに繋がっているのは作中だけではなくて、美少女が乱舞し魔法が飛び交うファンタジーで描かれていること、キャラクターが必死こいてしがみつく生き様は、凄く普遍的に大事なことを語って、こっちの面白くもね~世界と繋がってると思えたわけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
そういうんって、やっぱ大事じゃないですか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
そういう架け橋を生み出しうるのは、やっぱクライマックスの後に響き、小さな変化が繋がっていく世界に、血が通って面白く描かれているからで。
だからこの決戦の後の三期が、俺は凄く見たいのよね。
つうわけで最初に総論書いちゃったけども、今回は監督コンテでの総力戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
画面の切り替えテンポが早く、情報量が多くて、とにかくやかましくて面白い。
ワイワイするシーンで、本当に画面に”ワイワイ”描いてあるの、”猫神やおよろず”以来だなぁ…。
(画像は"まちカドまぞく 2丁目"第121話から引用) pic.twitter.com/lIE6WcUQq7
この過剰なてんこ盛り感が通奏低音になって、各話担当スタッフごとの”味”が表に立った、バラエティ豊かな作風が成立している気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
僕はツルンと統一感ある整形された作りより、作者の個性が濃い目に出た凸凹感の方が好みなのだな、やっぱ。
まぞくアニメは、そこんトコ大変良かった。
今回は説得担当のシャミ子が混沌をまとめ上げる”力”を使い、力担当の桃がシャミ子の代わりに”言葉”を使う展開となる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
ここでのポジションチェンジは、お互いの強みを自分に引き寄せて変わってきた証明に見えて良かった。
それにしたって、また腹か…
(画像は"まちカドまぞく 2丁目"第12話から引用) pic.twitter.com/i48y0VLB4s
シャミ子の思いの外ネトついた性欲はさておき、夏休みの間強くなろうと足掻いていたこと(+賢い妹のヒント)が、夢の中なら無敵たりうるシャミ子の資質を、力強く開花させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
形にならない呪いのままでは、対話もままならず、ミカンを傷つけない解決も難しい状況。
シャミ子の生み出した力は、ずっと続いてきた状況を動かし、100点満点の解決への道を開いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
そういう幸せへの道が、自分を信じるイマジネーションを力に変えて開かれていくの、俺は凄く好き。良き幻想文学の味がある。
シャミ子がどんだけインチキできるかは、どんだけ自分を信じるかによるのだ
しかしその代償は大きく、シャミ子は魔力切れでダウンする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
相変わらず相手をどう壊すかしか見れない桃であるが、シャミ子代理として…そして不幸な決着を認めたくない千代田桃自身として、言葉を使ったコミュニケーションに挑むことになる。
ここも、とても良かった。
問答無用で相手を壊して、シンプルに状況解決。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
そうやって生きてきた(生きざるを得なかった)スパルタン少女は、他人の苦しさを思いやれる優しいまぞくと出会って救われた。
ここで桃が刀より言葉を選び、もつれる舌でウガルルに状況と思いを伝えようと頑張るのは、シャミ子に人生曲げられたからだ。
その似合わねー奮戦が、強いだけで終わらず優しくなろうとしてる桃の現状をよく語っていて、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
桃は優しくなり方がわからない、優しくあってはいけない子だったと思うので、こうしてずっと憧れてた夢に、不格好に近づいて成果を出している姿は眩しい。
バグった魔術的プログラムであるウガルルは、混沌の外側にある世界で何が起きていたか、自分がどう間違えていたかを知って消えようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
そこで即座に『そんな結末…認めねぇ!』と吠えるところが、吉田優子のヒロイズムである。
ここで叫べる強さと優しさが、桃の生き方を変えてきたのだ。
消えようとするウガルルを繋ぎ止めるのは、不幸の当事者でありずっと一緒にいたミカンの、気高い言葉と熱い抱擁である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
ここで今までの遺恨を全部水に流して、人と使い魔のあるべき未来に最短距離で突っ走れる高貴さ、ミカンは凄いなぁ…と思う。
あとこの抱擁は杏里ちゃんが頭ゆ~らゆらさせて半覚醒を保ってくれたから成り立っているわけで、夢に入らない彼女がキャスティングボードを握り込む構図になってるのも、凄く好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
命が一つ消えるか消えないかの土壇場、鍵になるのは特別な力ではない
(画像は"まちカドまぞく 2丁目"第12話から引用) pic.twitter.com/7U0ZfebJFR
日常の中紡いだ縁があって、それぞれの得意なことを繋ぎ合わせて、ウガルルは自分が本当は何をするべきだったか、何をしたいかを確かめるチャンスを掴んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
無駄に走り回ったように思える夏休み、思い出作りに持ち帰った土が、奇跡を引き寄せる決定打にもなる。
ここまでの物語が一つにまとまり、大きなことが成し遂げられるこの感触は、シンプルにすげー良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
最後の決め手が桃とシャミ子の共同作業なのも、まーそのなんだ、フォーエバーなんだ!
かくして、己を責めて消えようとしたウガルルは、何もわからない混沌ではなく一個人として、主と向き合う。
そういう存在として生み出してしまった過ちを認めて、無知と混乱を超えてより善い明日を掴み取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
この問題の当事者であるミカンが、メッチャ前向きな姿勢で挑んでいるのも、清涼感があって良い。さすが柑橘系魔法少女。
実際ミカン、人格が太いよね。
かくして多魔のミストレスとして、新たな可能性を拓いたシャミ子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
その隣で、桃は憎まれ口を叩きつつも嬉しそうに微笑む。
最善に向かって猪突猛進、誰かが悲しいのはなんかイヤ!
そんな真っ直ぐまぞくに、自分も救われてここにいる。
(画像は"まちカドまぞく 2丁目"第12話から引用) pic.twitter.com/fcf2qCNCYC
シャミ子の進む道も、それに惹かれ救われる自分達も、けして間違いではないと徹夜明けの眩しい光を見つめて思えたから、桃は笑ったのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
シャミ子は無力だった時間が長いのと、その影響が今も続いているので、自分を過小評価しがち(なのに、よく調子に乗る)だけど。
そのデカい器が成し遂げるものの意味は、当人より彼女に助けられた周りの人ほどよく解ってて、だからウガルル救出作戦にたくさん集まったんじゃねーかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
桃は魂と人生全部を一番最初に救われてしまったので、そらー全幅の信頼も置くし私生活もズブズブよ。米も炊かせる。
第6話で『掌の中のまちカドを護る』つうヴィジョンが立った桃は、今回すごく迷いがなかったように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
その躊躇わなさが、時間が逼迫する中何事か成し遂げうる果断に繋がって、ウガルルも助かりみんなの願いも叶った。
なにかに挑み乗り越えると、自分が変わって世界も動く。
そんな作品のルールが、良く見える桃余裕の微笑みであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
やっぱこういう、挑戦と成長の連鎖が途切れることなく繋がってる所が、柔らかなきらら食感に硬い芯を徹してて、いいお話だなと思う。
繰り返しに見えて、一歩ずつ着実に人格が、高みに登ってんだよなー。
んでその螺旋の歩みって、一人では進めないし進む必要もないもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
誰かが立ち止まるなら隣りにいるやつが手を引くし、膝を曲げたなら肩を貸す。
そうじゃないと進めないくらい世界は理不尽で、でもそうすれば進めるくらいには、希望に溢れてる。
そういう認識が根底にあるお話を、優しいまぞくとその仲間たちが小さな歩調で、楽しく進んでいく物語でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
凄く良かったです。
一期で作品の魅力となった部分はけして損なわず、”そのまんま”で生み出された二期には、一期あればこその変化と成長、新たな出会いと笑いがたくさんあった。
トンチキのんびり不思議な街を舞台に、生活圏が近くなったシャミ子達の日常をたっぷり見せてくれたのも良かったし、その柔らかく暖かな質感の奥に、結構シビアな視線が宿っていることも良く分かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
そんな重たさを健気に笑い飛ばしながら、青春は続く。
その行き着く先をぜひ、アニメでも見たいところですが、今はお疲れ様とありがとうを。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月1日
とっても楽しかったです。
みんな可愛かったし、面白かったです。
最後になりますが、原作者伊藤いづも先生のご平癒ご健勝を祈って、感想を終えたいと思います。
ありがとうございました!