時光代理人 -LINK CLICK- 第11話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
エマの事件に一人で潜り、宿命の重さに慄くトキ。
それでもシャンシャンの事件を解決できるのは俺たちだけと、ヒカルは覗き見た過去を伝え、覚悟を問う。
時を超え因果を書き換える異能は、背中合わせの黒と白。
仮面に秘された狂気に、二人は迫れるのか!?
そんな感じのスーパー異能サスペンス、ザ・クライマックス前編である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
いやー…超面白いなッ!(三ヶ月遅れの大興奮マン)
今までBMP遅めの人情劇として取り回してきたお話が、異能をフル活用して凶悪犯を追い詰めていくアクション巨編として、新たな顔を見せてきた。
しかし客観と主観、過去と現在を飛び越えていくトリックは、既に示された主役たちの能力の範疇であり、こういう使い方は十分想定…あるいは期待できていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
過去を走るトキと現在で待ち構えるヒカルが、息を合わせての大逆転劇が見たかったと言われれば…メチャクチャ見たかったわけで。
仮面の殺人犯を追い込んでいく立ち回りは、既に起こってしまった事件の奥にある人情を発掘し、受け身で人間の大事なものを拾い集めていくこれまでの物語が、質的な変化を果たした結果でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
残り二話というこのタイミングで、時光代理人は”仕事”を引き受け追いかける立場から…
”事件”の当事者として、異能をフル活用して悪に対峙する主体へと脱皮を果たす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
ここに至るために、終盤それぞれの譲れぬ価値観とか、プライベートに近い依頼とかが”仕事”に混ぜ込まれ、遠い傍観者から近い当事者へと足場を変えていったのだろう。
やっぱなー…構成と見せ方、タイミングが巧すぎる…。
それは過去に響く呪いでしかなかった異能を、未来を書き換える可能性へと変えていく物語でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
今回のエピソードを分水嶺に、トキとヒカルの物語の画角はかなり変わったが、残り一話、さらなるターンオーバーが待ち構えている。
こんだけ気持ちよくコーナーを曲がった後で、さらなる加速と宙返り。
その前フリとして、このメッチャアガる展開を持ってきたのが、不安と期待を大きく掻き立てる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
残り一話でこの勝ち確ムード…2ndシーズンが待ち構えていると知ってる三ヶ月遅れの身とすると、素直にお話の潮目に乗っかるワケにもいかないんだよなぁ…。
絶対なんかあるだろ! 続きは明日見るぞッ!!
さてお話は、エマにまつわる不可能犯罪の謎を一旦棚に上げて、シャンシャン失踪事件へと切り込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
時光代理人最初の事件を、第1クール最後の事件とする円環(あるいは螺旋)の構造を完成させるためには、ラス一個前のこの話数でこっちを形づける…て構成か。面白ッ!
前回黒と白の主人公たちは陰陽を和合させず、それぞれ孤立して動いて、良い結果を掴めなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
ヒカルはシャンシャンの過去を俯瞰で見下ろし、最悪の結果を想起させる、仮面の殺人犯との対峙を観察する。
それは”観察”でしかないので、カメラ≒シャンシャンの意識が途絶えれば先は見えない。
唯一変えうる今に繋がる直近の事件、二人の知人が被害者だからこその”近さ”が、全てが手遅れだったこれまでの事件では顕れなかった、ヒカルの限界点を顕にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
それは俯瞰の全知者という冷たい立場から、ヒカルを人間の領域…トキの立ち位置まで引きずり下ろす行為でもある。
『ヒカルにも分からないことがある』と示されることで、クールで遠くて無力に思えた観察者は、現実の時間軸で強敵を待ち構える、事件の当事者になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
そこには約束の瞬間を待ち受けるヒリついた汗があり、相棒の覚悟を待つ温もりがある。
トキと同じく、ヒカルも感情と決意を持つ、只の人間だ。
それが暴かれることでヒカルは全知者の特権を失うわけだが、この”弱さ”が苦境を突破し、宿命を越えていく助けとなるのか、それともさらなる危機を生み出して二期に続くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
全く読めない所が、大変良いヒキである。
この話、特別な異能を用いて普遍的な価値を追う物語なので、人間味は基本良いこと…
のはずなんだけども、トキの書き方をみると、他人に強く共感してしまうヒューマニティこそが、苦しみの源泉ともなってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
そういう場所から距離を置いて、クレバーに”正解”を伝え続けれるのがヒカルの強さであり、役割でもあったが、今回現実時間軸で戦う中、ヒカルもまた感情ある主体になっていく。
これを補強するように、(前回とは違い、ヒカルとのリンクをしっかり構築した上で)潜ったシャンシャンの主観は、リンの口からトキの過去を引き出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
シャンシャンの外見と立場を借りているからこそ、”自分”であっては聞き出せない優しさと思い出を、確認して決戦に挑む形だ。
去っていった父母、たった一人の友達。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
そしてもう一人、運命の相棒。
これまで意図的に伏せられてきた主人公の過去…もう一つの人間的要素と、そこにまつわるリンとの関係と感情が深く彫り込まれることで、重い定めを背負いつつトキがなぜ潜るのか、潜れるのかが活写されていく。
捨てられた孤独を抱え、パスを出す相手をいつも探していたトキの想いを、受け止めた唯一の相手。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
その繋がりを優しく見守る、腐れ縁の幼馴染。
人との絆がトキを現在に繋ぎ止め、彼の未来を創っていく。
その強さと優しさを、知ってくれてる人がいる。
そんな魂の楔の在り処を描いたからこそ、仮面の殺人犯を”ゲーム”に誘い込み、一杯食わせる展開がスッとハマる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
やっぱ色んな角度から『これはイケるだろ!』という予兆を作った上で活劇を叩き込むの、マジ大事だな…無意識的に受け身を取らせた上で、きっちり狙った所にハメる手腕。
第1話では『離れていて、でも繋がっている場所』として描かれていた写真の中の過去と、外の現実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
今回は『繋がっていて、離れているからこそ可能な奇策』が展開され、シャンシャン=トキが一日前に仕込んだ罠と、それを因果と時間を飛び越えて知りうるヒカルがコンビだからこその戦い方が炸裂する。
今までの情報から”ゲーム”に乗る殺人犯の人柄を推測し、キレイにハメてく過去描写と、今まで通り過去のナビゲートをしてると見せかけて、実は現実での突破口を探っているヒカルの焦燥が、重なり合った時溢れる脳汁。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
傍観から突破へと、物語のルールが書き換わる瞬間の快楽。
シャンシャンとしては”ゲームスタート”と一日前告げた言葉が、鍵のかかった部屋に突如現れる能力応用によって”ゲームオーバー”へと繋がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
このハメ手は時間を越えた情報共有、全てを預け信頼できる相棒がいてこその勝ち筋で、とても”時光代理人”らしい。
ヒカルが俯瞰で見た仮面の襲撃と、トキが主観で挑む戦いが同じ場面ながら、全く宿っているものが違うのも、シャープな見せ方だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
一回目はソリッドなホラーテイストを強めに出して、得体の知れない凶悪犯が死角に潜んでいる怖さ、不意打ちの恐怖を全面に出して、印象を突き刺す。
その上で迷いと覚悟、過去とリンという他者の対話を経て勝利への道筋を探り当てた二回目になると、シャンシャン=トキの瞳にはヒロイックな光が宿る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
襲撃者がいつ、何処から襲い来るかは、異能を用いて分かっている。
その後の計画も、相棒との綿密な連携で確保済みだ。
あとは、その仮面を引っ剥がして真実を確かめるだけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
影に潜み、正体がわからないからこその敵のアドバンテージは、今まで呪いの鎖だった異能を武器に無化され、人命を弄ぶ”ゲーム”は出口なしの真剣勝負へと書き換わっていく。
様々なものが逆転していく、反転のカタルシス。
そこに情に流され恐怖に涙するのではなく、冷静に状況を見据えて策を提案するトキのあり方を、足してもいいだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
今までヒカルの仕事だった俯瞰でのクールな作戦立案をトキがやるのは、トキ的な人間味と当事者性にヒカルが飛び込んでいく流れと、綺麗にシンクロしている。
陰陽文は☯と描き、黒の中の白、相手の領域に食い込む光と影を、見事にシンボライズしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
孤立した白と黒として動いた所で、相棒を護ることも自分を貫くこともできないのだと前回書いた上で、今回はお互いの特徴を己に引き受け、だからこそ逆転の目が見えてくる。
今回のエピソードは静的/受動的だった能力を動的/積極的に活用して活路を開く話としても、感情/理性、主観/客観と色分けされていたコンビが互いの領分に踏み込み、混ざり合って挑む戦いとしても、非常に切れ味が鋭い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
相手を己に引き受け、”らしくない”事をすればこそ、見えてくる輝き。
それがこの大逆転の後に続く物語に、どう生きるか…あるいは影を伸ばすか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
さーっぱり読めなくて、大変楽しみである。
とにかく視聴者を掌の上で転がすのが巧い作品なので、このイケる感はゼッテー罠な感じすんだよなー…でも、辛いこと多すぎたから乗っかりたくもなる。
残り一話、絶妙だ。
二人で一つの運命共同体としての形を取り戻し、今まで通りのスタイルを越えた新しい可能性を見せた上で後一話残ってるのも、滅茶苦茶巧いですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
今回見せた時間と因果を超えていく力強さって、僕らが好きな”時光代理人”の正統発展形だから、スゲー信じたくなるんですよ。
同時にそこに強く体重をのっけた所で地雷をボガーン、足ふっとばして2ndシーズンだッ! っていう話運びをすると、ぶっ飛ばされた足を抱えて続報を待つ以外、見てる側に許されなくなる超絶妙手なんですよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
こんだけ巧い作者が、そういう手を打ってこないわけがないという、闇の信頼感がある。
ここら辺の期待と予防は、『2ndシーズンがある』という事実を、三ヶ月遅れの視聴絵であるがゆえに僕が知り得て、そっから敷衍してメタ読みしてる形で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
これが今回、トキとヒカルが成し遂げた超常情報戦と重なる部分があって、勝手に共感と興奮を覚えてたりもするが。
さてどうなるか…残り一話、まーったく読みきれなくて最高。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
この伸るか反るか感はサスペンスの醍醐味でもあって、『先読めなくてハラハラするけど見ちゃう~』っていう最高の状態でラストに挑めるの、やっぱ良くできた作品だよ。
ドラマの基本にして王道を、滅茶苦茶高いクオリティで全力疾走しとる。
こんだけ良い角度と速度でお話が飛翔してると、どんな魔球だろうがすっぽり収まる所に収まっちゃうわけで、そういう足場がための確かさも、先読み効かない気持ちよさに繋がってるわな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
『今の時光代理人には、何を要求しても良い!』
って感じだ(何でもかんでもSLAM DUNKおじさん)
というわけで、どんな転がり方をしても体で受け止める姿勢を作りつつ、最終話を楽しく待つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月2日
やっぱこのタイミングで、過去を見つめるだけで終わらない新たな”時光代理人”の可能性を見せて、大きな変奏で話かき回してくるの、見事の一言だよな…。
次回も大変楽しみです。