シャインポストを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
試練を乗り越え、結果を出しつつあるTiNgS。
中野サンプラザ満員に向け、更なる高みを目指すべく、理王は地方テレビのロケへ赴く。
金ピカの強がりの奥にある、低い自己評価と責任感。
弱さを表に出せないライオンは、果たして己を吠えられるのか!?
そんな感じの理王エピ開始! 可愛い子こそ泣くまで追い込む!! という、シャインポスト第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
『わかり易く人気出そうなラノベヒロインにした』と、設計段階で言及されているだけあって、めっちゃツンデレ道のど真ん中、健気で応援したくなる屈折娘の素顔が良く見える回だった。
冒頭優希社長が投げかける甘い嘘を、直輝が見抜いてふんどし締め直すやり取りがまず面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
メガネクイクイ言わせつつ攻略ルートを探る直輝、女の子の保護者的立ち位置なのもあって揺るがぬ強キャラなわけだが、彼だけ無双してると味が単調になる。
上司が同等以上に強いと、場が締まるわな。
杏夏がトラウマを乗り越え己を出せるようになった結果、TiNgSには安定感が加わり、定期ライブは満員になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
しかしそこは通過点でしかなく、どう評判を専用シアターの外に広げ、見つかり話題となり愛されていくか、人間の売り方を考えていくタイミングにある。
社長はTiNgSに期待をかけつつ、シビアな経済の視点も持ってて、だからこそ中野満員でリミットをかけた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
化ける可能性があっても、それが形にならず稼げない商材を飼っておくつもりも余裕も、経営者にはないわけだ。
同時に、金さえ稼げばそれでいい…という扱いでもない。
専属マネジ(プロデューサー兼務)として、ここからTiNgSが化けるかどうかは直輝にかかっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
彼はアイドルに必要な”ほつれ”…対応力があり、安定している以上の、作り込んだ上でのよくせぬアクシデント感を、現状突破の起爆剤として求めている。
それは、頭で考えて作れるものでもない。
全てがバラバラになるほど裂けるのではなく、形を保った上で不規則に、予想外に”ほつれる”感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
常時こちらの想定を超えて、楽しく夢を見させてくれる期待感、観客に心地よく届くサプライズこそが、商材を羽化させていく。
整えられた筋書きに、思わぬアドリブが交じることで物語は盛り上がるのだ。
それを担当するのが理王…ってことなんだろうけど、今回描かれる現状はまーボロカスである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
紅葉ちゃんがずいぶん気にかけフォローしてくれているので、ギリッギリ破綻せずすんでいるけど、負けを認められないくらいに芯が脆いので、強く化けていく兆しがつかめない。
それでも一部ファンに『がんばってね!』と言われているのは、”ほつれ”を売りにするのに必要な可愛げが、出来ない状況をうまく覆えるからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
これも狙って生み出せるわけではなく、理王に宿った天然の牙だが、現状突き刺し方が解っていない。
自分が見えないから、強みを活かせないのは杏夏と同じか。
理王編プロローグであると同時に、杏夏編エピローグでもある今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
前回汗と涙を絞って頑張った結果、どんな成果を生み出したか、どんな変化が生まれたかを、結構しっかり描いていたのは好感だ。
雪音への感謝を素直に言葉にし、変なジョークで逃げなくなってるの、最高に良い。
顧客獲得率が大きい一日店長に、名指しの指名が入ったのも、あのライブで見せた輝きが生んだ結果だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
こういうサクセスの手触りを、結構時間を使って見せてくれるのは、ド地下からの芸能界成り上がり物語でもあるこのお話で、結構大事だと思う。ギラギラで往こう!
んで、仲間が生んだ良い流れを、裏切れないと自分を追い込んでく理王。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
ここまでの四話で既に描かれているけど、彼女のツンな態度はあくまで鎧であり、中身は優しく柔らかい。
柔らかすぎて簡単に壊れるからこそ、ガチガチに固めて強がらないと死んでしまう。
ので、嘘の鎧がビカビカと外せない。
そういう気質を知っているから、紅葉も色々気にかけるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
正直相方より理王好きすぎて…大変いいね!
彼女のフォローがないと、外ロケの失敗でぶっ潰れていたと思うので、仲間の助けはありがたいね…。
ここに広がり作るために、あえてTiNgSは遠くに置いたか。
ここで事務所の稼ぎ頭、第3のユニット”FFF”から七海お姉さんが登場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
明るく楽しく後輩を受け止める包容力、直輝の過去を知ってる意味深な感じと、メインキャラとはちょっと違う魅力があって、なかなか面白いキャラだ。
教育係がいるの、ハロの系譜感じてちょっと面白いな…。
外ロケはストレスに弱いライオンを着実に削りつつ、撮れ高満載で転がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
ガチガチに緊張している理王は、計算している余裕がない。
それでも仕事に必要な撮れ高が生み出せるのは、狙わず”ほつれ”させる才覚が、彼女にあるからだ。
未来へ翔ぶためのヒントは、いつでも現在の中にある。
直輝が盤面に触るまで、メガネクイクイ言わせながら見てる時間が長いのは、そういう資質と人格を見据えた上で、必要な手を打つためである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
ビビりつつも農家さんにちゃんと挨拶に行く健気さ、身も世もないほど泣きじゃくる感情の強さ、ワガママの奥にある誠実さ。
そういうモノを、マネージャーは視る
直輝の異能は嘘を見抜くが、それはその奥にある輝く真実を、見間違えないためである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
ナスが苦手な七海は売れっ子アイドルに必要な、場を壊さない”嘘”をキレイに輝かせる。
理王は『素直な反応が強み』という言葉に縛られ、”ほつれ”を超えた本音を叩きつけて、食レポを壊してしまう。
ロケ全体が壊れたわけではなく、仕事自体は成功の範疇に収まっているのに、理王はワンワン泣きじゃくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
失敗それ自体ではなく、周囲に迷惑をかけたこと、そうさせてしまう情けない自分に泣いているところが、生来の人の良さを際立たせる。
《我儘》に見えて、かなり他人本位な生き方しとるのね…。
強い意思とエゴでもって、揺るがぬ自分を堂々主張する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
真実”我儘”ではないからこそ、理王は自身の天性に気づかず、周りを気にしているのかもしれない。
周辺視野の広さを気づかぬまま活用している春と、周りを見てしまう優しさが足かせになってる杏夏と理王…つう構図か。
チケット手売り(擬似的な接触イベント)は、現状の人気を残酷に可視化する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
これにキレ、《我儘》に飛び出したかに思える理王は、皆の目が届かない所でビラを配っていた。
仲間の目の前ではなく、隣駅で列を作らず、自分に出来る何かを求めてる様子が、魂の血滲んでてて良い。
あそこで『弱くても頑張る聖舞理王』を見せる/見られることに耐えれるほど、理王は強くない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
それでも自分が迷惑を生み出してる状況、見捨てず一緒にいてくれてる仲間はよく見えていて、なにかしなきゃ居たたまれなくて、目が届かない所に逃げた上で、泥臭くビラをまく。
『アタシはダメだけど』という自虐は、ファンの憧れを背負う”アイドル”としては致命的な毒で、『でも、春と杏夏はすごいから!』と嘘なく言えてしまう素直な優しさは、アイドルだろうとなかろうと、理王の武器だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
強味と弱味が渾然一体、どこに行けば良いのかわららぬままもがく、鎧で固めた獅子。
彼女をどこへ導くべきか、どっしり見つめて道を探すエピソードとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
期待通り理王、強がり言った後便所で泣きながら吐いてる系アイドルだったので、素晴らしいと思います。
今弱い自分を守るために着ている金ピカを、客の望む自分であるために使えるなら、それは強みになる。
顧客が望み、自分が願う”嘘”をステージの上、形にすることでアイドルは飛躍するからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
しかし理王は自分が見えていない(周囲が見えすぎている)ので、弱みをさらけ出し強みに変えることが、一人では出来ない。
その後押しをするのが直輝であり、紅葉であり、七海姉さんなのだろう。
紅葉が理王好きすぎてずーっと見てるから、本人より強みも弱みも進むべき道も判ってるの、好きな描画だったな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
内面に向かう目線ってどうしても腐りがちで、自己評価は常に歪むのだが、それを客観で正してくれる誰かの視線ってのは、凄まじく大事だ。
直輝の異能が”眼”にあるのも、納得の話運び。
『理王たんはワガママ演じて頑張るしか生きる道がなくって、でもいつでも誰かを思ってる優しい子で、その優しさをうまく使えていなんです! 愛してください!!』と、あざとく強く殴りつけてきたのは、キャラエピとしてとても正しいと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
フックを強く押し出すキャラの魅せ方、結構好きだな。
『あの自己評価の低さ、周囲に報いようとする呪縛の強さは、家庭環境か幼年期に爆弾抱えてんじゃねーかな』…と思ったりもするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
理王の汗と涙を間近に感じて、導くべき道が見えた直輝が、そこにどう踏み込んでいくのか。
次回も大変楽しみです。
追記 言動一致っつうか、アイドルやる上で資本になる身体と、それを駆動させる心が連動し、相互に作用しながら”アイドル”になっていく様子が切り取られているのは、虚像になりがちな”アニメの中のアイドル”てのに身体論を付随させる書き方で、この話らしい視力だなと思った。
シャインポスト追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
理王の弱さを表すのに、体幹が鍛えられてなくてブレる、アンバランスな状況で立てないと描かれ続けているのは、フィジカルとメンタルを繋げたいい表現だと思う。
人として軸がぶれているから、下手くそを認められず、自分を守るためではなく客を引き付けるために嘘を使えない。
彼女の体幹が仕上がって、ブレない踊りが踊れるようになった時、内面の弱さ…をさらけ出せない真の弱さも克服され、理王個人としてTiNgSという集団として、”アイドル”が羽化するつう構図。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月9日
この書き方を見ると、一切揺れない動かない、春の描画が徹底してるのは面白い。そこが弱さになるのかな…?